横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

横島過去編これで終わりです。
シリアスもこれで終わり?
途中胸くそ悪い展開が混ざっておりますので、ご了承ください。

では……



184話 悪魔の謀略!!⑧横島忠夫 その3

 

 

「ヒーーヒッヒーー!ここからだ。ここから奴の絶望ぶりと、空回りっぷりが、傑作なのは!」

ベリアルはどうやらこの時代の横島を知っているようだ。

 

 

「ぐっ…」

石テーブルの上に磔にされている横島は苦しみ、何かに耐えるような顔をしていた。

 

 

 

映像の横島は、美神令子除霊事務所を襲撃し絹を拉致した連中が残したメモに書かれた人質交換の場所へと、都内にある郊外の公園前に文殊で瞬間移動する。

そして、指定場所の公園内にある噴水前に立つ。

 

しばらくすると噴水の池の水から声がする。

『横島忠夫だな、随分遅い到着だな。2週間も待ったぞ』

 

『……悪魔契約者か…来てやったぞ。おキヌちゃんは無事なんだろうな』

横島に声を掛けてきた者は池の水と同化していたが、明らかに人の気配であった。

悪魔と契約することで、いろんな能力を得ることが出来る。これもその一つなのだろう。

 

『命はある……変な真似をしなければ生きて会える。抵抗するならば屍と会う事になる』

 

『わかった』

 

『ここから見える交差点まで行き、路地に入れ、そこに車を用意している。車に乗る前にあのベンチの裏にある腕輪をしろ』

 

『わかった』

横島は、水男に素直に従い、公園のベンチ裏に貼り付けてあった腕輪をし、指定の車に乗る。

そこに乗っていた男に目隠しをされ、さらに手錠をはめられる。先ほどの腕輪は霊力を抑える霊具だった。

 

そして、二時間程車に揺られ、山間の何かの工場のような施設に到着した。

『歩け』

横島は目隠しを外され、施設内に歩く。

日本語でない言語、中国南方の言語があちらこちらで聞こえる。どうやら中華系の組織のようだ。

横島はそこで絹の存在を感じる事ができたが、反応がかなり弱い。

それと、ここには悪魔の姿も見られる。……しかも魔族級の悪魔の気配もする。

この人間達は、悪魔と契約するだけでなく、行動を共にしていたのだ。

いや、こうやって悪魔が控えている自体が悪魔との契約なのかも知れない。

この施設には悪魔と魔族の反応が24、人間が300人程度の存在を感じていた。

 

そして、何かの実験施設のような場所に連れて行かれる。

ガラス張りの大きな箱部屋のようなものが何個も置かれている。

そこには、妖怪や霊、さらには、人だった何かが、入れられている。

 

そして、つれられた先に横島が見た物は……

 

横島はその場で膝を落とす。

 

『貴様が来るのが遅かったから、ここの男共で十分楽しませてもらったぞ』

『治癒能力を持っているようだったからな、お前がもう来ないと思ってな、色々実験動物になってもらった。まあ、次はお前がこうなる番だ』

『この娘も災難だったな、貴様の知り合いだったばっかりに、このような目にあったんだからな』

そこに居た男度もが口々に言い、横島に下卑た笑みを見せる。

 

そこにはボロボロになり、かろうじて息をしているだけの絹の姿があった。

治癒能力の実験の跡なのだろう。ありとあらゆる箇所に裂傷、腫れ、火傷、骨折、穴などを身体中につけられ、無残な姿に………

 

 

『あああ・・・ああ・・・ああ・・・』

 

『どうした?一応まだ生きてる間に会わせてやったぞ。まあ、死にぞこないだがな。お前が来るのが遅いのが悪いんだぞ』

 

『う…うう…うわわわわわああああああああああああああああああああああ!!!!!』

横島の抑えていた霊気が一気に開放される。

そして、この施設いや、山全体を覆いつくし、そこに居た悪魔や人間を飲み込み一瞬ですべてが消滅した。

 

 

そして

『おキヌちゃん……ごめん…ごめん…ごめん…ごめんよ…俺が逃げ出したばっかりに…………』

横島は何も無い荒地と化したこの場所で、ボロボロになった絹を抱きかかえ、文珠で完全回復をさせる。それと同時に絹がとらわれてからの2週間程度の凄惨な記憶をすべて消したのだ。

