横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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本戦モノリス・コード決勝戦中盤です。


横島、本戦モノリス・コード決勝戦中盤に!!

ドドドドドと足音を立て土煙を上げながら猛然と追いすがってくる横島に、第三高校の選手たちは、あと少しで第一高校のモノリスにたどり着くというところで気が付いた。

 

「もう、追い付いてきたぞ!!なんだあの速さは!!」

「目くらましが効いてない奴がいたのか!!」

「ん……あいつは壇上の恥さらしの補欠じゃないか!!」

加速魔法で進みながら、後ろを振り返り、何故か笑いながら走っている横島を確認した。

 

 

 

「ふはははははっ!!この横島、お邪魔虫扱いはよくされるが!!邪魔をしろとは!!ふはははははっ!!超ーー得意だ!!」

猛然と土煙を上げ走る横島は一通り笑った後、悪い顔になっていた。

 

 

 

第三高校の選手たちは

「あいつは、攻撃魔法はないが、近づくと何されるかわからない。遠距離魔法で仕留めるぞ」

「これ以上は近づかせない……お前はモノリスに行け!!」

「わかった!!」

一人は第一高校のモノリスにそのまま進み。後の二人は加速を緩め魔法攻撃を開始する。

 

 

一人は空気砲をオールレンジに横島の周囲7~8か所から発動させ、もう一人は横島の正面に風の刃を3連続で広域に放つ。

 

 

横島は魔法が発動されると分かると、土煙を上げながらジグザグに走り、魔法が放たれた瞬間、スピードを緩めず右に大きく旋回し、全ての魔法攻撃を避け、さらに加速し大回りでモノリスに向かう。

 

 

そして、モノリスにそのまま進んだ第三高校の選手より先に、モノリスの前に到着し、彼らの侵攻を阻んだ!!

 

 

そして、片手に達也から借りた短銃型CADを構え第三高校の選手たちに啖呵を切る。

 

「ふはははははっ!!この横島、逃げも隠れもするが、卑怯な事に関しては誰にも負けん!!」

カッコよさげな事を言っているが、内容は最低である。女性ファンはあきらめた方がいいだろう。

 

 

「この補欠の分際で……」

「冷静に成れ、奴は極端に短い距離でしか魔法が使えない、さらに見晴らしの良いフィールドだ、罠も張っている様子もない。遠距離から一気に決めるぞ」

 

横島と第三高校の選手たちの距離は約30m、この状況では中遠距離攻撃がない横島の不利は否めないが、時間を稼げれば横島達の勝ちだ。十文字が目を回復させ、横島に合流するか、辰巳が目を回復させ、第三高校のモノリスを解除すればいいのだが……

ただ、その時間が問題だ。どう考えても、少なくとも3~5分以上は一人で乗り切らないといけない。障害物も隠れる場所もないこの場所でだ。

 

 

 

 

この状況を観客席で固唾を飲んで見守る。何時もの面々……

「やばいわよ!!横島!!」

「がんばって、横島さん」

エリカとほのかは声を上げていたが、他の皆は黙って見守っていた。

 

 

 

 

そして、横島が動く、

「はっはっはっーーーお前ら、モノリスには攻撃できんやろ!!」

そう言って、横島はモノリス物陰にこそこそと入り、盾にした。

さっきあれだけ啖呵を切ったのに、もう逃げと隠れの一手だ!!いや、啖呵通りと言っていいのだろう。

 

 

しかし

 

 

モノリスの物陰に隠れる横島の後ろ頭上に魔法が展開され、空気砲が幾つも横島めがけて飛んできた。

 

「ぐぼぼあ!!」

横島はぴょーんと不格好に頭から横に飛んで避ける!!

 

「ず…ずるいぞ!!正々堂々と勝負しろーーって、ぐへっ!!」

そんな横島のどの面下げて言う叫びもむなしく、次々と火炎、氷結、土石、空気砲の魔法が飛んできた。

 

 

「ぐわーー!!まったーー!!」

横島は大げさな避け方で、ビヨーンと跳ねたり、横に頭から突っ込んで飛んだり、地面をゴロゴロと転がったりしながら土埃を舞わせながら、次から次へとくる魔法をすべて避けて行った。

 

 

そんな調子で1分が経過する。相手も焦れ出していた。

 

 

 

観客席も横島の涙をチョチョきらせながらの不格好な避け方を見て、最早、風前の灯火と思っていたのだが、戦闘が始まって一分が過ぎた頃から、ザワツキ出していた。

第三高校が放つ魔法は精度が悪い訳ではない。どちらかというと優秀な部類に入る。しかも最大同時に12の魔法が横島に迫るも、それを全て避けていたのだ。

しかも、魔法を使わずに、とても効率がいいとは言えない避け方で・・・・・・

 

 

 

学校指定の観客席では真由美や摩利、生徒会の面々や部活連の幹部がその様子を見ていた。

 

「……な、なんで、あれで避けれるの?」

真由美は混乱しながらも、横の摩利に聞く。

 

「信じられません。目の前の事実に目を疑いたくなります」

何時も冷静で表情に出さない鈴音もこの時ばかりは驚きの表情をしていた。

 

「なぜかわからんが、奴は避けるのがうまい。私たち風紀委員のメンバーで追いかけ回し、魔法を放っても奴を捉えきれんのだ。しかもスピードは誰も追いつけなかった。信じられないだろうが事実だ」

摩利は淡々と横島が風紀委員に入る前や、問題を起こした時の対処を思い出しながら説明するが、最後はため息を付いていた。

 

 

横島はモノリスの周りをまわる様に避けていた。必ず相手が一斉攻撃をする際にはモノリスの陰に隠れる様に移動し、さらに相手の視界を遮るように、ワザと土埃を上げていた。状況によっては土を掴んでワザと視界を遮っていたのだ。

 

……観客も、選手もわからないだろうが、その間も横島は、左手で持っていたCADで魔法を絶えず発動していたのだ。

 

 

 

当の第三高校の選手たちは、当然焦りだす。このまま一向に当たらなければ、十文字が加勢に来る。または自分たちのモノリスが辰巳に制圧されるからだ。

 

「おい、お前は、モノリスの制圧をしろ!!後は俺たちで、あのうざったい補欠野郎をけん制する」

「了解だ!!」

第三高校は横島を倒してからのモノリス制圧から、横島をけん制しながらのモノリス制圧に作戦を変更する。

 

 

 

そして、横島が魔法をモノリスの周りで避けている真下、第三高校の一人はモノリス解除に必要な20m半径内に勢いよく入って来ようとした……

 

 

バタッ

 

「うおっ!?」

モノリスを解除しようとした選手が勢いよく躓いたが、何とか踏ん張り、四つん這いになる。

 

 

「ふはははははっ!!引っかかった!!」

横島はその瞬間を狙った様に次々飛んでくる魔法を避けながら、倒れた選手に一瞬で近づき、接着魔法で四つん這いのまま体の部位の相対位置の固定を行い、動けなくした。

 

 

「やーーーい!!魔法を撃てるものなら撃ってみろ!!お仲間も巻き添えを喰うぞ!!」

横島は四つん這いの状態で固定された選手の前でしゃがみながら、残りの二人に大きな声で言う!!

 

そう、人質をとったのだ!!

 

 

 

 

観客、そして、それを見ていた何時もの面々は思う。

 

 

「どぎたねーーー!!」と

 

 

 




今日深夜には更新できるかな?自信はないです。明日には行けます。






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