二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~ 作:クラリオン
書いてて気付いたんですけど、<勇者>達って<防衛者>と<支援者>の存在意義知らないんですよね(今更)。
主人公目線で書いてるから時々情報が頭の中で錯綜してます。どこまで知っててどこから知らないのか。
それでは、第四十六話、どうぞ!
「最初に、<防衛者>についての説明をしよう。俺がここに居る理由にも関係があるからな」
よしよし今のところは黙って聞いているな。
「そもそもだが、<防衛者>が何かについて、伝承が残っているはずだが」
「……いや、<勇者>の事しか無かった。あと俺達が知ってるのは……国崎が<勇者>だった時に召喚されたのが四人だけだったって事くらいだ」
「……伝承は残っていなかったのか。では召喚された後<防衛者>はどのように扱われた?<防衛者>は<勇者>という称号で縛られないように<勇者>の称号は持っていないが」
「……俺達とは完全に分けられたから分からない。だが」
「そうか、なら良い、想像は付く。では話を戻そう」
何か言いそうだったが迷わずぶった切る。いやだってぶっちゃけ知ってるし。言わないけど。言わないし言えないけど。
「<防衛者>はその名の通り、防衛が役割だ。<勇者>、人族の街、<勇者>の拠点。これらを魔族・魔物による襲撃から守るために存在する」
「レベルに対し異常なまでに高い対魔法・物理防御、どの属性にも相当しない固有魔法、入手できる称号とその付随効果も全て、守るためだけに存在する。それが<防衛者>だ」
「<勇者>はいわば魔族に対する矛であり、<防衛者>は楯。<勇者>が間違った方向へ進みそうな時は、それを押し止め、正しい方向へと導く。<勇者>と<防衛者>が双璧を成し、<魔王>を打倒し、世界を救う」
「この世界において人族は何の因果か、全てのステータスにおいて魔族に劣る。それを打破するためにステータスに縛られない外に救いの手を求め、願った。女神はその願いに応え、人族に<召喚魔法>を授けた」
「しかし召喚される外の人族は、ステータスこそ高いが、魔法についての、あるいは戦闘そのものの経験が圧倒的に足りない。だから成長に時間がかかる。そのままでは成長途中に<魔王>あるいは魔族軍に襲われ、殺されてしまう」
「それを防ぐのが<防衛者>だ。レベル1にして規格外の防御力を誇り、最初から<防衛魔法>と言う魔法を扱い、障壁を張るスキルを持つ。レベルは同程度の鍛錬を積んだ<勇者>より早く上がり、かなり早く<魔王>からの攻撃すら耐えられるようになる」
ようはまともに鍛錬してればそこらの魔族とか敵じゃねえぞって言っているんだが。
「もし及ばない時点で<魔王>に襲われたならば、その身を以て<勇者>を守る。その時点で<魔王>に襲われ<防衛者>が殺された場合、彼等の固有スキルによって死に至る。死んでもなお<勇者>や世界に貢献する職業、それが<防衛者>だ」
「<勇者>が魔族領へ突入した後も、人族領への襲撃は予想される。だからその段階に入ったなら<防衛者>は別行動をとり、<勇者>が<魔王>を倒すまで人族を守り続ける。<防衛者>が背後を守ってくれるからこそ、<勇者>がその責務を全うできる」
本当に<防衛者>、というかこの世界の仕組みを考え付いた人間──つまりは<システム>の創設者はすごいと思う。全てがまともに働けば、<勇者>召喚後は、被害を出来る限り抑えながら、<魔王>を倒す事が出来るのだ。
「魔族が操る魔法の最高峰と言える<魔属性魔導>のスキルには、1人を洗脳するだけでその効果を同じ称号を持つ者全てに波及させ得る魔法がある。その干渉を防ぎ、もしそうなったときに<勇者>を防ぐために、<防衛者>は<勇者>の称号を持たない」
<魔王>から聞いたときは噴き出した。何そのチートスキル。
