横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

177 / 192
感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

ついに、最終章の始まりです。
ギャグが無いのが痛い><


177話 悪魔の謀略!!①悪魔の誘い 

今日の悪霊退治は横島、達也、リーナが抜けた。年長組みと学生組みで別れて行動している。

今、三鷹駅前小さな広場で集まっているのは真由美に十文字克人、エリカ、レオ、幹比古に深雪の学生組みチームだ。

 

 

 

「お兄様……昨日から難しい顔をしておられました。急に今日になって、横島さんとリーナと組むとおっしゃって……」

 

「USNAとなんかあったんじゃない?作戦中の不具合とか、それで、横島立会いの下でリーナと話合いとか」

幹比古はそんな事を誰と無しに言う深雪に答える。

 

「だといいのですが……お兄様この1週間ぐらい、なにやら考え事されていることが多くて……」

深雪は心配そうな顔をしている。ちょうど一週間前というと、達也が横島のダメージ転化に気がついた頃だ。その時、深雪に自分の腕を魔法で粉砕しろなどと、常軌を逸した言動をしていたのだ。

心配の一つや二つして当然である。

 

「ふーん。達也君、深雪にも何も言わないんだ。……深雪にも言いにくいことか~、……実は、達也君、リーナが好きだーーとかいって、リーナと横島カップルに別れろって迫って、修羅場になってたりして」

エリカは冗句のつもりでそんな事を言う。

 

「それはないわ、エリカ」

深雪はその冷え切った目でエリカを見据える。

 

「そうよ。大体、横島くんとリーナさんは付き合っていないわ」

真由美もエリカに頬を膨らまし突っかかる。

 

「ありえないよ。あの達也が恋愛関連の話なんて」

「さすがに無茶があるな」

幹比古もレオもエリカの冗談にまじめに答えている。その横で十文字克人が同意だといわんばかりにうなずく。

 

「な、なによ!みんなしてそんな目で見なくていいじゃない。冗談に決まってるじゃない!冗談よ!」

エリカは皆の真剣な眼差しにたじろぐ。

 

『娘っこ、おめー、思い悩むブラコン娘に言って良い事と悪いことがあるぞ。冗談やるなら、横島の旦那みたいにハチャケねーとな』

自分の愛刀紅鮫丸にまで、ダメだしを喰らう始末。

 

 

エリカの冗談はあながち間違ってはいない。恋愛ごとの修羅場ではないが……達也とリーナと組んで横島と友情を掛けた喧嘩をしていたのだ。

 

 

「すぐ終わるようなことを達也君も言っていたのだから、たいした用事ではないのではないかしら?それよりも、それまでに、私達が出来ることをしましょう」

真由美は年長者らしくこの場を納める。

 

 

「まあ、深雪もあんま考えても仕方ないでしょ?どうせ、横島となんだからしょうも無いことよ……で、今日は、誰がリーダーをする?うちのチームはいつも幹がやっていたけど」

エリカは未だ心配そうな顔をする深雪の肩をポンと叩いて、元気を出さそうとし、実際の自分達の事に話を移す。

 

「十文字先輩や七草先輩が居るから、お二人のどちらかにやってもらうのがいいな~」

幹比古は二人の先輩を申し訳なさうに見ながらそう言う。

 

「吉田が適任だろう。サポート面も優れているという。横島から提供してもらった霊具以外で自分の術式で対応できるのは吉田だけだ。さらに、俺達は皆、前面に戦うのが性に会っている」

「そうね。吉田君に任せようかしら、古式魔法の使い手でもある吉田君の指示も見てみたいですし」

十文字克人と真由美は幹比古をリーダーに推す。

 

「決まりだな!頼りにしているぜ。リーダー!」

レオは幹比古の背中を力強く叩く。

 

「は~~、先輩が居るのに何で僕が……」

 

「それだけ、幹を頼りにしているって事じゃない。シャンとしたら?」

 

 

しかし、この光景は1ヶ月前では考えられなかった。真由美とエリカが何かにつけて衝突していたし、十文字克人も、われ関せずのスタイルで、まったく言っていいほどバラバラだったからだ。

今は、お互いちゃんと話をし、認めあっているようだ。

達也の提案した協力体制はうまく機能しているといっていいだろう。

これも横島効果の表れだろうか?

