横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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海の別荘編その3です。





横島、達也と共にボディを曝す!!

横島は女子の水着品評会?を行っていたが、横で座っていた達也はその場から逃げる様に、

「泳いでくる」

と言ってパーカーを脱ぎ上半身を曝す。

 

 

大人に比べれば多少線は細いが、見るからに鍛え抜かれた鋼の様な筋肉、引き締まった肉体が現れた。

 

 

「た……達也くん、それ」

エリカは達也の体を見て緊張感がにじむ声を出す。

ほのか、美月、雫もエリカがそのような声を上げたことに気が付き、達也の体を驚きと困惑の表情で見ていた。

 

確かに、達也の鍛え抜かれた肉体は称賛に値し、年頃の女子には眩しく見えるのかもしれない。しかし、エリカたちの緊張感はそこではない、引き締まった肉体と筋肉には多数の小さな切り傷や、刺し傷、細かなやけどの跡がみられたのだ。

 

体を鍛えるだけではこうはならない。実際に斬られ、刺され、焼かれた様な、さながら拷問などを受けた様にも見えるのだ。

 

「………」

その場は沈黙が支配する。

 

「……すまない、見ていて気持ちいいものではないな」

達也は慌ててパーカーを取り、再び着ようとする。

 

 

「おう、すげえな、お前隠れマッチョかよ!!レオよりすげーんじゃねーか?何、その傷、北斗神拳伝承者かお前は?………!?もしかして中二病的なあれか?フハハハハハハッ!!……アレ!?」

横島は、そんな達也に空気を読めないような発言をするが、これは横島流のフォローだったのだが、不発に終わったようだ。

 

 

そんな中、深雪が達也の右腕に縋りつき、抱き寄せた。

「大丈夫ですよ。お兄様、その傷一つ一つがお兄様が誰よりも強くあろうとした証なのですから、見苦しいなど、深雪は思いません」

 

 

「私も思いません」

ほのかは顔を若干赤くして強くいって、一歩達也の前に出る。

それに雫と美月は頷く。

 

「ごめんね。達也くん驚いちゃって、かわりに私のもみ・せ・て・あげる!」

エリカはおどけた様にし、水着の肩ひもを親指で上げて見せた。

 

 

「マジ!!エリカ―――――ごっつぁんです!!」

またも空気を読まず、エリカにとびかかかる横島!!

 

 

「あんたに言ってない!!」

エリカの肘打ちが横島の顔面にヒットし、そのままべチャっと砂浜に這いつくばる。

 

「グボッ!!」

 

 

その様子を見て、女子メンバーは苦笑い。

何時もの調子の横島の行動で重かった空気が完全に戻った。

 

 

「イテテッ、たははははっ」

横島は直ぐに復活しムクっと起き上がる。

 

 

 

「でっ、あんたはどうなのよ!どうせ貧弱坊や何でしょうけど~」

エリカは横島に向かって片目だけ細め腕を組んで、意地悪そうに言う。

 

「貧弱坊やで悪かったな!!」

 

「横島さんも、見せて……」

「そうですよ、自分だけ見せないってずるいです。私たちも恥ずかしかったんですからね」

雫とほのかは横島に上のパーカーを脱いで、肉体を見せるように促す。

 

エリカは横島のパーカーを思いっきり引っ張り、はぎ取った。

「見せなさいっての!!」

 

しかし、パーカーの下には男性用上下水着が着用されていた。

「ふははははっ甘いぞエリカ!!」

 

 

「それも脱げっての!!」

エリカは上水着を引っ張り、前のファスナーを下げようとするが、横島が抵抗する。

 

「いーーーやーーーー、痴女や!!痴女がここにいるーーー!!」

 

ほのかと雫も加勢して、横島の両腕を取り、エリカがファスナーを下ろし、上水着をはぎ取った。

 

横島の肉体は、達也の様な鋼の筋肉は無かったのだが、しなやかで柔軟な筋肉が理想的に付いており、これもまた、鍛え抜かれた男の体であった。一朝一夕で出来るものではない。

横島の肉体には傷一つない、横島の超回復のお陰で、傷は直ぐ元通りになるためだ。

しかしながら、一か所だけ傷が残っている。その場所だけは、なぜだか残ってしまった。今は巧妙に隠している。

 

「え?」

エリカは素っ頓狂な声を上げる。

 

美月も深雪も驚いた顔をしていた。

どうやら意外だったようだ。

 

両腕を抑えていた、ほのかと雫はまじまじと横島の肉体をみる。

雫においては、横島のしなやかな筋肉をペタペタと触り、そして若干顔を赤らめその感触に満足そうに頷いていた。

 

 

「そんなマジマジと、見られると恥ずかしいんだけど」

 

 

エリカはこの時始めて気がついた。横島の体は剣術などをするために理想的な肉体をしている事に、しかも、何年も訓練して初めて出来る肉体をしていたのだ。剣術家の家系で育ったエリカだから分かったのだ。

 

「横島、お前も人の事言えんな」

達也はさっきの仕返しとばかりそう言った。

 

 

さっきとは違った変な空気が今流れていた。

 

 

そんな中、美月は感心したように横島に話しかける。

「横島さんも鍛えているんですね……やはり氷室家の修行って厳しいんですか?教えてください!!と言うか、15代目蓮様と14代目恭子様のサインもらってきてください!!」

最後は美月の氷室絹マニア魂が発動して暴走していた。

 

 

「たははははっ、美月ちゃんさすがに当主のサインとか難しいけど、氷室絹さんの小説を書いた速水信彦先生のサイン付き本をもらってきたから、2学期始まったら渡そうと思って、その時にね」

氷室家に帰省時に15代目蓮の夫、敦信(ペンネーム速水信彦)にサイン付き本をお土産にもらっていた。

 

 

美月は目をキラキラさせ、横島の両手を雫とほのかから奪って、握りブンブンと振る。

「ありがとうございます!!横島さん!!私は素晴らしい友達に巡り合えて幸せです!!次は是非、一般非公開の奥氷室神社の砂を!!」

美月はもはや、肉体とか筋肉とか関係ない世界で暴走していた。

 

 

美月のお陰で、変な空気は元に戻り、難しい顔をしたエリカも毒気を抜かれた様に呆れ何時もの表情に戻っていた。

 




残っている傷はベスパに付けられた致命傷となったものです。
ルシオラが死して横島を助けるきっかけになった背中の傷設定です。
何らかの方法で隠してます。



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