返答遅くなりすみません。明日にはお返事させて頂きます。
誤字脱字報告ありがとうございます。
更新が遅くなりすみません。
ちょい、平日は忙しくなりまして……
明日も更新する予定です。
ダブルセブンから双子姉妹登場です。
「ごめんね。横島くん待った?」
「いえ、俺も今来たところです」
「そう、では行きましょうか」
真由美は校舎正面玄関で待っていた横島に声をかけてから、校門外に待たせてある迎えの高級車後部座席に乗り込み、横に座るように促す。
本日夕刻から、七草家で対悪霊協力体制の契約打ち合わせを行う約束していたのだ。
車中ではやはり、今日の食堂での事が話題に上がった。
「そう言えば、今日も噂になっていたわ。横島くん」
「どんな噂ですか?」
「何でも、アンジェリーナさんが横島くんにその……バレンタインチョコを渡して、大胆な行動にでたとか……それで…そのあと、二人でいなくなって、あのその、えー、キスとか……」
真由美は顔を赤くし、なにやら言いにくそうにしていた。
「いや~、なんか、尾ひれがついていますねそれ」
「そうなのね。やっぱり……いずれにしろ。あまり学内で羽目を外さない様にね。横島くん」
真由美は横島のその言葉を聞いてホッとした顔をする。
「す、すみません」
「謝られるようなことは無いの、あの、別に怒っているわけじゃないのよ」
真由美は慌てた様にこう言って、困った顔をする。
そうこうしている内に、七草家に到着した。
広大な敷地に洋風の門。外から建物は見えない。
「うわっ、真由美さんの家も大きいですね」
横島は知り合いの家に行って驚いてばかりだ。
車は敷地内に入り玄関の前で車が止める。
運転手が後部座席のドアを開き、横島が先に降り、真由美が後から出てくるのだが、横島はそっと手を差し伸べる。
「あっ、ありがとう横島くん」
真由美は少し顔を赤らめて横島の手を取り立ち上がる。
しかし、その行動に異を唱える人物の叫び声が飛ぶ。
「こらーーーーーーー!!お姉ちゃんにさわるなーーー!!この色情狂!!」
七草家の広い庭の木陰から、一人の少女が勢いよく駆けてきて、横島に向かいいきなり飛び膝蹴りを放ってきたのだ。
当然……
「ぐはっ!!なんで~!?」
横島はその膝蹴りを顔面にモロに喰らい、鼻血をだしながら倒れる。
「横島くん!?大丈夫?……こらーー!!香澄!!お客様に何をするの!!」
真由美は倒れた横島を抱き起こそうとしながら、飛び膝蹴りを食らわせたショートカットの少女を叱りつける。
「あれ?なんで?寸止めのつもりだったのに、魔法演算式にズレが?」
蹴りを放った張本人である真由美の3つ年下の双子の姉、香澄は、横島に本当に蹴りを当てるつもりは無かったようで、逆に蹴りが当たった事に驚いている様だ。
そう、女の子が横島に突っ込みを入れた時点で、それは意図せずとも、ほぼ100%おいしい場所にクリーンヒットする事が確定してしまうのだ。これも横島が持つギャグ体質がなせるわざなのだろう。
「なにすんだーーー!!危ないやないかーーーー!!」
真由美が抱き起す前に、横島はガバっと立ち上がり、香澄に鼻血を垂らしながら、涙チョチョ切らせ抗議する。
「えええっ?モロに喰らったのに結構平気そう?」
香澄は元気そうな横島に困惑する。
「平気とちゃうわーーー!!」
「香澄ちゃん、本当に当てるなんてダメですよ」
庭の方から、もう一人、髪を肩より長めに切りそろえた香澄に顔立ちがそっくりな、香澄の双子の妹、泉美が出てきてその様子をおどおどして見ていた。
この二人、予め庭の木陰で隠れて、此方を伺っていた様だ。
「香澄!横島くんに謝りなさい!!」
真由美は香澄を叱りつける。
「当てるつもりは無かったけど……そのご……ああ!?横島!?やっぱりーーー!!だまされてるんだよお姉ちゃん!!」
香澄は最初は謝ろうとしたのだが、相手が横島だと知って、真由美にこんな事を言う。
昨晩、真由美が作っていたチョコは電話の相手であった横島という人物に渡すものだと疑っていたのだ。
「何を言っているのあなたは、横島くんは大事なお客様なんですよ。横島くんに謝りなさい」
香澄に再度謝るように叱りながら、真由美は横島の鼻血をハンカチでそっと拭く。
「こんな奴がお客様!?なんで?」
香澄は目を大きくし驚いていた。
横島の事をすでにこんな奴扱いをしていることから、事前に噂レベルで調べていた様だ。
どんな噂かは何となくわかるが、やはり、かなり偏った情報が横行している様だ。
仕入れてきてた噂は、間違いなく横島のマイナス面のみをピックアップしたものなのだろう。
