横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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誤字脱字報告ありがとうございます。


横島VS『普通の人々』始まっちゃいます。



115話 横島対テロリスト

魔法排斥をうたう狂信的なテロリスト集団『Ordinary People』(普通の人々)はこのテーマパークを掌握し、客や従業員などから、命と安全と引き換えに高額な金額を要求。魔法師に対しては人権無視に捕縛を行っていた。

 

要するに、魔法排斥という主義を掲げながら、魔法師を高額取引される商品として扱い、さらに一般人からも金を巻き上げる。今回のテロ行為も、資金集めと、商品(魔法師)の確保を目的としていたとんでもない連中だ。

 

 

そして、奇しくも、そんな事に巻き込まれとも知らずに遊びに来ていた横島とリーナは、とあるアトラクション内で、彼らに200人の客と共に囚われんとしていた。

 

「もうアカン!!みんな死ぬんやーーーー!!」

横島は涙をちょちょきらせながら半狂乱に陥っていた。

 

そんな中テロリスト共は客の中から魔法師がいることを知らせる。またはとらえたものを解放すると宣言したのだ。

 

「あそこの女、魔法師です。入口でCADを渡していたのを見ました。これで1万ドルで解放していただけるんですよね」

客の中から若い男が声を上げ、リーナを指さし、テロリストにそう訴えかけた。

テロリスト共は、魔法師を見つけたものには、解放料として要求した10万ドルを1万ドルに減額、さらには、とらえたものはタダにすると……

 

 

「……横島、落ち着いて、あなたは死なないわ。ジッとしていればいいだけ、貴方は一般人だしお金があるから解放されるはず……私なら大丈夫だから……」

リーナは横島にそう耳打ちしてから、客たちの中からテロリストの前に堂々と出る。

 

そして、キリッとした顔でテロリスト達に何か言いかけたのだが……

 

「あはっ、あのCAD……僕のなんです~。その子に代わりに渡してもらったんだ。あはは」

横島がリーナの前に出て、テロリスト達に半笑いをしながらそう主張した。

 

「横島!?なにを……」

 

横島は何かを言おうとしていたリーナに、後ろを振り向き、足を震わせながらもグッドのサインをおくる。

 

 

そして、警備員の格好をしているテロリストが横島に向かって

「なんだ貴様、その女をかばうのか?お前のような、いかにも普通っぽい顔の奴が魔法師であるわけが無かろう!!」

 

「そうだ!!そうだ!!」

それに呼応して、ほかのテロリストも賛同の声を上げる。

 

「普通で悪かったなーーーーー!!」

 

「いかにもモテそうもない、夜な夜な妄想でしか欲求を満たされない童貞面だ!!」

「三下の様な雰囲気な魔法師がいるか!!」

「お前のような明らかにギャグキャラ要員な奴が魔法師であるはずがない!!」

横島が抗議するも、テロリスト達は口々に横島が魔法師であることを、酷い理由(ある意味あっている)で、否定する声を上げる。

 

「お……お前らーーー!!童貞でなぜ悪い!!モテなくてなぜ悪い!!どうせ毎日こき使われ、どうせギャグしか取り柄がない三下だーーーー!!ちくしょーーーーー!!」

横島は涙をちょちょきらせながら、そんな雄たけびを上げる。

 

「…………ま、まあいい、そいつは少し痛めつけろ!!」

暴走大統領にそっくりなのテロリストの主犯格の男は横島の雄たけびに引きながらも、他のテロリスト達にそう命令する。

 

そして、鉄球を持った中年の主婦。釘バットを持ったアフロの大学生、デッキブラシを持ったウエイトレスの女性が一斉に横島に襲い掛かった。

「ななにを…お前ら、鉄球って何が普通の人々じゃ、普通の人はそんな物騒な武器なんてもってなーーーい!!いやーーーー!!お助けーーーー!!」

横島の雄たけびもむなしくボコボコにされていく横島。

 

「な、横島!!……あなたたち、彼は一般人よ、私が魔法師よ!すぐにやめさせなさい!!」

リーナは暴走大統領そっくりの主犯格の男に戦闘態勢を取り、横島に行っている暴力行為をやめさせるように訴える。

 

「フフフフフフ、魔法の使えない魔法師に何ができる。無駄な事を………うん?貴様は……フフフフフッ、これはこれは、アンジェリーナ・クドウ・シールズ。魔法師の名家のご令嬢ではないか……このリストによると、ほう、その年で軍に所属している様だな……」

暴走大統領そっくりな主犯格は、リーナの戦闘態勢構えを見て嘲るが……情報端末をリーナに向け、操作し、リーナの本名がばれたのだ。情報端末で顔を認識させ独自の魔法師リストとリンクし、検索できるようだ。しかし、リーナがスターズのしかも総隊長であることまでは、情報を持っていない様だ。

そして、残虐な顔になり笑いながら、テロリスト達に命令する。

「このご令嬢も徹底的に痛めつけてやれ!生きていれば手足が無くてもよい、死なない程度にな!フハハー見せしめだ!!まずはこの女を血祭りに上げろ!!フハハハハハ!!」

 

リーナは暴走大統領そっくりな主犯格が、話を進めている間、戦闘態勢を取りながら、ジリジリと移動し壁を背にしていた。

他の客が巻き添えを食わないようにするためだ。

 

