まあタイトルで内容はバレバレですが(笑)
ローマを救うため、聖杯を取り込んだアルテラと最後の戦いに挑む。
アルテラのレフを切り裂いた光の剣で連合帝国は既に壊滅していた。
遊馬たちはアルテラにサーヴァントの中でも強力な宝具やスキルで先手を打った。
「キュベレイ!」
かっとび遊馬号から降りて先陣を切ったのはメドゥーサで石化の魔眼であるキュベレイを発動するが、アルテラにはあまり効果がなかった。
「石化しませんか……クー・フーリン!」
「任せな!その心臓、貰い受ける!刺し穿つ死棘の槍!!」
すぐさまクー・フーリンと交代をし、呪いの朱槍であるゲイ・ボルグを放ち、アルテラの心臓を貫く。
しかし、取り込んだ聖杯の力で急速な回復と再生を行い、胸に刺さったゲイ・ボルグを抜いて捨てた。
「ちっ!聖杯を取り込んだサーヴァントは面倒だな!こりゃあ、力づくでやらねえと倒せねえぞ、マスター!」
ゲイ・ボルグを回収したクー・フーリンはメドゥーサと共にかっとび遊馬号から遊馬とアストラル、そしてネロとマシュ達が降りる。
「ローマを破壊させないぞ、アルテラ!」
「私は、破壊する……文明を!」
すると、アルテラの中にある聖杯の魔力が活発化し、空間を歪めると第一特異点でフランスの空を覆ったワイバーンが無数に現れた。
「ワ、ワイバーン!?まさか、レティシア!??」
第一特異点の戦いを知っている遊馬たちは一斉にレティシアを見るが、レティシアはブンブンと激しく顔を左右に振って否定する。
「私じゃ無いわよ!?あんなショボいワイバーンを出すぐらいならでかいドラゴンを出しているわよ!」
「……おそらく、聖杯の力で呼び出されたのだろう。レティシア、君の力でワイバーンを大人しくさせることはできるか?」
レティシアは第一特異点では竜の魔女として竜召喚と竜操作で猛威を振るっていた。
しかし、レティシアは再び首を左右に振った。
「無理よ。私は遊馬に新しい名前をもらってから竜の魔女としての力を失ったの。あの時みたいに竜を操れないわ」
過去との決別を意味しているのか、遊馬にレティシアと言う大切な名前をもらった時から竜の魔女、ジャンヌ・オルタとしての力を失っていた。
「そうか……仕方ないな」
「今は竜皇の巫女だもんな!みんな、ワイバーンを頼む!」
遊馬はワイバーンをマシュたちに頼み、静かに前に出てアルテラと対峙する。
そして、デュエルディスクを構えると戦いを中断したことで一時的に姿が消えていた希望皇ホープレイV達が現れる。
「……神にも匹敵するその魔物達は何だ?そして、それを操るお前は人間か……?」
「当たり前だ!こことは違う世界の住人なだけでちゃんとした人間だ!」
「アルテラ、君を止めてみせる。私たちの力で!」
そして、遊馬はこっそりとデュエルディスクにカードをセットし、アルテラの行動を伺う。
アルテラは剣を左手で構えながら静かに語る。
「私は文明を破壊する……次はローマだ」
連合帝国を破壊した次はローマを破壊するべく行動していた。
文明を破壊することを目的とするアルテラに遊馬は納得出来ないように首を傾げながら呟く。
「……あのさ、文明を破壊するって言うけど、別にそんな必要はないと思うぜ?」
「何だと……?」
アルテラにとって衝撃的すぎる遊馬の言葉にピクッと体が震える。
「あー、考古学者の父ちゃんの受け売りや俺の考えから言わせてもらうぜ。それから……ネロやアルトリアみたいに皇帝や王様をしていたみんなにとって腹立つことを言うかもしれないけど、文句や反論は全部後で聞くから黙って聞いててくれ」
サーヴァント……英霊にはアルトリアやブーディカのように王や皇帝など国を支配、統治していた者も多い。
