横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうとございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


すみません。
今回はかなりシリアス展開です。
ギャグがまったくなし><

ついに横島くんの……


182話 悪魔の謀略!!⑥横島忠夫 その1

 

「くくくくくっ、横島忠夫、我らに刃向かったおろかな人間よ。絶望の淵に落ちるが良い」

ベリアルは魔人形28号を使い、石テーブルに磔になっている横島を容赦なく殴りつける。

 

「………」

 

「もうやめて……お願い、タダオにひどいことをしないで!!」

「横島ーーー!!」

「横島…すまん深雪の変わりに……」

「もう…やめて」

「横島……」

皆はその凄惨な状況に叫びを上げる。

 

 

「さすがだな、痛みでは声一つださないか…………ギャラリーは良い具合なのだがな……こいつの弱点は……ふん、せっかくこの図書館の司書などというふざけた地位を得たのだ、これをつかってみるか」

ベリアルは魔人形28号の額の目から、横島に向けてマッチ棒のような手を翳す。

すると、ダンタリオン時と同じ様に横島から、本が現れる。

しかし、先ほどのコミックとは違い、達也や深雪と同じような本だ。しかも3冊出てきたのだ。

横島の今までの歴史がすべて記載されている本だ。

 

「これが最近のやつだな………ふむ、貴様、仲間に自分の過去を知られるのを恐れているな!」

ベリアルは横島の本を読みながらは目だけのくせにニタっとした顔をする。

 

「くっ」

 

「なんだ?表情が変わったか?はっはーーー、お前昔の女の事で、文珠が生成できなかったのか!……くっくっくーーーんん?んんんん?これはあの時のことか、なるほどこれで合点がいくぞ」

 

 

 

「ギャラリー諸君!!今からいいものを見せてやろう。横島忠夫の本当の姿を!!こいつは天界の大罪人!!大悪党だ!!はーーはっはーーーー!!」

 

「……やめろ」

 

「くくくくっ、横島、この本はな貴様の歴史が記されているだけではない、映像としても展開できるのだ。どういうことかわかるか?」

 

「……やめ…ろ」

横島は苦悶の表情で訴える。

 

「くくくくっひーーーーひっひーーー、その顔がみたかったーーーーー!!」

ベリアルの笑い方が変わる。これがベリアルの本来の笑い方だ。先ほどまでは威厳を保つためのものだった。

 

 

 

「では、横島忠夫の罪の人生の開幕だ!!」

 

 

すると横島とギャラリーと化した皆の眼前に映像と音声が流れる。実際には脳に直接映像を流しているのだ。

 

 

ビルが立ち並ぶどこかで見たことがあるような都心部が写る。

しかし、各所で煙が上がっているのが見て取れる。それはさながら大地震などの、大災害が起こった直後のようだ。

 

そして、明らかに異形の物達が人間を襲い。殺戮し、建物を破壊する様が映し出されたのだ。

 

 

そこで、ベリアルの楽しげな声が入る。

「貴様ら、ここがどこかわかるか?……ここはな、100数年前のここ東京だ!悪魔と妖怪が闊歩した魔都と化していたのだ!」

 

 

「何言ってやがる!悪魔が闊歩だと?そんな話は聞いたことがない!」

「歴史上、悪魔や悪霊が多量に発生した記録は無い!」

レオと達也はベリアルに向かって叫ぶ。

 

「100年前の東京……確かに今は無い東京タワーがある……皇居も見える……」

「悪魔がこんなに………人が街が…襲われてる……」

真由美と幹比古はここが昔の東京の風景に酷似していることを認識していた。

 

 

「くくくくくっ、理解できんだろう。この現象は世界各国で起きていたのだ。数千万人単位の人間がたった2、3時間で死んだがな!」

 

 

 

 

場面が切り替わる。

 

 

 

明らかに人間とは違う風体の長身の威圧感がある男と、横島が禍々しい建造物を背景に廃墟の上で対峙していた。

それは100数年前、魔神アシュタロスとの最終決戦の映像であった。

 

 

『横島と言ったか……恋人を犠牲にするのか?目覚めが悪いぞ!』

 

『今お前を倒すには……これしかねぇ…どーせ後悔するなら………

てめーが!!くたばってからだ!!アシュタロスーーーーーーーー!!』

 

『や、やめろーーーーーーーー!!』

 

 

横島は恋人であるルシオラの命をとるか、世界を救うか、究極の選択を迫られていたのだ。

この少し前にルシオラは、横島が瀕死の重傷を負ったがため、自分の全生命をかけ、自らの霊体構造や魂を横島に融合させ蘇らせた……自身は消滅してまで……

アシュタロスは消滅した彼女を蘇らせるキーを持っていたが、同時にそのキーは世界を破滅させる物でもあったのだ。

そのキーを破壊すれば、世界は救われる。しかし、ルシオラは二度と戻ってこない。

 

