バカとナイトと有頂天 作:俊海
……どうしてこうなった。
それと、一部英語がありますが、間違ってたら言ってください。
ネタも詰め込み放題で、カオスの様相を呈してます。
寛容さがオカン級の人向けの小説になってまいりました。
……趣味で書いてるからいいか!(マグロめいた目)
それでは
「おーい、つーか手裏剣なんてどうやって手に入れたかとかは気にならねえのかお前ら」
「須川君、手裏剣じゃなくてスリケンだ。いいね?」
「アッハイ。……じゃなくてだな。まぁいい。お前らのクラス代表はどこに行きやがった?笠松は次点だったろうが。あれか。『貴様ら相手では俺が出る幕じゃないな。三下の笠松で十分というものよ』みたいな感じで四天王差し向けてんのか。ふざけんな。俺はRPGだったら中ボスとか飛ばして一気にラスボスをぶん殴るストーリーの方が好きなんだよ。黒幕ぶってて、カリスマ言語を使うやつにはいらついてしゃーねーんだ。もっとわかりやすく喋れよ俺たちは馬鹿なんだぞ」
言われてみれば、根本の姿が見えない。
まさか須川君の勘違いというわけでもないだろうに。
「あー?あいつ、今日は風邪ひいてて出てこれねえんだと。だから、代わりに俺が今のクラス代表ってわけだな」
「……お前がこのクラスのメイン盾というわけか。だが忍者ではこのクラスのメイン盾は収まらぬだろうな。忍者はただのひょろっとした弱そうな体型、あれで守られてもあまり効果はない。しかしナイトは固まった部分が多くあの部分でさらに敵からの致命的な致命傷を守れる。色も白っぽいのでホーリーパワーが宿ってそうで強い」
「てめえのは固まりすぎててどんくさいだけだろうが。相手からの攻撃を受け止めてるんじゃなくて、トロいから避けらてないんじゃねーの?」
「うるさい黙れ。最高の仲間と最強の防御力を持っている俺にはお前の持っているサポ戦の挑発すら効きにくい(頑固)煽るだけ無駄なのが分からないならその脳は必要ないな。後ろから破壊してやろうか」
「その割には顔が真っ赤でござるがwwwwwいやあブロント殿も大変でござるなぁwwwww」
「内藤の真似をするなと言っているサル!それはあいつの持ちネタの一つだべ。著作権侵害は犯罪だぞ。犯罪行為だからお前は死ぬ。あまり調子こくとリアルで痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になるぞ!」
「おっ?やるってのか?上等だ、かかってきやがれ!」
「マジで親のダイヤの結婚指輪のネックレスを指にはめてぶん殴るぞ!」
どこかで鐘のなる音がした。
ラウンド2、ファイッ!
「はいはい落ち着いてくださいブロントさん。そんなに喧嘩早くしなくてもいいでしょう?」
「あんたも少し冷静になりなさい。全く、昔の知人と出会えたからってそんなに喜ぶなんて妬ましいわ……」
今にも二人が殴りかからんとした瞬間、霊夢がブロントさんの腕を押さえて、笠松君の首根っこを金髪の女性とが引っ張った。
あっ、笠松君がグエッて変な声出してる。
「テメェ!イキナリなにしやがんだ水橋!」
「あのままだったらまた喧嘩してたでしょうが。このクラスの代表がそんなのでいいわけ?」
水橋と呼ばれた女生徒が、腰に手を当てて笠松君に怒っている。
その姿はどことなく、お母さんのようにも見えた。
見た目は金髪碧眼の美少女だというのに。
「……いやまあそうだけどよ。久々にブロントに会えたからテンションが上がったっていうか、この位素が出せる相手もそうそういなかったっていうか……」
「あんたの本性なんて、このクラスの全員が知ってるわよ。今更隠しても無駄よ」
「ほっほー。俺が目的のためならなんでもする、汚い忍者ってことがか?それとも自分のためなら仲間を見捨てるような汚い男だってことか?」
水橋さんが、笠松君を止めるも、彼の口から出てくる言葉はどれも汚いものだった。
こいつ、平気な顔でそんなことをっ!
