横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

妙神山編の本編は終わりです。次回は一応妙神山編ではあります。
ギャグ思いついたらこの辺も途中に入れられればいいなと思ってます。




横島、妙神山にひさびさに帰る!!その3(静まる)

修験場に併設している母屋の居間でちゃぶ台を挟んで、横島と小竜姫は正座をしている。

 

今は小竜姫の時々お茶をすする音だけがこの空間を支配している。

横島はその小竜姫の無言のプレッシャーで既にノックアウト寸前まで精神がすり減っていた。

 

そして……

 

「横島さん、いいですか」

小竜姫はそう言うと、目の前のちゃぶ台を横に避ける。

 

「は、はい!」

横島の返事は上ずる。

 

「横島さんは下界に何をしに行かれたのですか」

 

「が、学校に通うためです!」

 

「それは、わかっております!」

 

「はいぃ!」

 

「失礼だと思っていたのですが、あなたの事が気になり、見ておりました」

小竜姫はヒャクメから借りた、千里眼のイヤリングで横島の私生活を見ていた事を言う。

 

「いやー、お、お恥ずかしい」

 

「しかし、何なのですか?」

 

「あの、何か問題でも……」

 

小竜姫はスッと立ち上がり、キッとした目で横島を見下げる。

「問題だらけではありませんか!!」

 

「はいぃ!」

 

小竜姫は再び正座に座りなおす。

「あなたは仮にも、英雄なんですよ。しかも今では神の一員にもなろうかという立場なのです!!それを自覚してください!!」

 

「すみませんでした!!」

横島は見事な土下座をする。

 

「分かっているのですか?わたしはあなたを下界に下りるのを断腸の思いをして!!許可したのは!!殴る蹴るの暴行を受けたり、悪逆な罵りを受けたり、酷い扱いを受けたりする為ではありません!!」

 

「はいぃ!!」

 

「本当にわかっているのですか?」

 

「はいぃ!!」

 

「これでは、先に逝ってしまったおキヌさんは浮かばれません!!」

 

「はいぃ!!すみませんでした!!」

横島には謝りの一手しかなかった。

 

小竜姫は謝り続ける横島を見て、溜息を付きボソっ小さな声で言う。

「……私の気持ちもわからないで……」

 

 

そして、一呼吸おいて声を大にして言う。

「やはり、行かせるべきではありませんでしたね!!あのような人間達の所へ!!確かにあなたは自己暗示で、以前のあなたに戻っているように見えますが、邪気や邪念は全く感じません。私は見ていました。貴方が、突拍子もないことをしている裏には、優しさや、さりげないフォローをする為だったという事を、仲間思いで優しいあなたのままです。なのに!!あの人間どもは!!」

怒りのボルテージがどんどん上がって行くようであった。

 

小竜姫は何かを思い出したかのように

「やはり、貴方の為にも、あの者どもを滅する必要があるようですね」

そう言って立ち上がり、帯剣している剣を抜き、キラっと輝かせていた。

 

「しょ、小竜姫様ぁ!?何を!!」

横島は慌てて、小竜姫の剣を抜いた手を取り、止めに入った。

 

「ええい、離しなさい!!私の大切な弟弟子(あなた)が、あのような悪辣なもの共に汚染されようとしているのです!!そのような事は看過できません!!」

 

「小竜姫様!!」

横島は小竜姫を止めるため、手を掴みながら、後ろから抱きしめる。

 

「な……な…」

小竜姫は横島のその行為でボンと顔を真っ赤にし、剣を落とし、横島に抱き着かれたまま力なく立ち尽くす。

 

 

 

 

「小竜姫!!そこまでじゃ!!」

 

布団です巻きにされてたはずの斉天大聖老師が現れ、小竜姫に一喝したのだ。

 

 

小竜姫は慌てて、横島の手を振りほどき、居住まいをただし、老師に言う。

「しかし老師!」

 

「もういいだろう。小竜姫、お前もわかっておろう」

老師は小竜姫にそう言って諫める。

 

続けて横島に愛おしそうな目をして語り掛ける。

「横島よ、察してくれ、小竜姫もわしも寂しいのじゃ、本当はお前を下界に行かせたくないのじゃ、100年も待った小竜姫やわしらの事も考えてくれんかのぉ」

 

横島は片膝をついて

「……申し訳ございませんでした。わがままを聞いていただき、下界に下ろしていただいたのに、長い間音沙汰もなく」

 

 

