パパッと書いたのでかなり出来は悪い作品ですけど、良ければどうぞ。
なお、キャストや兵士は基本死なない設定です。
リン「ひ~ま~な~の~で~す~わ~!!!」
あるお城の一室にて、朝から小さな女の子の盛大な声が響き渡るところから物語は始まる。
ここは、絵本の世界。様々な絵本の世界の住人が集まり、それぞれの世界と交流を深めて反映している世界。
しかし、今この世界にはヴィランと呼ばれる謎の敵の襲撃を受けていた。
ピーターパンの世界に現れる大ワニ
マッチ売りの少女の世界に現れる雪だるま
不思議の国に現れる怪物
それらを倒し、この世界にまた平和を訪れさせるため、様々な絵本の世界から集められた絵本の住人達は、日夜ヴィランとの戦いに明け暮れていた。
そんな世界にて、救われたマッチ売りの少女であるリンは、一人自分に当てられた部屋のベッドの上でじたばたと体を動かしていた。
リン「暇ですわ暇ですわ!こんな退屈なのは嫌なのですわ~!」
そう、彼女は今暇を持て余していた。
運が良いのか悪いのか、周期的に表れていたヴィランの登場が収まり、絵本の住人達は久しくのんびりとした日を過ごしていたのだが…どうやら、彼女にとってはそれはただ退屈でしかなかったようだ。
リン「もうっ!ミクサさんは朝早くから出かけてしまってますし、サンドリヨンさんやアシェンプさんもいないですし、何でこんな日に限って誰もお城にいないのですわ~……」
彼女は、普段よく一緒にいる自分の分身的存在であるミクサや、灰被りの少女の物語から生まれた2人のお姉さんの事をおもいだしぼやく。
普段暇な時は彼女たちに会いに行けば何かお話でもしてくれるのだが、運が悪く今日は彼女たちの姿も城の中には見れない。もちろん、城の中には他にも絵本の世界の住人がいるのだが、社交的なリンであっても全員が全員知り合いというわけでもない。
わかりやすく言うなら、リンにとって話しやすい人物が今城に不在となっているのだ。
リン「はぁ…こんな暇なら、一度家に帰っても良いかもですわ…お父様やお母様にも会えますし」
彼女は布団に転がると、故郷の事を思い出し小さくぼやく。
年中雪に閉ざされたミクサとリンの故郷だが、そこにはそこで学友や愛しの父と母がいる。
雪のせいで何かと不便だが、ここで退屈しているぐらいなら―――…
リン「…そうなのですわ!どうせなら普段いかないような場所に!」
その時、リンの頭の中で妙案が浮かぶ。
ヴィランの襲撃のために普段はこの城やその周りにいることが多かったが、ここは絵本の世界。
リンやミクサがいる世界の様に年中雪で閉ざされた世界もあれば、ここの様に大きなお城のある世界。
空に浮かぶ大きな島がある世界。そのほかにも、何だってある。
なら、自分たちの世界に無いものを見に行ってみるのも楽しいのではないのだろうか?
リン「よーし、そうと決まれば早速出発なのですわ!!」
彼女は元気よくベッドから飛び降りると、戦闘でも使う燭台にお菓子を入れたかごを手にもって、すぐに出かける準備を終えた。
そのまま彼女は喜び勇んで部屋を出ると、お城のある一室に向かった。
そこには大量の本が収められていた…そう、ここは城の図書館である。
様々な本が置かれたこの部屋には、数々ある絵本の世界とをつなぐ扉が設置されている。
本来、別の世界にいる絵本の住人達はここを中心として集まってくるのだが、リンはいまだに自分の世界とこのお城がある世界しか行き来したことが無い。
リンは喜び勇んで部屋の扉を開けると、そこにいる司書に話しかけた。
リン「マメールさーん!お願いがあるのですわ~!」
マメール「リンさん…図書館では静かにと前にも言ったでしょ…?」
長身長髪に、眼鏡をかけた知的な女性、マメール・ロワは図書館に訪れた騒がしいお客様に小さく呆れ声を出しながら戒める。
ただ、リンにとってはそんな事どうでも良かったのだろうか、彼女に近寄るとその知的な顔を覗き込みながら話し始める。
リン「ねえねえマメールさん。私、他の世界に行ってみたいものがあるのですけど…?」
マメール「他の世界にですか…それは構わないですけど、いったいどんな世界に行きたいのですか?」
特に断る理由は無いのか、マメールはすぐにリンの願いを了承すると、どんな世界が好みなのかと問いかける。
すると、リンは期待に満ちた目で高らかに宣言した。
リン「それはですね~―――……」
数分後、別の世界に旅立ったリンを見送ったマメールはちょうど時間がたち適温となった紅茶を飲みつつ本を読んでいた。
そこに、奥から数冊の本をもった赤ずきんを着た女性が現れる。
スカーレット「…ずいぶん騒がしかったわね?」
マメール「元気なのは良い事なんですけどね…ごめんなさい、騒がしくしてしまって…」
スカーレット「別に構わないわ。私にも少しわかるし…見た事無い世界に目を輝かせる気持ちが…」
マメール「あら?貴女でもそういう事思うんですね」
マメールが茶化す様にそういうと、スカーレットはその鋭い目を細め小さく苦笑する。
スカーレット「あのねぇ…私だって、あれぐらい小さなころがあったのよ?