そして、横島は世界を救う選択をする。

アシュタロスが自分のすべてをかけ作り出したそのキーを横島は粉砕したのだ。

 

そして巨大大爆発が起こり、禍々しい建造物と魔神アシュタロスが滅んでいく姿が写っていた。

世界各国で暴れていた悪魔や妖魔はそれと同時に消滅していった。

 

 

「ほう、アシュタロスは自滅したような物だな……策謀好きの甘ちゃんめ……もう少しというところで……まあ、あいつはあの程度か……くくくくくっ横島よ!!恋人を自らの手で葬った感想はどうだ?ひーーひっひーーーー!!」

ここでベリアルの声が割り込んできた。

 

 

 

そして、映像は続く。

20歳前後の髪が長くスタイルの良い女性と横島は先ほどの大爆発から地下道まで逃れていた。

もちろんその女性は当時横島の悪霊退治の師匠であった美神令子だった。

 

『あいつは……ルシオラは俺のことを好きだって……命も惜しくないって……

なのに…!!俺はあいつに何もしてやれなかった!!

俺はてめーのことばっかりで!!

口先だけで惚れたのなんのって!!

最後には……見殺しにした!!』

 

『横島くん!!違うわ!!彼女はアシュタロスの手先で終わるはずだった人生をあなたにかけた…正しいことに使うことができたのよ!!

それに、死んだのはあなたのせいじゃないわ!!』

 

『俺には……女の子を好きになる資格なんか…なかった!!……なのに!あいつはそんな俺のために……』

 

『……横島くん』

 

『うわああああああああああああああああああああああ!!!!!』

 

横島が泣き崩れいつまでも叫び声をあげる姿が映っていた。

そこで映像がいったん途切れる。

 

 

 

「ひーーーひっひーーーー傑作だ!!こいつは敵、しかも人間にとって絶対交わることが無い敵であるはずの魔族の娘と恋人どうしだったんだ!!その娘!主を裏切り人間ごときに恋心など持つから死ぬ羽目になるんだ!!いわば、こいつがその娘をかどわかし!!利用するだけ利用して見殺しにしたんだよ!!ひーーひっひーーー!!」

ベリアルの声がまたもや入る。

 

 

「タ…ダオ………なに…これ…なんなのこれ…タダオ……」

リーナは涙ながら呆然としていた。

 

「横…島くん?………マリアさんの話は……これだったのね……あまりにも残酷すぎる……横島くんがかわいそう……」

真由美は目に涙を浮かべ、マリアの話がこれのことだと理解した。

 

「何だよ!!なんなんだ魔族ってよ!!魔神との戦いってなんだ!!」

「そんなの聞いたこと無いよ!!どうして横島がそんなのと戦ってたんだよ!!」

「そうよ!!これは作り物よ!!だっておかしいじゃない!!横島が100年前にいるはずがないじゃない!!」

レオ、幹比古、エリカはベリアルに向かって叫ぶ。

理解しようにもあまりにも、違う次元の話で、現実感が沸かないのだ。

 

「くくくくくくっ、これは本来の100年ちょっと前の東京で起きた出来事だ!!まだ、魔も神もこの地に降り立つ事ができ、妖怪や霊が日常的に存在していた時代の話だ」

ベリアルは愉快そうにそれに答える。

 

「どういうことだ!!なぜ100年前の映像に横島が居る!!魔や神や妖怪などと不可思議な存在するなど聞いたことが無い!!」

達也はそれに噛み付くように叫ぶ。

 

「くくくくくっ、目の前に余が居るではないか……まあ、あせるな。お前らの脳みそでも、そのうち分かる。横島忠夫は本来100年前の人間だ……そして100年前にこの世界は作り変えられた。神や魔、妖怪、霊が居ない世界にな!」

ベリアルは実に愉快そうに説明する。

 

「な!!」

「何よそれ!!」

「そんなバカな話があるか!!」

「そんな話聞いたこと無い」

やはり、皆はまだ理解が追いつけないでいる。

 

 

「おーーーっと、当事者の横島~~?貴様、恋人を利用し、自らの手で殺した気分はどうだ!?」

 

「ぐぅううううう」

横島の顔は苦しみ抜いた顔をしていた。

 