「いや、あんたが身内のためならなんでもやって、仲間のためなら自分を捨てれるようなツンデレってことだけど?」
「は、はああああぁあぁぁあぁあああ!?ど、どこ情報だ!?どこ情報だよそれ!?知らねえよ!なんだそれ!いや俺はもっとこう汚いとか言われるようなキャラでだな!」
あ、この人いい人だ。
さっきまでの冷静沈着っぷりがどこへやら、顔を赤くして取り乱してる。
あれか、なんか悪ぶってるけど実はいい人みたいな感じの人か。
「そういや、町で爆音撒き散らして走り回ってた暴走族潰してたって聞いたことがあるぞ」
「そいつらがあんまりにも近所に迷惑をかけまくるから、笠松が直々に喧嘩しに行ったってな」
「笠松の実家は練り物屋で、その近くで走り回るもんだから、親が五月蝿い五月蝿いって言ってたからってのが理由だそうだ」
「この間なんかは、お婆さんが信号渡れなくて困ってた時に手助けしてたって聞いたけど」
「しかもお婆さんには『大丈夫ですか?僕でよければ手を引かせてもらってもいいですか?』とか礼儀正しかったけど、それを見た生徒が声をかけたら『ああやって婆さん一人でウロウロしてたら効率的じゃねえだろうが!』とかよくわからないこと言ってたらしいわよ」
「渡り終わって、お婆さんに何か礼をさせてくれって言われた時に『いいんですよ。人として当然のことをやったまでですから』とか返してたのに、無駄なことをしますね」
「あー、俺達が不良に絡まれてる時も、周りの通行人は目をそらして関わらないようにしてたのに、笠松は『おいおい、どうしたんだよこんなところで。あ、ツレが迷惑かけてすみませんね。それじゃあそういうことで』とか有耶無耶にして助けてくれたことがあったな」
「ああ、そのあとありがとうって言ったら『お前らが絡まれてんのを見過ごしたら、学校での評判が下がるだろうが。無駄に敵を作るのなんか非効率的だ』って顔を逸らしながら言ってた」
「あの時はどこのベ○ータだって思ったな。それでも助かったのには違いないが」
「し、知らねえ!それは俺じゃねえし!俺に関係ない赤の他人だ!」
「……忍者。お前は俺の足元にも及ばないメイン盾ではあるが、貧弱一般人からすでに二歩も三歩も出てる状態。素直になっても良いぞ?(親切心)」
「うるせえ!ブロントもなんか生暖かい眼差しでこっち見んじゃねえ!!」
何この汚い忍者(笑)
まあブロントさんの友人だってことで、根はいい人だとは分かってたけどさ。
あれほど敵意をむき出しにしていたブロントさんまでもが、悪ぶってる子供を見るような目で見ている。
「そもそも一つ目は俺だってわからないように変装してたのになんでバレてんだ!」
「私じゃないわよ。あんたに引っ張られて私も一緒に行動してたけど」
「はー?あの時俺が『お前はついてくんな』って言ったら『アンタにだけ危ない目になんか合わせられないわよ!』とか涙目で言ってきた人は誰ですかねぇ?」
「ぱりゅ!?」
あ、水橋さんが潰れた。
なんか蒸気を出しながらフラフラしてる。
よっぽど恥ずかしかったんだろう。
「まさかブロント……!テメエ飽き足らずにまた俺のネガキャンしてたのか!?」
「ネガキャンはお前の方だろ。みろ見事なカウンターで返した。俺が来たのは一ヶ月前だからそんな事件すら知らないという意見。完 全 論 破。俺を犯人にしようとした結果がこれ。お前が恥ずかしがりすぎた結果だよ?だいたい、これのどこがネガキャンなわけ?お前の評価を上げるだけなのに、評価を下げるとは理解不能状態なんだが」
「だったらお前以外に誰が――!!」
「私でーす!!」
元気そうな声が、言い争っている二人の後ろから聞こえてくる。
その声の主は、黒髪ショートで赤い瞳、なんとなく今時の女の子って感じの雰囲気を漂わせる女の子。
あの子って確か新聞部の部長だったような。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!この私!清く正しい射命丸が、記事にさせていただきました!!」
「お、お前かぁあああ!!射命丸ぅぅぅぅ!!!」
「ええそうですとも!真実を追い求めるジャーナリストとしては見過ごせない事件でしたからね!」
「何がジャーナリストだ!そんなんだからお前はパパラッチとか言われてんだろうが!少しは反省しろ!」
「引きませんっ!媚びへつらいませんっ!反省しませーん!射命丸に逃走はないことだー!!」
「お前のせいでこちとらとんでもねえ風評被害が出てんだぞ!どうしてくれんだ!」
え、えらく元気な子だなぁ……
射命丸さんも笠松君と同じように、陸上部でもないのに校内、いや県内で最速を誇るほどの瞬足の持ち主だ。
ちなみに、陸上部でのトップは男子がランサー、女子が魔理沙だ。
その足の速さを陸上部で使えばいいのに、取材のためにあっちへこっちへ縦横無尽駆け回るのに酷使されている。
いや、そのことで足が速くなったの間違いなのかな。
「いーじゃないですか忍者さーん!私だって、忍者さんのためを思ってやってるんですからね?悪ぶっているふりをして、その心の奥では皆さんを守ることだけを考えている。そんな真実の姿をこの学校の生徒たちは知らなすぎています!誤解というのはとても悲しいものだと思うわけですよ!それに私はこうも思っているわけです!人々の出会いは先手必勝なのだと!どんな魅力的な人間でも、その人の本質を知ることが遅ければ、他のろくでもない人間の方が人気者になっている可能性もある!そんなのはあまりにも悲しく侘しく寂しく辛く虚しく泣けてくるじゃありませんか!なら出会った瞬間にその人がどんな人間であるかを即座に伝える媒体があったほうがいいわけですよ!速さは力です!興味をもった人間には近付く、仲良くなりたい人には仲良くなりたいと言う、相手に自分を知ってもらうことから人間関係は成立するのですから。時にそれが寂しい結果を招くこともあるでしょう、しかし次の出会いがいつまた来るかもしれません!ならば私が素早く手早く足早く客観的な意見をまとめた何よりもどこよりも誰よりも早く発行したこの新聞が役に立つわけですよ!