横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。



前回の続きです。
次へのつなぎ要素が高いお話です。


横島、取り調べられる!!

八王子特殊鑑別所、検査室。

横島は危険物を携帯していないか、マッチョ大男鑑別官達に詳しく取り調べを受けていた。

 

 

 

「おっさんら……苦労したんだな…グスッ」

横島は目頭を熱くし涙が頬をつたう。

 

「そうなんです。この見た目で、交番勤務をすれば周囲住民に怖がられ……あっ上着脱いでください。……交通整備をすれば、邪魔だと怒鳴られ……」

物凄く声の低いチョビ髭マッチョ鑑別官はそう言って、横島が脱いだ制服上着を受け取る。

受け取った制服上着は物凄い声の高いスキンヘッドマッチョ鑑別官が折り目正しく丁寧に畳んでいく。

 

そう彼らは、見た目に反し、はぐれ刑事ならず、人情派鑑別官だった!!

 

「同期の女性には力仕事を押し付けられ……その時は喜んでもらえるのですが、影でコソコソと悪口を言われる始末……あっ、シャツも脱いでください」

 

「おっさん!!わかる!わかるよ、そうだよな!女なんて女なんて……シクシクシク」

横島はマッチョ鑑別官と意気投合し、彼らの指示通り服を次々と脱いでいく、顔は涙でぐちゃぐちゃだ。

 

「ここに来ても、この顔や姿では受付や案内係も出来ず、ここに来た人達を導くだけ……ああ、イケメンに生まれたかった……そのズボンも脱いでください」

 

「イケメンめ!!許さん!!世の中のイケメン死すべし!!」

拳を握りしめ、そうやって雄たけびをあげる横島は、ついにパンツ(トランクス)一丁になっていた。

 

横島から受け取った。衣服を物凄く声の高いスキンヘッドマッチョ鑑別官が棒状のセンサーで丁寧に危険物や盗聴器や機器が無いか調べているが、どうやら無かったようだ。

 

 

「横島くん、ちょっといいかね」

物凄い声の高いスキンヘッドマッチョ鑑別官がそう言ってセンサーをパンツ一丁の横島の体に当てて行く。

 

 

ピピッ、ピピッ

 

丁度ケツのあたりでセンサーが鳴った。

 

 

マッチョ鑑別官ズの目がキュピィーンと光る。

そして横島にズイッと顔を近づけて

「さあ、そのパンツも脱ぎなさい」

「さあ、さあ、さあ、さあ、さあー!!」

 

 

「え?おっさんら……何を?」

横島はさっきまでは人が好さそうではあったマッチョ鑑別官ズの様相が急変し、その迫力に押され、後ずさる。

 

「「パンツをぬぎなさーーーーい!!」」

何も知らない人間が傍から見ているとタダの変態にしか映らないが、彼らはセンサーに反応したからにはパンツを確保しなければという使命感で動いている職務に忠実な鑑別官なのだ。

 

 

「いやーーー!!かんにんやーーー!!」

 

逃げ惑う横島にマッチョ鑑別官ズはついにそのパンツに手が伸び、掴む。

それでも横島はジタバタとする。

 

すると、パンツの後ろゴム辺りに縫いつけられているメーカーロゴの布で出来たタグが取れる。

すかさず、スキンヘッドマッチヨ鑑別官がそのタグにセンサーを当てると……

 

 

ピピッ、ピピッ

 

センサーが反応を示した!!

 

 

スキンヘッドマッチ鑑別官がタグを無理矢理破き分解、すると

「ぬ…なにやら、センサ―の様なものが……横島くんこれに見覚えは?」

 

 

横島は全力で首を左右で振る。

 

 

しかし……そのパンツは、夏休み皆で行った南の島別荘で達也に横島のパンツを魔法で分解してしまったお詫びと称して、もらったパンツ10枚の内の一つだった。

 

実は達也はパンツのロゴタグに、深雪(正確には深雪のCAD)がそのタグに近づくと、達也に知らせが届くようにした超小型センサーを仕込んでいたのだ。シスコン達也は横島が深雪に手をだしたり、近づいたりしないよう見張っていたのだ。

 

「うむ、君の目を見れば、知らないと分かる」

「君は誰かに恨みを買うようなことは?」

マッチョ鑑別官ズは横島に優しく尋ねる。

 

横島は漸くこのパンツが達也にもらった物だと思い出す。

「ふっふっふっーー!!あいつーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

一方、地下にある拘留場のかなり長い廊下を進み行き止まりの手前の関本勲が勾留されてる部屋に到着した真由美達一行。同行していた鑑別官には外で待ってもらい、摩利は関本の部屋に、真由美と達也をその部屋をマジックミラー越しに見ることが出来る隣の小部屋に入る。

 

「渡辺か……何しに来た?」

 

「お前に聞きたい事があってな」

摩利が簡素なベットに座っている関本の問いに答える。

 

「ここでは魔法は使えんぞ……」

関本は摩利が魔法で強引に聞き出すなどと思った様だ。

 

「いいや」

そう言って摩利は手を後ろに回す。

 

 

すると関本は鼻を抑えて……

「な……何を…」

意識が朦朧とした様子になる。

 

 

 

小部屋でこの様子を見ていた達也は真由美に聞いた。

「これは、匂いによる意識操作?」

 

「そうよ、摩利は匂いを使った意識操作や催眠なども行えるの」

真由美はそう平然と言う。

摩利はどうやら、匂いを使って、関本を自白させるつもりらしい。魔法は確かに使っていないのだがこれは正当なのだろうか?

 

 

そして摩利は意識操作された関本に尋ねる。

「なぜ達也くんからデータを奪おうと?それで何を調べようとしていた?」

 

「……司波がもっている。論文コンペのデータ、それから、奴がもっているレリックの有りかだ」

関本は摩利の言うがまま答えるが……

予想していた論文コンペはいいとして、レリックと答えたのだ。

レリックは大亜連合のフェイ兄弟が狙っていた情報と同じなのだ。

 

小部屋でその様子を見ていた真由美は達也に戸惑う様に尋ねる。

「達也くん、レリックって……なんでそんな貴重なものを……」

 

レリックは前にも語った様にオーパーツその物だ。それ一つで国が戦争を起こす十分な理由になりえる代物なのだ。

 

達也は答えに窮し、曖昧に答える。

「ええ……まあ」

 

 

 

すると突如として建物全域に緊急警報が鳴り響く!!

 

 





心優しい鑑別官殿でした。
それに比べ、摩利さん達は……

と言うわけで、次回は漸く……本当に久々に、アレです。

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