九校戦編突入なはずなのですが……
内容は九校戦とは関係ないです。
何となく再開です。
20話 横島、ライバル出現!!
とある休日
「元気そうな彼女!!ボク横島!!今からお茶しない!?」
「そこの美人おねーーさん!!ボク横島!!カラオケでもどう!?」
「おしとやかそうなおじょーさん!!ボク横島!!一緒にご飯食べない!?」
このにやけ顔の少年、朝から彼是100人以上の女性に声をかけている。もとい……下心丸出しのナンパを繰り返している。
もちろん全部すげなく断られている。まったく相手にされていない感じである。
彼はそれでもめげずに同じような切り口で女性をナンパし続ける。
学習能力があるのだろうか?
しかし、その少年の直ぐ近くにも……
「そこの君!!かわいらしいね!!ボクの道場で鍛えてみない!?話はそこの喫茶店で!!」
「小柄な君!!ぜひボクの道場に来たまえ!!体が元気になるよ!!話はそこの喫茶店で!!」
「お嬢さん方!!簡単にダイエットが出来る方法を教えてあげる!!話はそこの喫茶店で!!」
作務衣姿の剃髪の中年にかかろうかと言ういい大人が、詐欺まがいなトークでナンパに精を出していた。このおっさんも彼是100人以上声をかけている。しかも若い女性……いや明らかに、20前後より下の少女にだ。
しかし、上の少年同様全くと言って、相手にされていないのだ。
そして、お互い目が合う。
「おっさん!!邪魔なんだけど!!そこにいるとナンパが成功しないから、どっか行ってくれ!!」
「横島くん!!君!!ここはわたしの縄張りだよ!!君こそ、下心丸出しのナンパなんてやめてどっかに行ってくれないか!!」
そう、国立魔法大学付属高校1年E組 横島忠夫と司波達也の武術の師匠であり、有名な古式魔法の使い手、忍術使い九重八雲が、八王子駅前でいがみ合いながら同じ場所で下手くそなナンパをしていたのだ。
お互いにらみ合い。
「「ふんっ!!」」
そう言ってそっぽを向く。
お互いよく似ている。下手なナンパとめげない精神、そして子供っぽい事である。
エリート校の生徒と、有名魔術師だと言うのだが、そんなそぶりは全くない。
そして、お互いナンパを再開する。
「そこの君!!ぜひボクの道場に……」
八雲がとある女性に声をかけようとしたのだが……
横島が割って入って来た。
「おっさん!!そのポニーテールが素敵なお姉さんは俺がさっき声を掛けたんだ!!手を出すなよ!!」
八雲に対し凄い言いがかりをつける。
「何言っているんだ横島くん!!君は相手にもされてなかったではないか!!だからボクがおいしくいただこうというわけだよ!!」
八雲は横島にゲスな返しをする。
「世の中の女はすべて俺んのじゃーーーー!!」
横島は叫ぶ。内容は最低だ。
横島と八雲は互いの額が付くかというぐらい顔を近づけ、睨み合う。
しかしそんな事をお構いなしに、そのポニーテールの女性は二人から離れて行き、若い男に声を掛けた。
「待ったーー?」
「いえ、藤林さん。自分も今来たばかりです」
横島と八雲はポニーテールの女性が声を掛けた男の声に反応して顔を向ける。
「「ああ!!」」
そう、司波達也がそこにいたのだ。
2人に気付いた達也は
「横島に師匠?ここで何をしている?」
しかし二人とも肩をプルプル震わせて
「くそっ!!お前ばっかりモテやがって!!不公平だ!!」
「師匠を差し置いて………達也君……君は道場クビだ!!」
言いがかりも甚だしい。
ポニーテールの女性、いや、この状況をキョトンとした目で見ていた藤林響子は達也に質問をする。
「達也君、お知合い?」
「……まあ」
そんな返事しかできない達也。
確かに、二人の変態と知り合いとは、言いづらいだろう。
八雲が達也と話す響子を見て
「ん?……ボクとしたことが」
「なんだ、おっさん?」
「あの女性は弟子の顔を立てて達也君に譲るとするよ……」
八雲は手のひらを返したように、師匠ズラをする。
「なんでだ!!達也の奴にいいようにされていいのか?」
「ボクの目は曇ったようだ。ボクは14歳から22歳までの女性がターゲットだ。24歳まではギリOKなのだけど、彼女は三十路に近い」
めちゃくちゃ失礼な事を本人の目の前に言った。しかも、八雲は自分がロリコンですと宣言までしたのだ。
「おっさんロリコンかよーーー!!しかし!!甘い!!あのお姉ちゃんは、年はそこそこ言っているかもしれんが、美人でしかもスタイルもいい!!肌の手入れも頑張っている感じもいい!!男性経験も少なそうなだしな!!そこがまたいい!!」
横島も最低である。本人の目の前でもはやデリカシーがないどころの騒ぎではない!!
「横島くん、年増の処女なんて、面倒くさいだけだよ。ねちっこくなるし。その点、若い処女はいい、みずみずしくて、爽やかだ!!」
……このロリコンはげ。警察に突き出した方がいい様だ。
「年いっても、心が若いんだよ!!だから、ポニーテールが似合うんだ!!ああ見えて多分奥手なんだよ!!夢見ているんだよあの年でも!!だから可愛いんじゃないか!!」
横島は褒めているつもりなんだが、本人の前で年、年と連呼しすぎだ。
藤林響子は下を向きプルプルと震えながら奴らの最低トークを聞いて我慢していたのだが……
バシッ!!
ハゲの頭は近くの壁にめり込む。
ゴスッ!!
バカの頭は地面に突き刺さった。
ハゲとバカの末路である。
頭を壁と地面にめり込み。ピクピク痙攣している二人を後にし、
「達也君行きましょう!」
響子は笑顔で達也に言う。
「……はい」
達也は若干ひきながら返事をする。
2人に制裁をくらわした藤林響子と引き気味の達也はこの場から去っていった。
壁から頭を抜いたハゲと地面から頭を引っこ抜いたバカは
「今日はもうやめておこうか」
「そうっすね」
お互い目線が合い。固い握手をかわしたとか……かわさなかったとか……
ふと八雲先生を思い出したら書いてました。
それと藤林少尉ごめんなさい><