これを読んでしまえば誰もが忍者さんはいい人なんだ、悪い人じゃないんだ、かっこいい人なんだ、優しい人なんだって分かってくれるはずなんです!しかもそれだけじゃありません!なにより、こういうネタは早ければ早いほどいいんです!この世の理はすなわち速さだと思いませんか、物事を速くなしとげればそのぶん時間が有効に使えます、遅いことなら誰でも出来るわけで、20年かければバカでも傑作小説が書けるんです!有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家、週刊よりも日刊です!つまり速さこそ有能なのが、文化の基本法則!無理な命令や願いには拒否権を発動することができる!嫌なことは嫌だと言い切る!悩んでいる時間は無駄以外の何ものでもないのです!即決即納即効即急即時即座即答!物事を速く成し遂げればその分時間が有効に使えるんです!!気になっていた漫画の続きが読めます!見たいと思っていた映画にも行けます!お気に入りの服の綻びを直すことだってできるのです!自分が嫌だと思うことを極力省き、大好きなことに時間をかける!それが残りの時間を有意義にすごすための実務的有効手段であり効率よく生きるための最適なる方法!そう速さは力なのです!! 」
喋り始めてからここまで、一分である。
ブロントさんも長文を話すけれど、ここまで早く喋る人は初めて見た。
「速さが効率的なことにつながるってところには全面的に同意するが、お前の話は早すぎる上に長いんだよ!肝心の情報が一般大衆に聞こえなかったらジャーナリストとして意味ねえだろうが!お前が最速なのに誇りを持ってるのに否定はしねえけど喋る時くらい落ち着いてしゃべれ!」
「忍者さんなら聞き取ってくれると信じていましたので!」
「俺に妙な期待をするな!」
「もう、いけずですねー。忍者さんのそういうところも……ポッ」
「なーにが『ポッ』だ!あーっクソ!こんなんだったらお前の取材に協力しなかったらよかったぜ……」
「そう言いつつ、今度も手伝ってくださるんですよね?」
「いーや!今度こそは絶対にやらねえ!断固として断る!」
しなだれてくる射命丸さんを邪険に扱う笠松君。
けれど、そんなことを知らない人から見たら、美少女に言い寄られている羨ましい男性であるようにしか見えない。
そういえば、水橋さんは……?
「パルパルパルパルパル……露骨にまた女とフラグを立てる…………妬ましい…………」
「これのどこがフラグだってんだよ!?明らかに俺が利用されてるだけじゃねーか!お前もすぐに誰彼構わず嫉妬する癖をいい加減にやめろ!」
何かよくわからないことを喋ってはいるけれど、明確に笠松くんを睨んでいる。
それと、ちょっとだけ涙目になっているのは笠松君は気付いていないらしい。
なんとなく、水橋さんが可哀想に思えてきた。
射命丸さんも、人が悪いなあ。性格からしてああやって周りをかき乱すのが好きなタイプだから笠松君をからかっているわけだし……………!?
「…………クスッ」
「に、忍者!い、今あいつ私を見て笑ってたわよ!?」
「射命丸がいつもニコニコして取材者の隣に這いよる混沌なのは今に始まったことじゃないだろうが」
「そんな笑い方じゃなかった!そういう笑い方じゃなくて悪女みたいな笑みを浮かべてたんだけど!?」
うん、僕にもそう見えた。
さっきまでの明るい笑顔じゃなくて、どことなく勝ち誇ったような笑みだった。
……どうして僕の周りには修羅場が多いんだろう。
「……あやや?何のことですかな?別に『イエーイ、また二人っきりで忍者さんとデートだー!』なーんて思ってませんから」
「口に出てるじゃないの!しかもなんか嫌味ったらしく!」
「落ち着け水橋。ああやってからかうのが、あいつの策略だろ。そうやって乗せられたら、またあることないこと妙なことを書かれちまうし黙っとけ」
「で、でもっ!」
「あー!わーったよ!今度なんか奢ってやるから静かにしとけ!」
「…………えっ?」
「このままだったらいつまでたっても話が進まねーだろ!そんなの効率的じゃねえから今は静かにしろ!ったく、この金でちくわ料理を作ろうと思ってたのによぉ」
あ、一応こっちのことは覚えていてくれたんだ。
殆ど、この時間ロスは笠松君のせいだと思ったけど、口にするのはやめておこう。
水橋さんも立ち直ったし、笠松君も男を見せたしね。
「に、忍者さん!?取材を頑張った私にも、なにかご褒美くれますよね!?水橋さんだけだなんて、そんなご無体な!」
「うっせぇ!お前のせいでこんなにカオスになってんだろうが!お前も水橋を煽るな!つーか、新聞の恨みを忘れてるわけじゃねーからな!」
「う、うう……でもあれは忍者さんのことを思って……」
射命丸さんがガチ凹みしてる。
さっきまで飄々としてたのに。
その様子に、流石に気の毒に思ったのか、笠松君は頭をかきつつも声をかけた。
「あー……面倒くせえな…………今度の取材も協力するから、それでいいだろ?」
「……いいんですか?」
「ただし!今度の新聞を作るときは、俺が検閲するからな!変なことを書こうとするんじゃねえぞ!」
「わ、わっかりました!!伝統の幻想ブン屋、この射命丸文にお任せあれ!」
射命丸さんも、笑顔になった。
こういう光景を見ていると、この笠松君が文月学園で一番汚い人間だということを忘れてしまいそうになる。
こんなに人のことを思いやるような人間が、汚い手段に出るなんて、どういう経緯があったらそうなるんだろうか。
でもこれで二人共仲直り――
「……射命丸?別に私と忍者が『二人っきり』で出かけるのを記事にしてもいいのよ?妬ましいけど、今の私は心が広いから、それぐらいは許可するわよ?」
「あやや、それはできない相談ですな。私としては真実を追い求める人間ですから、他の人の『誤解』を招くような記事は書きたくありませんので。こんなことを書いて忍者さんと水橋さんが『付き合ってる』なんて勘違いしたらあなたも困るでしょう?」
できる訳ないか…………
「……なにコレ、女って怖いわね」
「全くだぜ」
「「えっ?」」
霊夢はともかく、魔理沙の感想に僕とブロントさんが反応してしまった。
ひょっとしてそれはギャグで言っているのか?
