横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

すみません。前回で予選突破としましたが……予選って4戦あったんですね。
決勝と逆に思ってました。
前話の予選突破と書きましたが、消去させていただきました。


という事で、



横島、本戦モノリス・コード3回戦にでる!!

九校戦10日目

本戦モノリス・コード 予選3回戦

 

第一高校VS第四高校

町中の戦闘を想定した廃ビルが立ち並ぶフィールドだ。

 

 

十文字は試合開始前に布陣を説明する

「このフィールドは見通しが悪く遭遇戦になる可能性が高い。敵か相手のモノリスを如何にして先に見つけるかがポイントになる。辰巳と横島、相手のモノリスを捜索しつつ、敵の行動を把握し、連携し、遊撃またはモノリス制圧をしろ。俺はこの場で待機、ディフェンダーだ」

 

辰巳は横島に今回の役割と作戦について簡単に説明する。

「了解だ。横島、まずは別行動で捜索だ。モノリスは廃ビルのどこかにある可能性が高い、くまなく探せ、モノリスまたは敵を発見した場合はまずは俺に連絡しろ、モノリスを発見した場合は、二人で制圧にかかる。敵に遭遇した場合、状況によっては敵に先制攻撃をかけ、敵を無力化してもらうぞ」

 

「俺の魔法、先制に向いてないんですが……」

 

十文字はまたもや横島の背中を軽く叩き言う。

「横島、先ほどの試合は予想外の働きだった。今回も何とかしてみせろ」

 

先ほど同様、男気イケメン辰巳は横島の肩にポンと手を置く。

「お前のその頭を使えばできないことはないだろ?」

 

「……了解っす」

横島は突っ込みたいところは多々あったのだが了解した。

 

 

ウ―――――――ゥ

開始のサイレンが鳴る。

 

 

 

横島と辰巳は自陣のモノリスがある廃ビルから別々に飛び出し、それぞれ別の廃ビルの中に入っていく。

 

 

 

 

観客席からはこのフィールドは見えにくい。モノリス周辺の様子はあらかじめ設置しているカメラで確認できるのだが、映像を中継しているドローンが建物内をすべて撮影することはできないからだ。

戦闘が行われている現場等は可能だが、ドローンでわざわざ選手を追跡すると、その行為により、場所が他選手にバレかねないからだ。通常は上空で待機しているため、どこの廃ビルに入ったか程度は判明する。

 

 

 

何時もの面々が観客席から見ている。

先ほどに比べ、まだ予選なのだが観客が増えている。

 

「さっきより観客多くなってるね」

ほのかはあたりを見渡し誰となしに言う。

 

「偵察だろう。第一高校は服部先輩から横島に選手を変更しているからな。補欠だった横島のデータは、他校も持ってはいないだろう」

達也は淡々と答える。

 

「それだけじゃないみたいですよ。楽し気な雰囲気がします」

美月も観客を見渡して言う。確かに、偵察の人間も居るだろうが、それ以外にお気楽に試合を見て楽しもうという雰囲気の人間も多いようだ。

 

「まっ、横島の奴が2試合とも変な試合したからね。噂になっているみたいよ」

エリカは呆れたようなしぐさする。

 

「確かに、面白い試合だったけど、相手の学校からするとたまったもんじゃないよね。何が何だかわからないうちに試合が終わっちゃうんだから」

幹比古は先ほどの横島の試合を思い出しながら言う。

 

「達也、俺たちもこのフィールドを体験したが、遭遇戦になる可能性が高いよな。横島は見る限り、隠密性の高い戦闘スタイルのようだが、ここでは不利じゃないのか?」

レオは今回のフィールドに付いて、遭遇戦の横島の不利について言及する。

 

「確かにそうだが、横島のもう一つの魔法が役に立つかもしれん。まだ開発設計途中だったのだが、横島はそれをあえて選択した。意外と高度な術式なのだが、使いようが難しい上、何せ地味だ」

達也は同意するが、もう一つの魔法が有用だと主張する。

 

「お兄様、地味とは、どんな魔法なんですか?」

 

