東方唄夢幻 〜幽閉サテライトの歌に乗せて〜   作:★nuts★ ~アニメとゲームは宝物

9 / 10
残響は鳴り止まず…悲しい失恋ソングですね…!
悲劇のストーリーと"異変の本質"を絡ませながら書いていきます!
原曲的に主人公は紅美鈴です!

えと、「月に叢雲華に風」の時と同じように、
前編は、あまり歌詞の内容を入れないプロローグ部分になります!
ご理解よろしくですヽ( ・ω- )


第4歌 残響は鳴り止まず by紅美鈴
残響は鳴り止まず 前編


私が門番を務める紅魔館。

紅魔館では、毎晩、毎晩、真夜中を告げる鐘が鳴り響く。

でも…どうしてかな。

その鐘の残響は、急に…

私の心の中で鳴り止まなくなってしまった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

居眠りしながらも、一応門番の仕事をしていたあの日。

私は、1人の少年に起こされたんだ。

 

「…あの…すみません。」

 

「ん…何か私に用かな?」

 

「えっと実は…目が覚めたら此処ここに来ていて…俺、こんな所見るのも初めてなんです。

取り敢えず今日だけでも、泊めさせて頂きたい…。無理ですか…?」

(いつぞやのセリフと一緒じゃないか!と思った皆様。これが伏線になるので、気にせずお読み下さい…)

 

「なるほど…でも、この館の主は吸血鬼だからね…

あんたのような人間が住まうのは危険かもしれない…」

 

「そうか…解りました。」

少年は肩を落として、くるりとあっちを向くと、トボトボと歩き出した。

 

だけど…私はその少年を引き止めた。

私には、泊めさせてあげる事が出来ない、助けてあげられない、って解ってた。

でも何でだろう、彼の為にできる事を頑張って見つけようとしている自分がいた。

気を使う程度の能力、ってこういう意味じゃないのに…

 

「ちょっと待って!」

 

少年は歩みを止め、此方(こちら)に背を向けたまま聞く。

「…何でしょうか?」

 

「幻想入りしたばかりの人間が、こんな夜に外を歩いているのは危険すぎる…

手伝える事があれば、何でも言ってよ。案内でも、家探しでも、何でもやるから…」

 

「本当ですか?ありがとう。なんか、色々心配かけちゃってすまない…」

少年はクルリと私の方に向き直すと、軽くお辞儀をした。

 

「ううん、全然大丈夫よ。」

…なんて言葉を返していたが、実際の所、私は混乱していた。

とにかく、彼の身の安全は守ってあげたいけれど、

すぐに誰かの家に泊めさせてあげる事なんて不可能だろう。

どうすればいいのかも解らずに、無責任に「手伝う」なんて言っている自分が変に思えてくる。

 

その時だった。

 

「美鈴ー!一緒に遊ぼーよ!…ん?その子は?」

 

夜になって活発化した妹様が、外の庭に遊びにきていた。

少年の事にも気づいたようだ。

 

「えっと、この子は…知らない内に幻想入りしていたという人間なのですが…

泊まる所が無いという事で、今、少し話していまして…。」

 

「えー?此処(ここ)に泊まればいいじゃん!」

 

「ですが…妹様もお嬢様も、吸血鬼という種族ですし…。」

 

「私はお友達か他人かの判別も無しに無闇に血を吸う吸血鬼じゃないから、大丈夫だよ!

私もお姉様も、咲夜とか、あの赤い霧の時に出会った霊夢や魔理沙の血は吸った事無いし…!」

 

「確かに…よく考えてみればそうですね…!」

 

「もう、私の事、もっと信頼してよね!