遊馬は父の話や歴史の勉強をして考えたあくまで一人の人間の意見としてアルテラに話しかける。
「文明ってさ、幾ら栄えててもいつかは滅ぶもんなんだよ。例えば、その土地の資源が無くなって作りたいものが作れなくなった、疫病が蔓延して治療法が見つからずに多くの人が病死した、天変地異の大災害や異常気象にによる災害事故死、そして……戦争や侵略によって国が、文明が滅ぶ。世界の歴史はその繰り返しなんだよ」
歴史とは文明の滅びと繁栄が重なって作られていく。
数千年の時をかけて人類は数え切れないほどの文明を作ったのだ。
「仮に文明が滅ばなくても何らかの形で終わりを迎えて新たな文明が始まる。それに、文明が滅んでも過去から培ったものが現在、そして未来に繋がるんだ。俺の父ちゃんは世界中の遺跡とかを見て行って、過去にどんな文明があったか調べる仕事をしていたからな。それに父ちゃん以外にも世界中には沢山の人が滅びた文明を調べているし、滅んだはずの文明を受け継いで生きている人たちもいるんだ」
文明とは過去から現在、現在から未来へと繋がる、数え切れないほどの人が作り上げてきたモノ。
それは文明を破壊するというアルテラの剣でも全てを破壊して完全な無にすることはできない。
「ここにいるネロや多くのサーヴァント達は沢山の文明の一端を担っていたんだ。文明は例え滅んでも築き上げて来たモノは様々な形で未来に受け継がれていくんだ!」
「じゃあ……私は、私の存在は無意味だと言うのか!?」
アルテラは文明を破壊すると言う自分の存在意義を否定されたように聞こえ、声を荒げるが遊馬はその力が本当に破壊しか使えないのかどうかと疑問が出た。
「無意味かどうかは知らないけどさ、その破壊の力を別の使い方を変えれば良いんじゃないか?」
「使い方を、変える……?」
「その剣で破壊するためじゃなくて、例えばあんたが守りたいものを守るために使えれば……それで良いんじゃないのか?」
「守りたいもの……?私には、そんなものは無い!!」
アルテラは遊馬に色々言われて悩みすぎたせいか、取り込んだ聖杯が暴走して魔力が爆発的に放出された。
そして、光の剣にその放出された魔力が込められると眩い光を放つ。
「まずい!遊馬、宝具の真名解放だ!!」
「分かってる!」
サーヴァントの持つ多くの宝具は真名を詠唱する『真名解放』によりその能力を発揮し、伝説における力を再現することが出来る。
遊馬とアストラルはカルデアで偶然発見した対サーヴァント用の捕縛罠を使用する。
「罠発動!『デモンズ・チェーン』!!」
発動した罠カードから無数の鎖がまるで竜が空を駆けるように勢い良く飛び出し、アルテラの体を縛り上げた。
これまで、デモンズ・チェーンはカルデアで遊馬に毎晩夜這いをかけようとした清姫や時折暴れるサーヴァントを縛って捕縛した確かな実績がある。
「くっ!?」
アルテラは必死にデモンズ・チェーンを外そうと必死にもがくが、鎖はなかなか外れなかった。
「よっし!これでアルテラの攻撃を封じたぜ!」
「だが彼女には聖杯の力がある。いつまで持つか分からない、次で一気に決めるぞ!」
「おうっ!」
アルテラを一時的に封じ、遊馬とアストラルは一気に決めようと意気込む。
「……あの鎖、どっかの趣味の悪い慢心金ピカ王を連想しますね」
「確かに……あの慢心王を思い出すな……」
「うわぁ、嫌な思い出が蘇るじゃねえか……」
「こっちは神霊だけでなくどんなサーヴァントにも効くのが厄介ですけどね……」
「何よそれ、あの坊やの魔術はどうなってるのよ……機会があったら調べさせてもらいましょう」
「確かにあの魔術は凄い。ここからどう切り返すのか楽しみだな」
