誤字脱字報告ありがとうございます。
長かった、九校戦の本題に入っていきます。
ここと次の話は全くギャグがない。私的につなぎの部分になるのですが、裏話的にいれております。本来番外の方が良いのかもしれません。
この部分は私感が多分に入っています。
アンチヘイトな部分でもあります。
ご了承ください。
アンチは受け入れられないと言う方は、この話と次の話を読まなくても大丈夫にはしております。(ハズ)
まず過ぎたら消しちゃうつもりです。
九校戦9日目ミラージ・バット決勝戦後
横島は会場から離れた林の中で外界と遮断する結界を張り、捕らえたジェネレーターを封印札から解放する。
ジェネレーターは横島の術により、身動きが出来ないでいる。
「おっさん何者なんだ?」
横島はジェネレーターに感情が動く気をほとんど感じられないでいた。
「…………」
「悪いが、ちょっと見せてもらうな」
横島はそう言ってジェネレーターの額に手をやると、手が鈍く青白く光る。
横島はジェネレーターが持っている記憶を覗き見ているのだ。
ジェネレーターがどのようにして生まれたのかを垣間見ていた。
魔法師の感情と意思を薬物と脳手術で奪い去り、安定した戦闘力を発揮できる生体兵器として、改造されたのだ。
しかも、このジェネレーターは元ノー・ヘッド・ドラゴンの上級構成員だったようだ。
「………胸糞悪いことしやがる」
「………こいつらがノー・ヘッド・ドラゴンの幹部か……」
「第一高校への数々の妨害はこいつ等で確定かな」
「しかしこんな奴らに、後れを取るか?今の日本の軍も警察も大したことないな」
「??……なるほどな……しかし、これは……」
横島は何かに気付いたようだ。
「こいつら、踊らされている可能性が高いな……」
横島は疑問に思っていたことが一つ一つ解決していくようであった。
九校戦、この会場に入る前、バスに車で事故に見せかけた自爆テロにあった時から、疑問に思っていた。
その後の競技中の摩利の事故。
そして、森崎達1年生のモノリス・コード正式メンバーの事故。
2年生の集団腹痛。
CADへのウイルス混入。
どれをとっても、大会が中止になってもおかしくない事態だったが、続行されていた。
本来なら、最初のバスの事故で、大幅に大会延期になってもおかしくない。
十分な検証も行わず、単なる事故として処理をされていたのだ。横島や達也は故意であることは、現場の検証担当官などに話しているのにだ。
しかも、その後の事故や事件は、聞き取り取り調べや十分な検証などもほとんど行わない状態で試合が続行している。何故十分な取り調べや安全性の再チェックなどをしないのか?
仮にもこの会場は『軍』の施設である。
万が一など有ってはならないのに、このありさまだ。
しかも、自分に対しての、長きにわたる拘留も不可解だ。九島烈が来なければ、九校戦終了まで拘束されたままだっただろう。それは何故か?
そして、ジェネレーターである。ジェネレーターは2体いたのだ。
しかし、軍が関与したのは1体のみ、横島が対峙したジェネレーターは放置されていたのだ。
警備がずさんどころの話ではない。下手をすると、わざと一体を放置したと見える。横島が駆けつけなければ、会場に死人が多数出たであろう。何故警備を強化しないのか?それともワザと放置したのか?
横島は、この後、明日のモノリス・コードの作戦会議に出なければならない。
一旦、思考を止め。ジェネレーターを封印札に戻す。
横島はモノリス・コードの作戦会議中も思考を巡らせていた。
不可解な事はこのほかにも多数ある。
達也が選手でもないのに、モノリス・コード新人戦の代役として、許可が下りた事。それに伴い、試合が次の日に延期された事。これ自体異例らしい。
摩利が、参加許可が下りないのに、なぜこの時ばかりと、何故許可が下りたのか……
何者かの意図が見え隠れしているようで仕方がなかった。
横島はある答えを出していた。
軍は、第一高校への妨害を意図的に放置した!!
しかし、それはまだ結論には至っていない。何がしたいがためにそんなことをするのかがまだわかっていない。
モノリス・コード作戦会議が終わり、その疑問に答えてくれるかもしれない人物の所に横島は忍び込んだ。
「誰かね」
「わるいな、じいさん、俺だ」
横島は九島烈が宿泊しているVIPルームに忍び込み、それと同時に、外部と遮断する結界を張っていた。
「横島くんか……この結界も見事なものだ。護衛の者も気づいていないだろう。……わたしに何かようかね?」
「じいさんが元軍のお偉いさんだと聞いた」
「そうだ」
「これを見てくれ………」
横島は封印札を出し、ジェネレーターを放出した。
「その術は?……うむジェネレーターか」
九島烈は札から人が出てきた事に驚いたが、出てきた人がジェネレーターであったことにも驚きを隠せない。
「今日、会場付近で暴れようとしたため俺がとらえた……しかも、もう一人同じような奴がいたが、軍の人間がとらえた様だ……じいさん。こいつ等は感情を奪われている。軍でもこんな人道に反した事をやっているのか?」
「私が知る限りでは、今は、やっていないはずだ」
「じゃあ、ズバリ聞く、達也のあの感情の薄さは、軍でこいつみたいになにかされたのか?」
「……軍ではない、これ以上は私の口からは言う事ではない。察してくれ」
「では、達也は軍に、無理やり戦わせられているわけではないんだな」
「そう、理解しているが……戦わせるよう働きかける様には出来る」
「なるほどな……じいさんも食えないな」
横島は、九島烈が言いたい事を理解していた。戦わせるよう達也を仕向けることはできるという事だ。
「じいさんは今回の一連の事件をどう思う?じいさんは関わってなさそうだが」
横島は暗に、軍がこの事件にかかわっているという事を九島烈に問うたのだ。
「君が思っている事と多分同じだろう」
「よくわかった。もし、軍にいちゃもんつけられて、対処しても大丈夫かな?」
「存分にやりたまえ」
九島烈は口元をニヤリと綻ばせた。
どうやら横島と九島烈はこの場では利害が一致したようだ。
要するに、達也を軍の思う様にさせたくないという点だ。
今の横島は達也が四葉家の人間であることは知らない。
九島烈は達也が四葉の人間で更に、軍で戦略級魔法師として、使われている事を知っている。
達也一人で日本内情のパワーバランスが著しく偏る事を良しとしていなかった。
「ありがとうな、じいさん、この礼はいつかする」
「よい」
横島は九島烈の返答を聞かずして、窓から出て行った。
次の話も同じ感じで……「横島敵の巣に現れる」話の手前まで行きます。
軍は何をしたいのかったのかと言う疑問は次の次の予定
横島は何をしたいのかも次と次の次の予定
次と次の次は明日に投稿予定です。