誤字脱字報告ありがとうございます。
ちょっと休憩するつもりだったのですが、なんか小竜姫様が、横島の私生活を見ていたらどう思うんだろうと、考えていたら書いてました。
今の小竜姫様はちょっとヤンでます。
これも横島のせいという事で……
次へのつなぎ要素が高い話で、短いですが、続きをどうぞ
横島は山門の鬼門達から話を聞いた後、修験場に併設している母屋に、玄関を恐る恐る開け入っていく。
「た……ただいま戻りました」
「あら、横島さんお早いお戻りですね」
奥から小竜姫がニッコリとした笑顔で出迎えにきてくれたのだが、何故かその笑顔が怖い。
「ご、ご無沙汰しております小竜姫様」
横島はびくびくしながら挨拶をする。
「お茶を用意しますので、お上がりになって、居間で待っていてください」
そう言って小竜姫はニッコリとした笑顔のまま、奥に戻っていった。
横島は笑顔のプレッシャーを感じながら、和室となっている居間へ上がり、正座をして小竜姫を待つ。
小竜姫はお茶が入った湯呑を運び、居間のちゃぶ台の上に乗せ、横島の前にだし、対面に座った。
「はい、どうぞお上がりください」
横島は、湯呑を取るが、その手は震えていた。
小竜姫のプレッシャーにより極度な緊張状態に陥り、喉も乾いていたため、お茶を取るが、手の震えも起していた。
「い、頂きます」
「ぶふぉっ!ゴホゴホゴホッ」
横島はお茶を拭きこぼし、せき込んだ。
お茶がやたらと濃く、渋すぎたのだ。
それを見た小竜姫はニッコリとしながら言う。
「あらあら、どうしたのですか?」
「……たはっ、たははははっ、いや、急いで飲んだんで、せき込んじゃいました」
横島は思う。このままではまずい、打開策はないのかと!!
「いけませんね。慌てて飲むからですよ」
その間も笑顔を絶やさない小竜姫。
「しょ、小竜姫様、お土産を持って参りました」
横島は持ってきていたリュックサックの中からゴソゴソと綺麗に包装された小箱を小竜姫の前に出す。
「あらまあ、ありがとうございます。てっきり私の事なんか忘れて、下界の女性と仲良くしているのだと思っていました」
「そ…そんな事は在りません。たはははははっ」
横島は小竜姫のプレッシャーで胃に穴が空く思いがしていた。
「開けてもいいですか」
「ど、どうぞ」
小竜姫は少し機嫌が直ったのか、プレッシャーが若干和らいだ。
小箱を開けると、白い花が三輪あしらった質素だが美しい髪飾りが入っていた。
「まあ、素敵です!!似合いますか!!」
小竜姫はそう言うと右耳の前、龍の角の前辺りに、飾り付ける。
小竜姫からでるプレッシャーは完全に収まり、嬉しそうに横島に髪飾りを見せる様に、首を傾げる。
横島はその様子にホッとする。
深雪が付けている髪飾りを参考に小竜姫に選んで買っておいたのだ。
実際に良く似合っている。
「小竜姫様の赤い髪によくお似合いですよ」
「……赤い髪……」
横島の赤い髪という言葉にピクッとし、小龍姫から再び圧力が生まれる。
横島は冷や汗をかきながら
「しょ、小竜姫様、厠に行って参ります」
そう言って居間から逃げるように出て行く。
「ふーーー、小竜姫様、何かよくわからんが、相当お怒りだな。どうしたものか」
横島は厠で小用を済ませ、独り言ちる。
すると、廊下の物置の中からガタガタと音がする。
横島は、物置を恐る恐る開けると、どうやら大きな樽の中で音がしている様だ。
樽を開けると
「わしゃ~もう飲めんぞ~、ヒック、あれ?横島?ヒック」
べろんべろんに酔いつぶれた斉天大聖老師が樽の中に入っていたのだ!!
「し、師匠!?」
横島は慌てて樽から老師を抱き起し、廊下に下ろしたのだが。
「あらあら、老師、こんなところで寝ては風邪をひきますよ?」
小竜姫がいつの間にか後ろにいた。
「もーーー飲めんぞ~小竜姫~ヒック」
「布団でちゃんと寝て下さいね」
小竜姫はそんな老師を布団でぐるぐる巻きにして、再び物置に放り込んだのだ。
お分かりであろうが、小竜姫が斉天大聖老師を酔わせて、拘束し、物置に放り込んでいたのだ。
小竜姫は横島に振り向きニッコリ。
「さあ、横島さん早く戻りましょう」
「たははははっ」
顔面いっぱいに冷や汗を掻き、横島は思う。
俺、生きて学校に戻れるのだろうか?
短めでした。
一応、予定としては、この妙神山編と、海の別荘編、氷室家編を予定してます。