 

『ん……あれ?横島さん。いつもどったんですか?あれ?ここどこ?私なんで服がボロボロに?』

絹は目を覚ますが拉致される直前ぐらいからの記憶をすべて消され、状況がわからないようだ。

 

『おキヌちゃん……ごめん。ごめんよ。もう二度と放さないから…ずっと守るから…もう君をひどい目に合わさせないから』

横島は絹を思いっきり抱きしめる。

 

『横島さん?あの…その…なんで泣いているんですか?横島さん苦しいですよ。そんなに強く抱きしめなくても……その嬉しいですけど』

 

『……俺はずっとそばに居る……』

 

 

 

 

「あの時は誤算だったな、横島がここまで力をつけていたとはな、あの猿神め!!……おい、横島!この娘を攫う計画はな!俺が仕掛けたんだよ!!ヒーーヒッヒーーー、あの娘、陵辱に耐え切れず何度気絶したか!!そのたびに針をさして、起こしてやったわ!!お前にも見せたかったよ!!ヒーーーヒッヒーー!!」

ベリアルはあの場所に居たかのように語る。

 

「おおおおおお!くそおおおおお!!お前は許さない!!絶対滅してやる!!」

 

「おーー怖いことだ!ここでは何をしても無駄だ!そういえば、あの娘な、最中に何度もお前の名前を呼んでたぞ!!横島さーんって!泣きながらな!!ククククッ、ヒーーヒッヒッーーーー」

 

「ぐぅうううううう」

 

「おお?俺とお前は穴兄弟ってことか?」

 

「ぐぐぐううううううううううううううううううううう」

 

「おい?あまりにの事で気でも狂ったか?意外と早く精神崩壊しそうだな!クククククッ…まあいい、続きいくぞ」

 

 

「くそ、この悪魔胸糞悪いぜ」

「………なんてひどい事を…」

「横島……」

「タダオ………」

皆は目を背けるが、横島の苦しみの声がいつまでも耳に響いていた。

 

 

 

 

横島は美神たちの別荘に絹と共に瞬間移動でもどり、今後の身の振り方の話し合いをする。

美神一家は日本は危険だと判断し、アメリカに技術提供を餌に亡命。

アメリカは霊能で遅れているため、これはわたりに船だったようだ。

 

シロは人狼の村に帰し、タマモは横島についてきた。

 

横島は絹と共に氷室村に移住。

絹は氷室村にある学校に転校することになった。

横島は、氷室村に文珠を利用した村全体的に覆い半永久的に作動する強力な結界をはる。

横島はこの時、絹に正式に恋人になってくれるように告白し、絹もそれを受ける。

この時から、横島は人が変わったかのように、誰から見ても真面目な好青年になっていた。

 

 

しかし、その裏では、絹を攫った人間と契約した悪魔の主である72柱の魔神の1柱を魔界まで行き、滅している。

その様子も映し出されていたが……ベリアルさえもその圧倒的な力におののいていた。

 

 

横島は怒りと悲しみがない混ぜたような表情で、容赦の無い攻撃を繰りだす姿が映っていた。

中空に浮き、100もあろうかという文珠を自身の周囲に不規則に周回させ、稲妻や空間を切り裂く刃、瞬間移動し直接相手に刺さる槍などを生み出し魔神を襲い狂う。その一つ一つが山を消し去り、地面を引き裂くなどと凄まじい威力であった。

そして自身は瞬間移動にも見える超絶スピードで自らの霊刀ハンズ・オブ・グローリーを振るい相手を切り裂いていき、追い込んでいく。

……その様相は、横浜の時に見せた横島の力など遥かに凌ぎ、圧倒的であった。それを躊躇無く相手が滅するまで続ける。

千の命を持つといわれたその魔神は、反撃をする間もなく滅んで行ったのだ。

 

もはや、この時の横島は神魔でさえ、容易に手出しが出来ない存在になりつつあったのだ。

 

 

 

「に……人間分際で…なんでこんな力を……………フヒッ!この力も俺の物になる!!この力が手に入るのだ!!これならば、あのサタンすら倒せる!!ヒーーヒッヒーー!!」

ベリアルは横島のこの姿に恐れおののくが……その身体が自分の物になる事を思い出し、強気な発言をする。

 

