横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

では、久々に達也と横島が語ります。

会話のみでほぼ成立しております。
読みにくいかもしれません。




136話 横島、達也と久々に語る!!

横島と友人達は通信越しだが久々に顔を合わせ話に花を咲かせたのだった。

あっという間に時間が経ち、女性陣は話したりない様相だったが、お開きとなったのだ。

 

 

「……横島…すまん」

その後、1時間も経たずに達也は横島に連絡を入れていた。

そしてその第一声で達也は横島に謝罪の言葉だったのだ。

 

「なんだ?いきなり」

横島は達也からの連絡を受け、屋上に出て、電話をかけなおしていた。

部屋では、小竜姫や雫が何時部屋に入ってくるか分からない状況だからだ。勿論、屋上には人払いの結界を張っている。

 

「済州島の事だ。お前を窮地に追いやったあの戦略級魔法を放ったのは、俺だ」

達也の声は何時もの様に淡々としていたのだが、なぜかこわばっている様に聞こえる。

 

「知ってた」

 

「し、知っていたのか……」

達也は驚いている。横島がまさか、知っていたとは思っていなかったようだ。

 

「まあな、でもあれはお前の放った魔法に俺が勝手に間に入って介入したんだ。達也が謝る必要は無い」

 

「……いや、俺はお前を殺しかけたんだ。………それに、俺は、お前が死んだと思っていた…………」

 

「ああ、流石に俺も久々にやばかったな。何なんだよあの魔法。島ごと吹っ飛ぶ威力だったぞ……しかし、あれだろ、別に俺を狙って放ったわけじゃないし、お前の意思じゃないだろ?軍の命令だろ?」

 

「島の四分の一を消滅させる威力で放ったからな……島の軍事施設…島の人間を全て消し去るのが目的だった」

 

「………そうか、俺はそれを阻止するために、立ちはだかったからな。まあ、結果的に島の人達は傷つかずに済んで良かった」

 

「……あの島にお前の知り合いでもいたのか?」

 

「いいや、以前来た事がある程度だ」

 

「……だったら、なぜだ。なぜ自らの死の危険を顧みずに島を守った!」

達也は横島の答えにイラつくように語気を強くしていた。

 

「まあ、なんだ、ノリかな?」

横島はおちゃらけた答えをだす。

 

「ふざけるな、お前は死にかけたんだぞ!」

 

「………そこに助かるかもしれない命があるのなら、見捨てることはできん」

 

「…………俺は、俺に関係の無い人間がどうなろうと、知った事ではない……」

 

「いや、お前…迷いがあっただろ」

 

「!?………」

 

「俺はお前の戦略級魔法を喰らった際、そこから、お前が放った魔法だと分かった……発動したお前は一瞬躊躇していた。そんなような感情がながれ込んできた……」

 

「…そんな事は無い」

 

「達也、お前は無意識に、予定の威力より抑えていたんじゃないのか?」

 

「………」

達也はマテリアル・バーストを発動する際、何やら、自分でもよくわからない感情がうごめいていた事を感じていたのだ。

 

「まあ、そのおかげで俺も、何とか阻止出来たんだけどな!逆説的にお前のお陰ってことになる?」

 

「なぜだ?それは結果論に過ぎない。もし少しでも予定の威力より高かったのなら、お前は死んでいたかもしれないんだぞ!」

 

「まあ、そうはならなかったし、いいんじゃないか?」

 

「……お前と言う奴がますます分からない。何故だ……知らない奴らの為にお前は、何故命を張る。それによってお前が死んだらどうなる。周りの連中は皆悲しむぞ」

 

「それを言われると痛いぞ。まあ、反省はするが、同じような事がおきたら、またやってしまいそうだよな。これは性分なのかもしれない………しかし、まさか、お前に言われるとは思わなかったがな」

横島はにかんだ笑顔をみせていた。

 

「……俺には、お前の行動がわからない」

達也は横島の答えに納得がいかない様で、憮然としていた。

 

 

「結果的に、大亜連合と休戦協定が結ばれたし、新ソビエトの連中の介入も防げたんだし、良かったんじゃねーか?」

 

「お前、そこまで計算していたのか?……どうなんだ?」

済州島を日本が壊滅させた場合。大亜連合は対新ソビエト防衛機能を大幅に低下し、新ソビエトが高麗地区に介入してくる可能性が高かったのだ。そうなると、朝鮮半島を中心とした泥沼の戦争が起こるだろう事は容易に想像がつく。日本もそれを承知で済州島壊滅を決断している。日本本土の一部が直ぐに占領されるよりはましだと判断したのだろう。

