横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


前回の続きです。

ちょっと遡って、USNAでOO(ダブルオー)カオスライザーX2の発射シーンから開始します。


144話 横島、とりあえず帰ってきました!!

「カオスのじーさん。これをどうやって発射させるんだ?」

 

「フハハハハッ、焦らず聞くが良い!!OO(ダブルオー)カオスライザーX2はマリア専用じゃが、急遽お主のためにAIの登録をお主をマスターとして変更しておいた!!AIのガイダンスに従っておれば万事通常はOKじゃ!重要な場面ではAIが最適な行動パターンを2択提示し、どちらかを選ぶだけで良いようになっておる。高性能なAIじゃ、わからん事があればAIに聞け。では行くがよい!」

横島は耳元からカオス声が聞こえ、説明を受ける。

OO(ダブルオー)カオスライザーX2には高性能なカオス特製AIが積まれており、常にサポートしてくれるらしいのだ。

 

『マスター横島、発射いたしますか?』

AIの無機質な女性の声が横島の耳元から聞こえてきた。

 

「おお?ヘルメットの中におねーちゃんの声が聞こえる!これがAIか……発射OKだ」

 

『了解、OO(ダブルオー)カオスライザーX2発射シークエンスに入ります……3、0発射』

 

「おい!!2と1はぁ!?ごわぁーーーーーーーー!!」

横島は物凄い重力をその身に受け、OO(ダブルオー)カオスライザーX2は一直線に上空に飛び、空の彼方へと消え去った。

 

 

 

「ごおおおおおおおおーーーーー!!」

 

『ごおおおおおおおおーーーーー!!とは何ですか?質問の意味が分かりかねます』

 

「ばあああほおおおおおかああああああ!!(アホかーーー!!)」

横島は重力の壁や大気の壁に悲鳴を上げている中、AIが訳が分からない事を言ってきた。

カオスが作ったAIだけあって、高性能なのか、ポンコツなのかよくわからない性能だ。

 

『当機はアホではありません。非常に優秀な機体となっております。訂正を要求します』

 

「ぶみわあっががでえええるじゃっだだだだねか!!(意味わかってるじゃねーか)」

 

『人語を話していただく必要があります。いくら優秀な当機でもアメーバやゾウリムシの言葉は理解できません』

 

「おぼおぼおえでががれ!!(覚えてやがれ!!)」

このAIかなり優秀のようだが、どうやら、マリアから主を横島に変更されたことが相当気に食わない様だ。完全に横島を毛嫌いし舐め切っている。

 

 

 

『まもなく、大気圏を突破し宇宙空間に入ります』

 

「ふぅ、まじ一瞬で宇宙まで来た。……流石はカオスのじーさんだ!AIはポンコツだがな……」

 

『質問の意味が分かりかねます。当機は非常に優秀な機体となっております。ポンコツと言う言葉は非常に不愉快です。訂正を要求します。ポンコツマスター横島』

 

「なにこのAI、俺の事バカにしてるの?…まあ、あのじーさんが作ったメカだしな、仕方がないか」

 

『バカにはしておりません。アホだと認定しております』

 

「……こいつ…ちょっと声が美人そうだからって!!」

 

『バカな事を言っている場合ではありません。地球軌道上の軍事衛星からミサイル攻撃が此方に迫ってきております。分析の結果、最適な行動パターンは①無様に逃げるか②スマートに逃げるかです』

 

「どっちもいっしょじゃねーーーーか!!」

 

『無様に逃げるをお勧めします。プクッ、マスターにお似合いです』

 

「こいつわぁ!!絶対、後でぶっ壊してやる!!」

 

『後程、マスター横島の大気圏突破時の変顔と変態的な叫び声を世界中に動画配信いたします。変態に襲われ中ナウと』

 

「やめっ、やめて~!!世間的に終わってしまう~!!」

 

『マスターがアホな事を言っている間に、ミサイルは5秒後に当機に着弾します。……マスターと心中するのはごめん被りたいため、本気でスマートに逃げます……魔法ホウキブースター臨界……魔法式トラ〇ザム発動』

AIが術式を解放すると同時に、OO(ダブルオー)カオスライザーX2は赤い光を纏って、迫るミサイル群をぶっちぎって、急加速する。

 

『このまま、大気圏に再突入します。マスターは衝撃や摩擦熱に対し自己防衛をしてください。当機はマスターの命を保証するものではありません』

 

「なんでやねーーーーん!!(やねーーーーん、やねーーーーん)」

 

 

ズオオオーーン

 

 

『大気圏再突入成功……マスター横島、大丈夫でしょうか?』

 

「ふう、さすがはボケてないカオスが作ったものだ。思ったより平気だった」

横島は重力波と摩擦熱を感じたが、体には影響がなかった。元々が丈夫だからだろう。

 

『チッ…マスターがゴキブリ並みの生命力を持っている事を理解いたしました』

 