まあ発動に恐ろしい程魔力を持っていかれ、いくつか発動には犠牲が伴うから、<魔王>くらいしか使えず、あまり実戦向きではないと言っていたが。なんでも魔力が年単位で回復しないらしい。誰が作ったんだそんなの。
「<支援者>についても話しておくが、<支援者>は<勇者>における<聖女>等、パーティーメンバーに相当する。やはり所持するスキルは全て支援、特に<防衛者>の支援に特化したものだ。<防衛者>による守りを強固にするためにな。<防衛者>と<支援者>は二人で一セットだと考えてくれ。よって同様の理由で<支援者>は<勇者>の称号を持たない」
では続いて俺がここにいる理由だな。
「つまり本来<防衛者><支援者>は、<魔王>を倒し世界に平和をもたらす上で<勇者>と同レベルで重要な存在だ。しかし、なぜか、今回<防衛者>も<支援者>も呆気なく死んでしまった」
心の中で、いや本当に何で死んじゃったんだろうねえそんな簡単に死なないはずなんだけどなあ、とか考えながら続ける。
「現時点において、<勇者>は未だ<魔王>からの直接攻撃に耐える程の実力は無い、そう女神は判断した。そこで、なぜか再び召喚されてしまった先代<勇者>、つまり俺に白羽の矢が立てられた」
「女神の直々の願いを断るわけにもいかないだろう。こうして女神によって、一時的に職業を与えてもらい、<防衛者>が生存していた場合に習得していたであろうスキルも付けてもらった。その代わり、<勇者>としての力はほとんど失ったがな。そして今現在、此処に至る」
「何か、これまでの事で質問はあるか?」
「……何で勇人を、今代<勇者>を殺したんだ?」
良い質問だ!
……言ってみたかっただけです。
「あの時の今代は、話が通じそうになかったからだ。<勇者>は聖剣が無事であれば死ぬことは無いことは俺も知っていたからな。後衛は既に無力化していたから重傷を与えるだけでも良いかと思ったが、今代が<回復魔法><治癒魔法><再生魔法>を取得している可能性があったため致命傷を与えることにした」
ほぼ全員を無力化したとはいえ、まだ戦う気がある者が多かった。そこで<勇者>を殺すことで戦意を削ぎ、また撤退させることが出来る。一方で、そんな状況であっても冷静であろう<賢者>に警告を行う。
首を落とすだけなら俺の時と蘇生にかかる時間は変わらない。蘇生すれば状況確認を行うだろう。それを行う最善の相手は無論<賢者>。
つまり一度死んでもらう事で頭を冷やしてもらい、改めて考える時間を作ったとも言える。ベストなのは心ポッキリ状態の継続だったが今となってはまあ別に構わない。というかむしろ戦意旺盛であってくれないと困る。
流石俺<勇者>頭良いな!
まあ今さっき即興で積み上げた理由だけど。七割八つ当たりでしたすみません。
「許せとは言わない、許してほしいとも思わない。俺は俺が正しいと思ったことをしたまでだ。だが、それの報復をしようとは思うな。今<防衛者>である俺が死ねば蘇生はするが、本来は<魔王>に対して発動するカウンターは、お前達に発動することになる。<勇者>と<防衛者>で潰しあっては、世界を救うことなど出来やしない。今は、世界を救う事だけを考えろ。俺も、お前達も、その為にこの世界にいるのだからな」
過去の事を水に流せとは言わない。理由はどうであれ、生き返るとは知っていても一度殺してるしな。
とはいえそれの報復とか言われて攻撃されて、無いとは思うが死んだ場合、例の<
<剣聖>も<魔導師>も<賢者>も<拳闘士>も<狩人>も<探索者>も持たず。<聖女>も<回復術師>も<治癒術師>も<結界術師>も居ない。
ただの、本当にただの<勇者>単独では、<魔王>の相手は手に余るんだよ。
以上です。
九割八つ当たりだろって?いやいやそんなまさか。別に動きたくなかったのに面倒な事しやがってなんて、主人公は思ってないですよ。
それでは、感想批評質問等お待ちしております。