 

「さあな、まあ俺としては、友人が130万人の人間を亡き者にした大罪人の汚名を着ずにホッとしている」

 

「……俺は既に何人もの人間を殺している。鎮海軍港の消滅も俺の仕業だ。今さらそんなものはどうでもいい」

 

「あそこ(済州島)は、何も知らない一般市民が多数生活をしていた。俺たちと同じように学校に通って学んでいる子供もいる。それでもか?」

 

「………」

達也は直ぐには答えられなかった。

やはり、自分は躊躇していたのだなと、気が付いたようだ。

 

「にしても軍もえげつないな……いくら戦略級魔法師だからって、まだ16歳かそこらのガキにやらす事じゃないよな。……まさか、達也の事をでくの坊とでも思っているのか?」

……そう、達也は実際に16歳、成人に至っていない年齢なのだ。いくら大人びていようが、大人顔負けの冷静な判断が出来ようが、その事実は揺るがないのだ。

 

「……誰がガキだ」

 

「お前だよ………まあ、俺も…だがな」

そう言った横島の声色は優しかった。

 

「………」

 

「この話はもう、これでお終いにしようぜ」

横島は明るくそう言った。

 

「……すまなかった」

 

「たははははっ、そうか!」

横島のこの言葉で、済州島での横島と達也の遺恨は一応の決着を見る。といっても、横島はもともと何とも思ってはいなかったのだが。

 

 

その後、達也からの視点での、横島がいなかった11月、12月の日本や学校の様子等を話していたが、遂に横浜の話になった。

 

 

「横浜では助かった。深雪が世話になったな」

 

「いや、俺の方も助かった。まさか、あんな短時間で、あの距離の敵を撃破出来るなんて、予想外だった。流石だな。達也がいなかったら、相手が弾を打ち尽くすまで、我慢の勝負になっていたからな……お前のあの戦略級魔法、なんて言うんだ。いきなり、達也の気を感じたと思ったら、そこから急激に破壊のエネルギーが増大していった様に感じた。ありゃなんだ?しかも、俺が吹き飛ばした後も増大していったんだが。………射程距離もすさまじく長いな、あの時はお前、対馬ぐらいに居たんじゃないか?」

 

「マテリアル・バーストだ。俺のBS魔法分解再成を応用したものだ。あれを真正面から止められるとは思ってもみなかったが、お前も相当ダメージを喰らった様だ、有効だという事だ………次はな」

達也は軍事機密に関わる事なのだが、マテリアル・バーストの名前と自分のBS魔法の正体を話したのだ。

そして、達也は、通話越しにニヤっとしながら、横島を脅すような事を言う。ジョークのようなのだが、達也が言うとシャレになっていない。

 

「かんべんしてくれ~、まじでやめて~~」

横島はわざとらしく、泣きそうな声でそんな事を言うが、楽し気でもある。

 

「にしても、攻撃に触れただけで俺の場所や大凡の特性までわかるのか……サイコメトリーと言う奴か……そう言えばお前、横浜ではテレパスも使っていたな……BS魔法師として他に存在している事は知っていたが、両方使えるとは………いや、それどころじゃないな。お前、どうやって横浜まで来た?」

 

「ああー、加速魔法?みたいな奴で……全力疾走?」

 

「加速…魔法…まあいい、お前が、ただ単にそこにいるだけで、サイオン粒子の嵐が出ていたぞ……、あの時のお前はなんなんだ?」

 

「そういう達也こそ、横浜で会ったお前の、霊力が普段とは段違いに上がっていたぞ!」

 

「俺のBS魔法は分解・再成は危険度が高い。そんなものを野放しにできるわけがない。普段は深雪がストッパーの役割をし俺の力を封印している。

 

「まあ、俺も同じもんかな。封印しとかないと日常生活も困るしなっ」

 

「……封印か…本来の力は、横浜のアレなのか………エリカに武神や魔神と言われても仕方が無いな………正直いって、あの時のお前は規格外過ぎる。人間のカテゴリーに収まる力ではない。皆は国を亡ぼせるなどと言っていたが……そんな生易しいものではない、世界すら滅ぼせる………」

 

「………それは………というか、お前だって、地球丸ごと吹っ飛ばせるんじゃないのか?エーッと、マテリアル何とかだっけ?霊気自体多量に消費したようには見えなかったし、アレより大規模な事ができるんじゃねーのか?まあ、コントロールとか難しそうだけど」

