横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


今回は幹比古、美月、雫の修練についての話しと……
後半は横浜騒乱編本編へとつながっていきます。

段々と、最終局面に近づいて行きます。

で今回もチョイ長いです。


横島、3人に修練をつける!!

翌日、様子が変な横島はもうそこには居なかった。

いつも通りの横島。

 

クラスメイトからは散々、何があったのか等を聞かれていた。

 

何時もの面々には、

「たはははははっ、なんか、すまん」

と横島照れ臭そうに謝っていた。

 

彼らはそれを聞いてホッとした表情をしていた。

 

 

 

 

放課後、横島は風紀委員を非番にしてもらい。

幹比古、美月、そして雫に修練をする事にしていた。

 

それぞれ、体操服に着替えてくるように言い、幹比古がいつも許可を取って使用している実習室で集まり、今は横島の前で3人並んでいる。

 

「楽しみだな、まずは何をしたらいい?」

幹比古は早く習いたくて仕方ない様だ。

 

「よ、よろしくお願いします」

美月は少し緊張している様だ。美月は何時もと違い、霊視を抑える眼鏡を付けていない。

 

「横島さん、私頑張る」

雫は少し顔を赤らめ横島を見つめている。

 

 

「まず、修練中は学校で勉強してきたこと、今まで習った事、全て忘れてくれ。魔法の事は何もかもだ」

 

「どういう事?」

雫は質問する。

 

「今から、修練しようとする霊視だが、これは多分、現代魔法で言う所の霊視に当たる部分と全く異なる。俺が現代魔法に手こずったのは、その辺をごっちゃにしたためだった。全く別物と考えるようにして、達也から手ほどきを受けてからは、魔法が使えるようになった。だからその逆も一緒だ」

横島は自分の経験と学校で習った事と、自分の霊能力について考察しこう結論付けたのだ。

 

「古式魔法も?」

幹比古が質問する。

 

「そうだ……どうやら、幹比古が扱う古式魔法は現代魔法に近い。氷室で使っているものと似ているが、根本が違う」

 

「……うん」

幹比古はイマイチ納得いっていない様だ。

 

「だから、サイオンと霊気が同じものとしての認識は今は外してほしい」

 

「え?同じじゃないんですか?」

美月も質問をする。

 

「いや、存在は同じだが、考え方が全く違うから」

横島はそう答えた。

 

 

 

「それと、基礎体力と基礎身体能力は付けてほしい。霊視だけだとそれ程いらないかもしれない。ただ、霊気は健全な体から生まれる。そうやって鍛えられた肉体は霊気に馴染む。体力作りと身体能力の向上は自主訓練をしてほしい」

横島はそう言う。

幹比古に関しては体作りを普段からやっているようで、運動神経もよく体も動き、古武術もなかなかできるようだ。流石は古式魔法の大家、吉田家の跡取り候補と言ったところだ。

雫に関しては、元々運動神経がいい。部活でもある程度は体力作りを行っている様だ。

美月についてはそれらは一からやっていくしかなさそうだ。

 

 

「とりあえず、霊気を感じる事からかな……じゃあ、美月ちゃん、手を出して……」

 

「はい」

 

横島は出した美月の右手を握る。

 

何故か、幹比古と雫は羨ましそうにその様子を見ていた。

 

「今から、俺の霊気を美月ちゃんに流すね」

 

 

「え?……何かが入ってくる…これが霊気……とても暖かい………これが横島さんの霊気」

美月は最初は不安そうな顔をしていたが、横島が流す霊気を感じ、感動したような表情していた。自分の体を確かめる様に見廻し、何時もよりさらに場の霊気、自分に流れている霊気がクッキリ見える様な気がしていた。

そして、Yクラフトコーポレーションの戦闘の際に見た。要が纏うあの美しい霊気を始めて見た時の感動を思い出していた。

 

「うん、やっぱそうか。美月ちゃんは感受性が非常に高い。これなら、きっといい霊能力者になれる」

横島はそう言って、美月の手を離す。横島の見立てだと、美月は霊気を見るだけでなく、体感で感じることにも長けている様なのだ。

一口に霊能力者と言っても、戦える霊能力者は一部だ。本来は、儀式や術儀を取り行ったり、霊脈を感じ、土地の浄化や改善などを行う。それこそ氷室家の治癒に特化した霊能力者もいる。それぞれいろいろな役割がある。