「これからは、毎週とはいきませんが、月に1~2回は戻り、奉公させていただきますので、どうかお許しください」

横島は自分の考えの無さで、このような事態に陥ったことを反省しつつ、自分の事をこんなにも思ってくれている二人に心の中で感謝をする。

 

 

「うむ……よかったな小竜姫よ」

老師は横島を見て、頷き。小竜姫を見やった。

 

「老師……、お茶を入れなおしてきます」

小竜姫は顔を赤くして頷きながら、居間を後にした。

 

 

横島はちゃぶ台を元の位置に戻し、老師と横島は対面で座る。

「ところで横島よ、今後の予定はどんな感じじゃ?」

 

「一週間は、此方にご厄介になろうと、できれば、一週間全部とはいきませんが、少し修行を付けていただければ、その間、この建物修復もいたしますので」

 

「ふむ、精神世界での修行と、そうじゃな、久々にわしと本気で一本せんか?」

 

「……い、いや、そこまで回復していませんよ。それはまたのお預けにしていただけませんか?」

 

「ふむ、そうじゃのう、残念だが、お主が元の力が戻るまで待つとするか、さすれば、何本も勝負ができるからの……楽しみは後で取っておくかの」

老師は残念そうな顔をする。老師はこの千五百年の間で、本気の力を振るったのは、100年前の横島との修行の時だけであった。

 

小竜姫が戻り、ちゃぶ台にお茶をだし、横島と老師の間に座る、今はすっかり何時もの柔和な小竜姫に戻っていた。

「横島さん、今、学校は夏休みなのですよね。どのくらいいられるのですか?その他のご予定は?」

 

「こちらには一週間、氷室家にも行かないといけないので、あちらにも一週間、学校の友人に海へ誘われているので、そちらに3日予定しています」

横島は雫から、海の別荘に招待されていた。ほぼ強制的に……有無も言わさずに。

 

小竜姫から、再び圧力が生まれる。

「……そう、ご友人と海に行かれるんですか?女の方ですかね……へ~さぞ楽しいのでしょうね」

 

「いや、あの、女の子もきますが、同学年の……」

横島はそのプレシャーに慌てふためく。

 

「赤髪の子とか、胸の大きな子とかも来るんですかね……ふふっ、私も同行させていただこうかしら」

小竜姫はそう言って、黒々としたオーラを放っていた。

 

横島は一瞬頭によぎった。小竜姫がついて来てしまった時の事を……友人たちが小竜姫に屠られる光景を容易に思い浮かぶ。まずは赤髪の彼女、その後は胸の大きいあの子達から……楽しいはずのビーチが血の海と化するだろう……

横島は思う。非常にまずい!!何とか阻止しなければ!!

「しょ、小竜姫様?人間界など、流石にまずいのではないでしょうか?」

 

「あら、私が居るとまずい事でもあるのでしょうか?」

益々、黒いオーラが噴出していく。

 

「たはははははっ、そ…そんな事あるわけないじゃないですか!!……そ、そうだ!!今度、気分転換にどこかお出かけしませんか?」

 

それを聞いた小竜姫は黒いオーラがパッと消え、嬉しそうに明るい口調になる。

「え!!いいのですか?絶対ですよ!!嘘ついたら、許しませんよ!!」

 

「あははははは、と、当然です。嘘なんてつきませんので、その時までお待ちください」

横島は内心自分の咄嗟の提案を褒めながら、ホッと息を吐き、安堵するのだった。

 

 

老師はその様子を横で見て、やれやれという風に頭を掻いていた。

 

 

 

しかし、横島にとってこれはいい事だったのだろうか?

この約束の履行はまたの後日談で語られるだろう。

 

 

そして、妙神山での一週間は、何事もなく?過ぎて行く。

 

 

 

 




次回はご期待に沿えない回です。妙神山編なのですが、老師様とのお話し予定><。その次が戻りまして、海水浴編です!
小竜姫様やっぱり、千里眼のイヤリングで様子を見るのだろうか?




小竜姫様を怒らせたらいけません。
天罰が下ります。

エリカ!!特に君は、斉天大聖老師と鬼門達に、感謝しなくっちゃ!!
君は小竜姫様のブラックリスト筆頭です。
横島に意地悪言うだけであればそれほどでもなかったのだけど。
髪の色や髪の長さが被っちゃってるの、でも、スタイルが……。さらに同じく獲物(剣と刀)がほぼ一緒だし、少しキャラが被っちゃうから余計にまずい。
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