「条件発動型遅延術式なのだが……設置型の魔法とでもいうべきか。あいつの発想が面白くてな、ついつい一緒になって開発していたのだが、展開したい場所に術式を打ち込む……それだけでは発動しない。設定した質量を感知した場合のみ、術式が起動する魔法だ。ただ、今の段階では、起動しても、魔法師に起動したことが伝わるだけの魔法だ。さらに言うと、起動してしまうと、普通の魔法と同じく起動術式が展開されるため、引っかかった術者にもバレてしまうのが難点だ。

優位性として、起動するまで、そこに魔法がある事がわからないという事だ。

しかしながら、発動しても、術者の位置までは分からないため、この魔法に引っかかれば、こちらが相手より先に位置を把握できる」

達也は深雪の質問に対して、なぜか珍しく饒舌に説明する。どうやら、この魔法に関しては、達也自身も思うところがあるようだ。

 

「それって新しい魔法ってこと?」

雫は達也に聞くが

 

「多分、それは古式魔法と同じだね。陰陽術式を刻印した場所に、誰かが踏み入れると発動するみたいなイメージだね」

幹比古は達也の説明に補足する。

 

「そうだ。古式魔法をベースに現代魔法の解釈で作成している」

達也は幹比古の説明に頷く。

 

「横島らしい魔法ね」

エリカがそう締めくくった。

 

 

 

 

 

観客席でまたもやクスクスと笑いが起きる。

 

 

 

上空から映し出された映像に奇妙なものが、こそこそと廃ビルと廃ビルの間の道路付近で動いているのだ。

 

 

そう、段ボール箱が道端をコソコソ移動しているのだ。

間違いなく横島が被っているのだろう。

 

段ボール箱は日陰と障害物を縫う様にコソコソと移動しているのだが、時々止まり、段ボール箱に足が生え(を持ち上げ)キョロキョロと周りを見渡していた。

横島は某ゲームの様に段ボール箱を使い、隠れながら捜索しているのだろうが……。

その様はまさに珍妙と言うしかないだろう。

 

 

 

そして、段ボール男はこそこそと3階建て程度の小さな廃ビルの中に入っていった。

 

しかし、その様子を第四高校のアタッカーは遠くから確認していた。

一人のアタッカーに応援要請し、この小さな廃ビルを2人で囲む。

 

1人は廃ビルに入り、横島を捜索またはあぶり出す役目。

1人は外で待機し、横島が逃げ出したら、迎撃、横島の位置を把握したら合流して二人で襲撃する戦法だ。

 

この小さな廃ビルは各階広い部屋が2部屋しかない。

1Fで部屋を捜索、何もない部屋がある。外に待機していた選手も窓ガラスが無くなった窓から中を確認。中には何もない。誰もいないようだ。

 

2Fにそっとのぼる。2部屋あるうちの片方は扉があるが少し隙間が空いていた。

そこからそっと覗くと、横島が被っていた段ボール箱を発見する。

 

一度、その場を離れた四校の生徒は外で待機するもう一人のアタッカーと連絡を取り、扉からと窓からとで挟撃する作戦を立てる。

 

そして、実行……

まずは扉から勢いよく開け、広範囲に火炎系の魔法を部屋一面に放つ。

そして、扉から中へ、窓から中へ部屋に突入するが……

 

勢いよく窓から入ったアタッカーは窓枠に足を取られたまま、そのまま、顔から床面に落ちる。

それでノックアウト。

 

扉から入って来たアタッカーは仲間の倒れる様子を見るも、「ドジめ」と心で罵りながら、横島を探す。段ボール箱はさっきの攻撃で燃え盛っている。横島はどこにもいない。

しかし、段ボール箱直ぐ近くに横にロッカーがあった。

 

「そこかーーーー!!」

アタッカーは叫びながら、空気弾の魔法をロッカーめがけて放つ。ロッカーは真ん中あたりでぺシャリとへこむ。その様は、中に人がいたならひとたまりもないだろうことを容易に想像させる。

 

 

「ふはははははっ!!残念!!ここだ!!」

天井から突如として声が降って来た。

 