 

「……横島…本当に、魔神と戦っていたのね。あの力は魔神を倒すための力……」

「横浜の比じゃない。なんて破壊力だ。あれが横島本来の力……」

「横島お前………」

皆は横島の力に驚くが横浜の時の横島を知っているだけに、何とか頭の中で処理をすることができたようだ。

 

「横島くん……つらいのね。戦うことが……」

「タダオ……らしくない……らしくないよ」

真由美とリーナは横島が振るう力よりも、表情や行動に目が行き、横島の苦しみと悲しみを感じていた。

 

 

横島はその魔神を滅し、少しは人界の不穏な動きがマシになるのではと考えていたが、そうはならなかった。

人界での人間による霊、妖怪、妖魔、悪魔などの捕獲、兵器利用への流れは止まらない。

悪魔の手引きがあったのも事実ではあったが、根本的に欲していたのは人間そのものであり、悪魔の囁きが無かろうとも、本質は変わらなかったのだ。

 

そして、ついに、妖怪妖魔が反撃の狼煙を上げる事になる。

妖怪妖魔は元々は結束力が弱く。別種族とのつながりは、ほとんど無かったのだが、ここに来て、団結しだしたのだ。

 

 

 

アシュタロスとの戦い……その影響は計り知れない。

 

人界では、人間はより強力な兵器を求め、その結果、霊や、妖怪妖魔、悪魔を利用する。

 

魔界では、今まで抑えられていた急進派が活動が活発になり、己の欲するままに人界に赴く悪魔が増え、力を欲する人間と利害が一致し悪魔契約を行う………

 

そして、妖怪妖魔は窮地に立たされた結果、結束力を高めることになった。そこを急進派の悪魔に利用される事になる。

 

神界では、アシュタロス後の事後処理に追われていたのもあるが、この流れは元々人間が作り出したものであり、魔界へ穏健派に急進派を止めるようにと通達する程度に収まる。

結局人界での活動は小竜姫などの管理者の裁量に任されたのだ。

また、横島の魔界での活動は黙認していた。

 

この流れは、人間と妖怪妖魔の戦争へと発展していったのだ。

これこそが、急進派悪魔が望む、混沌とした人界の姿であった。

 

 

横島は痛感する。

本質は人間の心にあることを……悪魔はそれに自分の欲にあった人間に手を貸し、お互い利用しあっているだけのことだと……

悪魔を滅したところで……一時的な効果しかない。流れは何も変わらないことに……

 

 

 

ベリアルはこの流れに乗った魔神であった。

しかし、表舞台にはまったく出ず、同族を利用したり、漁夫の利を得るような行動をとっていた。

得意な舌先三寸、虚偽虚構を論じ、強い物には諂い。弱い物は押さえつけて……

 

 

 

 

横島は人界では、国や有力名家等を味方につけ、今の妖怪妖魔を利用した軍事力拡大を抑える活動にでる。軍や闇組織に対しては、生体実験等を行っている組織に介入し、捕まっている妖怪妖魔の救出などを行っていた。

 

妖怪妖魔に対してはバンパイアハーフであるピートと、元大妖怪九尾の狐タマモの協力を得て、戦争を回避するために何度も有力妖怪妖魔の元に訪れていた。

 

魔界では、人界に介入している魔神達と話し合いをするというスタンスをとる。

妖怪妖魔と人間が争うように仕向けている悪魔を抑制するために……

元々悪魔は人界に介入していた。悪魔契約などはよく昔から行われていたのだ。

召還獣と呼ばれている物も、元々魔界の悪魔や魔神の分身体であることも多く、今までは大きく人間社会にまで影響は無かったのだ。

 

魔神との話し合いは最初は困難かと思われた。魔神には人間の常識が通用するわけも無いため、戦闘になることが多かったのだ。しかし、その戦闘は力比べ程度で終わることが多く。死闘を繰り広げるまでの戦闘に発展しない事がほとんどであった。

横島も魔神を滅するつもりも無く、理性ある魔神は飽く迄も力比べを楽しみたいのが本音だったりと、逆にこの力比べ後に、友好的になる魔神や悪魔も多く居た。

 

 

 

横島の活動で一時は妖怪妖魔と人間との全面戦争は避けれるところまで来ていたのだが……結局、戦争の口火が切られることになる。

 