 

 

 

 

 

学生組みチームが行動開始と共に、早速、3人の悪魔憑きを発見し追尾を開始する。

3人の悪魔憑きもそれに気がつき、逃走を図る。

 

幹比古引き居る学生組みチームは、三鷹駅前から井の頭公園方面へと囲む様に追いすがる。

 

悪魔憑き達が公園に入る前に行動に出る。

 

「紅公、一気に行くわよ!」

『はっ、じゃ行くぞ娘っこ!』

紅鮫丸を構えたエリカの瞳が赤色に変化すると同時に、3人の悪魔憑きの前に踊りでて一気に加速し、迫る。

 

3人の悪魔憑きは反撃をしようと魔法を放つがエリカは迫りながらもすばやい動きですべてかわす。

そして、一番前の悪魔憑きの男を紅鮫丸で薙ぎ払う。悪魔憑きの男は十字ブロックで防御体制をとり受け止めたが、紅鮫丸は霊気をスパークさせ、男を痺れさせ無力化させた。

 

その間、残りの二人をレオと十文字克人、真由美と深雪で後ろから奇襲し、それぞれ撃破していく。

 

幹比古は倒れた悪魔憑き3人に封魔札を飛ばし、額に張り付かせ、完全に無力化させたのだった。

 

 

「やったわね」

エリカは紅鮫丸を鞘に収める。

 

「ああ、連携もスムーズにいけたな」

「そうね。これなら、もう少し大胆にしてもいいかしら」

十文字克人も真由美をこの結果に納得しているようだ。

街中での戦闘ではあったが、被害も無くあっさりと片付けることが出来たのだ。

 

「先輩方も大分、慣れたご様子ですね」

深雪は真由美に話しかける。

 

「倒した悪魔憑きをどうする?」

幹比古は倒れている悪魔憑きを見ながら皆に聞く。

 

「七草家のバックアップが近くに居るから、彼らに引き取らせる事にするわ」

「そうして」

真由美がそう提案するとエリカも素直にそれに同意する。

以前の二人はこんなことでも、いがみ合っていたのだが……今は、それからすると考えられないぐらいの関係改善がなされているようだ。

 

 

 

 

「それにしてもこんな夜半なのに井の頭公園は結構人が居るな。あの中にあいつ等(悪魔憑き)に入られていたら厄介だったな………それにしても何かのイベントか?」

井の頭公園の様子をふと見たレオはそんな感想を漏らし、幹比古に聞く。

 

「そうだね。……なんか、みんな今時に紙の厚い本を持っているし、やっぱり出版イベントかな?」

何気ないレオの質問に幹比古も疑問に思ったらしい。

電子書籍が主流の現代では、紙の本は、書籍ファンやマニア向けの初版が出版イベントで販売されるぐらいなのだ。

 

 

「深雪ちょっと、どこ行くの?」

エリカは公園の方へ歩いていく深雪を呼び止める。

 

「小さい女の子が公園の中でうろうろしているのが見えたわ。迷子かも知れない。いってくるわ」

深雪はそう言って、人だかりの公園の中に入っていく。

 

「ちょっと!もう、私も行くわ」

エリカも深雪に続き公園に入っていく。

 

 

「十文字君、これ何かおかしくない?」

真由美は公園の中の人だかりを見て、考えるそぶりをする。

 

「何がだ?」

 

「こんな時間に、これだけの人だかりが居るのに。イベントなら照明を増設したり、派手に垂れ幕や、警備員が居てもおかしくないのだけど、何も無いわ。ただ人が集まっているだけ」

 

「確かに……吉田!あの二人を連れ戻してこい!」

 

「え?あ、わかりました」

「俺も行く」

幹比古とレオは十文字に言われ、深雪たちの後に続き公園に入っていく。

 

 

幹比古とレオが公園に入っていくのを見ていた十文字と真由美だったが……

 

「なんだ急に霧が出てきたな……」

 

「そうね。公園には池もあるし、それにしても……」

 

「!?いやなんだ。この霧の濃さは?いや、公園側だけだ!!」

公園を覆うように霧が立ち上っているが、公園の外側にいる自分達周囲には霧が無かったのだ。さらに、公園の内部が見えないぐらいに霧が濃くなる。

 

「!?皆を連れ戻しに行ってくる!」

 

「七草待て!」

 

真由美は十文字克人の制止を聞かず、公園の内部に入っていった。

 

「ぬかった!」

十文字克人は幹比古とレオを送り込んだことを後悔するが、すぐに気を取り直し携帯端末を取り出し、横島に連絡しようとした。

 

しかし、携帯端末は通話が出来ない状態になっていた。

「くっ、くそ」

十文字は珍しく慌てていた。

普段の戦闘ならば、冷静に居られるが、今起きている事象は明らかに悪魔が噛んでいるだろう。十文字にとって未知の領域だからだ。

 

公園の中心から円柱状に霧が発ち込める姿を、外側から十文字は見ていることしか出来なかった。

 

