横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
明日には返事をいたしますので……すみません。

投稿も遅くなりすみません。
ちょい悩みまして……

取り合えず、もう一話を明日……いや、日付が変わっているから、日曜には出したいと思います。



162話 横島 自宅に帰る!!

「横島くん、ゴメンね。こんな事になって」

 

「いや~、真由美さんが嫌だったら、言ってください。俺の方から、お父さんに断りをいれますよ」

 

七草家での用事を済ませた横島は、弘一の好意で、お抱えの高級車で送って貰っている最中なのだが、自宅前まで見送りついでに、今後、世話をするために家を一度見て来なさいと、弘一に言われ真由美も一緒についてきているのだ。

弘一の策略で、なし崩し的に真由美と妹の香澄まで、横島の普段の生活のサポートをすることになったのだ。

 

「その、横島くんが嫌とかじゃないの……私、料理とか普段からしないから、得意じゃないし……逆に迷惑じゃないかなって……」

 

「へ~、意外っすね。真由美さんって器用だし、そつなく何でもこなせるものだと思ってた。でも、真由美さんは凄いお嬢様だから、無理もないか」

 

「私だって、苦手なものぐらいあるわよ。でも、これからは料理もちゃんと勉強しないとね」

 

「無理しないでくださいね。嫌な事は嫌って言った方が良いっすよ。でも、あのお父さんかなり強引だからな~……香澄ちゃんも巻き込んじゃって」

横島はその時の事を思い出して、呆れた風に言う。

 

「ご、ごめんね。でも………いい機会だし……」

真由美は謝るも、何故か顔を赤らめ最後は消えるような声でこんな事を言っていた。

 

「は~、あの人、一度言ったら聞きそうもないしな~、真由美さんの立場からも断りにくそうだし……うーん。そうだ。別に料理とか世話するとかじゃなくって、遊びに来てもらう感じでいいんじゃないっすか?別に部屋を汚くしてるわけじゃないし、自炊もしてるけど、半分くらい外食だし、ぶっちゃけ家に居ている時間って寝てるか宿題してる時とか、短いんですよ」

 

「そうなの?……でも、そういうわけには」

 

「あっ、遊びとかいってる場合じゃないっすよね。真由美さんって大学受験ってまだって言ってましたよね。こんな事してて大丈夫なんですか?」

 

「来週末に受験だけど大丈夫よ。こう見えても、成績は学年一位なんですから」

 

「やっぱ真由美さんって頭いいんすね。俺はヤバいかも、せっかく分かって来たのに、3か月もサボったからな~」

 

「だったら、お姉さんが教えてあげようかしら?」

 

「悪いっすよ。受験生にそんな」

 

「いいの、いいの。今から受験勉強なんて慌てても仕方がない事だし、横島くんに教える事で復習にもなるから」

 

「それだったら、お願いしていいですかね」

 

「お姉さんに任せなさい!そう言えば、横島くんは普段は勉強をどうしてるの?」

真由美はさっきまでは申し訳なさそうに横島に話をしていたが、今は何時もの元気で明るい感じに戻ってきていた。

 

「いや~、実は学校で達也にたまに勉強見てもらってたんすよ。俺、魔法学とかの魔法関係の科目は全然ダメだったんで」

 

「へ~、あの達也くんが深雪さん以外にね。仲がいいのね。少し妬けちゃうかしら」

真由美は悪戯っぽくそんな事を言う。完全に何時もの調子が戻って来た様だ。

 

「ま、まあ、たははははははっ」

横島は笑って誤魔化す。

これは入学当初、ブランシュによる第一高校襲撃事件の後、達也と勝負を行い。勝利した時の要求が、CADの使い方を教えてくれと言うものだった。それに派生して、達也は横島の勉強もたまに見ていたのだ。

 

弘一からは横島の身の回りの世話をしろという命令ではあったが、真由美も横島の世話をするという名目よりも、横島の勉強を見てあげると言う名目の方がやり易いだろうし、横島も同じくそう思っているだろう。

横島としても、そうする事により、横島の家に毎回行く必要もなくなり、真由美自身の負担も少なくなるだろうと思った。

弘一には直ぐにバレる話だが、実質、横島の近くに真由美がいる事になるため、弘一の横島策略から大きく外れないため、不問にするだろう。

 

 

横島の自宅マンションの前に、車が止まり、横島と真由美は車を下りた。

 

「真由美さんわざわざ送ってもらって、すみません」

 

「いえ、いいのよ………それと、ちょっといい?」

真由美はそう言って大きく深呼吸をする。

 

「なんですか?」

 

「……はい、これ……受け取って」

真由美は綺麗にラッピングされた文庫本ぐらいの小箱をもじもじとし顔を赤らめながら横島に手渡した。

 

「えええ!?これって、まさかバレンタインチョコ?いいんすか俺みたいな奴に!?」

 