昨日あれほど上白沢先生と女の聖戦を繰り広げていたというのに。
「魔理沙……お前に自覚はにいのか?俺は中立の立場で見てきたけどやはり魔理沙は怖い女の部類に入ることが判明したんだg「はーい、ブロントさんは一旦黙ってましょうねー」
思わず突っ込んでしまったブロントさんの口を後ろから抑える霊夢。
身長が違いすぎるせいで、霊夢はつま先立ちになって足をプルプルさせながらになってるけど。
「……プハァ!何いきなり人を窒息死させようとしてるわけ?ブザマにもプルプル足震えてまで俺の口を抑える理由はなんでですかねぇ?俺は魔理沙がツッコミ待ちなのが確定的に明らかだから突っ込もうとしただけ、見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはないな」
「いーですか?女の子っていうのは繊細なんですから、それなのに自覚がない魔理沙に現実を向き合わせちゃったらダメじゃないですか。もっとブロントさんは女の子の心理を理解してあげてください。乙女の心に直接突っ込むんじゃなくて、周りを優しく覆ってあげなくちゃですよ?」
「hai!勉強になるます!」
「…………」
女子力皆無の霊夢から、まともなアドバイスが聞けるだと!?
内心驚愕している僕だけれど、それを口に出したら惨劇になるのは目に見えている。
さっきブロントさんが言っていた『鬼巫女』とやらでぶっ飛ばされてしまう!
「へー勉強になるな。でも、霊夢の口からそういうことが聞けるとは思わなかっt「はーい勉強しないおバカさんには俺のこの手が真っ赤に燃えますよォォォォォォ!!!」
「ゴフゥ!?」
いらないことを口走ろうとした士郎に須川君の鉄拳制裁が下った。
でも、士郎はむしろ須川君に感謝しなくちゃいけないんだよね。
あのままほっといたら、もっと無残な目に遭ってたんだか「お前を倒せと轟き叫ぶ!ですね!」なんだ今の。
「もしもし士郎、士郎君ー?世界のうちでお前ほど空気の読めない者はない。どうしてそんなに鈍いのかー?」
「何童謡に乗っけて歌ってんだ!?それとなんで俺を殴った!?俺は正直な感想を述べようとしただけだぞ!?」
「え……お前本気でそれ言ってるの?何?なんでお前そんななの?馬鹿なの?死ぬの?明らかにお前のセリフがお前の命に止めを指すところだっただろうが。正直に言えば生きてられるなんて、幼稚園の園児でも間違いだって気づくレベルのことをなんでお前は信じてるの?よくお前殺されずに済んだな?」
「そこまでのことか!?」
「俺さー、士郎のことは割と気に入ってんのよ?うん、普通の人には真似できないレベルで聖人だからってのもあるけど。でも、俺ってラノベとかで急に難聴を患ったりする主人公とか、ヒロインとかがどう見てもお前のこと好きだろうがって突っ込みたくなるような行動とってるのに気づいてない鈍感系主人公とか見てると、とりあえず顔面にグーパン入れてから『なんでテメーは気づかねーんだよ!こいつお前のことが好きなんだろーがよ!』って絶叫したいタイプだからさ。今しがた、そういうタイプの人間が四人ぐらいいる中でさ、どうあがいても惨劇ってわかってるのに地雷を踏み抜こうとしてる奴が目の前にいたらどう思うよ?俺だったらそういう感情を込めて殴るけど、俺は悪くないだろ。うん『僕は悪くない』」
「途中からどんどんお前の私怨になってるんだけど!?」
「うるせえェェェェェェ!!お前が女関係で苦労してんのは、お前が思ったことをすぐに口に出すのと、周りの好意に全く気付かねえのが原因だァァァァァ!!俺はそういうのじゃねーから!!俺は最低限の言っちゃいけないラインとか分かって喋ってるからね?急に耳にゴミが溜まるとかもないからね?本当に士郎は自重しろよ。このままほっといたら、余計なことを言った士郎がフライアウェイ!!そのまま三途の川バタフライアウェイ!!その騒ぎで俺達もバタフライアウェイ!!残されてる道がランナウェイぃぃぃぃ!!なんだけど!?ホント自重してくんねーかな!500円位あげるから空気読んでくんねーかなマジで!!」
「お、おう……なんか知らないけど悪かった……」
士郎にツッコミいれられるんだ、須川君。
僕とかだったら、普段からお世話になってる分言いづらいけど、ほとんど接点がなくて遠慮もない須川君なら問題なくぶっ込めるんだね……
この二人、足して2で割ったらちょうどいいんじゃないの?
