横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

ちょい悩みましたが、こんな形になりました。
しかもその2で終わりじゃなく、その3まであります><



150話 横島、千葉家に行く!!その2

「………貴様が横島忠夫か」

 

「そうっすけど……」

 

「……千葉丈一郎だ。エリカの父であり……この千葉道場の道場主だ!!」

 

「あの~、お父さん何か怒ってます?」

 

「貴様に父親呼ばわりされる筋合いはなーーい!!」

 

現在横島たちは、千葉家敷地内奥道場の24畳はある客間で、筋骨隆々の偉丈夫、千葉丈一郎エリカ達の父親である千葉家当主と対峙していた。

 

上座に丈一郎がドカッと座っており、右並びに、長男、寿和と公私ともに寿和の部下をしている稲垣、そして吉田家の代表として幹比古。左並びに修次とエリカが座っている。

横島は下座で丈一郎と対峙する形で座っていた。

因みにレオは客間の外でマッチョズと一緒に控えている。

 

丈一郎は横島たちが客間に到着した時から既に眉間にしわを寄せ、明らかに不機嫌な雰囲気を醸し出していた。

 

 

「ひぇ~~、いや、そう言うわけじゃなくって………ちょ、エリカ、何怒ってるんだこの親父は?」

横島は丈一郎の迫力に慄き、エリカに助けを求めるがエリカは目を瞑って沈黙を守ったままだ。

 

「貴様!さっそく女に助けを求めるとは何事か!!この腐れ外道が!!」

 

「ひぇっ、なぜその、怒っていらっしゃるのかな~~と」

 

「おのれ!知らんとは言わさんぞ!!」

丈一郎の怒りのボルテージがさらに上がる。

 

「そ、その、なにがなんだかさっぱり何ですが……」

 

「貴様ーーーーーー!!事をかいて、白を切るつもりか!!貴様の悪行の数々聞き及んでおるわ!!」

 

「へ?身の覚えが……!!」

 

「ぐぬぬぬ!!まだ言うか!!寿和!!罪状を読み上げろ!!」

 

「あの~、おやじ殿、罪状ではないんですが、一応、横島くんの内偵情報によるプロフィールなんだけど」

寿和は困ったように、頭を掻きながら、一応反論している様だ。

 

「どこが、プロフィールだ!!罪以外の何者でもないではないか!!いいから読め!!」

 

「へーへー、あ~、横島忠夫1年E組二科生。最近まで行方不明となっていた。内偵による学内での噂をまとめた結果。

①チカンの常習犯である。

②覗きの常習犯である。

③セクハラの常習犯である。

④ナンパを学内女子から女性職員まで全員に行い、校内でのナンパは禁止になる。

ついたたあだ名が、『チカン、変態、ナンパの横島』。第一高校始まって以来の問題児。

以上」

かなり偏った内偵結果の様だ。……ある意味間違いではないが千葉家の情報網は偏見の塊で出来ている。

 

「ちょーーっと!!なんじゃそら!!誰がそんな事を!!」

横島はそんな叫びをしていたが……エリカと幹比古はあちゃーと言う顔をしていた。

 

「あ~、これね。千葉道場に門人や練習生として通っている第一高校の生徒から聞いた話だから、ほぼ合ってると思うよ」

寿和はそんな事を平然と言い切る。これで刑事なのだから、日本の将来は暗い。

 

「父上。私が聞いていたのとは大分違うようです。確かに彼は変わり者の様ですが、人を傷付けるような行為をしないそうです。スキンシップが少し過剰なだけです」

修次が横島を擁護する発言をする。

修次は摩利から横島について色々と聞いている様だ。

横島のうわべしか見ていない生徒とは違い、摩利は横島を理解している数少ない人物である。

 

「イケメン~~~流石は摩利さんを落としただけはある」

 

「すこし過剰!?何を言っている修次!!事もあろうかこの小僧!!同じクラスであることをいいことに、エリカにセクハラを散々行っていたと聞いているぞ!!しかも、脅し、屈服させているとか……この場でその首叩き切ってやるわ!!」

 

「えええ~~~、ちょっと待って!!」

 

「父上様、その、流石にそれは無いです。横島くんは確かにお調子者ですが、その様な事は致しませんし、今も友人として仲良くすごしております。……確かにたまにセクハラまがいな事をしようとしますが、私が撃退するので未遂で終わっております」

