ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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タイトルを見て頂ければわかる通り、プリキュア作品でも数少ない戦闘員たちの登場です
ぶっちゃけ、世界中って言ってるだから、日本の他の場所に出てもおかしくないよね?!、って思って出しちゃいました♪

時系列的には、ハートキャッチアニメ本編終了後、今作では、ももかたちにカミングアウトした後になります

それはともかく、本編どうぞ


オリジナルストーリー編
新たな敵?!黒タイツにサングラスの「チョイーッ!」な奴ら!!


砂漠の使徒の侵攻を防ぎ、砂漠の王(デューン)の憎しみを浄化してから一年と数か月。

三年生になった菖たちは、それぞれの毎日を、少しばかりあわただしく過ごしていた。

特に、菖とゆりは翌年は大学生ということもあり、受験勉強に多くの時間をとられていた。

とはいえ、二人とも元が優秀である上に、親が大学の教授ということもあり、試験ではなく、推薦入試を狙っているような状態になっている。

ちなみに、学部は違うが、二人とも同じ大学に進学する予定だ。

なお、つぼみとえりか、いつきに至っては、高等部までエスカレーターなので特に試験はない。

 

閑話休題(それはともかく)

 

そんなわけで、今日ものんびりと、植物園で優雅なティーパーティーが開かれていた。

 

「いやぁ……ここ最近は、ほんとに平和っしゅ……」

「とはいえ、何かしらの事件は起きるけどね……」

 

えりかがだらしない顔でつぶやく中、いつきは苦笑を浮かべてそう返した。

何かしらの事件、というのは、プリキュアたちがいままで倒した敵が力を蓄え、再び襲撃してきたり、何かしらの理由で、封印されていた闇の勢力が復活し、世界を滅茶苦茶にしようとしたりしたことで、いずれも、プリキュアオールスターズと守護騎士が戦い、解決してきた。

そしてなぜか、いつもその時期になるといままで出会ったことのないプリキュアと出会うのだが。

 

「たしかに、ここ最近は平穏そのものだな」

「そうね……一年前が少し懐かしくなるくらい」

「でも、わたしはこれでいいんだと思います……みんなとこうして、ゆっくりくつろげる時間が大好きなので」

 

ティーカップを片手に、つぼみはそう返した。

その姿は、どこかゆりに似て、清楚な印象さえ受ける。

一年前から、ゆりに憧れを抱いていたため、少しずつ、ゆりに印象が近づいているのだろう。

 

――ほんと、一年で人間って変わるもんだよなぁ……

 

そんなつぼみと、つぼみの隣で同じようにティーカップを片手に紅茶を飲んでいるゆりを眺めながら、菖はそう思った。

その瞳が、どこか慈しみと愛情をたたえているように感じたのは、コロンと少し離れた場所に腰かけている薫子だけだった。

 

ふと、コロンの耳が何かを感じ取ったかのように、ひくり、と動いた。

同時に、キュアフルミックスを飲んでいたシプレたちも、びくっ、と体を大きく震わせ、コッペも視線を別の方向へ向けた。

その異変に気づいたつぼみたちは。

 

「ど、どうしたんですか?シプレ!」

「コフレ、どしたの?」

「ポプリ?」

「コロン、何かあった?」

「……コッペ?」

 

それぞれのパートナーに問いかけた。

だが、妖精たちは、わからない、と首を横に振った。

 

「わからない……わからないけど……」

「何か、嫌な気配を感じるですぅ!」

「砂漠の使徒じゃないけど、闇の気配ですっ!」

「新たな敵かもしれないでしゅっ!」

 

妖精たちのその言葉を聞いたつぼみたちは当然。

 

「みなさん!」

「おっしゃ!行くっしゅ!!」

「うん!」

「そうね、いずれにしても放っておくわけにはいかないみたいだし」

 

と、すっかりやる気全開になっていた。

菖もまた、言葉に出してはいないが、つぼみたちと同じ気持ちだった。

 

----------------------------

 

菖たちは、妖精たちの案内で闇の気配が強く感じる場所へと向かっていった。

そこは、つぼみが最初にキュアブロッサムに変身した公園だった。

だが、そこはいつもの公園ではなかった。

なぜか、遊具やベンチにはカビが生えており、黒タイツにサングラスをかけた謎の集団が、チョイ、チョイ、という奇声を上げながら、何かの作業をしていた。

 

