主人公が入りたかった水。
水とは誰もが知っているもので、それはとても大切なもの...。
命は大切で、挫折してもそれを乗り越える勇気が必要。

これはそれに挫折した主人公の姿を描くストーリー。

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不思議な世界を楽しんでください。


水の幻想 短編小説

水の幻想

 

ある日、水に入った。それはまるでこの世界とは違う別世界が広がる場所のようだった。

 

僕は感動のあまり涙が出て、声が出せずにいた。いや出せなかったんだ。

 

最初は水に入れて、ワクワクした感情と、少しの不安があった。だけどそれは深く、深く沈んでいくように、奥へ行くほどに薄れて消えた。

 

中盤、息が苦しくなる。だけど楽しいから自分のことなど気にしずにもっと奥深くへ行こうとした。

 

最後は耐えられなくなり、出ようとしてももう遅い。あぁ

終わりだ。僕はもう、もう耐えられない。死にそうだ、死にそうだ、だけど...。そう思いながら今度は残る水の記憶とともに意識が薄れる。目の前に母の姿。これが走馬灯。

 

いつまで僕はここにいるんだろう。死んだのに...誰も見つけてくれないんだ。

 

ここにいるよ?僕はここに...ここにいるんだ...

 

涙混じりの僕の声は誰にも届かない。

 

あれ、光だ。こんな所に光が見える。

おーーい、僕はここだーー!

 

全力で声をだそうとする。だがもう限界だった。

 

だけど、その光は自ら僕に手を差し伸べる。何がしたいんだ。わからない。

 

僕は手を取った。そしたら光の先にあったのは...

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない終わった世界

 

 

 

 

 

 

はは...ははは...

 

涙なんか、何年ぶりだろう。心地よい風が触れた時僕は力尽きてそこから動かなくなった。

 

いつの日か、僕の体は風に吹かれ、雨に打たれ、だんだん、少しずつ、なくなっていった。今ではもう、「僕の存在」があるのかすらわからないのだ。

 

僕は、この何も無い世界で、実体のないままさまよい続けた。

 

そして見つける。新たな水を...僕と同じ存在の新しい水を...。僕は怖かった。もう入ったら何もかも終わる気がした。だからためらった。いやだ、いやだ、いやだ...

 

だけど怖かった。水に入る以前に、孤独というものが。

水に入ればまたなにも考えずにただ楽しく行けてけるのではないか、それは最初だけなのではないか。

 

そんなことを考えていると、いつの間にかバカバカしくなって、また水の力に頼る。

 

そして僕はまた新しい水に入る、壊れる、消える。

 

これが僕の罪だ...母さん、兄さん。ありがとう。

 

本当に、ありが...とぅ

 

――――――・・・

 

「午前3時02分、息をお引き取りになりました...」

 

「なんで、なんでだよ...俺らなら助けられたかもしれないのに...」

 

「自宅のリビングで自殺を...」

 

みんな安心してくれ、俺は今...

 

「いやよ、しんじゃいや!帰っておいで、はやく!」

 

もう無理なんだ、俺は今

 

「この声が聞こえるなら俺らにまた笑顔を見せろよ!

 

ダメなんだ、もう俺は今!

 

「私の元にもう一度帰ってきて...」

 

2人の...目の前に...

 

 

End




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