東方唄夢幻 〜幽閉サテライトの歌に乗せて〜   作:★nuts★ ~アニメとゲームは宝物

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前回の、「色は匂えど散りぬるを」。
UAが200(まで)行きまして…本当に有難うございます!
毎度見て下さる方々には、本当っに感謝です★★★

今回は、「ヒトリシズカ」で書かせて頂きます。
主人公は、原曲的に、ルーミアです。
注意:元ネタである小説とは何の関係も有りません。
そして()の時、異変は既に始まっていた…


第2歌 ヒトリシズカ byルーミア
ヒトリシズカ 前編


「わはっ!」

闇を自分の周りに(まと)わせて、今日も華麗に手を広げて飛んでいる…

(はず)だったのだが、自分の操る闇で自分も周囲が見えなくなり、

いつもの様に木に()つかる始末…である。

 

「何かに当たった…のかー?」

勢いよく飛んでいた所為(せい)か、打ち所が悪かった所為(せい)か、

彼女は気を(うしな)ってしまった様だ。

ルーミア、大変です!気を(うしな)ったら真っ暗です!

(キャラ違いますね、すみません…)

 

そんなルーミアの前に、

怪しげに笑いながら能力を(つか)う1人の妖怪がいた…

 

「…此処(ここ)何処(どこ)だー?」

窓の外を見れば、

でっかい四角の積み木の様な物に、

リグルみたいにピカピカ光る物が付いていて…

まさか、"外の世界"っていう所…なのか…?

 

そして此処(ここ)は、誰かの家…か…?

目の前には…取って食べれる人類!

…でも、今は生憎(あいにく)お腹いっぱいだ。

っていうか、何であの人間は、自分に(やいば)を向けてるんだ?

こういう時って、助けた方が良い系だよね?

うん、助けよう。

 

月符「ムーンライトレイ」

 

「うわっ!」

1人の人間の女の子は、慌てて手から(やいば)を放すと、

私が発した弾幕を、ギリギリの所で避けた。

 

吃驚(びっくり)した…って、何するのよ!」

彼女は、スペルカードの時間が切れるなり、

凄い形相で此方(こちら)(にら)んできた。

 

()れはこっちのセリフだ。

思わず私は言い返した。

「何故あんたは、部屋の片隅で、態々(わざわざ)(おのれ)(やいば)を向けていたんだー?」

 

「そんなの、貴方が知る事じゃあないでしょ?ほっといて。…って、貴方、誰?」

 

「私はルーミア。宵闇の妖怪。あんたは、人間だよね?美味しそうだし。」

 

「妖怪?そんなオカルト的な物、私は信じないよ。()に角、1秒でも早く帰って。解った?」

 

はっ。そうだ。幻想郷に帰らなければ。

でも、何処に行けば良いんだ…?

下手に動いて人を喰うといけないし、

(しばら)く、闇の中で身を隠している事にしようっと。

 

…ん?あの子が泣いてい…る…?

何かボソボソ言っている様だけど…

「何で自分だけ辛い思いをしているのか」だって?

そう、彼女は、1人静かに、緋色の記憶にすがり、泣いていたのだった…

私は、自分が隠れている事も忘れて、彼女に声をかけた。

 

「何が…辛いの?」

 

「貴方はさっきの…。帰れって言ったでしょ?」

彼女はまた、怒った様に言ってきた。

でも、さっきよりは怒って無いみたい。多分。

 

「何でも相談した方が良いって、()の前、河童が言ってたよー?」

にとりが、「霊夢に相談したらスッキリした」

みたいな事を、()の前呟いていた…様な気がする。

 

「こっちに来ないで頂戴。」

 

「何でー?何方(どっち)にしても、独りじゃない方が楽しいよー?」

 

()の"独り"という言葉に、彼女は反応した。

「…孤独を嫌っている訳じゃない。

ただ、みんなの闇というか、陰湿な所というか…(いびつ)な隙間が怖いだけ…なの…」

 

彼女はそう言うと、何滴か雫を落とした。

さっき自分でつけた傷からの血だろうか、()れとも涙だろうか。

薄暗い部屋で、また(すす)り泣き始める彼女が、

とても可哀想に思えてきた。

やっぱり…話を聞いてあげた方が…良いのか…?

