誤字脱字報告ありがとうございます。
今回でギャグパートは一旦終了です。
文珠……
横島を最強たらしめていた必殺の術、100年以上前の魔神アシュタロスとの戦いで唯一対抗出来た術と言っていいだろう。霊力をビー玉サイズに凝縮したもので、特定のイメージを漢字一文字で表現し封入させることで、様々な事象を再現できる術である。
今回は防御をイメージし漢字一文字『防』を文珠に封入し、防御結界を発動させている。
『力の方向を完全にコントロールする能力』と言われているこの術、まさに、文珠さえあれば、どんな技や事象も漢字一文字で表現できるものならば再現できてしまうのだ。
文珠で発動する事象は生成時の霊力の凝縮具合でも変わる。横島の霊力の上下により、同じ『防』の防御結界でも、耐久力が比例して変わる。
さらに、応用範囲も広く、文珠を複数コントロールし使用することで、強力な事象も再現できる。
横浜に瞬間移動などをしたいものならば、転・移・横・浜と文珠4つ使用で可能だろう。
但し、複数を同時にコントロールするには超人的な精神力が必要とされ、17才の横島は2文字が限界であった。
何でもできるようでも弱点もある。一個生成するのに莫大な霊力が必要とされるため、多量生産できないのだ。それ以外もあるが大まかにはこのような感じである。
テロリストに襲われた200人の客と横島とリーナは、横島が文珠で生成した防御結界の中に身を隠していた。
リーナは横島の顔を覗き込むような座り方をし、お互いの顔が息がかかる位の距離にリーナは妙に横島を意識してしまい顔を赤らめる。
その間、テロリスト集団『Ordinary People』(普通の人々)はその防御結界に一斉攻撃を行っていた。あるものは、鉄球、あるものはマシンガン、あるものはチェーン・ソウと武器もバラバラであるが、何らかのカスタマイズされているのか威力が高い。
そんな猛攻に文珠の防御結界が限界に近づきひびが入りだす。
「もう少しだ!!攻撃の手を緩めるな!!魔法師に裁きの鉄槌を!!」
その掛け声で更に、攻撃の威力がます。
横島はリーナの肩に手を掛け、立ち上がり、相手の暴走大統領そっくりな主犯格の男に向かって崩壊寸前の防御結界中からこんな事を言い出した。
「おーい!!そろそろ逃げた方がいいぞ!!」
「フフフフフッ何をバカな、その障壁はもう持たないではないか、無駄な抵抗をやめるのだな」
「あーあ、一応警告したからな……………穏便にとは……ムリか~、巻き添えだけは勘弁してほしい」
「何をブツブツと、そ~れ!障壁は崩れ………」
ドガーーーーーーーーーン!!!!
何かが爆発するような音が聞こえたと思うと、暴走大統領にそっくりな主犯格の男は、その衝撃で後ろに吹っ飛ぶ。それと同時に文珠の防御結界は崩壊した。
あたり一面、もうもうと砂埃が立つ。
ズシャーーーーーン!ズン!
「マ、マリア急に飛び出す奴があるか!!わしをもっと丁寧に扱わんか!!」
「イエス・ドクター・カオス、横島さんに・危害を加える反応あり・その要求は・優先順位下位」
そんな会話が、煙の中から聞こえてくる。
テロリスト達は、突然の爆発に慌てふためいていた。
「静まれーーー!!状況報告を!!」
そして………煙が晴れる。
「なんじゃ、小僧、またトラブルに巻き込まれておったのか?お主が大人しくせんと、わしもじっくり検証実験が出来んではないか!!」
「横島さん・健康状態良好・良かった」
漆黒のコートを纏った紳士風の老人、天才錬金術師ドクター・カオスと薄い赤い髪の無表情な美人、魔女マリアがこの建物の天井を突き破って、現れたのだ!!