「……このポンコツ!!絶対分解してやる!!」

 

『マスターゴキ…ゴキマスター横島、日本防衛システム、成層圏プラント及び地上からのミサイル攻撃を確認いたしました。当機本体は防衛及び攻撃手段はありません。自力で何とかしてください』

 

「言い直しても意味いっしょだぞこんちくしょう!!……さっきの加速魔法は?トラ〇ザムとかいうパチモン臭い名前の奴をとっとと発動すればいいだろ?」

 

『先ほどの使用したばかりな上、大気圏突破の影響で現在冷却行動をとっているため、現在使用できません』

 

「使えないな~、どこが優秀なんだ?」

 

『10秒後当機に着弾……緊急保護モードというものが当機に搭載されております。このモードで対応可能です。その使用を許可願います』

 

「そんなものがあるなら、先に言え―――このポンコツ!許可だ!!今すぐ許可する!!」

 

『マスターの許可が得られました。緊急保護モード発動』

AIが横島に伝えると、OO(ダブルオー)カオスライザーX2の宇宙服な強化スーツはパーツ毎に外れていき、パージしだしたのだ。

 

「へ?なぜ?」

横島は私服のまま空中に放り出される。

 

『グッドラック』

AIの最後の声が聞こえ、横島は魔法ホウキ2本で思いっきりケツを叩かれ真下に吹っ飛ぶ。

 

「こんなんばっかしーーーーー!!」

横島は涙をチョチョ切らせて叫ぶしかできなかった。

 

パージしバラバラとなったOO(ダブルオー)カオスライザーX2はコンパクトな形状に再結合し、空のかなたに飛んで行った。

どうやら、緊急保護モードというものは、OOカオスライザーX2を保護するモードだったようだ。

搭乗者である横島を射出し、ミサイルの囮にして、軽くなった自身は逃げだしたのだ。

やはり、作成者のカオス同様、とんでもないAIである。

 

幸いにも横島がケツを叩かれて急加速したため、ミサイルは追う前に、お互いがぶつかり爆発したようだ。

しかし、横島は高度2万キロメートルから、もともとの落下速度に、けつを叩かれた分の加速スピードがさらにプラスされ、さらに高速で落下する羽目になったのだ。

「ごあ――――――――!!」

 

「ががががっごががーーーー!!(あのホウキAI覚えてろーーーー!!)

 

直ぐに横島の眼下に第一高校が迫る。

(おっ意外とドンピシャ?まさかあのAIが?そんなわけないか……って、どうやって着地するんだーーーー!!このままやと!!いいやーーーーっ!!)

 

横島は空中で錯乱して平泳ぎをする。しかしそんなことをしても意味がないはずだが、何故か空中で移動し、ちょっと減速していた。それよりも、封印を解いて本来の力を発揮すれば済むはずなのだが……

 

そして、実験棟にそのまま突っ込む。

「ほげーーーーーーーーーーーーー!!がふん!!」

本来ならあのスピードで横島の質量の落下物が落ちれば、かなりの衝撃を受け実験棟自体が崩壊、または大きなクレーターが出来てもおかしくないのだが、なぜか、横島の形をした穴が出来るだけで、次々と天井を貫通し、エントランスの床にめり込んだ。………横島だからなせる業なのだろうか?

 

しかもドンピシャで、悪霊に取りつかれたミアと、対峙していた達也達の間に落下したのだ。

 

 

 

 

床にできた横島型の穴から、ゆっくりと這い上がり奴が現れる。

「ゲホッ、ゲホッ!……あーーー死ぬかと思った」

服はボロボロで上着とジャケットは途中までで破け、へそ丸出し。ジーパンはボロボロだったが、辛うじて原型をとどめていた……いや、後ろ姿はケツ丸出しだった。

そもそも、本人は無傷だ。まあ、霊力で全身を守っていたのだろうが……それにしてもこれで済むのも、奴が『横島』だからなのだろう。

 

 

………

突如降ったとんでもない展開に、まだ、誰もついて行けずに、一言もしゃべる事も動くこともできない。

 

 

「アレ?みんな?先輩たちも集まって、おしくらまんじゅうっすか?……おお!?リーナ?なんでこんなところに?」

横島はかたまって戦闘態勢を取る達也、幹比古、深雪、真由美、十文字克人とリーナ、そして、遠方で座り込んでいるエリカと美月を見て、こんなことを何もなかったように言った。

 

「「「「横島(くん)(さん)!!」」」」

一斉に奴の名前を呼ぶ。

 

「タ……タダオ?」

リーナだけは反応が違い、横島がここにいることに半信半疑のようだ。

 

「うん?……三つ目の結構胸がボインで大人しそうな素敵なおねーさん!!ボク横島!!学校の喫茶店でパフェでもどうですか!!」

横島は後ろを振り返って、こちらを唖然と見ているミアのところまで一瞬で移動し、スチャッと両手を握り、いきなり当然の如くナンパをしだした。

 