 

「あっ」

美月は名残惜しそうにしていた。

 

 

「次には雫ちゃん」

 

「うん」

そう言って雫は恥ずかしそうに手を出す。

今まで、雫は横島の手を取ったりすることが多かったのだが、恥ずかしいなどと思う事は無かった。

横島に恋を自覚したからこそである。

 

「じゃあ、霊気を流すね」

 

「ん!…………何?横島さんを感じる……」

雫はくすぐったい様な感覚が全身に陥り、思わず目を瞑っていた。その後その感覚が横島自身のもだと感じとる。

 

「雫ちゃん目を開けてみて」

 

「!!」

雫は目を開けると、何かがぼーっとしたイメージで視界一面に入って来たそれが何かなのかはわからない。しばらく中空をぐるりと見渡す。

 

「よかった。なにか見えるようだね。それが霊気だよ」

 

「凄い、これが横島さんが見えている世界なの?」

そう言って、横島を見る。

雫は横島が発している霊気が見えた。とても楽し気で優しい、そう感じた。

 

「じゃあ、離すね」

 

「あっ!!」

雫は横島の手を名残惜しそうに、手を前に出していた。

 

 

「美月ちゃんと雫ちゃんは霊気を感じられたようだね」

 

「はい、流れている霊気を体で感じれました。いつもより、場の霊気がクッキリ見える感じでした」

美月はそう答えた。

 

「美月ちゃんはその感覚を自分で出来る様に、自分の霊気を操り行う事が第一段階の目標かな」

横島は美月の訓練指針を打ち出す。

 

「雫ちゃんはどうだった?」

 

「なんかスゴい!!横島さんがいっぱい入って来た感じ!!……あとなんかボーっとだけど見えた!!」

雫は興奮気味に横島に答える。

 

「雫ちゃんはとりあえず、体験してもらったんだ。まあ、霊気を見れるようになれば、相手の動きなんかも事前察知できるからね。それは一朝一夕で今の段階ではできないから、徐々にやって行こう。あと、雫ちゃんは近距離戦が苦手そうだから、その辺もね」

横島は雫のこれからの訓練指針を示す。

 

 

「横島!!僕は!!僕には!!……北山さんが見えたって!!僕も早く見たい!!」

幹比古は横島が雫に霊気を送り、雫が何か見えたと答えてから、そわそわと居てもたってもいられない様そうだった。

 

「男の手を握る趣味は俺に無い!!」

横島はそう言って袖にする。

 

「えーーー、いいじゃん!!減るもんじゃないし!!」

 

「断る!!俺の精神が減る!!」

 

「いいじゃん!!」

幹比古はそう言って横島の腕を強引に取った。

 

 

「ええい、うっとおしい!!わっかった。手を出せ!!」

横島はそう言って幹比古に手を出せ、幹比古の手の甲を掴み霊気を流す。

 

「早く!!」

幹比古は何も感じていない様だ。

 

「やはりそうか」

横島は他の二人と同様に霊気を流したのだが、幹比古の霊気は全身にめぐりにくい様だ。

幹比古の普段の訓練や修練が影響している様だ。

 

「へ?どういうこと」

 

「幹比古……お前札を扱うときみたいに霊気、いや指先に集中して見てくれ」

幹比古の霊気は札を扱う際、指先に流れ込む。その流れが一方通行の様なのだ。

 

「うん?わかった」

 

「ちょっと強引に行く」

横島は霊気を強引に流し込む。余り強引に行くと、相手に作用し攻撃となってしまう。

何時も横島が、敵を気絶させるように。

 

 

「うわ!!ちょ……ちょ……何これ!!」

幹比古は強い霊気の流れに不快感を感じた様だ。

 

「ちょっと我慢してくれ」

 

「あ!!ああ!!あああああ!!スゴイ!!ぼーっとだけど何か見える!!僕にも見える!!」

どうやら幹比古も場の霊気が見えた様だが、かなり興奮しているようだ。

 

「ざっとこんなもんだ」

そう言って横島は幹比古の手を離す。

 

すると、幹比古は

「横島!!凄いよ!!本当に見えるなんて!!」

そう言ってまたしても、感極まり横島に抱き着く。

 