あの時に狂ってたのは、ただ単にずっと閉じ込められてたからなんだから!」

妹様は、頬を膨らませて少し怒ると、少年の方を向いた。

 

「今日からよろしくねー!なんて呼べばいいー?」

 

「……。」

急に妹様から話しかけられたからか、こちらで話を勝手に進めていってしまったからか、

彼は黙り込んでしまった。

 

「…大丈夫ですか?」

彼の肩をポンと軽く叩き、声をかける。

 

すると、彼はボソッと呟くように言った。

「いや、その…俺、実は、自分の名前覚えて無くって…」

 

「そーなんだ…。ねえ、じゃあさ、名前、美鈴が付ければいいじゃん!」

 

「えぇ?私が…?」

 

「うん!だって、この子と1番最初に会ったの美鈴だから!」

 

「まあそうですけど…その、この子が私の付けた名前を気に入ってくれるか心配で…」

 

急に幻想入りした彼にとって、「自分の名前」というのは、自分の存在を示す大事なもの。

彼自身も誇りに思えるようなそんな名前を付けてあげたいが、

ネーミングセンスにはあまり自信が無い私が、

彼に良い名前をつけてあげる事ができるか、何だか不安だったのだ。

 

「ねぇ、美鈴。"咲夜"っていう名前の名付け親は、お姉様だったでしょ?」

 

「はい、そうですが…。」

 

「後から聞いたんだけど、お姉様も、名前を付ける時に色々不安だったんだって。」

 

「お嬢様も…?」

 

「うん。だから、最初は美鈴に名前を付けるのを頼もうか、とも思ったらしいわよ。」

 

「そうなんですか…。」

 

「でも、やっぱり自分が名付け親で良かったって言ってる。

そのお陰で、今のお互いに強く信頼しあえる関係が成り立っているのかもしれない、

やっぱり自分の付けた名前で呼ばれている子が成長していく様子は微笑ましい、って…。」

 

「なるほど…。」

 

「だから、美鈴も自信持って!この子に、素敵な名前付けよーよ!」

 

「そうですね!考えてみます!」

 

すると、また少年は此方(こちら)へ軽くお辞儀をした。

「…名前…考えてくれるんですか?本当に…ありがとう。」

 

「いえいえ、なんせ私は、あんたが幻想郷という世界で初めて会った人。

私から見ても…初めて「名前」というものを付ける大切な人よ。

絶対に、あんたらしい素敵な名前を考えてみせる!」

 

「ふふ。美鈴、乗り気だねー。」

 

「はい!妹様も、励ましてくれて、ありがとうございます!

あ、咲夜に、彼の食事と寝る場所を提供するように頼んでおいて下さい!」

 

「オッケー!お姉様にも、この子の事、伝えとくね!ほら、行こ行こ!」

 

妹様は、彼の手を引いて、館の中へと駆け込んで行った。

 

 

「よし、頑張るぞー!」

 

彼の名前を考える事への妙なやる気は、妹様の励ましだけが原因では無い事に…

まだ、私は気づいていなかった。

 

私の心のなかでは、既に、鐘の音が響き始めていた…。

 

 

 

 

場所は変わって、白玉楼。

薄桃色の髪をした少女が、扇子を仰ぎながら、何か独り言を言っていた。

 

「紫が、私の為に異変を起こすって言ってたけど…

一体どういう事なのかしらね、楽しみだわ。」

 

「…そういえば…、最近、自分から自分の命を無くして

此処(ここ)に来る人が少し減ったって、妖夢が言ってたわね…」

 

「なんでそんな事を私に言う必要があるのかしら、

最近、妖夢も何だか可笑しいわね、可愛いから別に良いけど。」

 

少し微笑んだ後、その少女はふと扇子を閉じて、空を見上げた。

 

「…私は一体…なんで亡霊になったのかしらね…

紫に聞いても、"そんなの知る訳ないじゃない"の一点張りだし…」

 

「ま、気にしなくていっか。今は今だものね。」

 

少女は扇子を片付け、布団を被ると、ゆっくりと眠りについたのであった…




えっと、どうだったでしょうか。

…この曲、歌詞が、失恋した所から始まるので、前置きが結構長くなりそうです…!
なんだかシチュエーションがネタ切れしそうなので、
何か恋愛系で良いシチュエーションとか行動とかあったら教えて下さい!w

感想・評価下さると嬉しいです!(*>∀<)
曲のリクエストはいつでも受け付けてます!!!

今のところ、「残響は鳴り止まず」の後は、
今3票入っている「カフカなる群青へ」になる予定です!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。