横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


前回の続きでやっちまった回です。
下ネタちっくです。
チョイ長めです。





横島、変だよ横島!!後

横島は風紀委員会本部を出て巡回にでた。

普段、横島は風紀員の仕事で、事務員から修繕の依頼が来ていないときは校内を巡回し、不正がないかなど目を光らせていた。……という事はなく、違う意味で目を光らせていた。

 

 

巡回場所その1

武道場。見るのは剣術部と剣道部女子が稽古している風景。

素敵なうなじとポニーテールを見るためだ。

しかし、今日の横島は、それをぼーっと考え事をしながら眺めるだけだった。

 

「君!!そこどいて!!」

ブスッ

 

 

巡回場所その2

テニスコート。女子テニス部。エリカも所属している部活だがエリカ自身滅多に来ない。

横島はテニス部女子のスパッツとミニスカートの相性について日々考察していたのだ。

しかし、今日の横島は……

 

「あっ、手が滑っちゃった。……君、危ない!!」

ブスッ

 

 

 

巡回場所その3

第2体育館。新体操部

横島はここにいる時間が一番長いのだ。言わずと知れた。ちち、しり、ふとももを眺めるためだ。

しかし、今日の横島は……

 

「ありゃ、失敗!!あっ、そこの君、避けてーー!!」

ブスッ

 

 

 

 

前生徒会長七草真由美は生徒会の様子を見に顔を出す途中、廊下で横島に遭遇した。

「あら、横島くん久々ね」

 

「…………」

無反応な横島

 

「横島くん?」

 

「あっ、真由美さんこんにちは……いや流石に、先輩に相談とか……では」

ようやく気が付いたようだ。慌てて挨拶をするが、後半は何やらブツブツ言い、あっさりと通り過ぎようとする。

 

 

「??」

真由美は何時もの横島らしくない行動に疑念を抱くが……通り過ぎた横島の後ろ姿を見て驚愕する。

 

プランプラン、フリフリ、スールスール

 

「………な!?」

 

 

 

その頃花音は横島が持ってきた報告書について、一人で処理できず、前任者の渡辺摩利に相談していた。

 

摩利の第一声はこれだ。

「花音!!お前は、私たちの話を聞いていなかったのか!!」

 

「……だって」

 

「横島は普段はアレだが、頭が切れる奴だ。普通の奴じゃ出来ないような仕事も難なくこなす。しかし常識がない分突拍子ない行動にでる!!十文字にも重々言われていたはずだ!!」

摩利はかなりお冠だ。まあ、当然の話ではあるが……

 

「……でも」

 

「それをまた、丸投げするなんて奴があるか!!しかもこれは重要な案件ではないか!!こういう案件は事前に生徒会や教職員と相談の上に行うのではないのか?達也くんや他の連中にも言われなかったか!!」

 

「……横島にも同じこと言われました」

花音は摩利の怒りの形相に委縮しっぱなしだ。

 

「はぁ……お前という奴は……わかった。お前を選んだ私にも責任がある。一緒に横島に詳細を聞き、生徒会、教職員にも相談する!いいな!!」

摩利は額を抑え怒りを通り越して呆れた様だ。しかしそこは摩利、花音とは違い筋を通すのだ。

 

「でも……今日の横島、なんか変なんです」

 

「それがどうした!!あいつは大概いつも変だ!!」

摩利の意見はもっともなのだが……今日の横島は一味違う。

 

 

そうして携帯端末で横島を呼び出すが出ないため校内を探すことにした。

 

 

摩利と花音は横島が行きそうな場所を巡回し探していると、そこには廊下の角で真由美が何やらコソコソと不審な行動をしていた。

 

「真由美?こんなところで何をしている」

摩利は真由美の肩に手を乗せ質問をする。

 

「わっ、びっくりした。脅かさないでよ摩利」

 

「いや、お前の行動がおかしかったからな、ところで横島を見なかったか?」

 

