横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。


ついにあの美少女が登場です。




112話 アンジー・シリウス登場!!

カオスとマリアがとある依頼でUSNAの某研究所に赴いているころ。横島は街の中心街に繰り出し下手なナンパを行い、当然の如く悉く失敗に終わり意気消沈しながらホテルに引き返していたのだが、……迷子になっていた。

貸し与えられていた携帯端末はあるのだが、GPS機能の存在も知らず、ネット検索するのがやっとの状態だ。一応通話機能の使い方は教えて貰っていたが……マリアとカオスに繋がらない。機密性の高い研究所内に居るため、電波はカットされているのだろう。

 

既に、日が暮れあたりは暗闇に包まれる。

 

「うううっ、なぜこんな目に!ナンパは失敗するわ!電話は繋がらんわ!迷子になるわ!こんなんだったらホテルに大人しくしてればよかった!!……マリア~~助けに来て~~」

横島は街外れの大きな公園を彷徨い、大きな嘆き声をあげるがすべて闇に溶け込み誰にも届かない。

 

しばらく、彷徨っていると、暗がりに人が二人地面に倒れているのが見えた。

「なんだ行き倒れ?」

 

横島はその倒れている男女二人に近づき

「おーい大丈夫っすか~?…………」

そう言いながら、意識の確認を行い、テキパキと脈や呼吸を調べる。

 

「ひぇ!!……死んでる?………冗談だよな?………ち、近くに犯人はまだいる?……カオス~~マリア~~助けてーーーー!!」

ガクガクブルブルと震える横島

 

 

そこに

「何をしている!!」

若い女性の声が横島を怒鳴る。

 

横島が振り返ると……

口元以外、顔を覆う異様な仮面を装着し、そこから覗いている両目の瞳は金色、そして燃えるような赤い髪を獅子舞のごとく振り乱している異様な姿の女が横島を睨んでいたのだ。

 

「ギャー―ス!!ででででで出たな!!妖怪変化!!このゴーストスイーパー横島忠夫がただでやられると思うなよ」

横島はその異様な姿の女性に驚き、足を震わせながらも、そう口上を垂れたのだ。流石は場数を踏んでいるだけはある。

しかも横島はこの異様な姿の女を先ほどの倒れている人たちを殺した殺人者だと勘違いをしているようだ。

 

「な?日本語?……そこの人達を……あなたが巷でうわさされている吸血殺人鬼ね!!大人しく投降しなさい。さもなければ、痛い目にあってもらいます」

異様な姿の女だが、口調はかなり若いしゃべり方だ。どうやらこちらも、横島がこの死んだ人たちを殺した殺人鬼だと思っている様だ。

そんな誤解をしているもの同士だが、横島の方は女がしゃべる英語が理解できていないため意思の疎通も出来ようがない。

 

当然のごとく横島はいきなり猛然とダッシュをかまし逃げ出した………

「逃げるが勝ち!!昔の偉い人も言ってたしなーーーー」

 

「あ、待て!!」

異様な姿の女は突然の逃亡に出遅れるが、逃げる横島に魔法を放つ。

 

 

横島は不格好なジャンプをしてその魔法を避ける。

「待てと言われて待つ奴なんているかーーーー!!うわっ!!グへ~!!」

 

異様な姿の女はその間に魔法を放ちながら加速魔法で横島に追いすがるが、なかなか差が縮まらない。

「魔法を使っているように見えないのに、私が放った魔法をあんな訳が分からないよけ方で悉く避ける!なんて身体能力なの!しかも私の加速魔法でもまったく追いつかない。とても効率がいい走り方には見えないのに、なんであんなスピードが………なんなの!?」

女は横島の無様に避けるさまとズドドドドドドドと走る姿に困惑、狼狽する。

 

しばらくそんな追走劇を行っていたが、異様な姿の女はしびれを切らして大規模な爆破魔法を横島に放つ。

「この、ちょこまかと!!」

 

「ギィヤ―――!!」

横島は直撃を避けたがその爆風で吹っ飛び頭から地面に落ちた。

 

「ふう、手間かけさせて……やり過ぎたかしら、死んでないわよね。犯罪者と言え、一般人の様だし」

異様な姿の女は吹っ飛び頭が地面に突き刺さった横島に近づきながら、そんな心配を口にする。

 