 

「もう一回聞くんだけどさ、何が辛いの?」

 

彼女は顏を上げようとしたが、また(うつむ)いてしまった。

すると、彼女は、小さな声で(ささや)く様に言った。

「相談に…本当に、のってくれるの?」

 

「そりゃあね。人間には色々な意味で御世話になってるし…」

 

彼女はやっと顔をあげた。

初めて見えた彼女の瞳は、鮮やかなマリンブルー色。

淋しく、切ない、今にも泣き出しそうな瞳だった。

 

「あのね、私、誰にも言えなかった事が有るの…

 

私は、お父さんと2人暮らし。

両親は、私がずっと幼い時に離婚しちゃった。

だから、入学式にも、卒業式にも、いつも父親が来ていたの。

私の保護者は父親だけ。

小さい頃からの事だし、()の生活には慣れていた。

 

…でも、私が行った小学校は荒れていて…

「母親が居ない」って事から、(いじ)めが始まった。

母の日に、お母さんへのプレゼントを作る授業の時だっけ…

誰かが、"お前は、母ちゃん居ないから、作る必要無いよな。"

って、私の事をからかったの。

其処(そこ)から、色々な噂がどんどん広まっていって…

 

私は、信用出来る人が、居なくなった。

周りが、全員敵に見える様になった。

私に向けられる視線が、怖くなった。

そして、父親にさえも、憤りを感じる様になったんだ…

 

ぐしゃぐしゃに汚れゆく私に、

幼い時の、鮮やかで(きら)びやかな思い出が

胸を刺していく毎日。

だから、家にずっと引き(こも)ったまま…

どうせ、お父さんも遅く(まで)帰って来ないし、ね。

 

生きる意味を、私は、見失った。

だから、今日こそは、()の世界から

逃げ出そうと思ったのに…

 

私、如何(どう)すれば…良いのかな…」

 

私は、言葉が見つからなかった。

そんな膨大な悩みを抱えていたなんて…

うーん…こういう時は…どーすれば良いのかー…?

 

そうだ。

人間達に、空が紅くなった時に倒された事を思い出した。

確か、紅白の人間が、夜の事を、

気持ちいいだとかロマンティックだとか言ってったけ…

 

今は丁度夜だ。

彼女も、(しばら)く外に出ていない…と思う。

外の気持ち良い空気を吸ってみたらどうか。

彼女の心も落ち着くかも…

 

それにしても…

外の世界では、15分に一回、1人は自殺している、

って、()の前寺子屋で聞いたけど…

ガチなのかー…。

外の世界は大変だなぁー…。

 

あれ、で、結局何をしようと…あ、そうだった。

 

「ねーねー、一回、外に出てみない?心が落ち着くと思うよ?」

 

「外、ねぇ…」

"外"というモノに、彼女は恐れを感じている様だ。

 

「大丈夫、取り敢えず行こーよ!」

私は、彼女の手を繋ぐと、勢いよく外に飛び出した。

 

無口な彼女が、急に口を開いた。

「…1つ…思ったんだけど…」

 

「?」

 

「…貴方に出会えて、良かったなぁ…って…」

 

思いがけない言葉に、私は驚いた。

そして、人を喰う事も忘れて、彼女に優しく接している…

そんな自分自信にも、驚いた。

ー彼女の緋色の記憶も、()の事で、

美しい思い出になると良いなぁ…

 

彼女は、()の空間にも馴染(なじ)んだ様だ。

そして、彼女の泣き顔は、醜さを忘れ、

いつの間にか、感謝へと変わっていたのだった…

 

「ルーミア、ありがとう…」




えっと、どうだったでしょうか。
ご感想や、「次はこの曲が良い!」というご意見、お待ちしております!
今回も、歌詞を載せておきます!↓

部屋の片隅で
容易な(やいば)に触れて
(したた)る血を(なが)めていた
ヒトリシズカ 緋色(ひいろ)の記憶にすがり
泣いていた

孤独を嫌うこととは違う
(いびつ)な隙間怖いだけ
慣れぬ暗闇 肌に(しずく)ひとつ
血か涙かさえ わからない

グシャグシャの汚れゆく私に
鮮やかな思い出が胸を刺していく

部屋は冷たくて少し広くなり
やがて この空間にも馴染(なじ)んで
ヒトリシズカ
緋色の記憶も不意に
美しい思い出になる
濡れた床も(あか)く乾いてく日々に
時の流れは非常だ・・・と
泣き顔さえ(みにく)さを忘れ
いつか感謝へと
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