「ちょうど良かった!そうなのよ!横島くんの様子がおかしいのよ!!ちょっと見て………」

そう言って、摩利と花音を手招きして、廊下の角から向こうの様子を伺う。

 

 

横島が歩いていた。心何処かあらずの状態でぼーっとした感じだったのだが……おかしいのはそこじゃない。もっと別の場所がおかしかった。

 

プランプラン、フリフリ、スールスール

 

摩利は横島の様子を見て

「……確かに、おかしいな……花音、奴が本部を出るとき指摘してやらなかったのか?」

 

「いえ……どうなったらあんな状態に?本部を出て行った時にはあんな事には……わたしがおかしいと言ったのは、その心どこかあらずで元気がないという事で……あんな……」

花音は摩利の質問にしどろもどろに答える。

 

 

 

すると十師族、十文字家の次期当主十文字克人が、対面から横島の方に向かって歩いてくる。

 

「横島か……なんだ、調子が悪いのか」

十文字は横島の様子に、気を使った発言をする。

 

「あっ十文字先輩、こんにちは、別にそう言うわけじゃないんですが」

 

「うむ、ならいいのだが……ん?時にお前、なぜそのようなものが尻に刺さっているんだ?」

 

「へっ?」

横島は後ろを振り向き自分の尻を見る。

すると、何故だか

 

 

竹刀!!……ケツから生えプランプランと上下に揺れる。

 

テニスラケット!!……ケツに嵌りフリフリと左右に揺れていた。

 

新体操のリボン!!……ケツから伸びてスールスールと地面を擦っていた。

 

 

何故か吸い込まれるように全てケツに刺さっていたのだ!!

 

まさにギャグ体質がなせる技だ。刺さり方の詳細は……伏せておこう。

 

横島はそれに気が付かず、校内を歩き回っていたのだ。幸い放課後なため、目撃者は少ないはず。

真由美はその姿に驚き、横島にどう説明して、助けてあげればいいか思いつかず、後を尾けていたのだ。

 

「たはったはははははっ、全然気が付きませんでした。何時刺さったんだろう?」

そう言いながら、横島はスポン、スポン、スポンと一つづつ抜いて行った。

 

そんな横島に十文字は肩に手をポンと置き。

「うむ、男だったらそういう事もあろう」

ケツに数々の物が刺さっている人間に対し平然と言いのけた!!

 

 

それを影で聞いていた女子3人は

 

真由美は思う。

(お尻に物が刺さる事が男の人だったら普通にあるのかしら?)

流石はお嬢様、常識が通じない。

 

摩利は思う。

(十文字、その慰め方はおかしいだろう?)

流石はこの第一高校きっての常識人、その指摘は妥当だろう。

 

花音は思う。

(キャー―――――なになになに?十文字先輩も刺さるの?お尻に何が刺さるの?)

流石は校内きっての残念女子……頭の中もお花畑の様だ。

 

 

あの十文字の言動は十文字流の後輩に対しての気遣いの言葉だったのだが……あまりにも無骨すぎる。

 

 

 

摩利はそんな状態の横島をほっておけず、十文字が過ぎ去った後、横島を捕まえ、空いている教室に連れ込んだ。

 

「横島どうした?何時もの元気がないぞ」

摩利はストレートに横島に聞いた。

 

「摩利さんまで……そんなに変ですか?」

 

「そうよ。何か悩み事でもあるんじゃない?」

真由美は横島を心配そうに見上げそう言った。

 

「……」

 

「ねえ、どうやってお尻にささったの?」

花音は興味本位にケツに刺さった状況を聞いた。

 

「花音、お前はだまってろ!」

摩利の叱責が飛ぶ。

花音はシュンとする。

 

「横島、今のお前は酷い状態だぞ……お前の友人たちも心配していたのではないか?」

「横島くん、話をするだけでも楽になると思うの。その……家の機密とかだったらしかたないのだけど」

摩利も真由美も横島に優しく接する。

 

横島は意を決した様に

「実は……その俺、先日、仲のいい女の子を怒らせて、泣かせてしまったんですが、その理由とか心当たりがさっぱりなくてどうしたらいいのか……」

 