「あ~、死ぬかと思った!!」

そう言って横島は頭を地面からズボっと抜き平然と立ち上がったのだ。

 

「な!?」

異様な姿の女はその元気そうな様子に面くらいながらも、攻撃態勢を再び取る。

 

「何するんじゃーーー!!死んだらどうするんだ!死んだら生きられないんだぞ!!」

横島は訳が分からない突っ込みをいれる。

 

「ご…ごめんなさい……って、殺人鬼のあなたに言われたくないわ、……きっと新手のBS魔法師ね!!ならば魔法を悪用した罪は重いわよ。死んでも文句言えないんだから」

そう言って異様な姿の女は横島に再び攻撃しようとしたのだが………

 

 

ズシャーーーン!!ズン!!

 

横島と異様な姿の女の間に空から女性が勢いよく振って来たのだ。

しかも、何故かその右手には目を回している紳士風の老人が無造作に掴まれていた。

「横島さん・いじめる人・許さない」

 

 

「ななな、なんなの?女の人が降って来た?」

 

 

「マ、マリア~~!!怖がったよーーー!!」

横島は、空からドクター・カオスと共に降って来たマリアに縋りつく。

 

「うぷっ……マリア何をするんじゃ!突然飛び出してどうしたのじゃ?危なく軍の狙撃対象になるとこだったぞ………、小僧なぜこんなところに……」

地面に放り出されたカオスは、よろよろと立ち上がりながらマリアに問い詰めるが、縋りつく横島に目が行く。

 

 

「横島さん・大丈夫・マリアが守る」

マリアは縋りつく横島にそう言いつつ、異様な姿の女に、ロケットアームを構える。

 

「な、なに?あなたも、その殺人鬼の仲間?ならば容赦はしないわ」

そう言って、異様な姿の女も、マリアに対し戦闘態勢をとる。

 

「横島さん・殺人鬼違う」

 

二人はにらみ合い対峙し、一触即発な事態となるが………

 

 

「待つんだ、総隊長!!」

そんな二人を止める声が入る。

 

そこには、ドクター・カオスの護衛役となっていた精鋭部隊スターズのベンジャミン・カノープス少佐が部下2名を引き連れ現れたのだ。

 

「ベン、止めないでください!!連続殺人の犯人とその仲間です」

 

「アンジ―・シリウス総隊長!!あなたは不用意に戦争を起こすつもりですか!!」

カノープス少佐はワザと、異様な姿の女の名前をフルネームで言い、叱咤する。

 

「………戦争!?」

 

「彼らはヨーロッパの魔王ドクター・カオスと魔女マリアです!!彼らを敵に回すつもりですか!!彼らを敵に回して勝つ算段があると言うのですか!!」

 

「……ド……ドクター……カオス…………魔女マリア!!」

アンジ―・シリウスと呼ばれた異様な姿の女はカノープス少佐からその名前を聞き、大いに狼狽し、血の気が引いて行くのが自分でも分かった。

ドクター・カオスとマリアを敵に回すリスクを十二分に理解している。彼らは歴史上の人物であり、数々の偉業や伝説が残っている。近年では70年前、ヨーロッパの国家一つをたった二人で壊滅に追い込んだのだ。そして、国にとってこの二人にケンカを売る事はマイナスにしかならない。この二人と敵対することになれば、戦争になると言っても過言ではない。その圧倒的な力もそうなのだが……彼らに勝ったとして、得るものはほぼ無いと言ってもよいだろう。彼らは世界各地にある拠点に逃げ、USNAを退去するだけであり、此方は戦争の代償として戦力を大幅に減らすことになる。よしんば研究所を抑えたところで、何らかの処置で資料など残すはずもない。

友好関係を結んでおけば、新兵器などの作成に協力してくれるだろう。さらに上手く行けば新たな魔法を生み出してくれる可能性もある。

敵対するなどもっての外なのだ。

 

 

「し……しかし……そこの若い男は……」

 

