横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


海の別荘編です^^
ようやくギャグが出来そうです。
何時もの横島に戻っています!!


横島、南国の別荘地へ!!

残暑ではあるが太陽の日差しはまだキツイ。吹き付ける風に潮の香り、そして、水しぶきが舞う。横島は今、船の上に居るのだ

 

雫の実家、北山家が所有する小笠原諸島の小島、いわゆる無人島にあるプライベートビーチ付きの別荘に、これまた北山家が所有するクルーザーに乗り目指している。

 

そう、雫の誘いで、何時もの面々とで二泊三日の夏の思い出作り、北山雫主催の超豪華旅行なのだ!!

何から何まで北山家にお世話になりっぱなしなのだが……

 

 

「流石に、海の照り返しや日差しで眩しいな」

レオが横島に爽やかな笑顔で話しかける。

 

「確かに、眩しい!!」

横島もレオの言葉に同意しているのだが、レオとは明らかに見ている方向も、意味合いも違っていた。

 

「フトモモが眩しいぜ!!エリカグッジョブ!!」

エリカのショートパンツからすらりと伸びた足、いや適度に引き締まったフトモモを見ていたのだ!!

 

「横島は相変わらずだね。本人に聞こえたらまた殴られるよ」

隣の幹比古は、そう言ってはいるが楽しそうだ。

レオ、横島、幹比古と、クルーザーの前甲板前方で思い思いの方向を向きながら話していた。

 

 

 

「レオ、幹比古ちょっと耳を貸せ」

横島はしゃがみ小声で、そう言って、二人にもしゃがむ様促す。

そして、三人はいわゆるヤンキー座りでコソコソと話し始めた。

 

「おいおい、流石にまずいんじゃないか?」

 

「そんなことしたら殺されちゃうよ」

 

「お前らそれでも男か!!」

 

ここからは何時もの横島トークがさく裂する。

「いいか、お前ら、女の子が海へ誘い、男の俺たちが一緒に来ても嫌がらないという事はだな、俺たちの事を受け入れてくれているという事だ!!そして、真夏の海という場所では、大自然を感じる青い空と広大な海が自然に開放感を誘い、人の本能は野生に帰って行くのだ!!そんな彼女らは倫理観が薄れ、多少な破廉恥な行為に及んでもきっと許容してくれる!!いや、もしかしたら、いい関係になれるかもしれない!!

それに、お前らは何故か最初っからバレることが前提で話しているが、バレなきゃそもそも誰も被害は被らないのだ!!

そう、俺たちの心のリビドーが満たされるだけの行為!!男ならこのチャンスを逃す手はないはずだ!!」

 

横島はそう言って、レオと幹比古にのぞきを提案していたのだ!!

まさに悪魔のささやき、いや心の雄たけびだ!!

 

「「ゴク」」

2人の生唾を飲む音が聞こえる。

 

 

 

「コソコソ何話してるの?」

雫がいつの間にか三人のそばまで来ていた。

 

3人は慌てて立ち上がる。

レオと幹比古は明らかに目が泳いでいる。不自然に「海が綺麗だ」とか言って、この場を離れて行こうとする。

 

「たはははははっ、男同士のたわいもない話だよ」

横島は悟られまいとしてと雫にそう言う。

 

雫は無言で横島の顔をジトとっとした目でしばらく見据えていた。

 

「……な、何かな?雫ちゃん」

横島はその視線に耐え切れず、雫に話しかける。

 

 

「横島さんこれを付けて」

雫は手に持っていた。金属製のブレスレットを横島に渡す。

 

「これ何?」

 

「いいから、付けて」

雫は先ほどと同様に、ジトッとした目で横島に訴えかける。

 

「わ、わかった」

金属製のブレスレットは、半分に割れるようにできており、右手首にはめる。

 

カチリ!

 

何故か、ブレスレットからはカギが掛かった様な音がした。

 

「へ?」

 

「達也さんが横島さんにこれを付ける様にお願いしといてくれと言われた。私は必要ないって言ったのだけど、エリカも必要だと言っていた」

雫はそんな事を言う。

 

「どういう事?なに?」

 

「横島さんが女子が使う大浴場や更衣室に近づいたりすると、警報が鳴る仕組みになっている。覗き防止だって言う。横島さんはそんな事しないって私は言ったのだけど……」

雫は眉を少し下げ、悲しそうな表情で横島を見ていた。

 

横島は引きつった笑顔で

「……そ、そんな事するわけないじゃないか、な…なに言ってんだろな達也とエリカは!たは、たははははっ」

横島は心の中で、二つの感情が動いていた。

 

 

達也ーーーーーー!!余計な事するなーーーーーー!!なんて事しやがる!!

 

くっ、雫ちゃんの信頼が痛い!!そんな目で見ないでーーーー!!

