二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~ 作:クラリオン
それでは第二十一話、どうぞ!
どうも変な思考に凝り固まってる今代<勇者>パーティーの面子。では<勇者>本人はと言うと。
「俺は<勇者>なんだ……間違ってはいけない、間違ってはならない……間違っていない……間違っているわけがない……俺は正しい……そうだ、俺が正しいんだ!」
あ、だめだこりゃ。
「騎士団長、全軍を下げて迎撃準備を。この<勇者>みたいなナニカは俺が引き受ける」
「わかりました!」
さて、早くも間違った方向に進みつつある<勇者>。やはり先輩として俺が止めておくべきだろう。
「は?どう考えてもお前が正しいわけねえだろう、馬鹿か?」
「な……偽物の分際で!」
「だから本物だと言っているだろ!」
もう嫌だこれ。
「良いか今代<勇者>。我々<勇者>の役割は、<魔王>を擁する魔族に対する人族の楯であり、剣だ。決して人族同士の内戦に参加してはならない。これをしっかり覚えておけ。そして今すぐ帰れ」
文武両道の篠原君ならそれくらいわかるだろ、とっとと帰ってくれ。
と、思ってしまったのがフラグだったのかもしれない。
「……俺は、<勇者>だ。この程度の、妨害に……屈してはいけない」
あ、駄目だこりゃ。こうなったら力ずくでやるしかないんだよなあ……春馬さん
「頭じゃ理解できなくなったか。ちっ、期待して損したぞ」
まだだ、俺から手を出してはいけない。
「勇人の様子がおかしいぞ!」
「きっとあいつに何かされたんだ!」
「偽物に?そういえば魔族だったか?」
ちょっと後ろに控えてた<勇者>パーティーがうるさい。
おい、誰もそんなこと……言ってたな。
「<勇者>を、勇人を助けるぞ!」
そう言って、
「<
<
「な……それは<防衛者>の……」
「そうだ。俺が譲り受けた力だよ」
先代からな。
「まさか<防衛者>と<支援者>を殺したのは……」
「は?ちょっと待て、<防衛者>が殺された?!」
「とぼけるな!お前らが殺したんだろう!魔族どもめ!内山さんの仇!」
俺は入ってねえのかよ。さらに撃ち込まれる魔法を無力化しつつ尋ねる。
「おいおい冗談だろ……<防衛者>が殺された……だって?」
「そうだ、だから俺は仇を取るために<勇者>として魔族を滅ぼさなくては……」
「今回の<防衛者>と<支援者>は外れだったか、使えないな」
自分で自分を使えないって言うのはちょっとどうかと思うが、まあ実際設定から考えればこうなるしな。
「外れだったって……!」
「<防衛者>と<支援者>は、理論上……というか立場上は、二人だけで<勇者>パーティーと拮抗状態に持ち込める力がある。召喚された直後からな。たとえそのレベルが低くとも、魔族一人としか相討ちしてないのなら、力を使いこなせていなかったという事だ。つまり、外れだ」
厳しい評価だとは思わない。それが事実なら、多分<システム>や<防衛者>について知っているなら、誰でも同じことを言うと思う。そして、役割上それを出来る力はあると、俺も知っているのだから。
……あ、待て俺今まずいことを口走った気がする。
「殺しておいて挙句その言い草か!」
<剣聖>が斬りかかってくるのを受けとめもしない。鎧にあっさり跳ね返され、傷一つとして付いていない。理由は簡単。純粋に武器としての格が違い過ぎる。<聖鎧>を貫けるのは<聖剣>くらいなものだ。
「そもそも俺は魔族ではないと何度言ったらわかるんだ……俺は初代<勇者>だ。<聖剣>も見せただろう、なぜ信じない?俺はわざわざお前たちに忠告するためにここに来たというのに」
正直もうこうなると俺が力ずくでやるしかないような気もする。
「忠告だって?」
「さっきから言っているはずだ、<勇者>は人族同士の戦いに手を出してはならない、と。<勇者>パーティーは全員退け。元々我々
「だとしても、そう言ってお前がこの後この戦いに参加しない保証は?」
「ないな。それはそれこそ信じてもらうしかないが、まあ……そいつらの様子じゃあ無理そうだな」
「騙されるなよ勇人!こいつは魔族に決まってる!」
「はぁ……それじゃあ仕方ないな。しばらく前線から後退してもらうぞ。それが先代たる俺の仕事だ」
今のコイツらじゃあ多分言葉じゃ通じない。俺が鎧を解いたところで、信じるか偽物呼ばわりされるかの二択。しかもかなり分が悪い賭けとなる。
可能な限り、真実を伝えぬように、なおかつコレを傷つけずに前線から撤退させる。
目的は変わらないが、手段はもう残り一つ。
心をバッキバキに折ってしばらく前線に立てないレベルに追い込むこと!
「大人しく退いておけばよかったものを……全員戦闘不能に追い込むからな……覚悟しろよ今代」
さあ<聖剣>と心を折りに行こう!え?さっきよりテンション高いって?気のせい気のせい。
別に久々に全力出せるから喜んでるわけじゃないからな!
ちょっと短いですがこれで勘弁を。
<防衛業務委託>…<防衛魔法>のスキルの一つ。存在する目的、というか理由はまあ至って単純。
膨大な人族領土を防衛するのは、<防衛者>だけでは不可能です。なら担い手を増やしてしまえば良い。つまりそういうことです。このスキルは魔法を発動可能な全ての者に対し有効です。
主人公が持っていたのは、ただ単に初代<防衛者>がうっかり<送還>される前に剥がし損ねただけ、という……
ちなみに初代<聖女>もいくつか持ったままです。
明日から部活の合宿で、恐らく更新が4日もしくは5日ほど途絶えます。
それでは、感想批評質問等お待ちしております!