「真由美さん、ありがとうございます。もう大丈夫ですんで」
横島は鼻を拭いてもらっている真由美にお礼を言う。
すると、自然にお互い視線が合い。横島は照れ笑いを、真由美は頬を赤らめる。
香澄はその様子を見て、真由美と横島の間に入り、
「ああっ、この変態!!お姉ちゃんにくっ付くな!体をやらしい目で見るな!!」
横島を怒鳴りつける。
「このおバカ!!」
真由美は横島に暴言を吐く香澄に容赦なく拳骨を頭に喰らわす。
「痛っ!だってーーー!!この男は噂で変態だって書いてあったんだもん」
「そんな事実はありません。お父さんが七草家当主として迎えているお客様なのよ。後でみっちり叱ってもらいますからね」
「え?お父さんのお客様?……………」
香澄は血の気を引く、事の重大さがようやく分かったようだ。肩をガクッと落とす。
もうこれは父からの説教は免れないだろう事を理解する。
そして真由美は香澄の頭を抑えつけ、横島に頭を下げさせようとする。
「ごめんね。横島くん。この子が失礼な事を言って……この子たちは私の妹たちなの」
「……申し訳ございませんでした」
香澄はしぶしぶ横島に頭を下げる。
「誰だそんな噂流した奴~、香澄ちゃんだっけ、それは事実無根だから」
横島はそんな事を言っているが、火の無いところに煙は出ないという諺があるように、全くの無実ではない。と言うか、半分近く合っているまである。
「でも、お姉ちゃんは絶対渡さないから!!」
香澄は横島をキッと睨みつけて、庭の方へ走り去って行った。
「香澄ちゃん待ってください」
泉美は横島に一礼してから、香澄を追いかけて行く。
「何言ってるのかしらあの子は!ごめんね。横島くんうちの妹が迷惑をかけて」
真由美は顔を真っ赤にし慌てて口早に横島に謝る。
「いや~、なんか真由美さんの妹にしては元気いいですね。香澄ちゃんって子は」
「そうなの元気すぎて困るくらいなの」
そう言って、大きな玄関の中に入って行く真由美と横島。
横島の傷は既に完治していた。
庭の方に走り去った真由美の妹達、双子姉妹は……
「香澄ちゃん。待ってください」
「泉美!ボクたちであの横島っていうとんでもない変態からお姉ちゃんを守らないと!」
「香澄ちゃん、でもお姉さまは横島さんという方に、随分気をお許しになっているご様子ですよ」
「お姉ちゃんは騙されてるんだよ!あんな、いかにもやらしそうな顔のしょぼそうな奴に騙されるなんて、お姉ちゃんも見る目が無い!」
「その横島さんなのですが、香澄ちゃんが調べた後、色々と私も調ベたのですけど、昨年の九校戦を一年生でありながら、モノリス・コード本戦に出場し優勝している実力者ですよ」
「はぁ?何かの間違いじゃない?あいつ二科生で、『チカン、変態、のぞきの横島』って、呼ばれている第一高校始まって以来の史上最低最悪の変態って噂になっているのよ!」
「香澄ちゃん、落ち着いてください。それが事実だとしたら、とっくに退学になっているハズです。しかも、名誉職である風紀委員の一員でもあります」
「風紀委員?それって戦闘にたけてないと出来ない役職でしょ?二科生なのに九校戦で、しかもモノリス・コード本戦で優勝?他の2人が優秀だったんじゃない?」
「それでも第一高校の中でも選ばられるぐらいの実力者という事ですよ。記事などを見ると、ひとりで予選本戦通じて6人倒しているそうですよ」
「嘘?あの変態が?いかにも弱そうな顔しているのに?」
「お父様が直々にお客様として、お呼びになった事も気になりますし……」
「くっ、少し強いからって、お姉ちゃんに手を出すとは……」
「でも、お父様がお姉さまと、一般の家出身だと思われる横島さんの交際を認めるとは到底思えません」
「そうだよ!お父さんが許すはずがない!でも、お姉ちゃんに強引に迫るかもしれないから、ボク達でお姉ちゃんを守らないと!いざとなったら、お父さんに横島の変態的な悪事を証言して、とっちめてもらえばいい」
真由美の妹達、双子姉妹はこんな会話を広い庭を足早に歩きながら、話していたのだが……
頼みの父弘一は、真由美と横島の交際に大賛成で、結婚前提で二人の仲をわざわざ進展させようとまで画策しているのだ。しかも、もし真由美がダメであれば、香澄、泉美も交際候補にとまで思っている。まさか、自分たちがこの時点で横島の交際相手候補に選ばれていることなど思ってもいない事だろう。
そんな弘一の思惑など知らずに、七草の双子、香澄と泉美は自室に戻り、あーでもない、こーでもないと横島撃退作戦を立てるのだった。
ボクっ子、シスコン香澄ちゃん
お淑やか系、レズっ子?泉美ちゃん登場!!
ってあれ?前も登場しましたね。