二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~ 作:クラリオン
今回のは前回とは別件で新規更新分が根こそぎ消えてたというのが原因なんですが……書いたのが理由もなく消えるとやる気ってがた落ちするんですね……
そんなこんなですがどうにか修復した最新話です、どうぞ!
「まずいな、キリが無くなるぞ」
「え?」
敵を圧倒しているように見えて実はこちらがかなり不利な状況に陥っている。いや周りを見なかった俺も悪いが。
「足元を見ろ。ここだけじゃないが。あちこちに古びてはいるが武器がある。質の悪いことに弓矢もな」
「多分これまでに来た人間達の者では?」
「そうだろうな。ああ、そうか。<
話しながら<地雷原>が一番楽だと気付き、空間を埋め尽くすほど魔力の地雷を敷き詰める。
「相手は<
「つまり大本潰さないと前衛は延々と骨を相手するだけになる。しかも前衛が蹴散らした骨が勢いのまま前衛ラインを飛び越えて後衛近くに飛んでくれば、ある程度骨の数がそろったところで」
『<
「その場で不死者として復活して後衛に遅いかかる。足元に落ちている武器を拾って。あんな感じでな。<
前衛に出した傀儡の操作に集中する加藤の目の前に突然出現し、襲い掛かるスケルトン。振り下ろした剣は透明な障壁に弾かれた。
「しまった、<
それに気づいた高山がすぐさま短詠唱で魔法を放つ。消費魔力が軽く、連射が可能な代わり威力の落ちる<球>系、しかも短詠唱だけだからさらに威力は下がる。だがそれでもスケルトン一体消し飛ばすには十分。
「というわけだから俺はちょっと高山のところに行ってくる。すまないが守りを頼む」
「あ、ああ……<聖壁>」
さて、今回の場合は、後衛が前衛の無限召喚をしている状況なので、奇襲役か後衛を使って後衛から潰すのがセオリー。この場合だと<暗殺者><狩人><探索者>あるいは<魔道士><魔導師><賢者>が後衛を潰す役割を担うことになる。しかしここは空間が広いドーム状になっているので、奇襲役はたぶん前衛を突破できない。となると、前衛で骨の群れを止めてもらい、遠距離が可能な後衛と<狩人>に総攻撃を叩き込んでもらうしかない。
こちら側にも<死霊術師>がいればもう少し楽だったかもしれない。淀んで溜まっている魔力は死霊術ならほぼ何もせず流用可能だからな。だが、まあ無いものねだりなんてしてもしょうがない。
「<絶対障壁><地雷原><
回復役防衛のために<地雷>を周囲に大量にばら撒いて、最後の守りに壁。これに<聖壁>が加わればとりあえずは安全地帯のはずだ。
<神楯>は自分の防御用。基本的に<防衛者>ステータスで固定している今、基本的な身体能力は根こそぎほぼ素まで低下している。そんな状況で遠くから放たれた矢とか避けられない。流石に危なくなったら固定外すけど出来ればそれは避けたい。
ほどなくして必死に指示を出す高山のところに到着する。
「高山」
「! 国崎君ですか」
「少々助言だ。相手は<不死身の魔法詠唱者>じゃない。その亜種の<不死身の死霊術師>。能力は死霊の創造と使役。ここはおそらく死火山の火口か何かで、足元には骨と武器が散らばってる。地形の関係上遊撃系は使えない。最悪の場合俺もカバーに入れろ。以上だ、健闘を祈る」
戦闘中の高山に、一方的に情報だけを叩き込んだ形になるが、<賢者>なら戦闘しながらでも情報を理解し、吟味し、作戦を立てることは可能なはずだ。あまり下手に介入しちゃいけない。もう遅い気がするけどあくまで俺は消えた誰かの代理人。過度な手出しは厳禁、って事にしてるんだから。
さて、とっとと戻ろう。
「悪い、待たせた。<
地雷原が何か所か突破され、<絶対障壁>も破られていたので張りなおす。それに合わせて戸谷は<聖壁>を解いた。お疲れ様。
「一応報告はしてきた。あとはあいつに任せよう」
「……ああ」
そのまま数分が経過した。