…それで、あのマッチ売りの少女はどんな世界に行ったの?」
マメール「あら、ごめんなさい。そうですね、あの子が向かった世界は…」
マメールは隣に座った赤ずきんの女性に謝ると、一冊の本を彼女の前にだす。
そこに書かれていた題名は―――…
リン「おぉぉ…あったかいのですわ~!!」
マメールに頼み込んでリンが来た世界。そこは白い砂浜に青い空に青い海がある世界。
リン「これが砂浜…これが海、これが夏!こんなの初めてなのですわ~♪」
年中冬の世界であるリンとミクサの世界には、当然青空なんてものはめったに見れないし、夏などは存在しない。海も常に凍り付いていて、泳ぐなんてもってのほか。当然、リンの目に前に現れた世界は彼女にとって初めてのものだった。
本の中でしか知らなかった世界、それを今実際に目にしている。その事実にリンは喜びしかわかなかった。
リン「マメールさんにお願いして良かったのですわ…!
今度ミクサさんも連れてきてあげたいでわ…そうだ、海がしょっぱいってのは本当なのでしょうか?」
ヴィランと戦える力を持つ絵本の住人達。しかし、その力はあってもリンは年端も行かない少女であることにかわりはない。
リンは靴と靴下を脱ぎ捨てると、スカートのすそをあげながら白い砂浜を走り出した。
リン「きゃっ、ちょっと冷たいですけど気持ちいいのですわ~…(ペロッ)か、辛いのですわ!?」
足を海面に着けて、指先で海水を舐めて一喜一憂するリン。
その時、彼女の近くの岩陰で物音がした。
???「っ!?(がちゃんっ」
リン「あら?誰かいるのですか?」
???「っ…っ!」
リン「あ、あら?兵士さん?」
そこにいたのは、赤色の鎧をつけた小柄な兵士だった。
ヴィランとの戦いのときには先陣を切って城や砦から現れる兵士。
しかし、普段は思い思いに城の中で過ごしていることが多いのだが…
リン「どうしたのですか?貴方も海を見に来たのですか?」
兵士「っ!っ!」
リンは兵士のそばにかがんで話しかけるが、声帯が無い兵士は身振り手振りで何かを必死に伝える事しかできない。
当然リンにわかるはずもなく…
リン「ん~…喋れればわかるのですけど…」
兵士「っ…(しょぼーん」
お互いの意思疎通が図れずそろって落ち込んでしまう二人。
そこに、1人の男が現れた。
???「おい、そこに何かいるのか…ん?お前は…?」
リン「あら…あ、船長さん!」
2人の前に現れたのは、海賊帽をかぶり右手を巨大な機械腕にした大男。
海賊船長アイアン・フックだった。
彼はリンの姿に少し驚くが、すぐ平静を取り戻すと2人に近寄って話しかける。
フック「こんなところでどうした?