横島は達也の言った『世界すら滅ぼせる』が心に突き刺さる。滅ぼしはしなかったが、世界を分離を実行してしまったのだから……

 

「…………理論上はな」

 

「こわ!お前言っちゃったよ!さらっと地球吹っ飛ばせるって、言っちゃったよ!!」

 

「……お前に言われる筋合いはない。あんな力を持っているくせに、のうのうと学生などやっている奴にな」

 

「俺は、学校で普通の生活をしたいんだ!!誰が好き好んで戦ったりするんだ!お前みたいな戦闘狂といっしょにするな!」

 

「好き好んで戦っているわけではない。深雪と俺の生活を脅かす奴らが多いだけの話だ」

 

「でた!この重度のシスコン!!……達也、なんで軍に協力しているんだ?お前ぐらいの力を持って、理性を保てている奴がなんでだ?」

 

「……力が欲しいからだ。俺の力は万能ではない。大きな破壊を起こすことは可能だが……俺一人の力では、対抗できない物も多い。……お前はどうなんだ?ドクター・カオスと魔女マリア、正直いって軍よりも凄まじいカードだ」

 

「はあ?何言ってやがる。あのじーさんとマリアは腐れ縁ってだけだ。俺の方が迷惑掛けっぱなしな感じではあるがな」

 

「そうだなお前は違うか……お前の人間性はすさまじいな……俺には到底真似できない。九島烈とは友人とまで言わせ、あのドクター・カオスと魔女マリアとも友人。氷室家本家からは家族とまで言われている……俺には深雪だけだ」

 

「シスコンも大概にしろよ!!お前の周りを見ろ!!レオもエリカ、幹比古や美月ちゃん、雫ちゃんにほのかちゃん、真由美さんや摩利さん。そんで、1年の九校戦女子選手、俺が知っているだけだと、お前んところのエロリコン師匠もそうだろ。皆お前の信用している……後俺もな!」

 

「………俺の能力に集まっているだけだ」

 

「はあ、レオもエリカも幹比古も美月ちゃんはお前が力を発揮する前からだろ!!なに言ってんだ……能力も個性だ。それもお前だ」

 

「………」

 

「はぁ、なんで俺、お前に説教みたいな事言ってるんだ?まあいいや……で達也、たまには、皆や俺に頼ってもいいんじゃないか?」

 

「…………ならば、俺とお前とで世界征服をするか?」

 

「するかーーーーーーーー!!何考えてるんじゃ!!お前のその頭どうなってんの?悪魔に乗り移られてるの?ふざけんなーーーーーーー!!」

 

「お前専用のハーレムを用意する……」

 

「…………………………………グフッ、グフフフフッーハッ……ハーーーーーレーーム!?」

 

「そうだ…各国から美人を選び放題だ」

 

「世界中のおねーちゃんが選び放題!!ふははははっはっ!!……は!?危うく誘惑に乗る所だった。……この悪魔!!人でなし!!」

 

「……冗談だ」

 

「お前が言うと冗談に聞こえない………ハーレムの事、深雪ちゃんに言うぞ!!」

 

「ふん。……あのお前の力を把握しているのは、俺やレオ達だけでない。軍もある程度は把握しているはずだ。

お前を取り込もうと躍起になっているだろう」

 

「ご苦労なこった」

 

「しかし、復学するには、国と交渉は必要だろう」

 

「ああ、響子さんをずっと袖にしていたからな~。花くらい持たせてあげようかな……とりあえずは会って見るわ……日本に帰るのは、こっちの事件が解決してからになるが……」

 

「お前程の奴が、解決が困難というのはどういうことだ?」

 

「俺でも解決が難しい。まあ、そう言うこった。だから、皆を巻き込みたくない。あいつら(レオ達)暴走しそうになったら止めてくれよ」

 

「善処する。その事件、詳しく聞きたいが……まあいい、解決したら教えてくれ」

 

「そうする」

 

「帰ったら俺と模擬戦をしろ、どれだけの差があるのかを把握したいからな……」

 

「お前、そればっか、決闘しろって言わないだけましか……そんじゃあな」

 

「ああ、お前も、とっとと事件を解決して日本へ戻ってこい」

 

「わかった」

 

 

こうして、達也と横島は話を終えた。

横島との会話を終え、自室から出てきた達也は、心なしか晴れ晴れとした表情をしていた様に深雪には見えた。

 




その時リーナは?

真由美さんと摩利さんは?
その辺は又の機会に……

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