「それとだ……ちょーっと気になることがあったんだけどよぉ」
「?」
何をする気だろうか。
「『流派!東方不敗は!』」
「『王者の風よ!』」
「…………」
「…………あっ」
須川君が、何やら絶叫したかと思ったら、立ち上がって叫ぶ女生徒がいた。
なんか、緑の髪の清楚そうな大人しめの子が。
……今のって、某機動戦士アニメのセリフだよね?
あの子がそんなネタを知ってるようには見えなかったんだけど。
「なあ、もしかしてお前……」
「ち、違います!私、別にそういうのでは……!」
「『全新!系列!』」
「『天破侠乱!』」
「『見よ!』」
「『東方は赤く燃えているぅ!!』」
「………………完全に釣られてんじゃねーか」
「い、いやいや違いますから?そういうんじゃないですから。私、別にそういうのじゃないですから!」
何が違うんだろう。
「『無茶で無謀と笑われようと、意地が支えの喧嘩道!』」
「『壁があったら殴って壊す!道がなければこの手で作る!』」
「『俺を!』」
「『俺達を!』」
「「『誰だと思っていやがる!!』」」
「……あのさぁ。もう天元突破しちゃってんじゃん。ロボット系のアニメへの愛が天元突破しちゃってんじゃん。なんで隠すの?というか、隠しきれてないんだけど。もう端っこからボロボロこぼれてんだけど」
「ち、違いますから!たまたまテレビでそういうのやってただけですから!私別にDVDやBD買って何回も見直したりとかしてないですから!!」
「もはや攻め込む隙間がねーよ。ボロボロすぎて攻め込む余地がねーよ。攻め込まなくてもボロボロだよ。お前の心のATフィールドが完全に中和されてるよ。N2地雷で処理できてるレベルでうっすい心の壁でしかねーよ」
「うぅ……こういう時、どんな顔をすればいいかわかりません……」
「笑えばいいんじゃねーの?」
崩れ落ちる女の子の最後のネタセリフに、あわせて返す須川君。
……別に僕は、女の子がそういうの見てもいいと思うけどな。
この子が見てたっていうのは意外な感じがしたけど。
「ああ……せっかく隠してたのに……イメージと違うからって言われるだろうと思って隠してたのに……」
「むしろ今まで隠し通せてきたことのほうが驚くわ。さっきの『お前を倒せと轟き叫ぶ!!』ってやつ、お前が言ったんだろ。なんでバレなかったんだそれで」
「周りにそんな趣味の女の子なんているわけないじゃないですかぁ……」
それもそうか。
須川君みたいにいきなり大きな声で漫画のセリフを叫ぶ人なんていないわけだし、男の子と会話してなかったらそんなものなんだ。
「確かにそうなったのは俺の責任だ。だが俺は謝らない」
「ひどいっ!?」
「どう考えても釣られたお前の責任だろうが。俺のセリフをシカトしときゃあいいのに、反応するからこうなんだよ」
「それはそうですけどっ!それでも言い方ってものがですね!!」
これ、長くなるパターンだ。
須川君の口車に載せられると、延々よく分からない理論で言いくるめられるから納得するまで終わらない。
古事記にもそう書かれている。
「おいおい(呆れ)いつから忍者は忍者から番長にジョブチェンジしたんですかねぇ?お前もあいつと同じように如才無きマリンカリンの封印でも解けられたわけ?あいつは思考のナイトである俺も関心が鬼なるほどのカリスマ力を持ち手だが、天然過ぎてリア♀からの好意に気付かない気付きにくい!あれは女のガッカリ感が見ていて心がマッハで苦しいし恋愛的な意味で何も進展性がないので俺は怒りが溜まってた(過去形)お前もあれと同等だろ……。あれは番長だから許されるのであって、お前がやっても俺の怒りが有頂天になるだけ。いい加減にこれ以上俺の心労を増やすのはやめろと言っているサル!」
「俺をあいつみたいな誑しとでも思ってんのかよ!?そんなこと、ブロントが言えた義理かっつーの!お前だって大概じゃねーか!それと前から思ってたけど、なんであいつのあだ名が番長なんだよ!?あの時のリーダーはお前で、あいつは特攻隊長だったろうが!!それとも何か?ブロントはあいつに勝てなかったんでゴザルかwwwww」
「お前の女関係はお前がそういうんならそうなんだろうな。まぁお前の中的にはね?それと、そこは俺も理解不能状態。番長と呼ぶのではない呼んでしまうものが番長。俺が思うにあいつの服装が不良集団の番長なのが確定的に明らかだったからではないか?最初に会った時も俺が『何話しかけてきてるわけ?』と言ってやったら『押忍!』という見事なカウンターで挨拶されたという事実。ま、番長らしい行動をとったから、あいつが番長と呼ばれるようになったのではなく、あいつがとった行動が番長らしい行動という逆説的真理。どっちにしても、お前に女の魔の手がのぶて来ている以上、修羅場からはのげられない。この忍者は番長みたいに早くも終了ですねwwwww」
「……言っとくけど、あいつ最後に一人だけを彼女にしてたからな?お前がイギリスに帰ったあとの話だけど」
「マジで!?」
「あいつもお前と同じ時期に転校していったけど、そのあと戻ってきたとき一人に告白して今でも仲睦まじくしてるらしーぜ。今は別の学校に行ってて詳しいことは知らねえけどよ」
「…………実際俺は不良界でも結構有名でケンカとかでもたいしてビビる事はまず無かったが、この学校に来て三回連続でほんの少しビビった。ちょとsYレならんしょこの学園は……?」
あーなんかもうブロントさんも笠松君と昔話に興じ始めてるし!
