横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

久々に、何時もの面々と交流!!
第2章始まってようやくらしくなってきた感じです。







134話 横島、友人と久々に顔を合わせる!!その1

横島の画面越しだが友人達との再会第一声がこれである。

『よおっ!久しぶり!!』

ニカっとしたいつもの笑顔で同窓会で久々に会う友人にするかの様な軽い挨拶する。

 

「まじ、久しぶりだな!なんか数年もあってない気がするぜ。相変わらずそうだな!!」

レオが最初に男らしい笑顔で挨拶を返すも、これもまた、横島同様同窓会で久々に会う友人にする気軽い返しの挨拶だ。

 

「軽!あんた達、軽いわね。まあ、らしいと言えばらしいけど、まあ、あんたが無事でよかったわ」

エリカは横島とレオの会話で毒気が抜かれたようだ。そして、相変わらずの横島の態度にホッとしていた。

 

『まじ?エリカが俺の事を心配?熱でもあるんじゃない?』

 

「ふん、あんたが居ないと、クラスが静かでよかったわよ!」

エリカは横島の返答に半目見据え、語気を強くし言い返す。

 

「久しぶり横島、相変わらずでうれしいよ」

幹比古は嬉しそうに挨拶をする。

 

「横島……元気そうだな…まあ、お前が簡単にくたばるタマだとは思っていなかったがな……」

達也も相変わらずの無表情ではあるが、若干嬉しそうにも周囲からは見えた。

 

「横島さんご無事でよかったです。お兄様も横島さんが居ないと元気なかったんですよ」

深雪は達也を見ながら悪戯っぽく微笑む。

 

「横島さん久しぶり、昨日雫から少し聞いていたけど、色々大変だったんですね」

ほのかも久々にみる横島の笑顔に嬉しそうに挨拶をする。

 

『いやーー、今の方が大変かな……』

横島は、少し困った顔をして胃を抑える。

 

『横島さん。私が居るから大丈夫!』

横島の横にちょこんと座っている雫がそんな事を言っている。

横島が胃を抑える原因の半分は雫なのだが……

 

「横島さん、また、会えて良かったです。……でも、みんな、心配していたんですよ。学校の人はみんな横島さんがもう死んでいるんじゃないかって言っていたけど、そんなこと無いって皆でいろいろいっぱい探したんですよ……それでも見つからなくて……それでも諦められなくて……」

美月の目からは涙が溢れ、オーラカットコーティングの眼鏡をズラし、ハンカチで拭いていた。

 

『美月ちゃん………』

 

「まあ……ダチが急にいなくなったからな、しかもあの後だ。しかし、俺はお前が死んだなんて一度も思いもしなかったがな!」

レオも真顔で呟くように美月に続くが最後は笑顔でそう言った。

 

………………

しばし、沈黙する。

 

『皆、すまん。心配かけた』

横島はすっと立ち上がり、真顔で頭を下げた。

 

「横島……」

達也は膝の上でグッと拳を握っている。深雪はそんな達也を心配そうに見つめていた。

 

「横島……」

エリカは真面目に頭を下げる横島に多少なりともショックを受けている様だ。今まで、こんな真顔で真剣な横島は見たことが無いからだ。だからこそ何かあったのではないかと勘繰る。

レオもショックまでとは行かないが、やはり、何かあったのだろうと思っていた。

 

「横島さん……頭を上げて」

美月はそんな横島を見て……

 

「横島さん……横島さんは何も悪くないよ」

ほのかは雫からある程度事情を聴いていた。

 

「横島……僕はほんとに、また、君に会えてうれしいよ。……でも、みんな本当に心配していたんだ事情を説明してくれるかな?」

幹比古はいつになく真剣な眼差しで横島を見ていた。

 

「横島さん記憶喪失ったという噂も……」

「しかもなんで、USNAに居るのよ」

美月とエリカも幹比古に続く。

 

 

横島は再度謝り、ソファーに座り直し話し始める。隣では雫が心配そうに横島を見つめていた。

『本当にすまん。……美月ちゃんが言う通り記憶喪失だった。俺は12月25日まで、過去数年の記憶を失っていた』

 

「それ!あんた大丈夫なの!」

エリカは心配そうに語気を強めて聞く。

 

『今は大丈夫だ』

 