横島はこの頃から、斉天大聖老師の紹介で神界図書館へよく足を運ぶようになり、不必要に知り合いを巻き込まないように接触をさけてきたが、ドクター・カオスとは頻繁に会うようになる。

 

氷室村では、前々から自分も力になりたいと言う絹をやんわりと断り続けていたのだが、ここに来て絹に陰陽術の修行をつける姿が見られるようになる。

この時横島は絹のために、氷室家に伝わる陰陽術を改良し、術式体系を新たに作り、現在の氷室家の術式の基礎を作ったのだ。

 

 

 

 

そして、人間側が徐々に劣勢に陥り、大規模反攻作戦を取ろうとしている時期の映像が流れる。

 

天界では、人間側が敗れるだろうという意見がほとんどで、この事態に介入するかしないかを何度も論議を交わされていた。

結論は、不介入……これも歴史の一部だと………

 

横島はこの結論を斉天大聖老師から聞かされていた。

『……本当はお互い戦いたくない筈なのに、なぜこうなっちゃうんですかね師匠』

 

『人間は争いの歴史を繰り返してきた。最初は、人も妖魔もただ単に生き残りをかけ、食料をめぐって争っていた。だが、人間の欲は、衣食住だけでは済まなかった。……自分の身の丈に合わない欲は自らを滅ぼす。ただ、それだけの事じゃ』

 

『……俺は……』

 

『お主はよくやった。ただ、時勢がそうはならなんだだけの話じゃ』

 

『………』

 

 

 

 

数日後……

 

 

横島は夜遅く、二人で生活している氷室家の敷地に建てた別宅玄関からでる。

絹も見送りに、一緒に玄関を出て少し歩む。

横島は当時20歳、絹は19歳だった。

 

『横島さん………不安でしかたがないんです。あなたがまたどこかに行ってしまうんじゃないかって……』

霊能者の勘なのか、絹は横島の顔を見て不安でたまらない表情をする。

 

『お絹ちゃん……俺は君をずっと守るよ……ずっとね……』

横島は絹を抱きしめて最後のキスをする……そして、後ろ手の文珠を輝かせ……横島忠夫に関する全記憶を絹から消し去った。

 

『ごめん……でも、全部守るよ』

気を失う絹を抱き上げる横島は悲しげな顔をしていた。

 

 

 

 

横島は次々に自分とかかわりが深い人物の記憶を直接消しに行った。

美神令子から始まり、最後にドクター・カオスとマリア。

 

『おぬし、少々疲れておりゃせんか?顔が暗いぞ?昔は元気とスケベだけが取りえの小僧だったのがのー、今じゃ、なんじゃ、三界を又にかけて、世界を救おうとしとる……情勢が悪いのはわかっておるが、休憩は必要じゃぞ。……どうじゃ!カオス特性酸素吸入リラックスマシーン2号で疲れを癒さんか?フハハハハハッ!肩もみアームと腰もみアームが絶品じゃぞ!!』

カオスはそう言って、腕が沢山付いている見た目がおかしいリクライニングチェアーを指差す。

 

『横島さん・心が・乱れて・おります。マリアが・何か・出来る事が・ありますか?』

マリアは横島を気遣う。

 

『ごめん、じーさん、マリア……本当に世話になった……』

横島はそう言って、文珠を輝かせ、二人の横島忠夫に関する記憶を消し去る。

 

 

 

そして………

南極大陸に瞬間移動。

 

あらかじめこの日の為に設置した世界各国の文珠を起動し……

ついに始めてしまう。

 

横島が世界を救うために考え出した結論。

誰も傷つかずに人々を、妖怪妖魔を救う為の究極の方法『世界分離』を……

この地球を人間と妖怪妖魔を分け二つの地球に分離してしまう方法。

そして、神も魔も介入できない世界を創るための方法。

文珠があってこそ実行できる方法なのだ。

 

 

横島は文珠を多量に頭上に浮かばせながら、南極大陸を覆うほどの巨大な術式を空高く、つむぎだしていく。

 

 

先ずは、神や魔神に気づかれないようにと、分離の際にこの世界自身に負担を軽減させる為に、時流をほぼゼロにまで遅らせる。

 

 