何時もの赤髪の子と一緒ではないのか?」
リン「今日は1人でお出かけなのですわ~
船長さんこそ、お1人でおでかけです?」
フック「いや、俺は…まぁ、軽い訓練と行ったところか。
ヴィランとの戦いだけだけしてると、どうも船が恋しくなるからな…」
リン「お船ですか…も、もしかしてここに船長さんのお船が…!(キラキラ」
リンの笑顔にフックはしまったといった顔をするが、時すでにおそい。
リンは笑顔のままフックが来た方向に走り出すと、そこには…
リン「おぉ~…凄いのですわ!大きいのですわ~!!!」
リンが目にしたのは、全長50mを超えるガレオン船だった。
多数の兵士が荷物をつぎ込んで出港の準備をしているその光景は、リンにとってはすべて新鮮なものだった。
フック「…まったく、止める暇も無く動くとは…」
リン「船長さん船長さん!今からこのお船出港するのですか!?」
フック「あ、あぁ…演習を兼ねてな、久しく海戦もしてなかったしな…」
リン「という事は、戦力があった方が良いですわね!(キラキラ」
フック「そ、それはそうだが海戦ってのは危険もあって女子供を…」
リン「大砲をバンバン撃つなら火だって必要ですわね!そういう事なら、私にお任せなのですわ~!!(ぴゅ~」
フック「あ、こら待て…たくっ…」
船に飛び乗るリンの姿を見てフックは頭を抱える。
あの小娘は一度言い出したらテコでも動かない厄介な小娘だ。
子供がそれだけの元気があるのは良い事なのだが…
フック「…ふふっ…まぁ、良いか…一人ぐらい騒がしいのがいても…
よ~し、野郎ども!!1人乗員が増えたが予定通り出港するぞ!目標は深海船デスフックの船だ!」
フックは高らかに声を上げると、荷物を持ち運んでる兵士に向けて号令をあげる。自分でも気づいているが、久しぶりの船出と海戦に気持ちが高ぶってるのだろう。
フックはマントを翻すと、高笑いを上げながら多数の兵士たちとともに船に乗り込んだ。
???「…空の彼方へ!!…よし、無事乗り込めたな」
???「何だかドキドキするね~」
???「あぁ、フックの野郎が何考えてるかしらないけど、面白そうな事なだけは確かだぜ」
???「リンちゃんも乗り込んでたし、後で驚かしてあげよ♪」
……数刻後、沖合に出た海賊船の甲板にて、リンは右に左へと体を向けていた。
沖合に進むにつれて船揺れもひどくなるが、それすらリンにとっては楽しみの一つでしかないのだろう。
リン「すごいですわ!船長さん船長さん!この船ならどこまでもいけそうですわね!」
フック「ははっ…そう言われると俺も嬉しくなるな。
だが、今日の目的は旅ではなく戦いだぞ?」
リン「もっちろ〜ん!お任せあれなのですわ!
…けど、なんでデス船長と戦いなんてするのです?喧嘩なのですか?」
フック「はっはっはっ!そんな深い理由はないさ!
ただ、お互い久しく船での戦いをしてなかったからな…気晴らしだ」
少し心配げに聞いてきたリンにフックは高笑いをあげながらその頭を撫でると、リンも安心したように笑顔を浮かべだ。
リン「それなら安心なのですわ〜
よ〜し、デス船長の船に火を灯して挙げるのですわ〜!」
リンは高らかに船の先頭に身を乗り出すと、緑の宝石がはめられた燭台をあげて宣言する。
その様子にフックがまた苦笑を浮かべていると…突如、事態は急変した。
ドゴンッ!!
リン「きゃぁっ!?」
フック「っ!?小娘!」
突然の衝撃に船から転げ落ちそうになるリン。
フックはとっさに右の機械腕からアンカーを射出すると、それでリンを絡めとりなんとか引き上げる。
リン「あ、ありがとうなのですわ…」
フック「気にするな。
しかし、今のは…座礁…いや、ちがうな…!
