横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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Yクラフトコーポレーション(新厄珍堂)の攻防開始です。



横島、囲まれる!!

Yクラフトコーポレーション建物全体が人避けの結界が張られた。

 

横島はいち早く異変に気付き、皆に指示を出す。

「みんな幹比古の周りに集まれ!!」

 

 

横島自身は近くにいた美月を抱きかかえ、一っ飛びで幹比古の前までジャンプする。

幹比古は窓が無い外周壁に面した場所に居た。

入口には既に店員が数人固まっている、数人いたはずの他の客はいつの間にかいない。

 

店員は何処かうつろの目をしながら、此方を囲む様に近づいて来ていた。

 

「幹比古!!壁を背に美月ちゃんを守れ、雫ちゃんは俺の後ろで待機CADを装着!!彩芽ちゃんも俺の後ろに!!」

横島は全員に指示を出す。それぞれが異変に気付き素直に従う。

 

「横島!任せて」

「うん」

「わかったお兄ちゃん」

幹比古、雫、彩芽は返事をする。

 

「横島くんごめんなさい」

要は自分の失敗に気付き、横島の横で謝る。

 

「大丈夫……」

 

 

そして店員が横島たちを取り囲む。店員たちは全員うつろな目をし、心ここに無いような状態だ。しかし全員がCADを装着していた。しかし、此方に攻撃してくる様子はない。

 

前衛横島、その少し離れ横に要。横島の後ろに雫と彩芽、その後ろに幹比古、最後方壁際に美月という布陣。

 

 

奥の方から、黒ずくめの10人ほどの一団が現れた。

 

一番前を歩く細身の30代ぐらいのリーダー各らしき男が要を睨んで言った。

「ふん、小娘の分際でよくもわたしの華麗な術式をみやぶったわね」

 

「自分で華麗とか、バカみたいね」

要は言い返す。

 

「要ちゃん!!」

横島は要を叱る。

要はシュンとなり、一歩下がる。

 

すると厄珍が後方から出てきて、リーダー格の男とその後ろにいる大男に向かってまくしたてる様に怒鳴る。

「フェイ(飛)兄弟これは何事ね!!これでは商売ができないね!!」

 

するとリーダー格のフェイ兄は

「あんたは、用済みよ」

そう言って、厄珍を蹴り飛ばした。

 

厄珍は壁に激突しそのまま意識を失った様だ。

 

それを見た大男のフェイ弟は

「兄者、そいつが居ないと作戦が……」

 

フェイ兄は弟にそう言って

「フン、もう必要な情報はあらかた入手したわ、ここが潮時よ。……あんた達、私の華麗なる作戦を見破って、ただじゃ置かないんだから……」

横島たちに振り返り睨み付ける。

 

「作戦ってなんすか?俺たちはただの学生っすよ!」

横島はフェイ兄におどけた様に言う。

 

「フフフフフっ、第一高校の横島ね。九校戦みたわよ~私の部下に欲しいぐらいの手際よね~、私のお人形さんにするのはもったいないわね」

フェイ兄は横島を見てそういう。どうやら横島の事を知っている様だ。

 

「人形ってあれか?そこの店員さんみたいにか!!」

 

「ふふふふ、やはり、貴方いいわ!」

どうやら正解だったようだ。この男は店員を操り人形に仕立て上げた様だ。

横島の見立てでは、現在魔法や術が行使されているわけではない事がわかる。

人の心を操る手段は何も術や魔法だけでない。口による詐術、洗脳、薬物や痛みや恐怖によっても可能なのだ。横島は後者だと判断していた。

 

「あんた達、この子たちを拘束しなさい。但し、そこの元気のいい子と眠そうな目の子は傷付けないようにね。小さい子は好きよ。後で私の所に連れてきなさいウフフフフッ」

そう言って、彩芽と雫をいやらしい目で見る。

 

「おっさんロリコンっすか!?まじ~」

横島は挑発のつもりでそう言ったのだが

 

「そうよ!!私は日本で言うところのロリコンなの!!天使の様な綺麗な心を私色に染めていくのがとってもいい!!そしてその真っ平らな肢体!!とってもいいっ!!……そこの後ろの眼鏡とツンツン娘みたいに胸にぶよぶよのぜい肉吊り下げているだけの下品極まりない存在とは違うのよ!!」

フェイ兄は体をくねらせながら、おネエ言葉を発し、自分はロリコン宣言を堂々としたのだ。

こんな奴しかこの世界には居ないのか!!

 

「兄者~だったら、俺にあの抱きしめがいがある大人しそうな眼鏡の子と、大人しそうな美男子をくれよ」

フェイ弟がフェイ兄の後ろからそんな事を言った。

 

「あんた好きよね。大人しそうな子だったら男も女も関係ない物ね。でもそこの美男子君、吉田君だっけ?弟のを受け入れることができるかしら?」

フェイ兄はそう言って、幹比古を見る。幹比古の事も知っている様だ。

フェイ弟も大概だ。バイセクシャルいわゆる両刀使いだ。

 

思わず幹比古は札を構えていない手でお尻を抑える。

 

「ああ、優しい子が好きだ。そこのツンツンしただけの凶暴娘には興味が無い」

フェイ弟は要を憐れみの目で見てそう言った。

 

「フハハハハハ、そういう事で……覚悟はいい?では…お前たちや・・・」

 

 

ズビュウウーーーーーンン!!

 

ジュュウウーー

 

フェイ兄が部下に命令しようとした矢先、横島の後ろからレーザーの様な光の飛翔体が飛び、

フェイ兄の真横に在った大きなコンクリート造柱に、直径30㎝の大穴を開け貫通し、さらにその後ろに合った壁等も見事に貫通していった。穴周囲はコンクリートがバターの様に溶けていた。

 

その場にいる全員がその光景に驚きの顔をする。

 

そうこれは雫の高等魔法フォノンメーザーだ。粒子を極限まで振動させ、熱線を生み出す魔法。

いわゆるレーザービームと同じような効果が表れるのだ。

 

 

「わたしはロリじゃない!!」

 

横島の後ろにいた雫が短銃型CADを構え、叫んだのだ!!目には涙をため、フェイを睨み付けていた。

 

そして雫は横島の袖を後ろから引っ張り握りしめ、

「ロリじゃない……わたしはロリじゃないのに……」

下向き加減になり、下唇をかみしめ、目には涙をいっぱい貯め、小さな声で嗚咽を漏らすかのようにこぼす。

 

雫は最初はロリの意味が分からなかったようなのだが、フェイ兄の発言と彩芽と一括りにされたことと、要と美月に対してのぜい肉発言で、理解したようなのだ。

 

「し…雫ちゃん…」

横島は雫を慰めの声を掛けようとするがその横で

 

 

ズバーーン!!

 

パラパラパラ

 

要は自分のすぐ横にあるコンクリート造柱を横殴りにしたのだ。柱には見事なクレーターが出来、柱は全体的に大きなヒビが入っていた。

 

その場の全員が要を見て慄く。

 

「フフフフフフフッ!ぜい肉で悪かったわね。凶暴女で悪かったわね!!」

要は黒々としたオーラを纏い目にはどす黒い影を落とし、フェイ兄弟を睨み付ける。

 

「ちょっ、要ちゃんまで!!」

横島は要を抑えようとするが……

 

 

 

そして、フェイ兄が

「もういいわ!!全員、やっておしまい!!」

部下と操られている店員に命令を下した。

 




雫ちゃんが不憫でなりません><
誰か救済してあげてください。

というわけで、次こそが本格戦闘です。

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