一方、アルトリア達はデモンズ・チェーンを見て嫌な思い出が蘇ったのか少々顔色が悪くなったり、興味深そうに見る。
「行くぜ!俺のターン、ドロー!カードを一枚伏せ、Vサラマンダーを装備したホープレイVの効果!カオス・オーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドのモンスター全てを破壊する!Vサラマンダー・インフェルノ!!」
カオス・オーバーレイ・ユニットを取り込んだ希望皇ホープレイVは背中に背負ったVサラマンダーをアルテラに向け、地獄の業火を放った。
アルテラに地獄の業火が直撃した瞬間、大爆発が起きたが……。
「破壊、する……」
炎の中からデモンズ・チェーンを引き千切って脱出したアルテラが現れた。
地獄の業火を受けて多少の痛手を受けていたが戦闘には問題なく、光の剣を構える。
「デモンズ・チェーンが!?」
「まずい!遊馬、サーヴァント達を後ろに!」
「分かった!令呪によって命ずる!我と契約を結びし全ての英霊よ、我の後ろに集まれ!!」
遊馬は右手を掲げ、本日二度目の令呪の使用で令呪の二画目が消え、ワイバーンを倒すために四方に散った全てのサーヴァントが遊馬の背後に一斉に現れ、その直後にアルテラは剣を振り下ろした。
「罠カード発動!『和睦の使者』!!」
発動した罠カードが遊馬達を優しい光で包み込む。
「命は壊さない、その文明を粉砕する。
その剣から放たれた光は『あらゆる存在』の全てを破壊する。
眩い光が辺りを包み込み、アルテラは目標の全てを破壊した。
そう思った直後だった。
「あ、危なかったぜ……みんな無事だな!」
「私たちのモンスターは全て破壊されてしまったな……」
希望皇ホープレイV、S・H・Dark Knight、超銀河眼の光子龍の三体のモンスターはアルテラの軍神の剣でナンバーズ・ウォールと安全地帯ごと全て破壊されてしまった。
しかし、遊馬とアストラル、そしてマシュとネロ達は全員無事だった。
「馬鹿な……何故全て破壊されていない……!?」
アルテラは遊馬達も破壊するつもりだったが、モンスター以外全て無事という事態に困惑する。
その答えは遊馬が発動した罠カードである。
「罠カード、『和睦の使者』。このターン、相手から受ける戦闘ダメージは全てゼロとなり、モンスターは戦闘破壊されなくなる。もっとも、その剣の宝具でホープレイVたちとナンバーズ・ウォールと安全地帯も全部破壊されて、耐性がなくなって破壊されたけどな」
和睦の使者により遊馬とその後ろにいるマシュ達はこのターンダメージを受けることがなくなったが、アルテラの軍神の剣により攻めの要であった希望皇ホープレイVたちが全て破壊されてしまった。
「だが、我々はまだ生きている。今ある手札と次のドローカードがある限り、勝機はまだある!」
「そんな……私の、この軍神の剣はあらゆる存在を破壊するのに……」
「どれほどの力があろうとも、デュエルモンスターズにはたった1枚のカードで戦局を大きく変えちまう力を持っているんだ!」
「1枚のカードには無限の可能性が秘められている!遊馬、今こそZEXALだ!」
「待ってたぜ、アストラル!」
遊馬は右手を、アストラルは左手を伸ばして高く掲げる。
「行くぜ、俺は俺自身と!!」
「私で!!」
「「オーバーレイ!!!」」
遊馬が赤い光、アストラルが青い光となって宙を飛ぶ。
マシュやアルトリア達にとってはこの光景は2回目だが、ネロやブーディカ達にとっては初めての光景だった。
「うぉおおおおおっ!!」
「はぁあああああっ!!」
二つの光が近づき、離れるように飛び、やがて螺旋状に絡み合う軌道を描いていく。