少しずつ前衛の動きが悪くなってる気がする。少しずつダメージを受ける事が多くなってきた。回復役も魔法を飛ばしているが、疲労回復は回復・再生魔法じゃどうにもならないからな。
回復役二人じゃあの数の前衛のカバーはちょっと厳しいか。<結界術師>がこっちにいるのも少々まずいかもしれない。初っ端前衛が我先に突撃したのも痛かったな。前線が薄い。ここは出来れば一度入口まで退いて陣形を組みなおし、休憩も入れて改めて突入したいところ。
さてどうするんだろう。
「失礼」
「……なんだ、白井か。どうした」
「高山から伝言だ。これは戸谷にもだ、『一度入口まで引いて立て直す。全員が退却完了したら壁を作ってくれ』と」
「わかった。前衛は?」
「正輝が行った」
「了解した。タイミングは適当に、と伝えてくれ。俺が殿になろう」
手空きの遊撃職を連絡役にしたか。良い判断だ。
やはり撤退か。んでもって躊躇なく俺を壁役にしやがったな。いや戸谷もって事はあと加藤あたりも指名されてそうだし妥当な判断ではあるので構わない。
俺が殿になるのは壁を構築しやすいからだ。<地雷>は発動時の俺を中心に敷かれる敵味方無差別の設置型魔法。味方が踏んでも発動してしまう。俺が最後なら撤退時の足止めにしつつそのまま楽に引き籠れるからな。
やがて、威力と範囲がひときわでかい魔法が複数放たれると同時に前衛が退いた。撤退の時間か。魔法を撃った後衛を下がった前衛が守る形で退いてきた。
「よし、先行ってろ」
「おう」
後衛とすれ違うタイミングでそのまま回復役二人と戸谷を合流させ、前衛組の最後尾についた篠原についていく形で走り始める。
「<地雷原>」
撤退しながら自分の後ろに適度に地雷を撒いていく。
『<
「……ありゃ犬か。器用な事を。<神楯>!」
骨は人のなのにどうやったのか多分犬と思しき<
いや詠唱から判断できないのがつらいところだよね。不死動物でも不死者でも同じ呼び名だから。あ、待てよ、動物って事は。
『<不死動物創造>』
「<絶対障壁>」
味方全体に障壁を張る。と同時にその障壁に攻撃が加えられた、上から。
「<
即座に放たれた魔力弾が撃墜したのは、鳥。お前どうやって飛んでるんだよ、と大抵の召喚者が突っ込むであろう、骨だけの鳥である。本当だよお前どうやって飛んでるんだ。ちなみにこちらは本物の鳥の骨のようだ。
まあ魔法がある世界だからなんでもありなのだが。
魔力弾が矢と魔法を撃ち落とし、剣を弾き、何度でも復活する<
なおこの間俺は一度たりとも敵を見ていないし後ろを振り返ってすらいない。<防衛魔法>が便利すぎる。流石魔法。
部屋の入口に滑り込む。
「<神楯><絶対障壁><地雷原>!」
入口を障壁で閉じ、そのすぐ内側に俺が立つ事で<神楯>の防戦能力を発揮させる。さらに<地雷原>で空中地上地中問わず地雷を敷設し最悪俺の魔力が尽きても準備時間くらいは稼げるように。
「<撤収>」
道中置いてきた<地雷>のうち起爆していないものを回収。魔力を回復させる。実はそこそこギリギリで回していたので常人だったら倒れているレベルの魔力枯渇状態だったりする。だからそれだけじゃ当然足りないので中級魔力回復薬を飲む。一息つく。
そこで気付いた。思ったより回復できてない。魔力量が上がってるのか、だとすればレベルアップした?
ああ、なるほど<死霊馬>と<地雷原>で吹っ飛ばしたアンデッドか。まともに直撃したら実体化していようがいまいが消し飛ばされるもんな。<現代装備召喚>についで経験値効率は高いか。
「ちょっといいですか国崎君、こっちに来れませんか」
「……<神楯>解除していいのなら」
「それぐらいはどうにかするよ。<聖壁>。俺だってそこまで魔力量が少ないわけじゃないんだ。会議の間くらいは持たせるさ」
「頼む」
ああ、そうかよく考えたらコイツも<勇者>じゃん。なら高いステータス持ってるわな。じゃあ任せよう。
圧倒的今更感な主人公。
次回更新ですが、なろう版にも少しずつ手を加えたいので二週間後となります。
それでは感想評価批評などお待ちしております!