「ぎゃーーー!!離れろ!!」

横島はそう言って幹比古を無理矢理引っぺがす。

 

「ご……ごめん。つい」

 

「はぁ、はぁ、ったく、何度も!!俺にはそんな趣味は無い!!……とりあえずは幹比古は霊気を体に巡らせる訓練と感じる訓練に霊視だな」

横島は疲れた様子で幹比古にそう言った。

 

「ありがとう!!」

 

 

 

 

「取り合えず、霊気の流れと霊視の感覚だ。修練で、自分の霊気でこれぐらいの事が出来るようになるのが取り合えずの目標かな、修練次第でもっと感じられるようになるし、ちゃんと見えるようになる。そして霊気自体を自由に扱えるようになる」

横島は3人にそう言ってから、各人に個人指導と普段の訓練法を伝授していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、1週間が経過する。

3人の修練も順調に進んでいた。

やはり美月の成長が著しく、たった一週間で、霊視の強度が上がり、自身の霊気の流れを感じられるようになっていた。

幹比古も霊気の流れが改善されていた。

雫は霊視、霊気の修練に付けくわえ、近接戦と今ある魔法の有用な使い道についても訓練していた。

 

 

 

横島は帰宅後。

珍しく九島烈の方から電話が掛かって来た。

「横島君、良い知らせと悪い知らせがある」

 

「どうしたんだ?じいさん」

 

「まず、良い知らせだ。フェイ兄弟の傘下の連中から。彼らの狙いの一つが分かった。軍経由で司波達也がFLTで預かったレリック(八尺瓊勾玉)だった。君からも指摘があった件だが、やはり狙う連中が居たという事だ。嘆かわしいかな、今の軍はそのような当たり前の事も考慮しない愚か者が多い。この事実を突きつけ、レリックは回収させ、軍で厳重に保管する事にさせた」

 

横島は九島烈に九重八雲からの情報で、軍がレリックを達也と達也が所属している実家の会社(FLT)に検査と複製研究をするよう、預けている事を指摘し、やめさせるように忠告したのだ。

そのレリック一つで国が戦争を起こすレベルの貴重なものだと言うのに、軍はろくな護衛や警備もせずに一民間企業に預けていたのだ。

 

 

横島はその話を聞いて、ホッとした表情をする。

「まあ、当然だよな。で、悪い知らせって?」

 

 

「……君が捕縛したフェイ兄弟が脱獄した」

九島烈は一息つき話す。

 

「はあ?なんでそんな事に?」

横島は呆れた様に言う。

 

「我々の手の者で取り調べをした後に、軍の観察所から、移送している際に、襲撃され奪還されたのだ。襲撃犯は分かっている。大亜連合の工作員、ルゥ・ガンフゥ……人喰い虎の異名を持つ名の通った凄腕の工作員だ。奴一人で護送していた小隊を壊滅させたのだ」

 

「な……!!そいつが日本に来ていた事は把握していたのか?」

小隊を一人で壊滅出来、囚人を奪還したのだ。かなり腕の立つ奴だと思って間違いないと横島は思った。

 

「いや……」

 

「きな臭いな……まあ、あいつらは軍人だから個人的な逆恨みで俺たちをわざわざ狙う事は無いと思うが……偶然出会ったら分からんな」

横島は氷室が襲われることは無いと確信している。もし襲われたとしても返り討ち確定だ。

問題は雫、幹比古、美月だ。特にフェイ兄弟は腕が立つ上に変態なのだ。

ロリのフェイ兄は雫を見たら間違いなく攫うだろう。

バイのフェイ弟は、幹比古、美月を見かけたら、あの巨体の餌食にするだろう。

横島は訓練のペースを上げ、とりあえず逃げられるだけの事を教えようと心に誓う。

 

「すまない」

九島烈は謝罪する。

 

「いや、じいさんが悪いわけじゃないしな。情報ありがとうな。あとその件で協力出来ることが有ったら言ってくれ」

そう言って通話を切った。

 

 

 

『何事も起きなければいいのだが』と思わずにいられない横島だった。




フェイ兄弟……復活!!

そして、遂にルゥ・ガンフゥ登場

あの日に近づいて行きます。
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