横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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漸く、九校戦編の横島活躍の機会が回ってきました。
長かった。ギャグもあまりできなかったし……


横島、敵の巣に現れる!!

 

 

九校戦9日の夕方、横島は十文字、辰巳と、小会議室で明日のモノリス・コード本戦の作戦会議に参加している。昨日達也達の新人戦作戦会議に参加していたかいがあってか、スムーズに話は進んでいた。

 

 

 

その頃達也は、独立魔装大隊のメンバーと行動を共にしていた。

 

独立魔装大隊がノー・ヘッド・ドラゴンが送り込んだジェネレーター(強化人間)を捕縛したことで事態は動き出す。

ノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部が、この九校戦に関与し、大量虐殺行為の未遂を行ったとして、壊滅を決定したのだ。

既に、ノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部の場所を特定。襲撃の準備にすでにとりかかっている。

 

達也も、独立魔装大隊所属、大黒竜也特尉(軍所属時の偽名)として、この作戦に主戦力として参加する。

 

達也は珍しく怒りをあらわにしていた。

深雪との生活を害する存在は達也にとって排除する対象であり、まして、今回は間接的ではあるが深雪自身も害意をもって狙われたのだ。その怒りは、ブランシュの時とは比べ物にならない。

 

 

達也と響子はペアを組み、九校戦会場から東京のノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部付近まで車で移動し、彼らは狙撃ポイントとなる高層ビルの屋上に着く。

その間、他のメンバーは東日本支部を包囲監視または、有線設備の破壊工作などを行っていた。

 

 

 

そして夜半、ノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部壊滅作戦が開始される。

 

達也は、戦闘服に身を纏い。戦闘用のサングラスをし、シルバーホーンをノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部の会議場に向けて構える。その会議場は達也が居る高層ビルの屋上の二階層下に位置し、若干見下ろす形になる。その距離は約800mと離れている。

 

現在、会議場には東日本支部の幹部5人と護衛のジェネレーター5人が居る事が確認されている。

 

 

そして……。

達也はシルバーホーンを構え、遠距離からの魔法を発動させ、まずは護衛のジェネレーターの一人を見せしめに、分解魔法『ミストディスパージョン』で分子レベルまで一瞬で分解し消し去った。

 

会議場の幹部は何が起きたのかがわからず混乱する。

当たり前の話だ。ジェネレーターとは言え、人一人が、目の前で突然霧の様に消え去ったのだから。

 

達也は、会議室の通信機器と回線をつなぎコールする。

幹部の一人が、通話をオンにし、達也の声が会議室に響く。

 

「ハロー、ノー・ヘッド・ドラゴン東日本支部の諸君」

 

「何者だ!!」

 

「富士(九校戦)では世話になったな、ついてはその返礼に来た」

達也は芝居じみた言い回しで、通信越しに挑発していた。

 

そして、また一人のジェネレーターが達也によって、霧となり消える。

 

幹部連中は窓に向かい、テーブルなどを倒し、盾とするが、窓越しに襲撃者(達也)を確認することはできない。

 

幹部の一人がジェネレーターに達也の位置を確認させる。

するとそのジェネレーターは窓の外の高いビルの上を指さす。

 

そのジェネレーターは、またしても、達也によって分解され、霧となり消え去る。

 

その光景に幹部連中は恐怖するも、残りのジェネレーターに達也を処分するように命令する。

「お前ら、あいつを殺れ!!」

 

しかし、ジェネレーターは

「不可能です。有効距離外です」

と攻撃が届かない事を無表情で説明する。

 

そして、説明したジェネレーターも達也によって、容赦なく霧にさせられる。

 

「道具に命令するんじゃなく、自分でやったらどうだ?」

今の達也は饒舌だ。怒りが声に現れている。

 

幹部の一人が呟く

「……デ、デーモンライト……まさか、沖縄の悪魔か」

達也が3年前参加した戦闘で、分解・再成を駆使して、大亜連合を壊滅に追いやった時に恐怖の権化として付いた通り名だ。

 

 

幹部の一人が逃げ出そうと一つしかない扉を開けようとしたのだが、一向に開かない。

魔法ですでに部屋は孤立状態となっていた。どうやら、一切の外部への通信もつながらない様だ。

 

「無駄だ。俺がお前らを逃がすと思うか?」

今の達也の声は幹部にとって恐怖の対象の何物でもない。

 

 

 

しかし……

 

 

 

バン!!

 

開かないハズの扉が開き、外から人が入って来た。

 

 

「ちわーー!!三河屋でーーす!!」

 

この場の雰囲気に即していない陽気な声がこだまする。しかも、そのお約束のギャグは古すぎて誰もわからないだろう。

 

 

幹部連中は唖然と入って来たその男、いや少年を見た。

 

 

「抜け駆けはずるいぞ!!俺もパーティーに混ぜてくれ。いいだろ?」

 

赤いバンダナにジャージ姿の横島が現れたのだ!!

 

 

達也は、一瞬目を大きくするが、鋭い目つきに戻る。

達也の近くで、会議室内をモニターしていた響子は驚きを隠せないでいた。

 

 

幹部連中は唖然としていたが、一人の幹部が横島が開けた扉から逃げだそうとする。

達也はシルバーホーンを構え、逃げようとする幹部に ミストディスパージョンを発動させた。

しかし、幹部は霧にならなかった。

 

横島は幹部の前に立ち、達也の方へ向かい右手で六角形の半透明状の盾を掲げていた。

明らかに、その盾『サイキックソーサー』で、ミストディスパージョンを阻止したのだ。

 

その様子に達也は内心驚いていたが、表情は眉を顰めるに留める。

 

「達也、せっかちだな、俺も混ぜろと言ったんだ。……いや、後は俺にやらせろ」

横島は最初は陽気そうに言っていたが、最後は顔つきが鋭くなる。

 

「横島、なぜここにいる?なぜ邪魔をする?」

達也は苛立ちを隠そうともせず、横島に幹部をかばった理由を聞く。

 

「悪いな達也」

 

横島はボソッと小さな声でそう言ってから、声を大にして唱える!!

 

「結界!!」




活躍できませんでした。

次こそは!!


横島が扉を開けて入ってくるシーン
テイク1

「開けて、閉めて、開けて、閉めたら入れない!!」

テイク2

「じゃまするでーー」
「邪魔するなら帰ってーーー」
「すまんなーーーってオイ!!」

吉本系のギャグはなんか似合わない><


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