「だから……連絡を入れられなかったのか……いや、連絡を付けようがなかったんだ」

幹比古は独り言のように呟く。

 

「おまえ、その時点でなんで俺たちに連絡を付けなかった?」

レオは2週間前に既に記憶が戻っているのに、連絡を寄越さない横島に怒っている様だ。

 

「レオ……落ち着きなさいって」

 

『すまん。それも含め最初から説明させてくれ』

横島は語る。

全て話すことはできないため、話すことが出来ることだけを要約して話した。

 

ドクター・カオス達に気を失って、海に漂っている時に、助けられ、そのままUSNAに連れられてこられ、11月中頃から末にようやく目が覚めることが出来たが、数年の記憶が無かった事を……

その後、12月25日にとある事件に巻き込まれその結果、記憶が戻った事を……

 

「俺は記憶が戻ったが、その事件が余りにも特殊な上、事が大きくなるとかなり危険だと踏んでいる。

俺はみんなを巻き込みたく無かったため、事件が解決してから連絡するつもりだったが、今だ解決の糸口も掴んでいない」

 

「連絡位してくれてもいいじゃないか」

幹比古は拗ねた様に言う。

 

「おまえ、俺たちを信用していないのか?」

レオは横島を睨んでいた。

 

『そうじゃない。この事件は俺の領分だからだ。俺の力と言うか能力でなければ多分解決できない』

 

「俺たちは頼りにならないってか?確かにお前の凄まじい力からすりゃ、ちっぽけかもしれん。だがな、協力ぐらいできるだろう。情報集めとかよ」

 

『……俺は、この事件のすべてに巻き込みたくなかった。……でも結局、雫ちゃんがこっちに来て巻き込んでしまった……俺が連絡しないばっかりにだ……』

 

「違うぞ横島!そうじゃない!お前は何でもかんでも一人でしようとし過ぎだ!」

 

『俺は、皆が傷つくのを見たくないんだ……』

 

「いい加減にしろ!俺は別にお前に守ってくれなんて頼んだ覚えはない!!」

レオは立ち上がり、怒りの形相で横島に食いつかんばかりに怒鳴る。

レオと言う少年、心が真っすぐなのだ。だから横島に対し真剣に怒る。横島がすべて自分で抱えようとしている事に対しても、今の自分が無力であることも承知している。それでも、友として横島に何かしてあげたいのだ。

 

「レオ!落ち着きなさいって」

 

「横島さん……私も怒ってます。横島さん自分は傷ついてもいい様な言い方はやめて!今回の件でみんな、みんな横島さんを心配したんです。私たちも横島さんが傷ついたりするのが嫌なんです!心配なんです!!」

美月は涙を目に溜めながら、横島に声を振り絞って怒鳴っていた。

 

『レオ……美月ちゃん』

 

『横島さん、みんな横島さんの事が好きなの、だから心配。わかって……』

隣の雫は横島の手にそっと自分の手を乗せ、優しく言う。

 

「横島……家の事情とかで、事件を解決しないといけない事なんてことはよくある事だし、内容が言えないのは仕方ないよ。せめてさ、愚痴や相談だけでも、僕たちに話してくれてもいいんじゃない?友達なんだから……」

幹比古は横島に諭すような口調で話しかける。

 

『……心配…か、……………すまん。俺の一人よがりだった。師匠には毎度怒られている事なのにな………事件の内容は言えない。しかし、連絡は出来たよな……皆を信頼してない訳じゃないんだ。つい、一人で何でもしちゃう癖が抜けなくて………事情や相談位できたよな』

 

「まあな、怒鳴って悪かったな」

レオはぶっきらぼうにそう言った。

 

「次、こんな事を言ったら本気で怒りますからね」

美月は続いてそんな事を言う。

 

「え?美月、今の本気怒りじゃないの?もっと怖いの?」

エリカは美月の顔を見ながら引き気味だ。

 

「まあ、せっかくの再会なのに、レオも大人気ないよ」

幹比古はレオに軽く注意をする。

 

「うっ、すまん」

 

達也はこの輪に入る事が出来ないでいた。ただ、心には何か分からないが、来るものがあった。

しかし、自分には入る資格もない。横島にとやかく言う資格もないと……

 

 

「湿っぽいのは終わり!終わり!