「なるほど?たしかに、砂漠の使徒じゃないけど……」

「味方、というわけでもなさそうね」

「ど、どうしましょう?!」

「どうしましょうもこうしましょうもないっしゅ!」

 

四人があぁでもないこうでもない、と口論している間、菖は周囲を見回していた。

どうにも腑に落ちない。

これだけの規模のカビを、言っては悪いがどう見ても日曜日の朝に放送している特撮ヒーローの下っ端戦闘員のような連中が発生させたとは考えられない。

どこかに、彼らを統括している存在がいるはず。

それを探しているのだ。

すると、公園のベンチに、まるで昼寝でもするかのように寝そべっているシルクハットの男がいた。

 

「んぅ?……まったく、騒々しいですぞ。いったい、なんですかな?君たちは」

「そういうあんたは何者なんだよ、おっさん」

「おっさ……んんっ!まぁ、いいでしょう。吾輩はナマケルダ。幻影帝国の幹部というやつですな。見知りおかなくて結構ですぞ、面倒ですからな」

「なるほど……話し合いの余地も、なさそうだな?」

 

菖はナマケルダと名乗った男と話している間に、自分を取り囲んでいた黒タイツたちを見て、彼らが話し合いの余地すらない、敵対勢力であることを悟った。

それは、つぼみたちも同じらしく。

 

「「菖/さんっ!」」

「久しぶりにやるっしゅ!!」

「いきましょう!菖さん!!」

「……しか、なさそうだな!!」

 

ココロパフュームとココロポッドを手に、臨戦態勢に入っていた。

菖も、ポケットから指ぬき手袋を引き抜き、左手につけた。

 

「「「「プリキュアの種!いくですぅ/ですっ/でしゅ/ぞ!」」」」

「「「「プリキュア!オープンマイハート!」」」」

「心力開放!ユグドセイバー、スタートアップ!!」

 

一年ぶりになるその言葉を口にした瞬間、五人の体は光に包まれた。

光が収まると、そこには変身した五人の姿があった。

 

「大地に咲く、一輪の花!キュアブロッサム!!」

「海風に揺れる、一輪の花!キュアマリン!!」

「陽の光浴びる、一輪の花!キュアサンシャイン!!」

「月光に冴える、一輪の花!キュアムーンライト!!」

「大樹の騎士!ユグドセイバー!!」

『ハートキャッチ!プリキュア!!』

 

五人が名乗り、ポーズを決めると、黒タイツもナマケルダも唖然としていた。

なぜなら。

 

「ぷ、プリキュアですとぉっ??!!聞いておりませんぞ、この街にもプリキュアがいようとは!!」

 

どうやら、ほかの街に攻め入った時、プリキュアに撃退された経験があるらしい。

そのため、プリキュアはいないだろう、と踏んでいた希望ヶ花市にやってきたのだろうが、まさかそこにもプリキュアがいるとは想定外だったようだ。

 

「くっ!……わざわざプリキュアを相手するよりはましかと思って遠出してみればこれですぞぉ……まったく、面倒事が多くてかないませぬなぁ!」

「だったらこなきゃよかったのに……ま、一分でそう思うことになるだろうけど」

「……なんですと?」

 

菖のつぶやきに、ナマケルダがぽかんとしつつ、そう返した。

ナマケルダの反応が返ってくるやいなや、ブロッサムたちは一斉に動き出し、黒タイツ軍団を蹴散らし始めた。

全員、戦闘は一年ぶりとはいえ、その動きにはまったくさび付きを感じさせなかった。

特に、ムーンライトとブロッサムは背中合わせであるにも関わらず、言葉も視線も交わすことなく、互いに互いをカバーし、見事な連携を見せていた。

 

「って、ブロッサムとムーンライトすごっ?!」

「いつの間にかあんな動きを……って、マリン!!」

「うぇ?!」

 

二人の華麗な戦いに見とれてしまったマリンに隙が生じ、黒タイツたちが一斉に飛びかかってきた。

だが。

 

「サンフラワー・イージス!!」

『チョイーーーーーーーっ??!!』

 

マリンと黒タイツの間に、ひまわりの形をした光の盾が割って入ってきたため、黒タイツたちはマリンを襲うことができなかった。

すかさず、マリンが反撃とばかりに。

 

