横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

花音さんには損な役回りをさせてますが、原作ではもうちょっと、出来る人のはずです。たぶん><

では、幹比古、美月の回?です。




横島、術具の販売店に行く!!

バーーン

 

「むはははははっ!!暗がりで、なーーにやってるよ!!お二人…さ………!?」

実習室の扉を勢いよく開ける横島は何時もの冗談を言うのだが…

 

 

横島が実習室で見た光景は……冗談が現実になっていた…

 

幹比古が美月に覆いかぶさっていたのだ。

そして、二人は驚愕の表情で首だけ横島の方を向く。

 

 

「…………」

横島は無言で扉をそっと閉める。

横島は古式魔法用の粗悪品の札が校内で出回っている件について、取り締まるように花音に無理やり押し付けられたのだが、出回ったその粗悪品がどのルートで売買されているのかを調べるため、幹比古にアドバイスをもらいに実習室に来ていたのだ。

 

 

そして3秒後。

「うがーーーーー!!幹比古が美月ちゃんとだとーーーーーー!!ウラヤマ過ぎ!!いや、けしからーーーーん!!」

廊下で雄たけびをあげる横島!!

 

 

幹比古は慌てて、実習室から出てきて横島の口を塞ごうとする。

「何言ってるんだよ横島!!勘違いだ!!」

 

 

「なーーーにが勘違いだ!!あんな体勢で何がだ!!お前の右手は何処にあった!!もしかして、お前!!無理やり美月ちゃんをーーーー!!」

そう、幹比古の右手は明らかに美月の豊満な胸を鷲掴みにしていたのだ。

 

 

「ちがーーーう!!取り合えず話を聞いてよ!!」

幹比古はそう言って横島の腕をとり、実習室中に引き込んだ。

 

 

ようやく立ち上がった美月が顔を真っ赤にして横島にモジモジと話し始める。

「……あの、吉田くんが悪いわけじゃないの、私が術儀の道具を倒しちゃったから、助けてくれようとして……その」

 

「そう、なんだよ!だから、横島の勘違いなんだって!!」

美月に続けて幹比古も弁明する。

 

「で、お前の右手は何処に……真っ暗な部屋で二人で何してたんだ!?」

 

「右手はその偶然というか……何言わせるんだよ!!精霊魔法の訓練で、柴田さんに付き合ってもらっていたんだよ!!」

 

「なぬ!これが世に言うラッキースケベだと!!羨ましすぎるーーーーーー!!俺には校舎から脳天から落下とか、頭やケツになんか突き刺さるとか、直撃するとか!!チカンと間違われてボコボコにされるとか!!アンラッキーな事しか起きんのに、なんでお前らばっかり!!某国のい…陰謀じゃよ~~!」

横島は涙チョチョきらせながら、最後は酸っぱい顔になって叫ぶ、

そう、レオや達也、そして幹比古まで、ラッキースケベは訪れるのだが……横島には不運しか降り注がないのだ。

 

「よ、横島さんにもきっといいことありますよ」

美月は慰めにもならない、慰めの言葉を横島に掛ける。

 

 

実習室の明かりを付け横島が落ち着いた所で幹比古は質問をした。

「横島がここに来るなんて、はじめてじゃない?僕に何か用があったんじゃ?」

 

「そうだった。陰陽……古式魔法で使う札とか術具なんだが、あれってどこで購入するんだ?」

 

「えっ?横島も、一応古式魔法が使えるんだよね。どうやって調達しているの?……もしかして、氷室から直接手に入れるから買った事がないとか……なにそれ贅沢だよ!!」

幹比古はそう言って羨ましそうに横島を見る。

 

「一応自作」

 

「そうなんだ。僕も半分は自作だけど、やっぱ汎用術式は市販のじゃないと効力が上手く発揮できない事があるから、吉田家で購入するんだ。たまに氷室製が入ってくることがあるけど、護符や札はいいよね。基本は僕は氷室製の墨とか、和紙買って、自作の札や護符を作っているよ」

幹比古はこの手の話になるとどうやら饒舌になるようだ。

 

「……」

 

「あっ、ごめん、どこで買うかって話だよね。明日の土曜日さ、学校午前中だけあるでしょ?その後古式魔法の術具の販売店に一緒に行かないかな。僕も久々に行ってみたいしね」

 

「おお、助かる」

 

横で、幹比古と横島の話を聞いていた美月は申し訳なさそうに

「あのー、私もついて行っていいでしょうか?霊具とか興味あるから…………と言うか、氷室のお札っていくらするんですか!!」

後半はやはりそういう事だったようだ。氷室マニアは健在である。

 

「うん。是非!」

幹比古は少し顔を赤らめながら了承する。

 

「たははははははっ」

そんな二人を見て苦笑する横島。

 

 

 

 

翌日の午後

幹比古の案内で、横島、美月そして、雫という珍しいメンバー編成で一緒に古式魔法の販売店に向かう事になった。横島以外は普段は大人しい組である。

雫はと言うと、いつも一緒に居るほのかが午後から生徒会の用事があるため、横島を昼食に誘うつもりだったのだが、横島が出かけるという事で一緒に付いてきたのだ。

達也は論文コンペ、深雪は生徒会、レオとエリカは護衛と後二人でコソコソ何かしているようだ。

 

八王子で軽く昼食を済ませ、電車に乗り、東京某所まで出る。

表通りはCADの販売店や魔法技術系の会社が立ち並んでいるが、その裏通りには古式魔法で使うアイテムショップなどがある。表通りに比べ人通りは少ない。

 

「結構普通の綺麗な店だな!」

横島が並ぶ店店をみて言う。

 

「どんなのを想像していたの?」

 

「いやーーなんか骨董品屋みたいなの」

横島は厄珍堂の様な店構えをイメージしていたらしい。

 

「そう言えば、横島が販売店を調べるのって、校内で事故が起きている粗悪品の札の件だよね、まあ正規店ばかりだから、そんなものを売っていたら自己回収してるはずだから、そういう情報がでているはずだよ。取りあえず一軒目行ってみようか」

幹比古はそう言って、大きなビルを擁している店舗に入る。

 

「うわ、なんか、ブランドショップみたいだな」

横島は素直な感想を言う。

霊具や札、護符、はたまた大きな祭壇用の術具などいろいろなものが置いてあるが、スペースを大きく取って、バックなどの一流ブランド販売店のような様相だ。横島がイメージしていたものと大分違っていた様だ。

 

「すごいですね。これ全部古式魔法で使用するものなんですか?」

美月も初めてだったようで、驚いている様だ。

 

「うん、いろいろあるね」

横島の横にちょこんといる雫も古式魔法のショップには始めてきたようだ。

 

「ここは関東最大の品揃えで、東日本有数の古式魔法の大家、六道家が経営しているショップなんだ。さっき聞いてみたけど、粗悪品はやっぱりここでは扱ってないね。当たり前だけど。二階には氷室家の製品のアンテナショップがあるから見て行く?」

幹比古はそう言って、2階に案内する。

 

 

 

「あっ、お兄ちゃんだ!!」

小学生高学年位の少女が横島を指さしてそう叫ぶ。

 

「横島くんがここにいるわけないでしょ。また、適当な事を言って」

長い黒髪が綺麗な美少女が叫んだ少女をたしなめる。

 

「本当だって、なんか、かっこいい制服着てるよ!!」

 

 

二階に行くと横島にゆかりのある二人の姉妹がいたのだった。




いや、今回も波乱の前触れでした。

とうとう、あの姉妹が来ちゃいました。

次はシュラバ??なのでしょうか??

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