沢山の感想ありがとうございます。
ギャグがしたい!!
でも今回少ないっす。
横島が治療を施した生徒は、すでに致命傷となる様な大怪我はすべて回復している。駆けつけた救急隊員は緊急性はないと判断し、他にケガをしている生徒を搬送していった。
保健室準備室に戻り、摩利と真由美は横島にお感謝の礼を言う。
「横島、今回は本当に助かった」
「横島くん、本当にありがとうございます。生徒から犠牲者が出ずにすみました」
「たははははっ、デートは約束ですからね!!絶対ですよ!!嘘ついたら、自配機にヤモリを混ぜてやる!!」
「やめておけ!!……お前は、全然かわらんな」
「いいじゃない摩利、悲壮感や偉ぶられるよりはずっと…」
摩利と真由美はそう言って笑っていたが、直ぐに生徒会長と風紀委員長の顔に戻り。
「摩利、私は皆を落ち着かせるため、放送室にいくわ。あなたは?」
「どうやら、戦闘も終息してきたようだ。捕縛者も多数出ている。私は巡回し、負傷者、捕縛者や被害状況の確認を行う……警察やマスコミも来るだろう。そちらは学校側が対処するだはずだ」
「横島は、休憩でもしていてくれ」
「では」
そう言って、保健室準備室を後にする摩利と真由美である。
彼女たちは、こんな混沌とした状態の中でも、自分がすべき事を、冷静に判断し実行することが出来るようだ。普通の生徒では無理な話である。彼女たちは非常に優秀なのだ。
残された横島は、取り合えず図書館に行った達也達の元に向かう事にする。
達也が居れば、戦闘自身は問題ないと横島は判断していた。
あの、喧嘩っ早さと、重度のシスコンで相手を殺さなきゃいいのだがなどと、達也の相手の方を心配している様だ。
構内を軽く走りながら、図書館に向かって行く。
既に戦闘の気配は構内にはない。後は真由美達や学校側が後処理を行っていくのだろう。
走っている横島に女生徒が声をかけた。
「横島さん、いた」
雫とほのかだ。
「探しましたよ、横島さん」
「横島さん、ちょっと来て」
ほのかと雫は横島を探していた様だ。
そして、雫に袖を引っ張られ、人通りのない校舎裏に連れていかれた。
「え?なに?雫ちゃん?」
横島はされるがままに連れていかれたのだが、
横島は今さらながら考えていた。雫たちを助けた際の行動についてだ。やり過ぎではなかったが、能力を見せてしまったからである。どう説明しようか悩む横島のだが、まあ、結論からすると、なるようになるかと思っているようだ。
横島の能力で記憶を消す事は簡単なのだが、彼女らにそのような事をすること自身、毛頭無いのだ。
「横島さん、助けてくれてありがとう」
「ありがとうございました」
雫とほのかは頭を深く下げる。
「たははははっ、あの時の事内緒にしてくれない?」
横島はストレートに食堂での戦闘の件を隠してくれるようにお願いする。
しかし……ほのかは申し訳なさそうに話す
「すみません。横島さん。雫にそう言われてたんだけど、うっかり食堂の人に口をすべらせてしまいました」
雫は、以前横島が古式魔法(霊能力)を使えることを内緒にしてほしいと前に言っていた事を覚えていてくれたのだが、まあ、横島があの時にそう言うお願いをした訳でもないため仕方がない事である。
「でも、だいじょうぶ」
雫はそう言う。
「へ?」
ほのかは雫が大丈夫だと言った意味を語りだす。
「私が横島さんが助けてくれたことを言ったら、口々に、
『あの変態が??無理無理』
『なんぱ野郎が??ないない』
『チカンの人でしょ??見間違いでしょ?』
そう言って、皆さん口をそろえて信じてくれないんです」
「…………なんでじゃーー!!」
「結局、私とほのかが撃退したことに勝手になった」
雫はこういって締めくくった。
そう、横島はある意味学内で有名人だ。入学初日にナンパを全校女子にしたとか、女子更衣室覗きを成功させたとか、下着泥常習犯だとか、そのペナルティで学校修繕を行っているとか、更に、CADもろくに使えない一般人もどきだとか、横島がした事以上に悪評が広がっていたのだ。まあ、半分は正解なのだが……
この学校には入学の時から差別がある。1科生と2科生……劣等生と、しかしこの頃はさらに追加されていた。この学校の差別は、1科生>2科生>横島と……。2科生の下に横島が追加されたのだ。横島をよく知らない大多数はそう思っている様だ。
普段の横島の行動から見れば妥当な評価だろう。
幸いと言うか、横島の普段のバカな行いのおかげで、横島の過剰な能力はバレずに済みそうなのだ。
でも雫は、横島の顔を見て言う。普段雫は、顔色をほとんど変えないのだがこの時は口惜しそうな顔をしていた。
「わたしは悔しい。本当は横島さんがすごく強くて、優しい人なのに……」
そう言って横島の袖を引っ張る。
ほのかもそれに同意して頷いていた。
「雫ちゃん、ほのかちゃん。ありがとう」
横島は屈託のない笑顔でお礼を言う。
「でも、横島さんも悪いんですよ。普段から真面目にしていないから……その女の人にすぐ声かけるとか……」
そう言ったほのかと一緒に雫はジトッとした目で横島を見る。
「はっはっはっはーー、この横島忠夫!!女の子がいるのに声をかけないなんてそんな失礼な事はできない!!いやあってはならない!!」
そう宣言する横島。
横島の頭の構造は常人には理解できないだろう。
「横島さん、最低」
引き続きジトッとした目で横島を見る雫。
「でも、あの時びっくりしました。あんなの初めて見ました。でもなんで隠しているんですか?」
「うん、凄かった。何をしたのか今だに理解できないけど」
「いや、別に隠しているつもりは無かったんだけどね。学校に入ったら、俺の能力ってちょっとおかしいのかなーって思い始めて、表沙汰になったら、家(氷室家)に迷惑かかるかもしれないし、魔法とか関係なしに、雫ちゃんやほのかちゃん達と普通に学校生活したいなと思っているだけだから」
ほのかと雫の質問に対し横島は苦笑しながらそう言った。
横島は能力を特別隠したいとか思っているわけではない。ただ、再度巡って来た学校生活を楽しみたいだけなのだが……周りの環境が今回も許してくれそうもない。
携帯端末にメッセージが届く、また摩利からだ。生徒会室に来るようにとの事だ。
「うちの鬼ボスから連絡だ。人使いが荒い……行くね。雫ちゃん、ほのかちゃん黙ってくれようとしてありがとう」
横島はそう言って、その場を後にした。
あと、もうちょっとで終わりですね。
後3話位かな。