野郎ども!監視を怠るなよ!奴らは海の底から来るぞ!!」
突然の振動にも動揺することなくフックは周りに指示を出すと、船尾からひときわ大きな声が響き渡った。
???「後ろ側の海がひときわ波立ってるぞ!多分デスフックの船だ!」
フック「やはりか!良し!野郎ども海戦の準備だ!!」
フックの号令とともに船の兵士たちがばたばたと動き始める。
リン「…あら?兵士さんって喋れましたっけ…(どんっ!)きゃっ!?」
フック「砲撃用意!奴の船は海の中にあるぞ!射角下げて…うてぇ!!」
フックの号令とともに船につけられた多数の砲門から砲弾が放たれる。
だが、海に着弾する直前でその砲弾が無数の弾幕で迎撃される。
フック「なにっ!?」
リン「い、今のはあの人の…?」
驚愕する2人を置いて、海の波はひときわ大きくなりそこから幽霊船が現れる。
フックの船と同じく多数の兵士を従えた幽霊船。その主はゆっくりと顔をあげると目の前にある獲物を見てほくそ笑む。
デスフック「…フフフ…ヤツラ、オドロイテルヨウダナ…」
???「そりゃそうだろ。まさか俺たちがこっち側に着いてるなんて思ってもいないだろうからな」
???「船長さん驚いてるかな~?」
???「………」
骸骨の姿をしたデスフックを先頭に、多数の兵士を引き連れるように3人の少年少女が立っている。
リンやフックはその見慣れた姿に驚きを隠せなかった。
フック「ナ、ナイトメアキッド!?」
リン「シャ、シャリスちゃんにミクサさん!?」
フックやリンと同じく、絵本の世界の住人であり、ヴィランと戦う力をもつ者たち。
突如2対4になった状況に二人は大きく動揺してしまっていた。
リン「ず、ずるいのですわ~!デス船長さんそんなに助っ人呼ぶなんて~!」
デスフック「カイゾクニズルイヒキョウハホメコトバヨ…」
ナイトメア「だいたい、お前だってフックの味方をしてるじゃないか!
俺はそいつを一方的にボコれると聞いたからこの骸骨にのったんだぞ!?」
リン「私は偶然船長にあってのっただけなのですわ~!
あなたみたいないじめっ子と一緒にしないでほしいですわ!」
シャリス「えぇ~虐めってそんなに悪いのかな~?
ほら、好きな人ほど虐めたくなるって言うし~♪」
ナイトメア「俺はあんなひげ野郎好きじゃねぇ!!!」
リン「あ、そ、そうだったのですか…ご、ごめんなさいきづけなくて…///」
ナイトメア「おいまて変な勘違いするな!?!?」
シャリス「うふふふ…♪」
フック「…そちらも結構大変そうだな」
デスフック「…オキヅカイカンシャスルゾ…」
『閑話休題』
フック「とにかく、あの数相手ではこちらが不利だ!いったん離れるぞ!」
フックの号令の元、海賊船は風を掴み幽霊船から離れ始める。
だが、デスフックの船はそれを許さなかった。
デスフック「獲物ハ逃サヌ…クラエッ!」
フックと同じ機械の腕からアンカーが射出されると、フックの船の船尾を掴みとる。
こうなっては、幾らスピードをあげても幽霊船からは離れられない。
フック「ちぃ!?リン!船尾の大砲でデスフックを狙うんだ!!」
リン「わ、私も向かうのですわ!」
フック「気をつけろ!!」
海賊船の舵を取るフックに言われ、兵士と共に船尾に向かうリン。
しかし、そこには……
ナイトメア「おらおらおらっ!撃たせると思ってるのか!?」
シャリス「こっちを狙っちゃだめよ~?」
リン「きゃぁっ!?こ、これじゃあ近づけないのですわ…」
船尾に向けて多数の弾をまき散らすナイトメアに辛うじて放たれた砲弾すら無慈悲に迎撃するシャリス。
リン「うぅ…どうすれば…私の炎じゃとどかないですし…」
物陰に隠れてリンは何とかやり過ごしているが、ナイトメアの弾幕は厚くとても容易には近づけない。
途方に暮れたリン…だが、すぐに救いは現れた。
ナイトメア「はっは~!こいつは良い♪
このまま沈めて「びっくりさせちゃえ!!」へぶっ!?」
シャリス「きゃっ!?い、今のは…?」
リン「え?今のは…?」
突如フックの船から飛び出たプレゼント箱が弾をまき散らしていたナイトメアにぶつかリ彼を吹っ飛ばした。