エリカも流石に父、丈一郎を止めに弁明に回ってくれた。

 

「未遂だと!!エリカこんな奴にたぶらかされて……すまんかった。もっと早く内偵を入れ、お前を救わねばならなかった。不甲斐ない父を許してくれ。…………そう言う事だ!!覚悟は出来ているだろうな?」

エリカの言動で余計に頭に血が上る丈一郎は、遂に刀を取り、抜きはらってしまった。

どうやらこの父親、エリカを溺愛するあまり、他の事が全く見えていない様だ。もはや誰の言葉も聞く耳をもたない。

 

「ちょーーー!!この暴走おやじなんとかしてーーーー!!」

 

「おやじ殿、こんなところで困ります。どうせやるなら、立ち合いの事故に見せかけないと……って、あれ?なぜ殺人を犯すことが前提に?……待ったーーーー!!おやじ殿!!今日は本来、吸血鬼事件、悪霊の対処の協力体制についての話し合いの場ですよ!!なんでそんな事に!!」

寿和もようやく本来の目的を思い出し、丈一郎を止めにかかった。

 

「立ち合いの事故?そのために小僧に道着と袴をはかせたのだ!!吸血鬼事件??そんな事は後回しだ!!エリカの貞操を奪い!!蹂躙し、幸せな未来を奪ったこの腐れ外道を成敗してやるのだ!!」

丈一郎は止まらない。何故か、既にエリカが横島に蹂躙されている妄想まで入っている様だ。

 

そんな丈一郎を寿和と修次が体を張って止めにかかる。

 

「ひぃえ~~」

横島は半泣き状態だ。

 

「父上様!私の友人を傷つけようとする父上様は大嫌いです!」

エリカがすっと立ち上がり、丈一郎を睨みつけていた。

 

「エリカ……?…………ウオーーーン!!エリカが、エリカが、反抗期に……エリカ―――――!!」

丈一郎は刀を落としガクッと両膝を付き、エリカの方へ向く。

 

「知りません」

エリカは縋りつこうとする丈一郎から半歩下がり、体ごと丈一郎を背に後ろを向く。

 

そんなエリカの姿を見た丈一郎は動かなくなり、真っ白になっていた。

 

 

この後、丈一郎を寿和、修次、エリカで慰めたり、宥めたり、説得したりと大凡20分かかる。

 

 

 

 

「す、すまなかった横島くん。少々取り乱してしまった。……エリカの事を今後も頼む」

丈一郎はさっきと打って変わって、穏やかな表情になり、上座に座りなおす。

 

「あれ?まだ勘違いしたまんまじゃない?」

 

「横島くん……後で、僕達の方で話を付けるから、気にしないで話を進めよう」

修次も若干疲れた様子である。

 

そして、落ち着いた雰囲気で丈一郎から横島に対して話を始める。

「吸血鬼事件について、吉田家の協力の元、尽力してきたが解決へは一向に進んでいない。余りにも吸血鬼に対する情報も少なく。他組織との競合もあり、お互いに足を引っ張っていたのも分かっていた。

そんな折のこの度の協力体制申し出は此方としても、魅力的に映る。

ただ、我々にも、警察組織にもプライドがある。それを崩すまでの、効果や実利が本当にあるのかは疑問が残る。

何せ、旗頭である君は無名の一介の高校生だからな……」

 

 

「確かに、俺はただの高校生ですしね」

 

「千葉家では君の事を殆ど把握していない。エリカに聞いたのだが、なかなか要領が得なくてな……そこでだ。我々に君の実力を見せてくれ」

 

「えーとっ、どうすれば?」

 

「幸いにもここは剣術道場だ。君と我々の門人との模擬戦を行って見せてほしい」

 

「父上様、何度も申し上げましたが彼の実力は本物です。試合など無意味です」

エリカはどうやら、ある程度横島の実力を事前に話していたのだが、まともに取り合ってくれなかったのだ。まあ、そもそも横浜の封印解除状態の横島の件などのすべてを語ってないにしろ、信じろと言うのも無理があるような事ばかりなのだ。

 

「自らの目で確かめる」

丈一郎は頑として聞かない。

 

「ならば、父上様、私が彼の相手をいたします」

なぜかエリカが模擬試合の相手の志願をした。

 

「えーーー!ちょ、エリカ?なんでそうなる?」

 

「一度、あんたとやって見たかったのよ。夏休み以降、はぐらかして、なかなか相手してくれないじゃない」

 