 

気づいた時には既に遅し、接着魔法で扉から入って来たアタッカーは拘束された。

 

 

横島は文字通り天井からぶら下がっていた。自らの体を接着魔法で天井のコンクリートとくっつけていたのだ。

 

 

 

 

 

横島の作戦はこうだ。

捜索するのが難しいのであれば、おびき寄せればいい。

 

段ボール箱を被り、わざわざ建物の外を移動。遠距離攻撃の的にならないように物陰に隠れながらだ。さらに、アピールするためにわざわざ、段ボールを被りながら立ち、キョロキョロと周りを見渡す。

 

そして、誰かにバレたと分かると、廃ビルへと逃げ込んで罠を仕掛ける。

横島の基本能力で自分に向けられる視線などは分かってしまう。

 

このロッカーがある2階の部屋を選び、窓枠と窓周辺の床には条件発動型遅延術式と接着魔法を組み合わせた『ホイホイ魔法』(または『粘着トラップ魔法』と横島の中では読んでいる)を展開しておく。この魔法は接着魔法を条件発動させたものだ。但し、土の上などで発動はできない。ある程度質量を持った物ではないといけないため、建物内ではすこぶる有用な魔法だ。

誰かが、この魔法をかけた物の上に乗ると接着魔法が発動してくっ付いてしまうのだ。

窓からは入った四校の選手は窓枠の接着魔法に足を取られ、床に落ち自滅したのだ。

 

しかし、横島は知らない。普通魔法をこのようにして、二つ組み合わせて発動するにはCADに細かな設定をしなければならない。または、構築自体は大幅にいじる必要性がある事を。

 

 

段ボール箱などに隠れているとイメージを植え付けていたため、ロッカーなども相手からすれば隠れている場所の対象になるだろう。そちらに気を取られることを予想し、扉や窓から死角となる天井に張り付いていたのだ。

そして、扉から入って来た選手がそっちに気が向いて無防備になった所を接着魔法で拘束。

 

 

まんまと、第四高校の選手はおびき寄せられ、横島の罠にはまったという事だ。

 

 

 

「ふははははっ!!大漁じゃーー!!……辰巳先輩こっちは二人仕留めたっす!!」

横島は、ひとしきり高笑いした後、辰巳に連絡をした。

 

 

「横島、ナイスだ。こちらもディフェンダーを仕留めた!!」

横島は予め四校の二人がこの小さな廃ビルに集まった時点で、辰巳に連絡しており、辰巳は敵を警戒せずにモノリス捜索に全力を上げれたのだ。

 

 

ウウウウ――――――――――ウ

 

 

試合終了のサイレンが鳴る。

 

 

 

観客はざわめきだす。

 

横島の戦闘中の映像は映し出されなかったが、戦闘直後の映像は流れていた。

横島が高笑いしているそばに、戦闘不能になった二人の四校の生徒が床に転がっている。

 

横島はまだ、一年生、さらに無名の補欠だ。

それを、四校の上級生、しかもそこそこ名の知れた選手を手玉に取ったのだ。

 

 

 

 

 

何時もの面々はその映像を見てしばし沈黙をしていた。

 

 

「横島さんって、本当は強いんですかね?」

美月が最初に声を上げる。

 

「……そんな、はずは……」

エリカは下向き加減にそう言うが……前の映像が事実を物語っている。

 

「横島さんは強い」

雫は自慢そうに言う

ほのかはそれに同意して隣で頷いていた。

 

 

 

この後予選4戦目は行われたが、

横島ディフェンダーで十文字、辰巳がアタッカーだが、横島は全く動くことなく。

十文字と辰巳で試合を終わらせた。

 

そして、予選四戦全勝で終わらせた。第一高校は4校による決勝トーナメントに駒を進める。

 

 

 

その前に昼休憩が入るのだが……

 

 




すみません。今回長かったです。
魔法の説明で長くなっちゃいました。

ちなみに今の時点で達也は横島が、条件発動型遅延魔法と接着魔法と連動させたことを知りません。

次回は休憩時間の時の話です。
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