「何時もお世話になってるし……それとね…」

 

「おおおお!!真由美さんからチョコもらったぞーーーー!!義理でもすごいうれしいっす!!」

真由美が続いて何か言おうとしたが、そんな声をかき消してしまうほど、横島は大声で嬉しそうにはしゃぎ、そして、こんな事を言ってしまう。

 

「え?あの……義理じゃ」

真由美は嬉しそうにする横島に顔を赤らめ上目使いでその様子を見ていたが、義理と言う言葉が出た事に焦る。

真由美が渡したものは、手作りチョコで、間違いなく大本命チョコなのだから……慌てながら訂正しようとする。

 

しかし、そんな真由美の声をかき消す声が上から降ってくる。

「タダオ帰って来た!!タダオーーー!お帰り!!」

リーナが横島の部屋の窓から此方に手を振り、大声で嬉しそうに叫んでいた。

 

「え?」

真由美は目が点になる。

 

「遅くなるって言ったのに……今行く!!」

横島はそう独り言ちながら、リーナに部屋にすぐ戻る事を叫んで伝える。

 

「………横島くん、これはどういう事かしら?」

 

「ま、真由美さん?」

横島は真由美の急に発しだした威圧感にたじろぐ。

 

「なぜ、アンジェリーナさんが横島くんのマンションに居るのかしらと聞いているんです!!」

真由美は横島に頬を膨らませ、抗議するかにように強く迫る。

 

「ええ?真由美さん何怒っているんです?」

 

「怒ってません!!……私も行くわ………」

真由美は横島にそう言って、車のお抱えの運転手に、先に帰るように言う。

 

「ちょ、真由美さん何を!!」

 

「私も、横島くんの自宅にお伺いするんです!!」

 

「でも、もう遅いですし」

 

「アンジェリーナさんが良くて、私はダメなの!?」

 

「いや、そ、そう言うわけじゃないんですが……」

 

「じゃあ、いいじゃない。さあ、行くわよ、横島くん!!」

真由美はそう言って強引に横島の腕を取り、マンションの入口に向かう。

 

 

 

横島の部屋の玄関がタイミングよくバンと開く。

「タダオお帰り!!」

リーナは扉を開け嬉しそうに横島を迎える。

 

「たははははっ、リーナただいまぁ~」

横島は苦笑しながら挨拶を返すのだが……その横には、横島の腕を取ったままの真由美は頬を膨らませ立っていた。

 

「なぜ、真由美がタダオの横にいるの?」

 

「そちらこそ、なぜ、貴方が横島くんの部屋にいるのかしら?」

 

「私は、タダオのガールフレンドだから当然よ」

 

「そう、日本語ではただの女友達って意味ですから」

 

「フーン……そう言う事」

リーナは横島が持っている先ほど真由美にもらったバレンタインチョコの箱を一瞥する。

 

「そう言う事よ……アンジェリーナさん」

真由美の目は、リーナを見据えていた。どうやら今回は、はぐらかさない様だ。

 

「あの、寒いんで、中に入りません?二人共」

横島はこの威圧感に恐縮しながらも、二人にこう提案する。

 

「「フン」」

リーナと真由美はお互いそっぽを向く。

 

 

玄関から入り、先にリビングへ一足先に先に戻るリーナに、遅れて横島と真由美が入る。

靴を脱ぐ間から今に至るまで、真由美は横島の腕を取ったままだ。

 

「横島さん・お帰りなさい…それと・お客様は……ミス・七草ですね」

マリアは横島に挨拶しながら、真由美を見て、初顔合わせなのだが、データベースで検索したのだろう。真由美にも正確に挨拶を返す。さらに、来訪者がいた事も把握済みで既に紅茶を二人分用意をしていた。

 

「横島、じゃましてるぞ……なぜ七草先輩まで?」

達也はソファーに座ったまま首だけ入口に向け、挨拶をするが、真由美を見て目を細めていた。

 

「マリア、ただいまって……おい、達也なんでお前まで居る」

 

「え?達也くん?……はぁ、アンジェリーナさん一人じゃなかったのね。えーとこちらの方は?」

真由美はリーナ以外にもう一人女性がいた事に真由美は驚くが、達也もいた事でホッとする。

 

「えっと、マリアなんですけど、……結構有名人」

横島は真由美にマリアを紹介するが、どう説明したらいいのか迷っている様だ。

 

「私は・マリア・横島さんのお友達」

 

「七草真由美です。横島くんの先輩になります。……え?マリアさんは、あの失礼ですが、ヨーロッパの魔王ドクター・カオス氏と共に行動されているあの魔女……、いえ、あのマリアさんですか?」

流石に真由美も驚きを隠せないでいた。自らも七草家の長女として有名ではある事は自覚し、いろんな有名人ともあって来たが、マリア程大物に出会った事は無かった。マリアはいろんな意味で世界で注目されている存在なのだ。