「マリン・ダイナマイト!!」

 

心の花の力で周囲に衝撃波を作り上げ、襲ってきた黒タイツたちを一気に吹き飛ばした。

 

「ありがとう、サンシャイン!」

「油断大敵だよ?マリン」

「あははは……って、そういえば、セイバーは?!」

 

この場にいるはずのもう一人の仲間が見当たらないことに気づいたマリンとサンシャインは、周囲を見回した。

ふと、ある場所に探していた影があったのだが。

 

獅吼散花(しこうさんか)!!」

 

心の花の光を右手に集中させ、地面にたたきつけていた。

その瞬間、マリン・ダイナマイトと同じように周囲の黒タイツたちが吹き飛び、セイバーが立っている場所が少しばかり窪んだ。

 

「……うへぇ……新技だよね、あれ……」

「さ、さすがセイバー……ってことかな?」

 

戦闘スタイルそのものが違うため、ハチャメチャなのは知っていた。

だが、まさか先輩プリキュアの一人のように、自分の足元に小規模なクレーターを作るような技を持っていたということまでは知らなかったようだ。

さすがのサンシャインも苦笑を浮かべていた。

 

「まったく……いくら海外で荒事が多いからって、これはないでしょう……」

「な、直るんでしょうか?」

 

いつの間にか、黒タイツたちを片付けたムーンライトとブロッサムが合流した。

セイバーのやらかした光景に、ムーンライトは呆れたようなため息をつき、ブロッサムは苦笑を浮かべて、修理できるのか不安を覚えていた。

 

「まぁ、その辺はうまくやるさ」

「あら、おかえりなさい。楽しかった?」

「た、戦いが楽しいって……ムーンライト……」

「いや楽しんでるわけないでしょ……」

「あら、ごめんあそばせ♪」

 

明らかにからかっているようなムーンライトの口調に、セイバーはため息をつきはしたものの、それ以上の追及はしなかった。

言っても無駄、ということを経験から知っているからだ。

何より、今は集中すべき相手が目の前にいる。

 

「宣言通り、一分だったな……で、どうする?Mr.ナマケルダ」

「このまま続ける?それとも……」

「まだ続け()る?」

「もちろん、手加減なんてしないけれど」

「決めるのはあなたです!」

 

びしぃっ!、という効果音が聞こえそうな体勢でナマケルダを指差したブロッサムが、そう言い切ると、ナマケルダはシルクハットを目深にかぶり。

 

「どうやら、これ以上は面倒なことにしかならないようですぞ……吾輩はこれにて退散させていただきましょう!」

 

ありていに言わずとも、逃げることを選んだナマケルダは、瞬間移動でその場を離れていった。

その逃げ足の速さに、今度はブロッサムたちが啞然としていた。

 

----------------------------

 

その後、公園のあちこちに発生していたカビがなくなり、セイバーが作ったクレーターもなくなると、何事もなかったかのように公園は賑やかさを取り戻した。

だが、変身を解除したつぼみたちは、依然としてすっきりしない顔をしていた。

 

「これは……もしかして?」

「もしかしなくても、でしょ」

「まさか、新たな戦いが始まるということでしょうか……?」

 

本来、戦うことを好ましく思っていないつぼみが不安そうにそうつぶやくと、ゆりがそっと彼女の肩に手を置き、菖もつぼみの頭をそっとなでた。

 

「それはわからないわ。けれど」

「あぁ……一方的にやられるわけにもいかないから、戦うしかない」

 

本当はそうならないことが一番なんだけど。

その言葉を飲み込み、菖はそっとため息をついた。

もっとも、その願いはいとも簡単に踏みにじられることになるのだが、それを知るのは、しばらく未来()のことだった。




あとがき代わりの後日談(スキット風)

~翌日~
ももか「そんなことが……」
明「てことは、また一年前みたいなことになるかも、ってことか?」
菖「さぁな?」
ゆり「それはわからないわ」
君尋「まぁ、何かあれば、言ってくれ」
静「力になれるかもしれんしな」
さくら「こういう時こそ、助け合いだよ!」
小狼「そうだな」
ひまわり「うんうん♪」
菖、ゆり「「……ありがとう、みんな」」
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