二度目の召喚はクラスごと~初代勇者の防衛戦~   作:クラリオン

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こんばんは、二週間ぶりの更新です


中々進まず申し訳ありません。そろそろ激しく、というほどでもありませんがそこそこ時間が流れ始めます。


そんなわけで、停滞地点最終話です、どうぞ!


第七十一話  突破

 

「<地雷原>」

 

 

 

中級魔力回復薬は二本目をちびちび飲んでいるところ。正直座るのもありかと思いながらも万一を考えて立っている。

 

<絶対障壁>も既に地中まで拡張済み。とはいえさっきから近くの地面から土がぼこぼこ盛り上がってる様子と魔力の減り具合的に必要は無さげだが。<神楯>と<地雷>は相変わらずの大活躍。

 

前衛も良く頑張っていてほとんど通さないし、撃ち漏らしは遊撃手が仕留めてくれている。おかげで基本的に俺の相手は空中と地中なので魔力消費量も少なくて助かっている。

 

相手のHPはどうかというと、<賢者>君の方をうかがうに、おおよそ半分まで削りきれたというところだろうか。延々と復活を繰り返した骨も、少しずつその数を減らしている。粉々、とまではいかなくても、度重なる打撃で修復不可能なまでに損傷した、もしくは修復するには魔力が余分に必要なレベルまで損傷した骨が増えたのだろう。多分主な原因は<神楯>と<地雷>なんだよな。

 

とはいえ相手の骨を全部削り切れるかと言われるとそんなんではないので、多分作戦は当初通りに進むのだろう。前衛組もうまく後退できているようだし。あとは後衛組の魔力が足りるかどうかだ。

 

まあ足りなかったら俺の手持ちの魔力回復薬……ああ、でもそこまでたくさんは無いな。うん、頑張れ。本当なら多分魔力回復薬の補充とか要らなかったんだろうから。終わった事でぐちぐち言うなと思われるかもしれないが、割とこれは痛い事だ。もちろんいい事もあるがデメリットが大きすぎる。

 

 

 

「<周辺警戒>」

 

 

 

自然回復した微量の魔力で<周辺警戒>を一瞬だけ発動させる。敵を示す無数の赤点と、一応の味方である<勇者>達を示す青点、そしてマップ内のこの()()()()()()()()()()を確認した。

 

さっきに比べてかなり薄れてきている。

 

この反応は敵の魔力だ。本来魔力だけなら<周辺警戒>は反応しないのだが、今回の敵は、自分の魔力を全体に薄く展開し、空間に溜まった魔力と混ぜ合わせる事で、空間の魔力を利用し、どこでも<不死者創造>できるようにしている。つまり相手の魔力そのものがこちらに対する攻撃魔法と判断されたのだろう。

 

それが薄れているという事は、相手の魔力と空間に溜まっていた魔力の両方が削れているという事だ。

 

無論、相手の身体にとどまっている魔力もかなりあるだろうし、核から供給される魔力もあるので相手の魔力が完全に尽きるのはかなり先になる。それよりHP削りきるのが早いだろう。ぜひぜひ頑張ってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<聖剣>が突き出された骨の間を縫って核を断ち割った。

 

 

 

『オ……ノ……レ……』

 

 

 

だから何でしゃべるんですかね。

 

 

 

まあ何はともあれ倒せた。思ったより魔力を削りきるのが早かったような気がする。まあ早い分には構わないから良いけどさ。残存魔力薬はいつもの中級が一本と半分。腰回りに十本以上はぶら下げてたんだけどな。半分くらいは後衛部隊に渡したけど、それにしても五本半は消費したことになる。この前ぶっ倒れたのが確か六本消費だったから、やはり問題なのは一気飲みか。

 

最終的には前衛の骨骨軍団の隙を突く形で<勇者>が単独で前線を突破、疎外しようとする魔法をこちらの後衛の魔法でさらに阻害しながら、止めを<勇者>が刺した。最初の予想とは違う形になったがまあそれはそれでよしとする。

 

さて、この自然形成型ダンジョン的何かは、たった今ボスを倒し、またボスが倒される前に淀んだ魔力をほとんど使い切ったので魔物が新たに出現する可能性も低い。ここは安全地帯になった。まあ完全に気を抜くのはよろしくないが、そろそろ一度気を抜いてもらわねばなるまい。

 

 

 

もうとっくの昔に昼は過ぎてるんだから。

 

 

 

「お疲れ様だ」

 

「ん、おう」

 

 

 