突然の事に驚く2人、そこに現れたのは…
アリス「えへへ~皆びっくりしたかな~?」
リン「ア…アリスさん~!!」
シャリス「えぇ~!?何でアリスちゃんがそっちの船にいるの?!」
アリス「ちょっとね~船長さんを驚かせようって話になって~
それで、ピーター君と一緒に♪」
シャリス「ぴ、ピーターもいるの…「時よ止まれ…永久に!」っあ、ぶっな~い!」
続けて、アリスの横から紫の弾が打ち出され、シャリスがいた場所に着弾する。
リンはその声に聞き覚えがあった。数十分前、デスフックの船を見つけた人の声。
ピーター「へっへ~リン?大丈夫か?」
リン「あ、ありがとうなのですわ…♪」
どこか子供っぽい、けど頼りになりそうな笑顔を浮かべながらしゃがんでいたリンに手を伸ばすピーター。
思わぬ助っ人にリンは混みあがる嬉しさを隠しきれずに笑顔を浮かべると、その手を握りしめ起き上がった。
フック「リン!大丈夫か!?…な、小僧貴様なぜここに…!?」
リンが心配だったのだろうか、額に少し汗を流しながら船尾に現れたフックはピーターの姿を見て忌々し気な顔を浮かべる。
ピーター「お前が楽しそうな事してるから監視しに来たんだよ。
それはそうと、リン1人にあれ相手させるのは流石に酷じゃないか…?」
フック「くっ…わかっているわ…」
反論できないのだろうか、フックは忌々し気に呟くが、間にアリスとリンが取り入る。
リン「ま、まぁまぁ私は無事ですから♪」
アリス「それより!早くあいつらをやっつけちゃを!」
ピーター「それもそうだな…♪アリス達は俺が守るから、あんたは船のほうをたのむぜ!」
フック「言われるまでもない!!」
ピーターに言われるままフックはまた船の操縦に向かう。
それを見届けたピーターはナイトメアと同じ銃を構えると、高らかに宣言した!
ピーター「おっしゃいくぜ野郎ども!!
あの不埒な幽霊船を俺たちで沈めてやろうぜ!」
リン「了解なのですわ~!」
アリス「お船もびっくりさせちゃうよっ!」
フック「無理だけはするなよッ!…ふふっ…」
場面は変わって、デスフックの船の船上では…
デスフック「チィ、テキニモ増援ガキタカ…?」
突如として増えた敵の増援にお互いの砲撃が届き合うようになり、幽霊船にも多数の被弾が起き始めていた。
ナイトメア「いつつ…くそっ、アリスがいるなんて聞いてねぇぞ…?!」
シャリス「大丈夫にゃ~?これ飲む、少しましになるよ~?」
ナイトメア「お、おぉ…ありがとな…(ごくっ)…まて、お前これ何の薬だ…?」
シャリス「傷が治るお薬だよ~…数時間後に2日ほど子供になっちゃう副作用あるけど♪」
ナイトメア「お前なに飲ましてるんだ!?」
デスフック「騒ガシイナ…オイ、小娘…大丈夫カ?」
敵の相手もせずにバカ騒ぎをする2人に半ばあきれるデスフック。しかし、もとよりこんなものは遊びの延長線上なモノ。デスフックもそれは理解しているので、あまり咎めずにいると、すぐ近くで座り子んでるミクサに向けて話しかけた。
ミクサ「……(こくっ」
リンと同じマッチ売りの少女の住人であるミクサ。
普段からダウナーで物静かな彼女だが、今日に限ってはなぜか普段以上に静かである。
それもそのはず…彼女は今…
ミクサ「…っ…(ふら…ふらっ…」
デスフック「…スマンナ、次ハ戦イガナイ時ニ誘ッテヤル…」
簡単に言うと、戦闘の船の揺れで酔ってしまっているのだ。
始めは4対2だったのが、気が付いたら3対4と不利になったデスフック側の幽霊船。
そうなれば当然、徐々に押されだすのも幽霊船側であり…
デスフック「ッ…接近シテクルゾ…!面舵!!」
ナイトメア「あぁ?(どーんっ)どわっ!?」
シャリス「きゃっ!?」
ミクサ「ッ……(ごろごろ…」
攻守逆転。先ほどまで攻勢だった幽霊船に向けて、フックの海賊船が一気に接近し衝突してきたのだ。
予期せぬ衝突にデスフック側の乗員は慌てふためくが、畳みかけるようにフックの船から多数の攻撃と船員が飛び込んでくる。
ナイトメア「くそ!雑魚どもが!