「アンジェリーナ・シリウス少佐!!……彼はドクターの助手です」

カノープス少佐は首を左右に振り、ワザと対外的な通名ではなく、部隊内で名乗っている本名で彼女を制する。カオス達の前でその名を出したのは彼らが敵ではないと認識させるためだ。

 

そして、カノープス少佐はカオスに深く頭を下げた。

「……ドクター・カオスご無礼をいたしました。申し訳ありません」

 

「……うむ。マリア、戦闘モードを解除してやれ……で、そこの者、なぜうちの小僧と対峙していた

見た所殺傷力の高い魔法を使おうとしていた様だが、理由によっては、今日の話は無しじゃ」

 

「それは……申し訳ございません。……総隊長、謝罪と経緯を……」

カノープス少佐は折角まとまった話が自分たちのせいで決裂しそうになり、気後れしそうになるが、改めてカオスに謝罪し、異様な姿の女、シリウス少佐にカオス達に謝罪とこうなった経緯を話すように促す。

 

「………すみませんでした。そのドクターの助手の方とは知らずに……」

シリウス少佐は謝罪し始めたのだが……

 

「謝罪か……ならば、パレード(仮装行列)を解いて素顔を見せるのが筋じゃろう」

 

「!!………重ね重ね、し、失礼しました」

シリウス少佐はパレードという魔法を見破られたことに驚きながらも、謝罪し、対抗魔法パレードを解く。

パレードという魔法、無系統魔法に属するが、あらゆる対抗魔法を組み合わせたものだ。見た目の最大の特徴は、姿が変わる事なのだ。この異様な仮面に赤く獅子舞のような髪型はパレードによるものだった。

 

 

「申し訳ございませんでした。アンジェリーナ・シリウスと申します。その……彼が、向こうで倒れている人に触れていたのを不審に捉えたために……」

パレードを解いたアンジェリーナ・シリウス少佐。そこには異様な仮面に獅子舞の髪型の異様な姿の女性は無く、金髪・碧眼・ツインテール、三種の神器が備わった絶世の美少女が現れたのだ!!

そう彼女が弱冠12才で統合参謀本部直属魔法師部隊スターズに正式採用され、現在16才にて総隊長を務めるUSNA最強の魔法師アンジェリーナ・シリウス少佐その人である。

軍の対外的な作戦行動中はパレードであのような姿になり、任務を遂行している。

因みに本名はアンジェリーナ・クドウ・シールズ、あの九島烈の弟の孫にあたり、九島家の秘術である対抗魔法:仮装行列(パレード)が使用できるのだ。

 

その絶世の美少女が、俯き加減になり涙ぐみながら再度謝罪していた!!‥‥していたのだが……途中で……

 

 

 

「僕!横島っ!!!超・絶ッ!!美人の君ーーーーー!!僕とお茶しませんかっ!!」

その涙ぐんでしおらしく謝罪しているアンジェリーナ・シリウス少佐の両手を取って、横島は当然の如くナンパしだしたのだ!!

 

「え?ええ?えええ?」

シリウス少佐は目の前に急に横島が現れ、日本語で何やら、興奮しながら何やら訴えかけてくることに混乱する。

 

カオスとカノープス少佐とその部下2名はその様子に唖然とするばかりだった。

 

しかし、

 

「横島さん・その行為は・禁止です」

マリアはそんな横島にロケットアームを飛ばし襟首をつかみ、引き戻したのだ。

 

「マリアーーー!!離してくれ!!美人が!絶世の美人が目の前に居るんだ!!」

 

ジタバタと暴れる横島をマリアは羽交い絞めにし、ギリギリと絞め出した。

 

「マ?マリア?く、苦しい…苦しいって……アレ?」

そして横島は完全に絞められ、ガクッと気を失う。

 

 

そんな一連の様子に、カオスは毒気を抜かれたの様に顔を和らげる

「まあ、良いじゃろう。……そこの嬢ちゃん話してくれるな」

 

「は、はい」

 

 

カノープス少佐は、カオスと敵対することが無くなり、ギスギスしていた空間が奇しくも横島の突発的なナンパにより和やかな雰囲気にななった事にホッとする。

 






後編は、ようやく本題に入っていけそうです。
取り合えずリーナと横島が出会いました。

出会い方は最悪ですが……
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