そして強力な結界を張り、この地球をこの次元から一時的に分離。

 

 

宇宙の卵の理論を使い。無数の空の器を生成する。

 

 

 

その間、地球上にある知的生命体を二つの世界に振り分ける為に……マーキングして行く……

 

 

地球上に存在する。神・魔を強制転移送還………

あらかじめ、強力な神や魔が地球上に居ない事を確認していた。

 

歴史改ざんを行うため、人間の世界には霊や妖怪・妖魔が居ない世界を人々の記憶から記録すべて消去するための術式を埋め込む。

妖怪妖魔の世界でも同じく、人間が始から居ない世界となるように人間の記憶、記録を消去する術式を埋め込む。

最終的に世界分離を果たした際にこの術式が起動するのだ。

 

 

地球をスライドさせるが如く、分離していく……

分離の過程で副次的に、似通った世界が出来てくるがそれを消去する

 

横島は強靭な精神力と霊力を振り絞り……888個ある文珠をコントロールし『世界分離』を実現していく……

 

 

そして、メインとなる人間世界、妖怪妖魔の世界の分離はほぼ完了……まだ、残っている似通った世界の消去と、分離中の世界に残っている知的生命体の振り分けを行う。

 

 

その時、横島は感じた。最高神にこの事に勘付かれた事に……

 

横島は焦る。

知的生命体の振り分けを急ピッチに行い。

そして、この人間世界の地球と別次元に出来た妖怪妖魔の地球を神や魔にも絶対に干渉させないように、また、宇宙意思の修正に対抗するために、自らが二つの世界を覆う結界と化する術式を起動させたのだ。

 

 

しかし、ついに眩い光に覆われた姿の最高神が横島の前に現れる。

 

『俺にはこれしかなかった………皆が生き延びて、争わない世界。神も魔も干渉しない世界』

 

『…………そこには君の居る場所がないではないですか』

 

『いや、俺は自らを結界化する。それで俺の役目は終わりだ』

 

『それはさせません…………』

 

最高神は横島の術式に介入し止める。

横島には既に抵抗する力も残っていなかった。

 

『君は天界の規定で罪となる………君は自分のエゴだけで、世界の理を変えてしまった』

 

『……そうだとしても!争いなんて真っ平だ!皆が、大切な人が傷つくのはもう嫌なんだ!!』

 

『君は優しい…優しいが故に間違いを起こす。……君は魂の牢獄に長い間投獄されるでしょう』

 

『……この世界はどうなりますか?』

 

『これほど見事に分離されては元に戻すこともままになりません。……このまま歴史が刻まれていくことでしょう』

 

『そうですか……最後の結界を発動できなかったことが心残りです。俺のお願いを聞いてくれませんか?二つの世界には、神も魔も介入をしないでいただきたいんです』

 

『それは………検討しておきましょう』

 

『ありがとうございます』

 

ここで映像が途切れる。

 

 

 

「何て奴だ!!人間の分際で人間の分際で!!人間のくせにーーーーーー!!ふざけるな!!なにが世界分離だ!!何が争いのない世界だ!!虫けらのくせに!!くせに!!くせにーーーーーーー!!!!」

ベリアルは癇癪を起こしたように叫びをあげる。

横島が起こしたことを聞いて知っていたが、実際映像として見て、もはや人間や神、魔の云々の話ではなかったのだ。世界そのものを作り変えたのだ。

元天使で元魔王のベリアルだが、どうあがいても到底真似出来る代物ではなかった。

 

 

「…………横…島が、この世界を創った?」

「………………横島が…神さま?」

「…………………マジ…かよ」

「横島さんが創った……この世界を?」

「……………あ、ありえない…しかし、あのままだと人間は確実に滅んでいた……」

幹比古、エリカ、レオ、深雪、達也はあまりのことに呆然とするしかなかった。

 

「……争いの無い世界を願って創られたのが今の世界……横島くん」

真由美は横島が願った世界がこの世界ならば、報われないのではないかと思う。

 

「……タダオ…悲しすぎるよ」

リーナは横島の行動があまりにも自分を犠牲にする物ばかりなのに、悲しみで涙する。

 

 

 





ようやく横島の過去編終了です。
カオス以外はシリアス><
カオスのじーさんにシリアスは無理でした><
存在がギャグなんで><




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