「少年、侮っては困る。エリカはこう見えても、千葉道場の荒くれどもを悉く叩き臥した実力者だ……エリカ、許可しよう」

丈一郎はニヤリとしながらエリカに許可をだす。

 

「ありがとうございます。父上様」

 

「あの~、俺の意思は?」

この親子、最初から最後まで、横島の話など聞いてなどいない様だ。

この話し合いの場で、横島はまともな話など一度もさせてもらっていない。

 

 

 

 

横島とエリカと試合をするために、大道場へと場所を移す。

 

「エリカ~~、一番使いやすい武器使っていいぞ」

 

「……横島、後悔するわよ。死んでも知らないから」

エリカは家人に愛用の日本刀とCADを持って来るように言いつける。

刀は横浜で使用した武装CAD一体型の大蛇丸ではない。ここで使用しようならば道場が破壊してしまうからだ。

 

家人からレオは日本刀とCADを受け取ってエリカに渡す。

「俺も一度、あいつとやって見たいよな。あいつは封印解かないみたいだから、何とかなるんじゃないか?」

 

「………何とかなる様な相手じゃない。今の私ではまだ勝てない」

 

「おい、おい、そんな弱気でどうするよ」

 

「でも……ちょっとは驚いてもらいたいわね」

エリカは実際に横島が、剣術や武術で戦っているところを見たことが無い。しかし、横浜の封印解除状態の横島を別にして、横島の剣術や武術に適したしなやかな肉体と、九校戦で見せた動きから、相当な使い手だと判断していたのだ。

 

「横島、あんたはまさか素手じゃないわよね?」

 

「まあ、陰陽師として来ているからこれだ」

横島は懐から短い木剣の柄のような物を取り出す。

カチッと言う音と共に、柄の内部から術式が刻まれた棒が伸び棍状となり、そして、術式の文字に光が宿り、棍の部分全体が青白い光に包まれる。

 

その光景に、丈一郎をはじめ、寿和、修次、稲垣も目を見張る。

 

「神通棍……やっぱり、あの時はおかしいと思ったのよね」

エリカは入学して間もなくの頃、横島が神通棍の話をしていた事を思い出していた。

 

 

「お互い礼、……はじめ!」

修次が試合の合図をする。

 

 

エリカは加速魔法を使い一直線に横島に刀を突き入れる。

横島は、半歩斜め後ろに下がり避けるが、エリカはその刀を横に返し、避ける横島を薙ぐ。

横島は流れる様に円を描きエリカの後ろに回り、刀を避ける。

エリカも後ろに回る横島の反撃を予想し、そのまま前に受け身を取りながら、後ろに振り返り、刀を突きつける。

 

「エリカやっぱやるな~、実戦だったら、第一高校の大半の連中なんて足元におよばないんじゃないか?」

 

「褒めてもなにもでないわよ。……今のは私の最速の一撃だったのに……魔法も使わず軽々避ける」

 

「なに?俺を殺す気?」

 

「ふん、殺しても死なない様な男がよく言う」

エリカは上段の構えから、加速し横島に襲い掛かる。切り降ろすモーションから、振り下ろすが、振り下ろすスピードを横島に肉薄するギリギリにさらに加速させる。一種のフェイントだ。

横島は後ろに急速に下がる。

エリカはそのまま斜め、上、下、横からの連撃を放つが、どれも剣先のスピードに緩急がついている上に途中で変化し、刀の切っ先を自在に方向転換させ、軌道を変えてくるのだ。細かい所だが、それも魔法を使っている様だ。さらに、その急激な変化に自身の体がついて行けるだけの鍛錬も普段から積んでいた。

 

「ふ~危ない危ない、マジやっかいだな」

横島はそう言いながら、体捌きを大きくしエリカの連撃を避ける。

 

「なによ、反撃してきなさいよ!それともその神通棍はお飾り?」

エリカはそういつつ、大きく刀を振った後、間合いを取る。

大凡ここまで1分半。

 

「これって、退魔用の霊具なんだよな。だから、本来は悪霊とか悪魔用……まあ、やり方はこうだ」

横島は神通棍に電撃の様に霊気をスパークさせ纏わせる。

 

そして、横島はエリカに一気に迫りノーモーションで神通棍を振り下ろす。

エリカはそれを加速魔法を使って、後方に下がり避けるが、横島がそれに合わせ追撃。

エリカは神通棍を刀で受けるのだが……

 