しかもあの様子だと、まだまだ掛かりそうになるのが目に見えてるよ。
「しかし霊夢さん。どうしてあなたはそこまで女心に機敏になったんですか?昔のあなたはもっと誰に対しても興味がないような立ち振る舞いをしていたじゃないですか。それこそ女を捨てているというよりは、人間を捨てているといった印象がありましたが?」
「いきなり何よ、パパラッチのくせに。なんだっていいでしょ。今でもそんなに他人に対して興味がわいてたりしないけど、魔理沙は友達だし、私は女よ。だったら女心ぐらいは把握しててもおかしくはないじゃない」
「他人に対して興味がわかないのであれば、他人が他人に対してどう思うかも興味がないはずですよね?だというのに、ブロントさんと言いましたかな。あの忍者さんと親交のありそうな進撃の巨人が今まさにウォールマリサに進撃しようとした時、背後から飛びかかって停止させていたじゃないですか!前までのあなたならそのままブロントさんが余計なことを言い出すのを眺めていただけになっていたはずなのにですよ!?あまつさえあの超大型巨人の口を塞ぐなんてあなたの身長では立体機動装置でもなかったら苦労しないと届かない高さだというのに、その苦労を惜しまず抑えた理由はなんですか?」
「……まぁブロントさんも?最近できた私の友人だし?せっかくの友人二人が喧嘩するのも変な感じだし?うん、そうよ。そうに決まってるわ。そうでもなかったらそんなことしないもの」
「だとしても、あのあとの説教は普段の霊夢さんからは信じられないくらい優しいものだった気がするんですが。昔だったら『あなたは本当にわかってないわね。女の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄行きって言葉を知らないのかしら?そういう無神経なところも、頭を蹴られたら少しはマシになるのかしらね。どう?一回私に蹴られてみる?』くらい言ってましたよ?」
「どこまであんたは私に対して偏見の目で見てるのよ!?あんたの中で私はどんだけサディストなの!?そんなにきついこと言うわけないじゃない!」
「うちのクラスの男子の彼女がそんなことを言ってましたが」
「そいつマゾなの!?」
うーわー、こっちでは霊夢が射命丸さんに取材(という名の恋バナ)を受けてるし。
射命丸さんの性格からして、面白そうなことが聞けるまで逃がすつもりもないんだろうな。
「…………ああ妬ましいわ。忍者の鈍感さが妬ましい……」
「そんなに忍者ってのは鈍感なのか?」
「知らず知らずにフラグを立てていくのを長年見てたらそう思うわよ。それでいて、本人は悪ぶってるつもりだから、好かれることがないって思ってるし」
「で、お前もフラグを立てられた一人ってわけか」
「は、はぁ?なんのことかよく分からないわね?私は別に忍者のことが好きだなんて、そんなわけないじゃないでしょ?あんなお節介焼きで、身内にだけ甘くて、敵に罵られても汚い真似をして、男のくせに料理が変にうまくて、他の奴のために自分の体を大事にしなくて、どうでもいいところで相手に甘いような奴のことなんて好きじゃないわよ?」
「なるほどな。面倒見が良くて、仲間と認めたら裏切らず、汚名をかぶる覚悟で卑怯なことをして、家庭的な一面もあり、仲間のためなら無茶をして、なんだかんだで結局優しいところが好きだってことだな」
「言ってないでしょ、そんなこと!?」
「まーまー、鈍感な相手に恋をするってのは私にも身に覚えがある。そこでちょっとアドバイスしてやろうと思ってな」
「!!……き、興味はないけど聞いてあげてもいいわよ?」
「簡単なこった。『押してダメなら押しまくれ。引いても相手は気づいてくれない』ってことさ……」
「……魔理沙?」
「いや、本当にな。鈍感なやつって、こっちが何もしなかったら何もしてくれないんだ。その間に他の奴がどんどん距離を縮めていって……」
「……あんたが恋をしてるのは妬ましいけど、愚痴ぐらいなら聞いてあげるわよ?」
「悪いな……」
なんていうか……重いよ。
こっちの恋バナは、すっごく重たいよ。
途中から相談者が入れ替わってるし。
いつになったら、試召戦争のことが話せるようになるんだ……?