 

達也とリーナは横島と喧嘩をした植物園を後にし、三鷹駅へと魔法を使いながら加速して進んで行た。

達也は焦る。深雪に連絡が付かないだけでなく、幹比古やレオ、エリカ、真由美、十文字と全員に連絡をしてもつながらなかったのだ。

 

三鷹駅近くまで進むと、東の方(井の頭公園方面)では、なにやら煙のような物が円柱状に立ち上っているのが見えた。

「なんだ……リーナ行くぞ」

 

「わかったわ」

 

そして、井の頭公園方面に向かう。

 

 

 

達也達が向かった井の頭公園の前では、十文字が七草のサポート要員に忙しく指示を出していた。

「周辺の住民を近づかないように警告!誰か、七草と十文字、千葉、吉田の家に応援要請に直接駆けつけてくれ!」

 

 

「十文字先輩!これは?」

 

「司波か!急に井の頭公園に霧が立ち込めた。中には人が多数居る。お前の妹や、吉田達、七草も中に入ったきり戻ってこない」

十文字は、円柱状に発ちこめる霧を指差しながら、達也に怒鳴るように説明をする。

 

達也とリーナはその異様な霧を見上げる。

「くっ、連絡は付かなかったのですか?」

 

「ああ、どうやらこの付近は電子機器が通常に作動しないようだ!」

 

「タダオに知らせないと……」

 

「横島はどうした!?」

十文字は達也たちと一緒に居るはずの横島がここに居ないため聞いた。

 

「先輩。横島はその……現在、休憩中です。ダメージを受けたので」

 

「横島がダメージ?……悪魔の攻撃か?」

 

「そうではないのですが……」

達也は言いよどむ。

 

 

井の頭公園を中心に半径600m程の円柱状に濃い霧が覆いかぶさっている状態であったが……突如として中から大きな雷鳴が外まで響き、雷などによる稲光や激しく光がスパークしている様が見えたのだ。

 

 

「深雪!!」

達也はその状況を見たと同時に霧の中に突っ込でいった。

 

「待て!司波!」

十文字は達也を大声で制止する。

 

「待って達也!」

リーナは勢い良く飛び出した達也を追いすがり、止めようと腕を取るが、勢いに負け、達也と一緒に霧の中に入ってしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

「くっ、ここは……深雪!」

 

「達也!何でいきなり霧に突っ込むのよ!……冷静になりなさいよ!このシスコン!」

リーナは達也の背中を思いっきり叩く。

 

「す…すまないリーナ」

 

「タダオに散々言っておきながら、自分はどうなのよ……そんなんじゃ失敗するわよ?」

リーナの叱咤で達也は冷静さを取り戻す。

 

霧の中に入ってしまった二人は改めて周囲を見渡す。

 

「視界は2メートルってところか……」

 

「うん?達也、地面に本がたくさん散らばっているのだけど……」

リーナはそう言って、自分達が霧の中に突っ込んできた方向に歩く……

 

「ツッ?なに……何も無いのに壁があるみたい」

リーナは何かにぶつかり、そのあたりを手で探る。

 

「結界か………」

達也もリーナの声で手探りで見えない壁に触れる。

 

「魔法で吹っ飛ばすわ!」

リーナはCADを構え魔法を発動するが……

 

「どうしたリーナ?」

 

「魔法が発動しない……」

 

「………」

達也もシルバーホーンを構え魔法を発動させようとするが、反応が無かった。

それだけではない。心なしか身体も重かった。

 

「キャストジャミング?」

 

「いや………わからん。しかしこの場でじっとしていても始まらない」

達也たちは、公園の中心に向かい歩き出すが、すぐに立ち止まる。

 

 

 

「なんだこの建物は?」

 

「なんだかヨーロッパの古い宮殿みたいね」

 

「こんな物が井の頭公園には無いはずだ」

 

雰囲気は厳かだが、そこには大きな中世ヨーロッパ調の大きな宮殿風の建物が建っていたのだ。

もちろんこんな大きな建築物が井の頭公園にあるはずも無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃横島は……未だ、調布市北にある植物園の中で、回復に勤しんでいた。

 

横島は井の頭公園に円柱状の霧の結界が現れたと同時に、この存在に気が付いたのだ。

「なんだ!……急にどこから……いや……これは…魔界の瘴気……なぜ」

 

横島は立ち上がり、植物公園から勢い良く飛び出し、一気に井の頭公園へと向かったのだった。




ついに魔界の瘴気登場!!
あの中では馴れないと魔法の発動も難しいようです。

長かった来訪者編。いや、喪失編から続く伏線がようやくここで、描かれます。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。