 

「イエス……コートを…そちらに・座ってください」

マリアは真由美に脱いだコートを渡す様にいい、ソファーに座るように促す。

 

「あ、ありがとうございます」

真由美は恐縮している様だ。

 

「タダオはこっち」

そんな中、リーナは横島の腕を取り、横に座らせる。

すると、横島の腕を掴んだままの真由美も、自然とその横島の横に座る事になった。

 

その間マリアは、横島と真由美のコートをハンガーにかけ、横島が真由美にもらったチョコを冷蔵庫に入れ、達也とリーナの紅茶を入れなおし、達也の横に座る。

 

その間、リーナは横島の腕に自分の腕を絡める。真由美は顔を赤らめながらそっと、横島の手首を掴んでいた。

 

しばらく沈黙がこの空間を支配する。

 

横島家のリビングのソファーは基本の形はL字に形成されている。

リビング入口側に、二人掛けソファーに外側に達也、その隣にマリア、斜め前の3人掛けソファーにマリアに近い方からリーナ、真中に横島、そして外側に真由美と座っている。

 

「たははははっ、えーっと、達也は何の用事だったっけ?」

横島はから笑いをしながらこの空気を打開しようとした。

 

「俺はお前に届け物があってな、直接渡してくれって頼まれていたんだ。まあ、中身はバレンタインチョコだが、すまんが一人の時に開けてくれ、本人は相当シャイな人物でな」

その達也の言葉に、真由美とリーナがピクっと反応する。

 

「マジか?俺にバレンタインチョコ?何て奥ゆかしいん子なんだ!!まさかの深雪ちゃん?」

 

「……それは俺が許さん」

達也は何時もに増して語気を強めて言う。

まあ、深雪嫉妬フルコースチョコや、真夜チョコやら、横島叔父妄想などもあったため、仕方がないだろう。

 

「何だよこのシスコン、だったら誰だろう?奥ゆかしい子って、学校に居たっけな?ああ!!鈴音さん!?」

 

「違う。後で一人で確かめろ」

 

「まっ、いっか」

 

「達也はこれで用事が終わったわね。だから帰ったら?」

リーナは達也につっけんどんな言い方をする。

達也と敵対し、勝負に完膚なきまでに敗れたリーナとしては致し方ないだろう。

 

「そうもいかない」

達也としても、真由美までこの場に居てはますます帰るわけにはいかなくなった。

何かの拍子に、真夜チョコがばれでもしたら一大事だ。

 

「真由美もなんでここに居るの?もう、七草家とタダオの話は終わったんでしょ?」

リーナは矛先を真由美に向ける。

 

「……七草家との正式な決定事項で、今後、この件の契約の間、横島くんの健康管理のために、毎日身の回りのお世話をすることになり、その世話役が私になりました。なので、あなた達が帰るまで、私はここに居ないといけません」

真由美はすました顔で、そう宣言する。

 

「どういう事よそれ!!」

リーナがそれに噛みつく。

 

「ま、真由美さん?それ、さっきやめようって決めたじゃないですか」

横島も先ほどの送ってもらった車の中で、それを勉強をおしえてもらう。要するに家庭教師役に代替えしようと話し合ったばかりだったのだ。

 

「いいえ、私の一存ではやはり、当主の命令には逆らえません。横島くんもあの時、反論しませんでしたので、了解と取られていても仕方がありません」

真由美は平然と手のひらを返す言い分を出す。ここにリーナがいた事で、危機感を持ち、リーナを排除しようとしているのだ。この辺は弘一とよく似ているところだ。

 

達也は目を細めその話を聞いていた。

達也も思考を巡らせ、これは七草家の横島を取り込む策略だと判断をする。

 

「タダオ?契約って……どういう事?」

 

「いや~、どういうこと?って俺も何が何だか?」

 

「……タダオ、私も毎日タダオの家に来るから、朝も一緒に学校に行こう」

 

「えええ??」

 

「いいえ、アンジェリーナさん、横島くんの送り迎えも七草家がきっちりと行いますので結構です」

 

「真由美!!横暴だわ。タダオのプライベートまで踏み込むなんて!!」

 

「貴方こそどうなの!学校で横島くんにあのような態度をとるから、横島くんが大変な目にあっていたじゃない!」

 

「それは……その」

リーナは痛いところを真由美につかれ口ごもる。論戦ではリーナは真由美には到底勝てなかった。

 

 

そんな中、マリアはすくっと立ちあがり、なにやら綺麗に包装された箱を二つテーブルの上に出してきた。

 

そんなマリアの行動で二人の口論は止まる。




とうとう真由美さんも本格参戦。
リーナの存在に危機感を募らせる真由美さん
しかし、それさえも、弘一の手の平で踊らされているような状態です><


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