ところで……あんた、なんで海に漂っていたのよ。あんた程の人間離れした人間が誰にやられたのよ!横浜の後、京都に戻ったんじゃないの?」

エリカはパンパンと手を二回叩き、この重い空気を一度リセットし、次の話題に移った。

カオス達に拾われる前の段階で、何故気を失って海に漂うような事態に陥ったのかを聞いていた。

 

「事件とかより、そっちの方が問題じゃない?あの状態の戦術級魔法みたいな攻撃を無制限に放つたり、『救済の女神』を発動できる横島を誰がそんな目に合わせたんだよ?」

幹比古はエリカに続く。

 

達也は心の中で、自分がやったことをバレるのを覚悟していた。

 

「くくっ、そう言えば思い出したぜ。横浜の時エリカの奴、お前の凄まじい攻撃をみて、なんて言ったと思う?

真顔で武神や魔神だって言ったんだぜ?B級映画や、カルト雑誌の読み過ぎかよっ、くくくくっ!」

レオは楽しそうに、横浜事変の際戦っている最中の横島をみてエリカが漏らした妄言について急に言い出したのだ。空気読めないのは相変わらずである。

 

「ばっ!あんた!!なぜそれ今言う!!」

エリカはレオの胸倉を掴みかかって、思いっきり揺らす。

 

『たはったははははっ、何その扱い一応人間なんだけど』

横島は内心少し焦りながらも、笑って誤魔化す。武神・魔神、一応人間だがそれに近しい存在であることは確かである。

 

「海に落ちた原因とか、あんた覚えてないの?」

 

『記憶がさっぱり抜け落ちてるな~まあ、油断大敵って奴じゃないか?』

 

「あんなに強いのに、ですか?」

美月は横島の力をまじかに見ているだけにそう思う。

 

「横島さんの弱みを握られたとか?……横島さんの弱点……不真面目?…スケベ?……女性に弱い?」

ほのかはそんな事を言う。

 

「わかったわ!!ハニートラップよ!!ハニートラップ!!美女に言い寄られて、ホイホイついて行って、眠らされて、す巻きにされ海に突き落とされたのよ!!」

エリカは何かを閃いた様に言った。美人につられてついて行く横島が見えてるかのようだ。

 

「それだ!!」

「それだな!!」

「それですね!!」

「うん、きっとそれ!!」

『……横島さん知らない女の人について行ったらダメ』

幹比古、レオ、美月、ほのか、そして雫までもがエリカの意見に同意の様だ。

 

『バカにすんなーーーー!!いくら俺でも流石にそんなのに引っかかる……うーーーーん』

横島は勢いよく否定したのだが……自分でもありえそうだと考え直している様だ。

 

「七草先輩とか、渡辺先輩とか市原先輩とかに言い寄られたらどうなんだよ、ついて行くよね?」

幹比古は二つ上の先輩の美人どころを選び横島に問いかける。

 

『お願いしゃす!!って……あれ?やっぱハニートラップにやられた?』

 

「あんたねーーー、仮にも戦略級魔法師なのよ?しかも世間では『救済の女神』の再来とかいわれているのよ」

呆れた様に言うエリカ。

 

「ははははっ、横島らしいな!」

レオは思いっきり笑っている。

 

「という事は、私でも横島に勝てるって事ね」

エリカは横島に対し、色っぽいしぐさをする。

 

『えーーーエリカか~~うーーーん』

エリカを見据えて悩む横島。

 

「何よ私じゃ、不満なの?ふふん……じゃあ、また、あのブルマだっけ?着てみようかな~~」

 

『ブッ、ブルマ!?……フトモモ!!エリカ―――――――!!今すぐ着替えてくれ!!ものは試しだ!!』

 

「……エリカにもやられるねこれは。横島の弱点見つけたりだね」

幹比古は呆れた様に言う。

 

「横島さんらしいと言えば、横島さんらしい」

ほのかは苦笑していた。

 

『ほのか、ブルマって何?』

「お兄様、ブルマとは何ですか?何かの服の様ですが」

そんな中、雫と深雪はこの会話に付いていけてない様だった。

 

 

 

実際には横島は済州島で達也のマテリアル・バーストを阻止するために、まともに喰らい、この事態が引き起ったのだが、その事をみんなの前で言うつもりがないらしい。

達也はそんな横島を見つつ頭の中では感謝し、ホッと胸を撫でおろしたのだった。




次回はこの続きです。

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