 

 

悲しそうな表情をまだしている雫を見て、横島は罪悪感に苛まれて答えていた。

「だ、大丈夫、そんな事しないし、気にしてないから」

横島はどうも妹扱いをしている雫に弱い様だ。これがエリカだったならば、罪悪感に苛まれることなく事を実行に移していただろう。

 

雫はその言葉を聞いて安心したのか表情をやわらげる。

 

「そう、良かった。ちょっとこっちに来て」

そう言って横島を引っ張り、どこかに案内するようだ。

横島は雫の表情を見てホット肩を撫でおろし、雫のなすがままにさせ、操舵室までついて行く。

 

 

操舵室に入り、雫は服装から明らかに船長ポイ人の前まで横島を連れていき、いきなり横島を紹介しだした。

「この人が、横島さん」

 

「横島忠夫です。って、誰?」

 

「私は、雫の父、北山潮だ」

 

「雫ちゃんのお父さん!?学校では何時も仲良くさせてもらってます」

 

「君が噂の横島くんか、雫がいつも世話になっているそうだね……??」

北山潮はそう言いながら横島の顔をまじまじと見ていた。

 

「お父さん?」

そんな様子を見て、雫は父親に声を掛ける。

 

「いや……君の顔を見て、ある人物を思い出していたんだよ。私の仕事がら話題になる人物で、日本でも指折りの商社、横島カンパニーの初代社長横島大樹氏なのだが、君にちょっと似ているかなと思ってね。血縁者か何かかな?」

北山潮はそう言った。

 

横島カンパニー、現在日本でも屈指な商社100年前、夫婦二人三脚で一気に大企業まで立ち上げた会社だ。もちろんその夫婦とは横島の実の両親、横島大樹と横島百合子である。しかし、この世界では横島夫婦には子供がいない事になっている。忠夫という息子は存在しないのだ。

 

このような場所で突然自分の実の父親の名前が話題に上がり、横島は動揺を隠せないでいた。

しかし、横島は息子を名乗るわけにはいかないのだ。

「………す、すみません。そ、その、俺、自分の両親を知らないんです」

 

「お父さん!!」

雫は父を一喝する。

雫は横島がこんなに動揺しているところを見たことが無かった。

 

「すまない。悪気はなかったんだ。つい、興味本位で初対面の君に失礼な事を聞いてしまった。この通りだ」

北山潮は素直に頭を下げ謝罪する。

 

「いえ、いいんです。……ちょっと聞いてもいいですか、その横島社長ってどんな人だったんですか?」

横島は気持ちを落ち着かせ、北山潮に話を聞く。

横島は現世に戻ってから、自分の両親については一切調べてこなかった。いや、調べるのが怖かったのかもしれない。自ら、相手の気持ちを一切考えずに縁を絶ち切ってしまったのだから、同様に、昔の友人についても意識的に調べることはしなかった。

 

北山潮はそれを聞いて楽しそうに語りだした。

「横島氏は戦う経営者という異名が付いていてね。特に誰も手をつけようとしない紛争地帯の利権などをまとめるのが非常にうまく、ゲリラや独裁国家などとも渡り合える交渉術をもっていた。

それで一気に大企業まで会社を大きくしたんだ。一説によると魔法師だったと言われている。ゲリラ勢力を一人で壊滅させたとか、襲撃して来た独裁国家の軍隊をすべて返り討ちにしたとかそう言う噂が絶えないんだ。真偽のほどは定かではないがね。

それと同じぐらい、プレイボーイだったという話もあって、世界中に愛人とその子供がいるとかいないとか。

まあ、奥さんの百合子氏も凄まじい方で、敵対するライバル会社をことごとく返り討ち、彼女の前にライバル会社の幹部はひれ伏す羽目になるんだ。会社運営自体は主に百合子氏がやっていたらしいしね。

既に1世紀前の話だけどね。ただ彼らの、経営戦略は見習うべきところが多分にある。私も学生時代は彼らに憧れたものだ」

 

「あは、あははははっ、すごい凄い人たちですね。貴重なお話、ありがとうございます」

横島はその話を聞いて、涙が出るどころか、おやじやおふくろらしいやと、相変わらずなかんじの二人にうれしい気分の方が勝っていた。

 

 

 

「そうそう、私は君に会いたかった理由がもう一つあるんだ。私も雫の影響でモノリス・コード好きになってね。モノリス・コードの大会のツアーを組んで観戦する位なんだ。君の試合の映像も見たよ。九島閣下の解説付きでね。まれにみる試合展開に流石の私も度肝を抜かされたよ。君がものすごく頭の回転の速い人間だという事は試合でよくわかった。あんな戦術や工夫、咄嗟に出るものではないよ」

北山潮は横島の試合に感心していた様だ。

 

「たははははははっ、そうっすか?」

横島は先ほどの動揺が薄れてきて、何時もの口調に戻って来ていた。

 

「まあ、これからも、雫の事をよろしく頼むよ」

 

 

 

そんな事がありつつ、クルージングで東京から4時間。目的の小笠原諸島に連なる小さな島に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次はやはり、軟弱な男どもをバッサリ、男横島!!元祖肉食系男子?というかただのオープンスケベです。

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