東方唄夢幻 〜幽閉サテライトの歌に乗せて〜 作:★nuts★ ~アニメとゲームは宝物
河城にとりの元に突然現れた人間の男の子、河口 輝一。
彼の優しさに、にとりは不思議な感情を抱く様になる。
しかし、予知せぬあるトラブルが起こる。
「へぇ…あんたにもそんな事あるのね…」
霊夢が呟く。
「いつもはそんな事無いけど、彼は特別なんだよ。一種の能力かな?」
ニヤリと笑みを浮かべながら、にとりは言葉を返す。
「にとりを
馬鹿にする様な口調で霊夢は言う。
「まあ、本当に
にとりは顔を曇らせた。
「何かあったの?まさか、三角関係的な?」
勘だけは鋭い自分を見込んで、直感で答える霊夢。
「何その数学みたいな関係。よく分かんないけど、話を続けさせて貰おうか…」
にとりは"三角関係"という言葉を知らない様だ。
お茶を一口飲むと、にとりは話し始めた…
いつも通りの道具集め。
いつも通りの研究。
いつも通りの生活。
それに…"アナタ"は私の弱さも知っていた。
最初に出す料理にキュウリを出す所とか。
私が大好物な物=弱点を突いてくるなんて…
私が求める物、実は優しくされたいという欲も、
"アナタ"は許してくれた…
「また考え事ですか、にとりさん?」
コウイチだった。
「いや別に…私が考え事なんてする訳無いじゃん。」
また私は嘘をつく。彼が来てから何度目の嘘だろうか。
「何だか、にとりさんが悩んでいないか心配で…何かあったら、すぐ言って下さいね!」
彼の笑顔がキラリと輝く。
「あ、うん…」
彼がたまに見せてくれる笑顔は、刹那の美しさを私の目に映す。
健気に咲いた花の様な明るい笑顔には、度々元気付けられるのだった。
…何か話さなければ。彼がまた心配する…
「あ、あのさ、私の事、正直、
口から
「言いづらいですが…君が好きそうな、科学知識を交えて言わせて貰うと…」
彼は少し間を置くと、こう言った。
「エジソンは偉い人。だったら、にとりさんは、偉く可愛い人。」
「え………」
私は言葉が出なかった。
そんな風に私を褒める彼に、怖ささえ感じた。
空耳だった様な気さえしてくる。
だから、私はもう一度確認する。
「…本当?」
「疑わないで下さいよ、続きは歌詞の通りですよ、そんなの常識、ってね。」
彼は素直な笑顔で、そう言っていた。
「…バカじゃないの」
今日、2回目の嘘をついた。
時は静かに過ぎていった。
「こんにちは〜!あんまり将棋に来ないから、遊びに来ちゃった。」
訪れたのは、犬走椛だった。
「あ、椛!最近行けてなくてごめん!色々あってさ…」
自分が今、複雑な悩みを持っているなんて言えない。幾ら友達でも。
「ううん、全然大丈夫!…ところで、
そうか、椛には、まだ話してなかったんだった。
「河口 輝一っていう、人間の男の子。
色々あって幻想入りしてさ、
何故か、口調が自慢気になってしまう。
彼の事を話しているだけなのに…。
「そうなんだ。こんにちは、輝一さん。宜しくね。」
「初めまして、
彼はそう言うと、また、いつもの笑顔を見せる。
何だか気に入らない。
「貴方は…何の種族でしたっけ…?」
…椛は立ち絵が無いから、彼もよく覚えてないのかな?
「白狼天狗です。天狗の中では下っ端なのですが…」
「全然下っ端に見えないですよ。勇ましそうだし。」
楽しそうに会話を続ける2人の気持ちとは裏腹に、
私は少し苛立っていた。
話はまだ続く。
「いえいえ、とんでもない。下っ端は下っ端ですし…」
「そうだとしても…
(けも耳無し派の方々、御免なさい!)
え…何だって?
コウイチよ、今なんて言った?
私は、自分の中で、大きな誤算をしていた。
彼と2人で居たから分からなかったけれど、
彼は、私だけに優しい訳では無かった。
彼は、誰にでも優しい、温厚な人柄だったのだ。
許せぬ、彼の優しさ。
同時に揺るぐ、私の独占欲。
どんな物とも秤にかけられない、
「…
霊夢が静かに言う。
「まぁ、もう気にして無いんだけどさ、なんか誰かに相談したくなって。」
「じゃあ、魔理沙に相談すれば良いのに。仲良いんでしょ?」
地霊伝の時は、魔理沙のサポート役をしていた程だ。
「いつもは話さない人にこそ言える事って…有るじゃん。」
「
例え
「儚く、強く、かぁ…」
ふと外を見れば、桜の花びらは今も散り続けている。
確かに儚くもあるが、何故だろうか、力強さもあった。
「それにしても、あのシアワセな時間に戻りたいなぁ…
…何で、時間っていうのは、そう簡単に戻せ無いのかなぁ…」
ぼそっと呟くにとりに、すかさず霊夢が答えた。
「時間っていうのは無慈悲で優しいモノなのよ。
私達に関係無く、淡々と流れていきながら、私達を見守っている…。」
「うーん…時間が優しいモノとは思えないなぁ…」
「でも、
時間っていうのは、過ぎていってしまうモノだから、実感は湧かないかもしれないけど…
生きるって、時間を過ごせるコトって、ステキなコトじゃないかしら?」
霊夢はそう言って微笑んだ。
一方にとりは、深いため息をつく。
「はぁ…生きるって、何だか面倒臭いねぇ…最近は商売も上手くいかないし。」
「私も、異変解決とか妖怪退治とか、充分面倒臭いわよ。でも…」
「でも?」
「でも、私達が気づかない所にシアワセは沢山あるのよ。
例えば、今、こうやって、あんたが私に気軽に相談出来る事とか、ね。」
「まーね…」
「今回の事だけでガッカリしないで、前向きに生きなさいよ、私からのアドバイス、以上終了。」
あの巫女にしては、中々良い事言うじゃん。
ゆっくりと泳ぎながら、私は家に帰っていった。
「ただいま〜。ん?」
「お帰りなさい、今日は遅かったですね。心配しましたよ。」
「今日は椛に、妖怪の山を案内して貰っていたんじゃあ…」
「僕を助けてくれたのは、にとりさんなんですから。忘れやしませんよ。」
胸がきゅうっとなった。
次第に、視界がぼんやりしていく。
あれ?私、泣いてる…?
「悪い事…してしまったでしょうか。」
「コウイチは何も悪くないよ、何度も言ってるじゃん。」
…私はまた嘘をついた。
ー2人の輝かしい日々が、また始まるのであった…
えっと、どうだったでしょうか。
感想を下さると、本当に嬉しいです!
UAも、皆様のお陰で、100に行きそうです!
本当にありがとうございます★
今回に該当する歌詞も、載せておきますね!
弱さ知るアナタは今
許してくれた 求める者の欲を
健気に咲いた 刹那の美しさ
それを知るには
遅すぎたのかもしれない…
色は匂へど いつか散りぬるを
アナタのすべてに 幼く委ねたい…
許せぬ優しさと 揺るぐ独占欲は
秤にかけれぬ 我儘な愛
色は匂へど すべて散りぬるを
短き記憶に 零れる想い
枯れゆく命よ 儚く強くあれ
無慈悲で優しい 時のように