「もう!これ以上無駄な話をするのはやめなさい!いつになっても終わらないじゃないの!」
ひとりの少女から、声が飛んできた瞬間、教室の中のざわめきは消え去った。
ふと見ると、そこには金髪で肌の色は薄く、一見すると人形のような姿――いや、人形以上に人形らしい容姿をしているその少女が立っていた。
その姿を見て、僕は『この女の子が今の声を出したのか』ということに納得し、同時に不思議に思った。
今の声は、大きな声とまではいかないものの、よく通る綺麗なものだ。
この女の子が出したなら、確かに容姿にふさわしい美声を持っていると納得は出来た。
けれど、さっき言ったように彼女の容姿は人形以上に完成されているといっていいほどに整っている。
そんな物語に出てくるようなお姫様然とした、それこそブロントさんが言っている『ナイト』やらに守られてもおかしくないほどに女の子らしいこの子が、自分から人よりも前に出るという今の行動をとったのが不思議に思えた。
「あー、悪かったよマーガトロイド」
「アナタだったら、またブロントさんと喧嘩になるから私が対応するわよ?いいかしら?」
「そんでいい。じゃ、頼んだ」
笠松君がえらくあっさり引き下がった。
このマーガトロイドさんは、それほど信用されてるんだろう。
さっきのあのセリフも、普段から進行役として働いてるからっぽいし。
「そこのアナタ、ごめんなさい」
「えっ?僕?」
「ええ。宣戦布告のためとは言え、わざわざBクラスまで来てくれたのに、いつまでも収拾がつかなくなっちゃって……」
そう言いながら、マーガトロイドさんは僕のそばまで寄ってきた。
ちょ、ちょっと待って!そんなに近寄らないで!
なんかすっごい緊張するし!
しかもちょっと俯き気味になってて、余計に変な気分になる!
「そ、そんな!いいよ!そんなのこっちだって悪いわけだし!」
「そう……?」
「う、うん!そうだよ!よく分からないけどきっとそう!」
不安げにこっちを上目遣いで見てくる姿もグッとくる。
……あの、それは計算でやってるんですか?
だとしたらおめでとう。その計算の答えは大正解だ。
あー!なんか混乱してきた!とりあえず何か言い繕わないと!
「そっか…………」
「――――――――――――!!!」
な、なんで!?
なんでいきなり、僕の手をお掴みになるのでありましょうでございませうか!?
こんな美少女にそんなことをされたら、向こうにその気がなくても、こっちが勝手にその気になっちゃう!!
い、いやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!落ち着け僕のコスモ!!
こんなので勘違いするな!というか、絶対に向こうにその気はない!!!
ただただマーガトロイドさんが礼儀正しいってだけで、僕にそんな気は絶対にないんだから!
やばい、顔が熱い!絶対今の僕顔が真っ赤になってる!
どうするの!?どうするのこれ!?
「――――ありがとう」
「……………………」
あ、この子素でやってる。そうじゃなかったらこんなに綺麗に笑えないもん。
緊張とか、テンションとかが一周回って逆に冷静になった僕の頭がそう判断した。
あまりの情報量に僕の頭がオーバーヒートして、急速に冷却されてる感じ。
「私、アリス・マーガトロイドっていうの。あなたは?」
「よ、吉井、ああああ明久です!」
悲しきかな、僕の体は冷静になれず、呂律が回らない。
なんかもう吃っちゃってるし、普通の子だったら変な目で見られるよ
そんなの気にせず接してくれているけど、なんて僕はマーガトロイドさんに失礼なんだろう。
「それじゃあ、吉井君?戦争は、明日か明後日のどっちがいいかしら?」
「あ、明日!!明日でよろしくお願いします!!」
「ふふっ。それじゃあ、その時はよろしくね」
「はいっ!!!」
別に気になる女の子に変に思われたくないからとかじゃなくて、ただただ僕のような人間が彼女と会話していいものかと思えてくる。
マーガトロイドさん、絶対に僕みたいな世俗の人間が一緒にいてもいいような人じゃないもの。
だってさっきのあんなに騒がしそうにしてた時、静まり返せるような人だし。
きっと、あの雰囲気が気に入らないんだ。
せめて、ブロントさんとか内藤くんとかと昔から顔なじみの人とかだったら幾分気が楽になれたのになぁ。
「ブロントさんも久しぶりね。元気にしてた?」
「本当に元気なやつは健康さを口で説明したりはしないからな。口で説明するくらいなら俺は診断書を出すだろうな。俺パンチングマシンで100とか普通に出すし」
「あ、なーんだ。ブロントさんの知り合いかー」
ブロントさんの知り合いなら、世俗にまみれきってるもんね。
それならさっきの騒ぎに対しての一喝も納得だ。
だって相手が知り合いなんだもの。
「……あれ?吉井君、なんだか急に落ち着いたりしてどうしたの?いや、そっちのほうが良いのだけれど」
「ブロントさんの知り合いなら、そんなに緊張しなくてもいいかなって思って」
「緊張してたの?……そんなに私って怖い雰囲気だしてたかしら?」
マーガトロイドさんが落ち込んでる。
いや、そう言う意味じゃないんだけどなぁ……
「アリスはオーラ的に知力に突出しているからな。それを感じてアリスを強いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ。ぜいいんがオーラを見えるわけじゃないが明久は平気で看破するのでアリスのイメージが悪くなっているのではないか?」
「別に私は喧嘩とか強くないわよ?ブロントさんも出鱈目言わないで頂戴」
「だから武力ではなく知力と言っているサル!……あー」
マーガトロイドさんが少しむくれて反論した。
『マーガトロイド』ってイギリス人の苗字に多いって聞くし、同郷なのかな。
そして、言い返そうとしてブロントさんが口を開いたけど、何か詰まってるみたい。
どうしたんだろ。
「Because you are a British too, I talk in English to you. You are strong in a quarrel aren't you? Perhaps he noticed your strength of it.(お前もイギリス人だから英語で話すぞ。お前口喧嘩強いだろ?あいつ、そのことに気づいたんじゃないか?)」
「There is not such a reason! I talked with him by a polite way of talking, so he could not be scared of me.(そんなわけ無いでしょ!私、彼に対して丁寧に話したもの、私を怖がるはずないわよ!)」
「If it's the case, I have no idea.(じゃあ分からねえよ)」
…………なんて言ってるんだろう?