面々は何時もの横島の行動に肩透かしを食らって、ガクッとなる。

ミアと後ろの黒い影はいきなりの出来事にかなりとまどっている様だ。

 

「横島のアホ―――――――!!」

「横島ーーー!!あんたって奴は!!」

幹比古の叫びと遠くからエリカの怒声が聞こえてくる。

 

「横島!そいつが吸血鬼だ!」

達也がそんな緊張感の欠片も無い横島に警戒を促す。

 

横島はいつの間にかミアの額に開かれた第3の目の上から浄化と書かれた札を張っていたのだ。

そして、その後ろの黒い影を見据えると。天井に術式方陣が形成され紫の紐が方陣から多数飛び出し、黒い影に絡みつき拘束する。

横島はミアの体から悪霊を追い出すために浄化札を張り、黒い影に対し、氷室術式ハの八式束縛術式を無詠唱で天井から発動させ動けなくしたのだ。

 

黒い影が見えない達也達には、紫の紐が何もない空間に絡みついているようにしか見えない。

 

ミアは浄化札の影響でぐったりし、横島にしなだれかかる。

 

ハの八式束縛術式は元々対魔術式だけあって、悪霊などに絶大な効果が表れる。

美月と幹比古の目には、紫の紐で拘束された黒い影は苦しみながら徐々にしぼんでいくように見える。拘束している紫の紐は黒い影の悪霊から霊気を奪い弱体化させているのだ。

 

そして、ミアの体と黒い影が完全に分離したところで横島はミアを左腕で抱き留めながら、右手で悪霊退散と書かれた吸引札を取り出す。

 

黒い影に向かい吸引札を掲げ

 

「悪霊退散、吸引」

 

と唱えると、空間ごと黒い影が勢いよく吸引札に吸い込まれていった。

紫の紐と、束縛術式の方陣はそれと同時に消える。

 

 

達也達はその様子を声も出ず、唖然と見ることしかできない。多分何が起こっていたのか、横島が何をしたのかが理解できないのだ。

悪霊の状況や横島が行った術儀が見て取れた二人の反応は……

幹比古はその術儀の見事さ、見たことない術に興奮しつつも目を凝らしてみていた。

美月は、その光景の美しさにうっとりと遠くから見つめていた。

横島が来てからほんのわずかな時間で、悪霊を倒してしまう。

横島にとって、いや、100年前この地で活躍していたゴーストスイーパーにとって、この程度の悪霊悪魔退治は日常茶飯事であった。特に難しい物でもない代物なのだ。

但し、こんなに短時間に解決できるゴーストスイーパーはごく一部だけだが……

 

「はーー、終わった終わった。ここまでくるのに酷い目にあった」

横島は軽い口調でそう言いながら、ミアをその場に寝かし、胸元から取り出した札を、頭に3か所、体に5か所張り、何やら詠唱をしていた。

 

悪霊退散した後も、ミアの体は半悪魔化したままであったため、元に戻す修復術式とミアが精神崩壊しないように、強制的に睡眠状態を持続される術式を施したのだ。

 

横島はミアに術式を施した後、固まっている皆を不思議そうに見る。

「あれ?みんな呆然として、どったの?」

 

 

 

「タダオ!……会いたかった…」

最初に沈黙を破ったのはリーナ。

涙ぐみながら横島の胸に飛び込む。

 

「リ…リーナ?」

 

 

「横島くん、これはどいう事かしら?」

次にリーナの行動を見た真由美はニコニコ笑顔でこう言って横島に近づくが、何故か額に影が出来たように見え、雰囲気が怖い。

 

「そうよ、これはどういう事、横島!この女とどういう関係?」

エリカはストレートに不機嫌そうにリーナを指さし言う。

 

皆は横島がどうやってここに来たのか?今、何が起きたのか?ミアと黒い影はどうなったのか?本当にこれで戦いが終わったのかという疑問と、目の前で起きた展開について行けず唖然とするしかできなかったのだ。

しかし、リーナの行動によって、頭の中で処理しきれない先ほどの戦いから、現実に理解が可能な、リーナと横島の関係性についての疑問に意識を持って行ける面々は漸く、口を開くことができたのだ。

おかげで場の雰囲気は大分軽くなる。

 

「横島、いつリーナと知り合った?まあいい……」

達也はうんざりした顔で横島に尋ねる。

 

「まぁ」

深雪は手を口に当て驚いているようだ。

 

「横島ばっかりずるくない?」

幹比古は口を尖らす。

 

美月は、たははと苦笑い。

 

十文字は黙って目を瞑る。

「やはり、生きていたか」

 

 

 

「いや~、たはっ、たははははははっはははっ、とりあえず、横島忠夫、帰ってきました!」

 





次は、お互いの情報交換会かな~
お礼?質問会?説教?
どうなる?この次は?
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