「何をする気……くっ!?」
「二人の邪魔をさせぬぞ!」
アルテラは遊馬とアストラルが何かをする前に撃墜しようと軍神の剣を掲げるが、アーチャーであるエミヤを筆頭に攻撃してアルテラの行動を阻害する。
その間に絡み合っていた二つの光が一つに重なる。
「俺たち二人でオーバーレイ・ネットワークを構築!」
「遠き二つの魂が交わる時、語り継がれし力が現れる!」
金色の光となりながら地面に降り立つと遊馬とアストラルの肉体と魂が一つに重なり、その姿が大きく変化する。
「「強き絆が光を導く!エクシーズ・チェンジ!『
遊馬とアストラル、二人の全力を解放するための奇跡の姿。
そして、希望の英雄、ZEXAL。
「人間が精霊と合体した……!?」
ZEXALのその力、その異様な姿にアルテラは目を疑う。
「な、何と!?遊馬とアストラルが一つになるとは!!?」
「あはは……凄すぎて……言葉が思い浮かばないよ」
ネロやブーディカを始めとするこの世界で出会った者たち例外なくZEXALに驚いた。
そして、中でも一番驚いたのはエルメロイII世だった。
「馬鹿な、人間と精霊の合体だと!?しかもこの溢れんばかりの魔力は何だ!?」
人間に精霊が憑依する……ならばまだ理解できるが、肉体と魂が完全に一体化していることとその身から溢れる魔力は魔術師を凌駕するものだとエルメロイII世は汗を流しながら感じ取った。
ZEXALは右手を挙げ、遊馬とアストラルの二人が重なった声が響く。
「「全ての光よ!力よ!我が右腕に宿り、希望の光を照らせ!」」
右手に光の粒子が集い、デッキトップに手を置くとカードが奇跡の光を宿す。
「「シャイニング・ドロー!!」」
シャイニング・ドローによってドローしたカードはZEXALの力で『デッキに存在しなかったカードを創造』が出来る。
そして、もう一つ……『デッキに眠るカードをデッキトップに入れ替える』事ができる。
今回ZEXALはカードを創造ではなくデッキトップを操作する戦法を選んでドローした。
「行くぜ!俺は魔法カード『貪欲な壺』を発動!墓地のモンスターを5枚選択してデッキに戻し、デッキからカードを2枚ドローする!俺は、希望皇ホープ、希望皇ホープレイV、S・H・Ark Knight、S・H・Dark Knight、超銀河眼の光子龍を選択してエクストラデッキに戻す!」
貪欲な壺は墓地のエクストラデッキのモンスターも戻す効果があり、モンスターやエクストラモンスターを多用に使用するデッキには有難いカードである。
特に遊馬のデッキはその傾向が強いので貪欲な壺は非常に強力なドローソースのカードである。
今回はエクストラモンスターのみを戻したので、デュエルモンスターズの禁止カードでもある強力なドローカード、デッキからカードを2枚ドローする『強欲な壺』を使用したのと同じ状況となった。
「「そして、デッキからカードを2枚ドローする!これが、勝利への希望の光!シャイニング・ドロー!!」」
再びシャイニング・ドローで2枚のカードをドローし、これでZEXALの勝利の方程式が全て揃った。
「「『ゴゴゴジャイアント』を召喚!その効果で墓地からゴゴゴゴーレムを特殊召喚!レベル4のゴゴゴゴーレムとゴゴゴジャイアントでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」」
二体のモンスターが光となって地面に吸い込まれ、光の爆発と共に再び光の使者が駆けつける。
「「現れよ、『No.39 希望皇ホープ』!」」
貪欲な壺によって戻された希望皇ホープが再び召喚され、ZEXALはすぐさま攻撃命令を出す。
「「行け、希望皇ホープでアルテラに攻撃!!」」