「くくくくくっひーーひっひーーー、その顔、その顔だ!!いいぞ、実にいい。もう一つ言ってやる。元もとのアシュタロスは穏健派だったんだがな。余がすこーし、口利いてやってな。これに手をかしてやったのだ。まんまと口車に乗り、しでかしてくれた!!まさに魔界も神界も大あらわだったぞ……しかし、世界を作り変えることまでやろうとは思ってもみなかったがな!!ひーーーひっひーーーー!!」

 

「おまえかーーーーー!!アシュタロスをそそのかしたのはーーーーーーー!!!!!」

 

「そうだ!!余があやつをそそのかした!!余は得意だからな!!ひーーーひっひーーー傑作だ。穏健派?わらわせるな!!神と人と手を結ぶだと!!悪魔にあるまじき行為!!余の策謀で邪魔なあやつは滅んだ!!」

 

「ぐっーーーーー!!」

 

 

 

 

 

再び映像が流れる。

 

横島が狭い自室で苦しみ、うずくまっている姿が映し出される。

『ぐぅ……これは罰だな、ルシオラを見捨てた俺への罰だな、この程度の痛みルシオラを失ったことに比べれば……』

横島はアシュタロスの戦い以降、激しい痛みに苦しんでいた。横島の霊体構造と魂が魔族であるルシオラのものが組み込まれたためだ。いわば免疫抗体反応が出ているのと同じである。

一歩間違えれば、横島は魔物、魔族化してもおかしくは無いが、その精神力と未だ成長し続ける横島自身の霊力がそれを踏みとどまらせていた。

ただ、このことで横島の霊的ポテンシャルはぐんぐん伸びていくのであった。

 

そして……

 

横島が日常的に、何かと戦うシーンが数度流れる。どう見ても人でない禍々しい存在と戦う映像。

時には人間と戦う映像なども見られる。

アシュタロスの戦い後、横島は魔界、さらに一部の人間からも危険視され暗殺されそうになる。または、その力を利用しようと近づいてくるやからが絶えず接触に来ていた。

このことはどうやら、美神令子や当時同僚だった絹には隠していたようだ。

 

横島が住んでいるアパートには、裏切り者などと落書きなどがされ、脅迫文や嫌がらせの手紙などが送られていた。

横島はアシュタロスとの戦いの中で、敵の情報を得るためにアシュタロス側の陣営にスパイとして潜り込んでいたことがある。その際、メディアにも露出されていたため、人類の敵として顔が知られていた。戦いが終わった後、正式にメディアで横島が作戦のため敵陣営に居たことを説明をしていたが、この件で日本では100万人単位の人間が死亡していたため、納得のいかない人間もいたのだ。

 

『……せっかく平和になったのに……俺がここに居ることで美神さんやおキヌちゃんに迷惑がかかるな』

 

横島はそう言って、書置き一つして、東京から姿を消したのだ。

 

 

 

「これは傑作だ!!人類をアシュタロスの脅威から守った英雄が!!同じ人類に疎まれるとわな!!

知っているか、当時魔界では、十中八九アシュタロスが世界を滅ぼす事に成功するだろうと見ていたのだ。なぜならば奴は、まんまと神界と人界を切り離しやがった!!神の介入はなかった!!そして、戦っていたのは人間だ。アリが象に刃向かうようなものだ。

それなのに、このゾウリムシ以下の横島が象であるアシュタロスに勝ったのだ!当時のこいつは貴様らよりも弱かったのにだ!!

さすがの余も予想できなかった。まさに奇跡!!当時の横島とアシュタロスの戦力差は100万倍以上だったのにな………それが元でこいつは、人間にも悪魔にも、さらに一部の神にも敵視され、居場所を失う……恋人を失ってまでも、人類を救ったのにこの仕打ち……ひーーひっひーーー!笑いが止まらん!!」

 

 

「なんで……なんでなの、タダオばっかりひどい目に……」

「……いつもあんなに陽気なのに……その裏ではいつも……横島くん」

「横島…お前……」

「横島……」

「戦いなれていたのは……こういうことか……」

「100万倍の戦力差をどうやって?……横島は………」

「横島さん……」

皆はこの映像を見て、それぞれが横島の壮絶な過去に打ちひしがれる思いをしていた。

 

 

「この後だ。余が分からないのは……奴が消えてから何をしていたのかだ。再度現れて奴は…………」

ベリアルは何か思考していた。

 

 

横島は苦渋に満ちた顔を……さらす。

今も尚、ルシオラを死なせた後悔と苦しみを引きずっていた。

 

 

 

 

 





というわけで横島くんの過去がばれてしまいました。
かなりのシリアス展開。
次回も続きますが、こっちはオリジナルです。


GSファンの方には申し訳ないですが、究極の魔体はショートカットさせてもらいました。話の都合上><
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