東方唄夢幻 〜幽閉サテライトの歌に乗せて〜   作:★nuts★ ~アニメとゲームは宝物

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いよいよ後編です!
今回は、歌詞にそって書く…というよりは、
「月に叢雲 華に風」のこれまでのストーリーのオマケ版です!
多少ラブラブしてますがお許し下さい…!w



月に叢雲 華に風 後編

蛙田(かわずた) 奇跡(きせき)

名付け親は私、東風谷 早苗。

迷い込んできた1人の男の子だ。

でも、今では…特別な人。

 

そんな彼が、外の世界での事を思い出したという。

()れは、しっかり聞いておかないと…

 

「…俺…外の世界では、家出してたみたいなんだ…」

 

え…家出?

想像をもしていなかった言葉に、私は二の句が継げなかった。

 

「ごめんな、突然。俺、外の世界で色々あったみたいで…

()れを、早苗…お前の存在が、思い出させてくれたんだ…

ちょいと話は長くなるかもしれないのだが…聞いてくれるかな?」

 

私が…彼の過去を思い出させた?

頭が少し混乱しながらも、私は答える。

 

勿論(もちろん)…良いですよ。」

 

「ありがと。

 

…俺さ、家庭内の問題が色々あってさ。

あんまり詳しくは言えないんだけど…

家出する事に決めたんだ。

食べ物に金、()れにテントとかも。

とにかく、大きなリュックに詰められるだけ入れて、

準備万端の状態で外に出たんだ…

 

でも、幾ら沢山食べ物を持ってきていても、

足りなくなる時は絶対に来るだろ?

家出して5日後位かな…()の時が来たんだ。

()(まま)じゃ死ぬって思ったけど、

家には帰りたくなかった。

 

…説明が続かないから、言うしかないのかな。

俺の親、育児放棄っていうのをしてたんだ。

食事もろくに出てこなかったし、

1人しかいない親は、他の男と遊んでいるのが常だった。

 

こんな家庭は普通じゃないって気付いてた。

学校で友達と話せば、()れは一目瞭然だった。

おかんと料理したとか、おかんに怒られたとか…

そんな友達の何気ない一言が、羨ましかった。

 

…そんな、"本当の俺"を明かすのが、俺は怖かった。

学校でも、頑張って明るく振舞っていた。

先生にも、悩みを言い出す勇気が無かった。

 

家っていうのは、普通だったら、帰りたい場所だ。

俺は…真逆だ。

 

あんな家に帰る位だったら…

そう、俺は、決心したんだ。

"死ぬ"って事をさ。

 

()の前、早苗に頼まれて描いた絵が有るだろ?

あれは、俺が自殺する直前に見た景色だった。

 

…気がついたら、此処(ここ)に居た。

そして…お前、早苗と出会ったんだ。

お前は何かと俺に親切にしてくれた。

俺を包み込んでくれるような人というか…

 

早苗と過ごした事で、俺の記憶が蘇ったのは…

早苗が、俺の求めていた人だったからかもしれない。

俺は、自分のおかんのような存在の人を…探していたんだ…

 

だけど…ある日、思ったんだ。

早苗にも早苗の暮らしがあるのに、邪魔して良いのかな、って…

勝手に早苗と暮らし、同じ時間を共に過ごして…

そんな事したら、早苗にとっても迷惑かもしれない。

 

で、俺は…お前に気づかれないように、山を降りた。

…元々病弱なのに、()の急な山を降りていくなんて、

最初っから、無理だったのに。

知らぬ間に、俺は、倒れていた。

結果、また早苗に心配をかけてしまった…

ほんと、笑っちゃうよな。」

 

彼は、そう言って、苦笑した。

()の後…彼は、静かに涙を流し始めたのだった。

 

私は、エメラルドグリーン色のハンカチを取り出すと、

涙の溜まった彼の目に、そっと、当てた。

彼の思いを、少しでも受け止めてあげたかった。

 

こういう時って、なんて言えば良いんだろう…

そうだ。今こそ…伝えよう、かな…

 

「奇跡さん、1つ言いたい事があるんです。」

 

「…何?」

 

「私、奇跡さんと居る事が、迷惑なんて、一回も思った事…無いです!

むしろ…奇跡さんと過ごす1日1日が…凄く、楽しかった…」

 

彼は顔をあげると、目を丸くした。

 

「そうなんですか…?」

 

「そんなに驚かなくても…そうに、決まってるじゃないですか。」

 

私は、彼に明るい笑顔を向ける。

 

「あのその…実は、俺も…早苗と過ごす日々が、楽しい…」

 

素直に、嬉しかった。

こんなに広い世界の中で、彼は、私と同じ瞬間に、同じ事を考えてる。

以心伝心って言うんだっけ…

 

思いがけない言葉が、私の口から溢れた。

 

「あの…奇跡さん。私…貴方と一緒に、居たいです…。

だから、もう…出ていったりしないで下さいよ?」

 

「大丈夫。言わなくても、解ってる。だって俺達…以心伝心してるんだもんな。」

 

「…あ…はい…。」

 

どうしよう。

こんな言葉が返って来るなんて…

なんて言えばいいのか、解らなくなるじゃないですか…

 

近くに居れば、ドキドキします。

遠くに見えれば、ワクワクします。

この幸せ…いつまでも…

 

私は、彼の前で、手を合わせた。

そうしたら、彼も、手を合わせた。

 

私達、同じ事、願っている。

恋の神様…聞いてくれていますか?

 

()の晩、博麗神社に相談者が訪れたのは、言う間でも無い。




えっと、どうだったでしょうか。
いやー、ハッピーエンドで良かったです!(*´˘`*)♡

次回予告をしてしまうと、「残響は鳴り止まず」とかになるのかな…
ご期待下さい!!!

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