希望皇ホープは左腰に携えられた剣の柄を持って勢いよく引き抜き、双翼を羽ばたかせてアルテラに向かって飛翔する。
アルテラは軍神の剣で迎え撃とうとしたが、それよりも早く希望皇ホープの効果が発動する。
「「希望皇ホープの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、モンスターの攻撃を無効にする!!ムーン・バリア!!!」」
希望皇ホープはオーバーレイ・ユニットを胸の水晶の中に取り込むと左翼を半月のように展開させて自身の攻撃を無効にし、同時にアルテラの攻撃を無効にした。
「何!?」
「「手札から速攻魔法!『ダブル・アップ・チャンス』を発動!!モンスターの攻撃が無効になった時、そのモンスターの攻撃力を二倍にして、もう一度攻撃が出来る!!!」」
希望皇ホープの必殺コンボ、ダブル・アップ・チャンスで右腰に携えられたもう一つの剣を左手で抜いて構え、その力を二倍に高めてもう一度アルテラを攻撃する。
「「希望皇ホープ!!ホープ剣・ダブル・スラッシュ!!!」」
双剣の刃が金色に輝き、 希望皇ホープはばつ印を描くように全力で振り下ろした。
「力が高まった!?はぁああああっ!!」
希望皇ホープの力が高まるのを驚きながら軍神の剣を振り下ろした。
そして……希望皇ホープが一瞬早く双剣で左腕を深く切りつけた。
「あぐっ……くっ、まだだ!今度は私の番だ!」
アルテラは左腕が動けなくなってしまったが、まだ右腕が残っており、軍神の剣を右手で構えた。
アルテラは軍神の剣を輝かせて希望皇ホープを破壊しようとしていたが……。
「アルテラ、何を勘違いしている?」
「何だと……?」
「まだ俺たちの……」
「私たちの……」
「「バトルフェイズは終了していない!」」
ZEXALのバトルフェイズは終了しておらず、勝利の方程式を導く最後の1枚のカードを掲げた。
そして、ZEXALの中の遊馬はブーディカに向けて言葉を放った。
「ブーディカ!あの時の約束、今こそ果たすぜ!」
「約束……?もしかして……!」
それは遊馬がブーディカと初めてあった日に交わした約束。
勝利の女王と呼ばれたブーディカ。
勝利の語源であるその名を受け継ぐ、ホープ、ホープレイ、ホープレイVに続く『第四の希望皇』がその姿を現わす。
「「手札から速攻魔法!『RUM - クイック・カオス』を発動!!」」
「さ、3枚目のランクアップマジック!?」
ランクアップマジックは大半が通常魔法でメインフェイズにしか発動できないが、クイック・カオスは速攻魔法であるためバトルフェイズでも使用することが出来る。
「「このカードはCNo.以外のNo.を1体を選び、そのモンスターよりもランクが1つ高く、同じNo.の数字を持つCNo.へとランクアップさせる!ランク4の希望皇ホープでオーバーレイ・ネットワークを再構築!!カオス・エクシーズ・チェンジ!!!」」
希望皇ホープが光となって天に昇り、光の爆発が起きる。
「「現れろ、CNo.39!!」」
赤黒い『39』の刻印が空中で輝き、希望皇ホープの周りに白を基調に赤と黄色を用いた数多のパーツが現れる。
「「未来に輝く勝利を掴む!」」
数多のパーツが希望皇ホープの新たなボディを形成し、次々と合体していく。
まるで騎士が鎧を装着するかのように両腕から両足、腹部から胸部へと次々とパーツが装着され、内部の希望皇ホープの構造も変形していた。
「「重なる思い、繋がる心が世界を変える!」」
全身に鎧のパーツが装着が完了し、最後に頭部を覆い隠す兜が装着される。
その兜が希望皇ホープの新たな顔となり、その奥にある両眼の赤い瞳が強い意志と輝きを放つ。