「マリア~~、助かった!!」
「イエス」
「カオスのじいさん、こいつ等、『普通の人々』とか言うテロリストで、魔法師の人身売買とかやっている連中なんだけど、このテーマパークを乗っ取ったうえ、リーナと俺を殺そうとしやがるんだ!!」
横島はカオスに近づいて行き、簡単に今の事態を説明する。
「何!!わしの貴重なサンプル(横島)を亡き者にせんと!!しかも、そのせいでわしの崇高な検証実験の邪魔を!!ゆるせんな~~~」
「なな、なんだ貴様らは!!」
暴走大統領にそっくりな主犯格の男は埃をかぶりながらも、突然現れたドクター・カオスとマリアに向かって怒鳴り上げる。
その後ろには、混乱から立ち直った、テロリストのメンバーが武器を構え対峙する。
「先に、己から名乗るのが筋じゃろ……まあ、よいか……
恐れ慄け!!数々の現代魔法を生み出した天才錬金術師にして、1000年の時を過ごしヨーロッパの魔王とまで呼ばれたドクター・カオスとはわしの事じゃーーーーーーー!!フハハハハハハハハハハハッ!!平伏せよ!!
……折角じゃマリアも名乗ってみよ!!」
「……マリア」
マリアはその一言だけ発する。
「マリアそれだけか?面白くないの~、もっとこうないのかの~?」
カオスは完全に面白がっている様だ。
「な……な…なにーーーー!!あの迷惑千万、変態錬金術師ドクター・カオスと魔女マリアだとーーーー!!…………我ら、人間主義の最大の敵!!………ぐぬぬぬぬ、ここで会ったが100年目、皆の物、あのジジイと魔女を亡き者にしろーーーーーー!!」
暴走大統領にそっくりな主犯格の男は怒りをあらわにし、部下にカオスを殺すように命ずる。
「おーい、お前ら!!あのじいさんを刺激すんなーーー!」
横島は遠くから、テロリスト達にそう注意を促すのだが……手遅れであった。
「フハハハハハハッ面白い!!このドクター・カオスにケンカを売るとは!!久々に血がたぎるわい!!マリア!!!!!遠慮はいらん。あ奴らを吹き飛ばせ!!!!」
「イエス・ドクター・カオス……デストロイモードに・移行」
「わーーーーっ、まったぁ!!カオスのじいさん待った!!このテーマパークには一般人もたくさんいるんだ、しかもテロリストに捕まって、人質になっているかもしれん。平和的に解決を……」
横島はカオスを慌てて止めようとするのだが
「そのような些末な事はわしゃ知らん!!あの奇妙な蝶のマスクの連中がテロリストなのじゃろ?それ以外は邪魔じゃ。面倒じゃの……巻き込まれたく無くば逃げよ!!さもなくば、一緒に寝ておれ!!」
カオスは平然とそんな事を言ってのけた。もうこのテーマパーク全体がカオスのターゲットになり、一般客も巻き添え確定となった!!
「イエス・ドクター・カオス」
「あーーーーーー、そんなこったと思ったーーーーー!!」
最早この二人を止められない。
この超展開にリーナは付いていけず、口をあんぐりと開け、呆然とこの様子を見ているだけしかできないでいた。
横島はそんなリーナを引っ張り、全速力で逃げだした。
「リ、リーナ、巻き添えを喰らうぞ!!逃げるぞーーー!!」
「フハハハハハハッ!!動くものはすべて、叩きのめーーーす!!やられたく無くばジッとしておれぃ!!カオス式雷光じゃーーー!!」
そう言ってカオスは両手を上に上げる。
すると、両手から凄まじい光を発しながら稲妻が走り、この建物全体スパークし電流が走る!!
一般客も、テロリスト共に容赦なく電気ショックの餌食となり、ほとんどが気絶する。
横島は逃げながらも建物に電流が流れる瞬間リーナを抱き上げ、ジャンプする。
「何するんじゃーー!!このじじいーーー!!」
何とかカオスの電撃をかわしたのだが……
「フハハハハハハッ、さらにどうじゃ~!!」
カオスは雷の柱をそこら中に顕現させる。
「ふぎゃーーーー!!こんなんばっかし~~」
横島は必死に避けていたのだが、頭上から落ちてくる瓦礫が頭に直撃する。
リーナに当たりそうになったものをワザと避けずに喰らっているのだ。
その間、マリアは、手を上に掲げると、手から太く収束したビームのような光線が出し、建物の天井を吹っ飛ばし、そのまま、上空に向かうが、途中で止まり、細かなビームの雨となってテーマパーク中に降り、建物を破壊しながら、バタフライマスクをしたテロリストの連中を、次々に気絶させる。
「マ…マリアまでーーーー!!めちゃくちゃだーーーーー!!」
ドクターカオスとマリアは半壊した建物から飛び出すと、直立戦車が10両がカオス達を囲んだ。
真中には、明らかにあの暴走大統領が乗っている物だと分かる全身金ピカのゴージャスが外部スピーカーで叫ぶ。
「あの悪魔のじじいを殺せーーーーー!!」
そして、一斉に直立戦車からマシンガンやらロケット砲が撃ち込まれる。
しかし、マリアが腕から魔法で強化されたマシンガンを展開させ迎撃し、ことごとくを粉砕。カオスは結界をはり、全くの無傷。
「もう、あかん、あんなものを出したら~~~~!!」
横島はリーナを抱きかかえたまま涙をチョチョ切らせながら、今も全力でカオス達の攻撃を不格好に避けている。
そう、さっきからテロリストどもはカオスを刺激しているだけで、最悪な状況へと誘っているだけだった!!