いきなり英語でしゃべり始められても困るんだよなぁ。
でも、なんとなく思うことは、二人共見当違いのことを言っているような気がする。ってことだ。
「二人共?別に僕はマーガトロイドさんのことを怖がってるわけじゃないからね?ただ、マーガトロイドさんがこっちが気後れするレベルで容姿が整ってるから、僕なんかが話しかけてもいいのかなって思っただけだよ」
「あら、お世辞でも嬉しいわ」
別にお世辞じゃないんだけど。
社交辞令とでも思ってくれた方が、僕にとっても気障っぽくなくて済むからありがたいから黙っとこう。
「それと、そんなに距離感を感じられるのも困るから、アリスでいいわよ?ブロントさんの友達なんでしょ?」
「え?いいの?笠松君は苗字で呼んでるじゃない」
「ああ……彼、誰でも苗字で呼ぶ癖があるのよ。ブロントさんだけは例外みたいだけど」
笠松君、変なところでこだわりを持ってるなぁ。
「ブロントさんの世話、大変だと思うけど仲良くしてあげてね?私達も小さい頃から世話を焼かされて……」
「oi misu みす おい俺が世話が焼けるってどういうことだ?おい、紀伊店のか?」
「いっつもそうだったでしょ?ブロントさんってば、天子と二人になるといきなり何しでかすかわからなかったのよ?」
「あーなるほど、その光景簡単に想像できるね」
「明久が味方だったのに敵だったという表情になる!?おいやめろ馬鹿この話は早くも終了ですね!」
アリスさんは、ブロントさんと幼馴染だったのか。
そりゃあ、まとめ役にもなるってもんだよ。
ブロントさんと天子のタッグを相手にしたら、自分が収集つけないと終わらなくなっちゃうし。
今でこそ、霊夢が止めたりしてるけど。
「……ふーん。ブロントさん、アリスと昔馴染みだったんですねー。私全然知りませんでしたよー?」
「なんだ急に顔膨らませてきた>>霊夢。別に俺はアリスとの仲を隠しているわけではない。聞かれなかったから答えなかっただけ。見事な理由だと関心はするがどこもおかしくはないな」
「まーそうですよねー。私なんてブロントさんと出会って半年も経ってないんですから仕方ないですよねー。それだけ女の子に好かれるなら私だって登場人物Aと同じ扱いになりますよねー」
「……霊夢?お前の言ってることが俺には理解不能状態なんだが?今のうちにいい加減お前のヒットした頭を冷やせ!今のお前には心を広くすることが必要不可欠。はやく落ち着いテ!!」
あーあー、ブロントさん焦っちゃって。
霊夢も無自覚に嫉妬してるじゃないか。自分の気持ちに早く気づけばいいのに。
半目になって下から睨んでも、ブロントさんはわりかし鈍感だからわからないって。
「それじゃあ、明日の戦争の時はよろしくね」
「うん。それじゃ」
「あ、明久?たしかに教室から抜けるのは勝手だがそれなりの抜け方があるでしょう?霊夢の対処を手伝う気はないのか?」
「聞こえてない。何か言ったの?僕のログには何もないよ」
「助けてくだしあ;;」
「大丈夫さブロントさん、君ならなんとかできるよ!」
「どうにもなりそうにないんですがねぇ!?」
泣きついてくるけど、僕だって馬に蹴られたくないしさっさと帰ろう。
「じゃ、みんなも帰るよ」
「お、俺も闇系の仕事が今からあるからこれで……」
「逃しませんよブロントさん?」
「ブロントさん、昔から言われてるでしょ?女の子には優しくしなさいって」
「……想像を絶する絶望感が俺を襲った」
霊夢とアリスさんに両サイドから固められて逃げられなくなったブロントさんを横目に、僕たちはFクラスへと足を向ける。
さーて、明日も頑張るぞー。
「チクショー!お前らっ!バカだー!!!!!」
後ろから、ブロントさんの叫びが聞こえるけど聞こえないふりをする。
別に、美少女二人をはべらせてるブロントさんを妬んだわけじゃないからね?
ブロントさんなら何とかしてくれるって信じてるからだよ!