「「『希望皇ホープレイ・ヴィクトリー』!!」」
『ホォオオオオオープ!!!』
黒のカラーリングが特徴のホープレイやホープレイVとは異なる正に希望皇ホープの正統進化系とも言える希望皇。
その勇ましい姿にマシュ達はもちろん、ブーディカは見惚れてしまう。
「綺麗……それに、何と神々しい姿……私の名前が受け継がれた希望皇……」
ブーディカ……ヴィクトリーの名を受け継ぐ希望皇ホープレイ・ヴィクトリー。
その能力は敵を倒し、勝利を掴む強力な力である。
「「希望皇ホープレイ・ヴィクトリーでアルテラに攻撃!!この瞬間、希望皇ホープレイ・ヴィクトリーの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使い、ホープレイ・ヴィクトリーの攻撃力は相手の攻撃力分アップする!ヴィクトリー・チャージ!!」」
希望皇ホープレイ・ヴィクトリーはオーバーレイ・ユニットを胸の水晶に取り込むと両腕の内側から第三と第四の腕が現れ、背中に装着されている新たな四つのホープ剣を引き抜き、自分の力にアルテラの力を加え、軍神の力を遥かに凌駕する。
「馬鹿な!?私の……軍神の力を、超えると言うのか!?」
「これが、俺たちの絆の力だ!!」
「「行け、ホープレイ・ヴィクトリー!!」」
「アルテラを、ぶった斬れ!!!」
希望皇ホープレイ・ヴィクトリーの真紅の眼が輝き、四つのホープ剣が炎を纏わせながら飛翔する。
アルテラは今度こそ迎え撃つために軍神の剣を発動させる。
「軍神の剣!!!」
「「ホープ剣・ダブルヴィクトリー・スラッシュ!!!」」
アルテラは軍神の剣を振り下ろしたが、その刀身からは光は放たれなかった。
そして、希望皇ホープレイ・ヴィクトリーは四つの剣で重なる二つの『V』を描くように振るい、アルテラの体を斬りつけられ、地面に激突する。
希望皇ホープ・ヴィクトリーにはもう一つ効果があり、希望皇ホープが素材になっていると攻撃時に相手モンスターの効果は無効化される。
それにより、アルテラが軍神の剣を発動する事ができず、敗れてしまった。
二つのVが体に刻み込まれ、体から力が抜けていき、静かに軍神の剣を手放した。
「ふっ……私でも、壊せないものが存在したのか……」
アルテラは敗北したが満足そうな表情を浮かべながら静かに消滅した。
そして、跡にはこの世界の特異点である聖杯とアルテラのフェイトナンバーズが残った。
ZEXALは合体を解除して元の遊馬とアストラルの二人に別れる。
「アルテラ……」
遊馬は聖杯とアルテラのフェイトナンバーズを静かに拾う。
「もしもカルデアで召喚したら、今度は仲間として一緒に戦ってくれ……」
文明を破壊をすることしか意味を見出せないアルテラと今度は仲間と一緒に戦ってくれることを祈りながらフェイトナンバーズをデッキケースにしまう。
レフは消滅し、アルテラを倒した遊馬達はこの世界の特異点を解決する事ができた。
しかしそれはこの世界とネロとの別れの時を意味していた……。
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ホープ・ザ・ライトニングの存在で埋もれてますが、ホープレイ・ヴィクトリーは強いんですよね。
私のホープデッキ全盛期の時はヌメロン・フォースと阿修羅副腕でワンキルしまくりましたし。
ホープレイ・ヴィクトリーはブーディカ姉さんの存在もあるので是非とも出したいと思って出しました。
次回で第2章のエピローグとぐだぐだ本能寺が開始します。
ぐだぐだ本能寺は個人的に書きたかった話なので楽しみです。
沖田さん可愛いし、ノブは弄りがいがあっていいですよね。