「フハハハハハハハハッ!!わしにメカ勝負を挑むとはーーーー!!面白い!!出でよ!!ビッグM!!ショータイム!!!!」
カオスはノリノリだ。最早誰も止めれないだろう。
そして、地下からは……ズン…ズン…と奇妙な音が近づいてくる。
ドガ―――――ン!!
地面が割れ、メイド服を着たマリアがその割れ目から飛び出すように現れた!!
……縮尺がおかしい……20分の1マリアではない、20倍マリアなのだ。推定35メートル。
とんでもない物を作っていた!!しかし、メカというよりも魔法で動いている感じだ。
「あああああ!!やっぱりーーーーー!!もうダメだーーー!!」
横島の嘆きはもはや誰にも届かない。
そして、カオスとマリアはそのビッグM(マリア)に乗り込み外部スピーカーで!!
「フハハハハハハッ、魔法科学の粋をつぎ込んだこのビックMそんな不細工なメカにやられわせん!!マリアーーー!!アレをやるぞ!!」
「イエス・ドクター・カオス」
「ダブル・マリア・コレダ―――――!!ポチっとな!!」
ビックMいや、巨大なメイド服のマリアが両手・両足を放電させ、そのまま地面に突き刺し、凄まじい電撃を一気に放出したのだ!!そしてこのテーマパーク全体が電気の渦に包み込まれる!!
……どっちがテロリストなのか分かったもんじゃない。
テロリスト達の直立戦車はプスプスと煙を立て、崩れ落ちる。
テーマパークの建物すべてがプスプスと煙を立てながら崩れ落ちる。
横島の頭もプスプスと音を立て……煙が上がりアフロヘア―に……そして崩れる様にその場に倒れる。
「よ……横島!!しっかりして!!」
リーナを庇うためにすべてその身に雷撃を受けていたのだ。
そして、
「ハーーハッハッハッハーーーーー!!」
テーマパークには動く人影はなくなり、ドクター・カオスの高笑いだけがこだましていた。
幸いにも、客は無傷または軽傷で済んでいる。
テロリストも死亡者ゼロで全員逮捕された。カオスの関係者(横島)に手を出したのが運の尽き。
世界に厄災をまき散らすドクター・カオス、絶対関わっていては行けない度ナンバー1の人物だった。
しかし、テーマパークはめちゃくちゃに崩壊し、再建のめどはたたない。
殆どがカオスが壊したのだが、何故だかすべてテロリストの所為になる。
大人しくテロリストに従っていた方が被害が少なかったのかもしれないが……
今回、一番重傷だったのは何故かドクター・カオスだった。カオスの行動で横島までもがまきぞいを喰らったため、マリアの折檻がカオスを命の危機レベルまで続いたからだった。
時が経ち12月中旬……横島達は………
「タダオ、今日は何処に連れて行ってくれるのかしら?」
リーナは嬉しそうに横島の腕を取る。
「リーナ!………いかん!!腕にアレが当たっている事は顔に出してはいかんのだ!!とてつもなく気持ちいが!!クールに装わないと!!……アレ?マリアなんで絞める?ギブ、ギブーーー!!」
横島はリーナに腕を組まれリーナのふくよかな部分が当たり、我慢をしようとしたが、つい声が漏れていた。マリアはそんな横島を見て反対の腕を取るのだが、何故かかなりの力で絞める。
どうやら横島は前途多難なようだ。
次回はその頃の日本の話しがメインになります。
マリアロボの技はほぼカオスとマリアの魔法で動いていたり、攻撃してます。
男のロマンだけで、ロボの形を取っている、張りぼてです。