「ふっ、お前もそういう事で悩むのか……いや、悪い意味ではない、年相応だなと思っただけだ」

摩利は笑みをこぼしてから、真面目な顔に戻りそう言った。

 

「もうちょっと詳しく聞かせてくれないからしら」

真由美は優しく横島に言う。

 

 

横島は帰り際の件を……雫の名前を出さずにぽつりぽつりと語りだした。

 

聞き終わった摩利の第一声は

「お前は、人の好意に鈍感すぎるのではないか」

 

「摩利、それは言ってはダメよ。それって……北山さんよね」

真由美は横島の話を聞いて雫だと確信していた。

 

「どうして……それを……」

 

「あの子を見ていたらわかるわ……よく一緒に居るじゃない。横島くん、彼女はあなたに怒っているのではないわ……だから、待っててあげるのが横島くんの役目よ」

真由美は驚いた顔をした横島に続けて言う。

 

「怒ってないって……でも泣いてました」

 

「それは……まあいい、お前は北山が来たら、ちゃんと自分が思っている事を話せ」

摩利は何かを言おうとしたがやめ、横島にアドバイスをする。

 

「…………」

 

「時間が解決してくれる問題よ。グジグジ悩むなんて、北山さんはそんな横島くんを望んでないわ」

 

「お前は、いつも通り……いや、多少大人しくしていろ」

 

「フフフフッ、横島くんもちゃんと青春しているのね」

真由美は微笑みながらそう言う。

 

「そんなんでいいんでしょうか?」

横島はイマイチ納得していない様子だ。

 

「女の私たちが言うんだ。素直に聞いておけ……それとも何か?私を女扱いをしていないのか」

摩利は納得していない横島にそう言いながら、少し怒った様な表情をし冗談を言う。

 

「そんな事はないです……少し楽になりました。ありがとうございます。話しを聞いてもらって」

 

「どういたしまして」

真由美は上目づかいで可愛らしく微笑む。

 

「まあ、仮にもお前の先輩だからな。相談くらいのってやる」

摩利も照れ臭そうにそう言った。

 

 

 

「あのー、解決したんなら、報告書の件を……」

和やかな雰囲気となった三人に横から花音が申し訳なさそうに言う。

 

「そうだった。横島、悩んでいるところすまんがこの報告書の経緯を詳しく説明してくれ。これだと時系列でしかわからん。どうしてこれに至ったかを生徒会や教職員に説明しなければならないからな」

摩利はそう言って横島に説明を求める。

 

横島は詳しい戦闘の様子などは省き内容と経緯、それと一応その場に氷室姉妹がいたことを説明する。

何も知らない真由美はそれを聞いて驚愕を顔に浮かべ、摩利と花音も本人の口から聞き驚きを隠せない様子だ。

 

「なんと言ったらいいのか……横島らしいと言えばらしいが…………なんにしてもわが校の生徒がケガなどしなくてよかった」

「警察や公安も形無しね……まあ、横島君はもっと慎重に事を進めるつもりだったようだけど……」

 

「それと、氷室姉妹が関わった事は、漏らさないでください」

 

「分かった。元をただせばこいつが悪いのだからな」

摩利はそう言って花音の後頭部を軽くはたく。

 

「イタッ……だってー」

花音は口を尖らせる。

 

 

 

「後は、こいつと生徒会、それと教職員との話し合いは私と真由美も入って行うから、任せておけ……北山の事は……さっき言った通り時間が解決する話だ」

「まあ、横島くんはもうちょっと女の子の気持ちを分かるように努力した方がいいかもね」

摩利と真由美はそう言って、花音を連れ、先に教室から出て行った。

 

 

 

 

「相談に乗ってくれる先輩…か……」

そう呟いていた横島はさっきまでと違いスッキリとした表情になっていた。




花音さん……踏んだり蹴ったりです。
原作の花音さんはこんなにひどくないので><

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