神通棍に纏っているスパークした霊気が刀を通しエリカに届き、エリカの体内に流れ込む。

「くっ!!」

 

エリカはその場で膝を付き、苦しそうにし、再度立ち上がろうとするが、膝が言う事を聞かない様だ。

しかし、表面上、エリカに傷やケガ等があるようには見えない。

 

「勝者、横島!」

修次は横島が勝利したことを宣言する。

 

その光景に、丈一郎は顔を顰めていた。

 

「ま、まだよ!!」

 

「ごめんエリカ……俺の攻撃はエリカの肉体にダメージを与えたんじゃないんだ。霊気その物に作用させ、一時的に霊気を……サイオン、そしてプシオンか……その供給と活動を阻止させ、感覚をマヒさせたんだ………悪霊や悪魔も同じ様な攻撃をしてくる。だから、魔法師では対処しきれない。……対人においてはエリカに敵う人間は少ないだろう。しかし、悪霊や悪魔に対しては正直言って無力だ。……それはエリカだけじゃない。魔法師全体に言えることだ」

横島が行った攻撃は、その昔美神が多用していた神通棍で悪霊をスタン(行動不能に)させる攻撃だった。

横島は千葉道場の面々に悪霊や陰陽師の戦いを知ってもらうと同時に、エリカにも身をもって悪霊との戦いとはどういうものかと再度体験させたかったようだ。

この前のミアに憑りついた悪霊との戦いであの場でエリカは何も出来なかった事に、ましては、美月に助けられた自分の不甲斐なさに悩んでいた。

最近のエリカの不機嫌さの大元はそこにあった事と横島は見抜いていたため、このようなやり方で、エリカを諭そうとしたのだ。

 

膝を付いたまま悔しそうに項垂れるエリカに横島は手を差し伸べる。

「しかし、何とかする方法はある。エリカは魔法師である前に剣術家だ。太古の武士は鬼退治も行っていたんだ。剣術でも鬼を退治する方法があるって言う事だ」

 

「ふん、ちゃんと教えてくれるんでしょうね?」

エリカはそう言って横島の手を取る。

 

「……確かに、そう言う事ならば、魔法師には対処が難しいかもしれないね。……なるほど……しかし、君の剣術と体術も凄まじいものがあるね。エリカを手玉に取っていた。流石はあのルゥ・ガンフゥを魔法を使わずに圧勝しただけはある………次は是非僕と手合せしてくれないか?」

修次は横島にそう言って、試合を申し込んだのだ。

 

「なに!?それは本当なのか修次?聞いていなかったぞ!」

丈一郎は驚いていた。

横島がルゥ・ガンフゥを単独撃破をした事を知らされていなかったからだ。

 

「エリカとの試合で、分かってくれたんじゃ」

 

「いいや、十分わかった。だからこそだよ。僕はね。摩利から君の事を、ルゥを倒した事を聞いて以来、君と戦って見たかったんだ」

修次はさわやかな笑顔ではあったが、目は真剣そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、四葉家では……

四葉家当主、四葉真夜は次の一手を思考していた。

(深雪さんからの報告で、横島くんが帰って来たのは知っていたのだけど、まさか、USNAにも伝手があるなんて……しかも、あの天災錬金術師ドクター・カオスとお友達とか……いいわ、彼)

 

(達也さんも余計な事を、USNA軍、七草・十文字家、警察組織の千葉家に協力関係を持たすなんて、此方も動きにくくなるわ……まあ、上手く行くとは到底思えないけど……

これで、USNA軍も容易に達也さんに手が出せなくなったわけだし、結果としてはいいのかしら?)

 

(貢さんが横島くんにバレちゃったから、東京で動きにくくなったわね。

しかも彼、パラサイトについてかなり詳しく知っている様だし……何か執念のような物を感じるわ……パラサイトの事で余計な手出しをすると、嫌われちゃうかも

達也さんもその協力関係に入るようだし、達也さん経由で此方がコントロールするのもいいのかも……でも、横島くん勘がいいし、バレちゃうかしら?)

 

横島の介入で当初の計画が完全に狂ってしまっていたが、何故か楽し気な真夜だった。

 

 

 





いよいよ!!
摩利ファンの積年の恨みを晴らす時が来た!!
修次めーーーーーーー!!覚悟!!!!

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