横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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過去編です。

おキヌちゃんのサイドストーリーです。
おキヌちゃんと横島の関係がほんのちょこっとだけ書かれてますが、それが横島の過去のすべてではありません。



そして……最大の危惧はギャグがまったくない……


side story 氷室絹その2

絹は気が付くと、氷室家の自室に寝ていた。

 

 

家人に、寝ている間の事を尋ねる。

 

絹はあれから、10日程寝ていたという事。

東京から大国の敵兵力を追い払った事。

それをなしたのは絹が放った。戦略級魔法だという事。

 

あの時、無我夢中だったが、急にネックレスの珠が光……

絹はそこまで思い、胸元のネックレスを見る。そこにあったはずの不思議な珠は3つとも無かった。

 

 

絹はそして思いにふける。

あの時、自分に流れ込んだ記憶の事だ。

 

19歳までの記憶とは全く違うものだったのだ。

 

確かに、あの茶色いレンガのビルはあった。

 

 

あの記憶が正しいのであれば、ネックレスの珠は、横島が生成した文珠だ。

あの時感じた霊気は確かに、横島の霊気だと感じた。

 

 

しかし、この記憶の齟齬はなんだと言うのだ。

絹はじっくり考えることにする。

 

 

美神令子……20世紀末から21世紀初頭に活躍した魔法師だ。

今までの記憶では、絹と美神令子に接点はない。

流れ込んだ記憶では絹と横島と言う少年は、美神令子の元で働いていた。

美神令子について、家人に調べさせたところすでに故人であった。

海外で結婚し、かなりの資産家としても有名だったらしい。

 

 

そして、横島忠夫についても調べさせた。

しかし、そのような人物は記録にも記憶にも残っていないのだ。

横島の両親は存在していたようだが、息子はいないとの事だ。

絹の六道女学院の友人に聞いても、そのような人物は知らないとの事なのだ。

 

 

記憶の最大の齟齬は

美神、横島、絹はGSスイーパーとして、妖怪や妖魔、幽霊と戦っていたことだ。

現代に、そのような非科学的なものは存在しない。

 

そして、横島が多大な犠牲を払って魔神アシュタロスを倒したことも、記録や記憶にも残っていない。魔神と言う存在。または、神と言う存在すらも今は想像上の物とされており、現存はしないとされている。

 

 

絹は、もしかしたら自分の頭がおかしくなったのではと思う事もあった。

 

 

しかし、文珠の輝き、そして記憶の横島は、確かに居たと感じる。ちょっとスケベだが、あの優しさとぬくもりを感じるのだ。

あの記憶が正しければ、辛い過去を乗り越え、横島と絹は最後恋人関係であった。自分が最初でそして最後に愛した男性だと。

 

 

更に、氷室家があるこの氷室村は強力な結界で守られていた。

絹はその結界が横島の文珠の霊気と全く一緒である事を感じていた。

横島の存在は確かにある。そう確信した。

 

 

絹は……友人、知人、家人に聞いても何も答えが出ない。

 

 

ならば……あの記憶の神……小竜姫は………

 

 

 

 

そして、絹は旅に出る。

あの記憶を元に……妙神山へ

 

 

妙神山なる山は地図上に存在しない。記憶の中で、妙神山に行くには強力な結界、異界の門を通らなければならない。

大体の場所は覚えている。

 

 

山麓を彷徨う事10日、絹はわずかな霊気の揺らぎを感じた。

その揺らぎからは、わずかだが神聖な気を感じることが出来た。昔、感じたことがある霊気だ!

絹はここが妙神山と現世をつなぐ結界、異界の門と確信する。

 

 

結界を解く術を試すが異界の門に通じる結界は反応すらしない。

現生で絹は最高峰の霊能力者であるのにもかかわらずだ。

 

 

絹はここで悲痛な思いで呼びかけた。

 

「小竜姫様!!きぬです!!お願いいたします!!どうか話をお聞かせ下さい!!」

 

 

しかし、返事は帰ってこない。

 

 

絹はこの場所で、三日三晩正座をし、呼びかけたのだ。

 

 

絹の体力は徐々に落ちてきていた。高位の霊能力者と言えども絹は御年70才だ。

 

 

 

絹は泣き崩れる様に願う。

 

「小竜姫様!!横島さんがどうなったかだけでもいいのです!!お教えください!!」

 

 

 

 

そして……

絹の前の何もない空間が、揺らぎ穴ができ、その穴が徐々に大きくなっていくのだった。

 

 

 

人が入れる位の大きさに穴が広がった時、人影がこちらに向かってくるのを絹は感じた。

 

 

 

赤い髪の古めかしい恰好をした少女が現れた。

龍の角が両耳の後ろ辺りから伸びていた。

 

 

「お久しぶりですね。おキヌさん」

 

その少女は絹の50年前の記憶のままであった。

 

 

 

絹は泣きながら、やっと会えた目的のその少女に言う。

 

「ありがとうございます。小竜姫様」

 

 

 

 

 

そして小竜姫は目を伏せて言う。

 

「……わたしは人間が嫌いです」

 

 

 

 

 

 

 

 




最後は小竜姫様登場ですが、彼女は元々、神の中でも人と共に歩んでいこうとしていた神様、いわゆる融和派だったのですが……今はこんな感じになってます。
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