そして、銃や大型ライフル、マシンガン等を構えたテロリストが、リーナを囲む。

そして銃を持った警備員の格好をしたテロリストが

「まずは俺からだ、魔法師に裁きの鉄槌を」

そう言いながら、銃をリーナに向け弾丸を放つ。

 

リーナは銃口の方向から、弾道を予測し避けようと動くが、近距離のため、急所を避けるのがやっとだろう。

 

しかし……

「リーナ!!」

テロリスト共にボコボコにされていたはずの横島がリーナの前に立ち、左手を前に突き出し、弾丸を防いだのだ。その左手の平には六角形の半透明の盾:サイキック・ソーサーが形成されていた。

 

「横島!?」

「なに!?」

その光景にリーナ、そしてテロリスト共も、驚愕な表情をし驚きを隠せないでいた。

 

先ほどまで、ボコボコにされ血だらけだった顔面はもとに戻り、いつの間にか囲いを突破し、リーナの目の前に現れたのだ。

 

「キャストジャミングが効かない?いや、出力を上げろ!!」

「かまわん、その男共々、血祭りにあげろ!!」

 

テロリスト共は今度は3人が、一発づつ、弾丸を横島とリーナにめがけ放つ、……しかし、横島のサイキック・ソーサーにすべて、遮られる。

 

 

「ええい、何をしている。一斉に撃て!!その男は死んでも構わん!!」

 

リーナを背にした横島に3人のテロリストは、銃、大型ライフル、マシンガンをそれぞれ連射し放つ。

 

 

「ぐわーー!!3人って卑怯だぞ――――!!」

涙をちょちょきらせながら、横島は右手に光り輝く霊気の剣、ハンズ・オブ・グローリーを発動させ弾丸を切りつつ、左手のサイキック・ソーサーで弾丸を悉く阻んだ!!

 

「………横島!!」

むちゃくちゃな体裁きだが、動きは素早く、弾丸を防いでいく横島に目を丸くし驚くリーナ。

 

さすがの横島も、この弾丸の嵐には、そう長く持ちそうもない。

「あ…アカン!!…………あっ、美人のねーちゃんがあんなところで生着替えを!!」

そう言って、明後日の方向を顎で指ししめす。

この状況で、着替えをする美人は居るはずもない……

 

しかし、銃器を構えるテロリスト3人は、横島が示した方向を一瞬チラ見する。

……このテロリスト共、どこか抜けている。

 

その隙に、横島は次の一手打つ。

「今だ!!サイキック猫だまし!!」

三人がこちらに向き直った瞬間、目の前で眩い光がスパークし、目がくらむ。

 

目をやられたテロリスト達をよそに横島はリーナの手を引っ張って、客が集まっているホールの真中に移動し気合を入れる。

「久々!!……防御のイメージ!!」

ストックしていた文珠を地面に叩きつける。文珠には防の文字が浮かび上がっていた。

すると、客全員を囲む大きさの半透明のバリアが展開されたのだ。

 

そんな横島の行動に気が付いたテロリストたちは、すぐに追撃を加えてくるが、すべて文珠のバリアが防いでいた。さらに、全員での攻撃で攻勢を強めるが、結果は同じであった。

 

何故だか、文珠を発動させた際も、横島は謎の頭痛と吐き気に苛まれる。そして、何時ものあのとてつもなく辛いイメージの映像が頭に流れてくるのだ。

「くはっ、オエー、グぅ」

 

横島の予想外の活躍に戸惑っていたリーナだが、苦しみだし、蹲る横島にしゃがみ込み背中をさする。

「よ……横島!しっかりして!!どこか怪我を、弾丸が当たったの!?」

 

横島は悶絶しながらも、心配そうに横島の顔を覗くリーナを見やり

「……煩悩全開」

ボソっとつぶやく、横島苦しみを緩和するためにこの状況下で煩悩パワーを作り出した。

対象はしゃがむリーナのスカートの中から見えるパンツとフトモモだった!!

 

「ふぅ~、ありがとう、リーナ」

痛みと吐き気が収まった横島は座り込みながら、一息ついてリーナにお礼を言う。

リーナは何のお礼なのかはわからないだろう……知らない方が本人のためである。

 

「よかった……横島……私何もできなかった。横島の護衛なのに、逆に助けられた。ごめんなさい。魔法がないと私、何もできないのね……」

そんな横島の様子にリーナは安心するが、俯き謝りだした。

 

「いいって、いいって」

 

「それにしても、横島も魔法師だったのね。しかも、キャストジャミングを発動させても、暴走するエイドスを抑えるだけの技量と精神力を持っている……それに、この物理障壁……すごいわ」

リーナは顔を上げ話題を横島の先ほどまでの活躍移し、賞賛を送る。

 

「あはっあははっ、いやーー魔法師じゃないんだけどなーーー、あと、このバリアも長くはもたない、こんだけ攻撃喰らってれば耐久力が追い付かないな……あいつらどんだけ武器持ってんだ?普通じゃないな……でも、もうそろそろだ。あいつらもお終いだ!!」

横島は屈託のない笑顔をリーナに向けるのだが、今は大丈夫だが、このバリアがなくなればピンチな状態に逆戻りである。それにもかかわらず、すでに助かったようなものの言い方をする。

お互い床に座り込み向かい合って、かなり顔が近い位置にあるが、今の横島は気にはなっていないが、リーナはそんな横島の笑顔に意識しだし、顔が赤らんでいた。

 




次回もこの続きです。

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