おいシャリス!兵士処理はお前の得意分野だろっ!」
シャリス「わかってるにゃぁ~って、あれ?何か飛んで…あぶないっ!(どーんっ」
リン「さぁさぁ、ここから反撃ですわ~!」
ピーター「これだけ接近すれば射程なんて関係ないぜ!」
アリス「楽しぃな~♪ えいっ!」
さらに、リンが小さな隕石を、ピーターがナイトメアと同じ弾幕を、アリスが毒の爆弾をあっちこっちにとまき散らしはじめる。
元からボロボロだった幽霊船は見る間に無残な姿となっていく。
ナイトメア「ちょ、このままだとガチで沈められるぞ!
おい骸骨!何か手はないのか!?」
デスフック「…潮時カ…」
ナイトメア「諦めるのがはえ~よ!?」
シャリス「私早めに向こうに逃げよっかな~?」
すでに敗戦ムードが漂い始める幽霊船の船内。その時だった…
ミクサ「(ごろごろっ…ごつんっ)…い、痛いよ…」
船の揺れに床をゴロゴロと転がっていたミクサがナイトメアの近くで壁にぶつかり涙目を浮かべながら起き上がる。
まだ酔ってはいるのか元気はなさそうだが、少し意識ははっきりした様子だ。
ナイトメア「…そ、そうだ!ミクサ!頼みがある!」
ミクサ「ふぇ…?」
デスフック「オイ…無理ヲサセルナヨ…?」
ナイトメア「このままピーターの好きにさせてたまるか!!
おい、ミクサ!お前にしかできない事だ…一撃で言い、あっちの船にお前の最大級の魔法を撃てるか!?」
ミクサ「っ…私に…お願い…?」
ナイトメア「あぁ、そうだ!できるな?!」
ミクサ「…わかった…がんばる…」
ナイトメア「良い返事だ…ヤツラに本当の悪夢を見せてやろうぜ…!」
ナイトメアはミクサの体を支えてあげると、ミクサは手に持った燭台を天に向けて構え小さく呪文を詠唱し始める。
ミクサ「…炎よ…もっともっと…大きくなれっ…」
海賊船の中で最初に気づいたのは、ミクサと一番近い存在であるリンだった。
リン「炎よ!輝け~…あれ?この魔力はミクサさんの…」
ピーター「おい、どうしたリン?この調子でガンガン…ん?な、何だあれ…!?」
アリス「え、えっと…あれってもしかしなくても…!?」
フック「どうしたお前ら…ぬっ!?あれは!?」
リン「ミクサさんのバーニングフレアなのですわ~?!」
リンが放っていた隕石とは比べ物にならないほどの巨大な隕石。
それが多数の炎を纏いながら海賊船の上でどんどん大きくなっていく。
アリス「ど、どうしよう逃げないと…「ア~リス♪こっちに逃げる?」シャ、シャリスちゃん~!」
ピーター「ア、アリスだけ助けるのかよ!?くそ、リン掴まれ!「空の彼方へ!」」
リン「は、はいなのですわ!」
フック「ちぃっ!船を見捨てることになるとは…!」
ミクサ「…空から来るよ、大きな、赤い流れ星…!」
最後にフックが船から飛び降りた直後、その隕石は海賊船に向けて落ちた。
一撃で吹き飛ぶ海賊船に、隣接していた幽霊船も大きく揺れるが、何とか沈没は免れた。
だが、1人シャリスのテレポートに便乗して助かったアリスを除いて3人はメテオに巻き込まれてしまい…
フック「むぅ…船を破壊され海に沈められるとは…今回は俺様の完敗か…」
リン「ぷはっ!な、何でピーターさんまで落ちちゃんですか~!?」
ピーター「無茶言うな!メテオ避けるために無理したからバランスが崩れたいてっ!?燭台で叩くなって!?」
アリス「ん~シャリスちゃん助かったよ~…♪(ぎゅぅぅ」
シャリス「お安い御用にゃ~♪」
ナイトメア「はっはっは!ピーターとフックに一泡吹かせてやったぜ!」
ミクサ「っ…あ…リンちゃん…まって、今助ける…(ぴょんっ」
リン「ちょ、ミクサさん泳げますの!?」
ミクサ「…あっ…(ちゅぽんっ)っ…っ!?(ばしゃばしゃ!」
リン「み、ミクサさーん!?」
ナイトメア「な、何してるんだあのバカ!?たくっ!」
幽霊船の上か海の中でそれぞれの反応を示すキャスト達。
それはどこか馬鹿らしく、けど平和な日常なのかもしれない
今日も、童話の世界ではにぎやかである。