そういうと些か疲れたような顔で、右手を上げてきた。ああはいはい。

 

 

 

「ナイス」

 

 

 

パチンと手を合わせた。つまりハイタッチである。そのまま俺とすれ違い、ほかの連中とハイタッチをかわしている途中で、篠原は崩れ落ちた。

 

 

 

「勇人!?」

 

 

 

のでそれを受け止める。やっぱりな。

 

 

 

「起きてるか?」

 

「あ、ああ……ただ、動かない」

 

 

 

意識はあるが、体が動かねえと。

 

疲労だな。

 

 

 

「誰か……ああいや良いか」

 

 

 

そのまま背負うと部屋の外側、地面が見えているところに向かう。流石に骨と武器が積もったところに寝かせるのはどうかと思ったからだ。

 

そこで上着を脱いで地面に敷き、そこに横たえた。心配そうについてきた連中に告げる。

 

 

 

「誰か食料品持ってないか?」

 

「え?」

 

「篠原の体調に異常はない。強いて言うなら疲労だな。極度の緊張から解放されたんで気が抜けたと同時に力も抜けただけだ。それで疲れと空腹が襲い掛かって来たんだろう。休めば回復するが、時間的にはとっくの昔に昼過ぎてるからついでに昼飯も食べて全員休憩した方がいいと思ってな」

 

 

 

昼過ぎてるというか既にほぼおやつの時間に近いのだが。

 

 

 

「ああ、えっと食料品は……」

 

「私が持ってます」

 

「ああ、じゃあ頼む。ああ、あと俺にも少しくれ」

 

「……はい、どうぞ」

 

「よし。えっと、高山」

 

「……なんですか?」

 

「湧いた場合の対処考えておいてくれ。警戒は俺がやるから。<周辺警戒><神楯>」

 

 

 

もらった堅パンを齧りながら魔力回復薬をお供にスキル発動。堅いが慣れれば美味しい物である。

 

湧いた場合の対処といったが何も湧かないだろう。よし座ろう。

 

座り込んで堅パンをもぐもぐしつつ魔力回復薬を呷る、傍から見たらやべー奴。やっぱ地面に直で座ると色々痛いな、特に骨というか肉。

 

 

 

「あの」

 

「なんだ」

 

 

 

真後ろから声を掛けられたが<勇者>の誰かが近づいてるのだけは分かってたので返答。女子っぽいから後衛組だよな多分。

 

 

 

「……なんでわかったんですか」

 

「どっちがだ。お前が近づいてきたのが分かったのは警戒スキルの恩恵だが」

 

「勇人君の方です」

 

「ああ、篠原か、あれは一度俺もなった事があるんだ。戦いに集中していると案外自分の状態なんて気にしなくなるからな。時間も時間だった上にあの連戦なら体力は消耗してると思っていた」

 

 

 

スタンピードを迎撃してた時に昼前から休憩なしで延々と戦闘を続けて完全に殲滅した後、不意に足から力が抜けて動けなくなった時があった。その時はまだキースに腕があった時期だからキースに支えてもらったはずだな。

 

 

 

「観察してたら案の定だった」

 

 

 

あれ本気で動けなくなるんだよな。流石に骨だらけの地面とキスさせるのは少々罪悪感があったので崩れ落ちたのを受け止めた。

 

 

 

「お前も座って休憩した方が良い。後衛連中もみんな立ちっぱなしな上に魔法そこそこ使ってただろう。休めるときに休んでおく癖は付けておいて損はないぞ」

 

 

 

と言いながらパンをかじる。

 

 

 

「……わかりました」

 

 

 

戦う時戦いに集中できるように、短時間でも休めるときは休む。これはこの世界だけじゃなくてもとの世界に戻ったときも使える技能なので身に付けておいて損は無い。実際コレのおかげで成績が底上げ出来た感じはある。

 

 

 

「基本的に長時間の戦闘が終わった少し後とかはしばらくはああなる事が多くなると思う。そこら辺気を配ってやるよう伝えといてくれ。俺も後から高山には伝えるが」

 

 

 

というかはよ立ち去って。もうパン食べちまったから本気で気まずいんだよ。

 

 

 

「わかりました」

 

 

 

立ち去る気配と脳裏で遠ざかる点。そいや結局誰が来てたんだろうな。

 

 

 

 

 

まあいっか。





この辺りから軽く設定を組み込んでいきます。

さらっと語られる千年前の剣聖の戦線離脱理由。


そんなこんなで停滞地点最終話でした
質問感想批評などお待ちしております
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