二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~ 作:クラリオン
というわけで、第二十五話、どうぞ!
公国を発って5日後。俺達は無事スルヴァニア皇国に到着していた。伝達石にも異常はなく、つまりそれは王国対公国の戦争に<勇者>が介入していない事を示していた。
俺の忠告を聞いたのか、あるいは、<勇者>達にとって戦場がトラウマと化したのかまでは知らない。出来れば両方であってくれればと思う。
宰相執務室及び謁見室の<
一方で、こちらはと言うと、つい先ほど、<
本来ならば、水属性魔法使いを数人投入し、ランクCのパーティー複数、人数としては数十人を投入すべき、火属性魔物としては炎帝竜を除く頂点たる火竜を、たった三人で討伐できてしまうのだから。いや、実際は一人だけでも済む。
01式軽MATこと01式軽対戦車誘導弾3発。これだけで火竜は、鱗を砕かれ、脚をもぎ取られ、あっさりと息絶えた。
「エグっ」
「科学の勝利」
「火竜が、こんな簡単に……」
これでまだスキルレベル2なのだ。スキルレベル10になったら世界とか滅びそう……いやそれはないか。
《<
《<防衛装備召喚>がレベルアップしました》
まさかの二回連続レベルアップ。レベル4。どれくらいまで召喚できるようになったのか。
……ふむふむ、最大で9×4×3メートルを一つ、か。それより小さければ、数は増える、ほうほう。ふむ……あれ?これってもしかして戦車とか召喚出来ちゃったりするんじゃなかろうか?
本来車が必要ではあったが、確かどっかのテレビ番組で見た時、陸自の戦車ってそこそこ速度が速いみたいな話を見たような気が……
生憎、陸軍装備は守備範囲外なので、詳細は知らないけれど。試してみよう。
無理でした。どうもぎりぎり大きさが足りなかったようだ。
でも代わりになりそうな物は召喚できたので良しとしよう。
16式機動戦闘車。
俺はタイヤ付き戦車と覚えているが、まあ外見はまさにそんな感じ。なぜか車内に存在したカタログによれば、最高時速は100キロ以上。走行しながら撃てる。しかも、召喚した物だからか、操縦はタブレット的な端末で行える。照準、射撃も、端末に外部の様子を映し、ボタンを押すだけで射撃可能。砲弾は数種類から選択が可能で、自動装填な上に弾薬無制限。ちなみに燃料も無制限。
チートじゃねえか。
コレをチートと言わずして何と言おう。いやまあ取り扱いとか知らないからありがたいんだけど、まさにご都合主義?
「よくやった、褒めてやろう」
「上司か」
「……なんですかこれは……?」
「あー……俺らの世界で言う戦車だ」
「戦車……ですか?でも馬とかは」
「要らない。これは……まあ例の科学ってものの力で、自走する」
「ああ、科学の……」
「今度から移動はこれでしましょう、障害物も消しやすそうだし」
「まあ多分サラマンダーでも瞬殺できるだろうし……いや、待てよ?──<
一度消す。
「<防衛装備召喚>」
次に思い浮かべたのは、八九式装甲戦闘車と呼ばれる物。陸上自衛隊の車両で、春馬さんがやたら詳しかった車両。
装軌車両ではあるが、こちらの方が使い勝手がよさそうだ。というのも、こちらに付いているのは、機関砲クラスの火砲と、重MATと呼ばれる誘導弾。魔物の群れ相手なら多分機関砲の方が良いだろう。
相変わらずお手軽操作の自動装填かつ弾薬・燃料無制限。
「これで良いか。次の街まではこれで移動しよう。そこで物資をそろえて、機動戦闘車で、一気に下る。海は……また考えよう」
「了解!」
「えぇーーーーーー?!さっ、火竜討伐できたんですか?!」
「おう、これが討伐証明部位、逆鱗だな」
「確か皆さんって冒険者ランクは……」
「Cだな」
「何で単独で火竜討伐出来るんですか?!」
「足止めして正面から魔法で撃ち抜いたんだけど」
「……セレスさんですね」
「ああ」
「ご兄弟で強い魔法使いがいらっしゃるとは羨ましい」
ギルドの受付の女性職員は恐らく本心でそう言っているのだろう。横目でセレスが引き攣った笑みを浮かべるのが見えた。実際の序列では、彼女が一番下に来るのだから無理もない。
とはいえ、<防衛魔法>や<防衛者>については、おいそれと口に出せるはずもない。特に<防衛装備召喚>は、その実際を知ればどの国も欲しがるであろうスキルなのだから、彼女が仕留めたことにするほかない。
「はい、こちらが討伐報酬となります。あと三人ともランクが上がりまして、Bとなります」
「ありがとうございます」
「もう出発なさるんですよね?」
「ええ、この後は皇都リゼヴァルトによって、西大陸を目指します」
「ああ、親戚の方に会いに行くんでしたっけ?」
「ええ、両親ももう居ないのでそちらを頼ろうと」
「……それは。申し訳ありません」
「いえいえ、お気になさらずに。それでは」
そして街道を進むも途中から少し外れる。
「この地方だとそろそろ森は少ないんだっけ?」
「そうね、もう少し進んで、それから皇都直行ルートなら、行く手に町も村も、森林も無いはずよ、地面は悪いけれど」
「ならよし──<防衛装備召喚>」
目の前に現れる鋼鉄の悍馬。
悪路でも難なく乗り越えられる履帯と、大抵の魔物どころか、うまくやれば下位竜すら仕留めきれるであろう兵装。
「出発!」
そして、数日後到達したリゼヴァルトで俺達が見つけたのは、今にも処刑されそうな一人の少女だった。
以上です!
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