ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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というわけで、オリジナルストーリー第二弾
今度はタイトルの通りです
もっとも、被害者の描写は一切出しませんが(-▽-;

ともあれ、まずは本編どうぞ


今度の敵は「サイアーク!」な奴?

幻影帝国と名乗る、新たな敵が出現してから一週間が経過した。

ひとまず、今のところは幻影帝国の攻撃はなかったが、それでも気を抜くことはなく、つぼみたちはパートナー妖精にはカバンに潜んでもらい、いつでも変身できるよう臨戦態勢を整えていた。

もっとも、毎日幻影帝国からの攻撃があるわけではないし、現にこの一週間、彼らが攻撃を仕掛けてきた、ということは一度もなかった。

とはいえ、油断はできない、ということを一年前に経験しているため、メンバーの中で一番だらしないことに定評があるえりかですら、どこか引き締まった表情をしていた。

 

閑話休題(まぁ、それはそれとして)

 

そんな中であっても、菖は相変わらず、伝承や遺跡の調査結果、あるいは考古学に関する論文を読み漁っていた。

砂漠の使徒の一件から、菖は単なる興味本位だけでなく、どうすれば価値観の違う、文化が異なる人間が共存できるのか。そのヒントを探りたい、という明確な目的ができた。

その目的のため、追い求めたい夢のために、菖は本格的に考古学を勉強したいと望むようになっていた。

 

だが、いま菖がいる場所は、以前、ナマケルダと名乗った幻影帝国の幹部が惰眠をむさぼっていた公園のベンチだった。

俗に、二度あることは三度ある、という。

菖が居合わせたその場所に、再び幻影帝国の幹部が訪れるなど、予想だにしなかった。

 

「……ちっ!まさかこんなところに人がいるとは思いませんでしたぞ!!」

「あいにくと、こんな町でもそれなりに若者はいるもんでね……なんだ、あんたか、シルクハットの紳士(ジェントルマン)

 

苛立たしそうな声を聞き、菖は同じような態度で返した。

そこにはなんと、一週間前に出会ったシルクハットの紳士(マッドハッター)がいた。

 

「おや?どこかでお会いしましたかな?……まぁ、どちらにしても関係はありませんな。チョイアーク!!」

『チョイーッ!!』

 

マッドハッター、ナマケルダがそう叫ぶと、黒いタイツで全身を包んだサングラスの人物たちがどこからか現れた。

その光景に、やはりな、と思いながら、菖は制服のポケットから指ぬき手袋を引き出し、左手につけ、胸の前で左拳を握った。

 

「心力解放!ユグドセイバー、スタートアップ!!」

 

その叫びが響いた瞬間、菖の体が光に包まれた。

光の中で、菖の姿は制服から、マントをまとった姿へと徐々に変化していった。

ものの数秒で光は収まり、それまで光に包まれていた場所に、変身を終えた菖が姿を現した。

 

「大樹の騎士!ユグドセイバー!!」

 

腰に差した剣を引き抜くことなく、セイバーはマントを翻し名乗った。

その姿に見覚えがあったナマケルダは、苛立たし気に頭を掻き。

 

「まったく!よりにもよってまたあなたですか!しつこいですぞ!!」

「俺からすれば、お前さんのほうがしつこいけどな!」

 

堪えるが早いか、セイバーは腰の剣(エターニアハート)を引き抜き、向かってきたチョイアークたちを相手に、ちぎっては投げの大活劇を披露した。

さすがに、チョイアーク(戦闘員)程度では相手にならないことを悟ったのか、ナマケルダはある種の切り札を出してきた。

 

「まったく……情けないですぞ!これでは切り札を切るほかないようですな」

「切り札?」

「そう、切り札ですぞ!……サイアーク!!」

 

ナマケルダがそう叫んだ瞬間、背後から先ほどまで戦っていたチョイアークたちを十倍ほどにした大きさの黒タイツが姿を現した。

 

「でかけりゃいいってもんじゃないだろうに……」

「ですが、体格の差は戦闘力の差でもありますぞ!やってしまいなさい!!」

「サイアーク!!」

 

ナマケルダが号令を出すと、サイアークと呼ばれた巨大な戦闘員はセイバーにむかって拳を振り下ろしてきた。

それに対して、セイバーは何もせず、ただサイアークを見上げているだけだった。

勝った。

その瞬間、ナマケルダはそう思った。

だが、ナマケルダは忘れていた。

セイバーはなにも一人で戦っているわけではない、ということを。

 

「サンフラワーイージス!!」

「「プリキュア!ピンク/ブルーフォルテウェーブ!!」」

 

サイアークの拳が振り下ろされた先に、光のひまわりが出現した。それと同時に、ピンクと青の光の花がサイアークに激突した。

そして。

 

「プリキュア!シルバーフォルテウェーブ!!」

 

銀色の花がサイアークの頭上から落ちてきた。

 

「な、な……」

「遅かったな、みんな」

 

連続して行われたプリキュアたちの攻撃に、ナマケルダが驚愕する一方で、セイバーは薄い笑みを浮かべて彼女たちにそう語りかけた。

 

「遅かったな、じゃないっしゅ!!」

「怪我してない、セイバー?!」

「大丈夫ですか?!」

「遅くなってごめんなさい……というか、わかってて避けなかったでしょ、いまの」

「ばれた?」

 

ムーンライトからの問いかけに、セイバーはいたずら小僧のような笑みを浮かべて返した。

実のところ、セイバーは、もうそろそろ彼女(ムーンライト)たちが来るのではないか、となんとなく感じていた。

それはもはや長年の経験からくる勘だった。

だが、セイバーの、いや、春川菖という青年の勘はめったなことでは外れない。

だからこそ、動かずに、遅れてくることになるプリキュアたちに見せ場を作ろうとしていたわけだ。

とはいえ。

 

「でも、危ないことはしないでください!」

「心臓、止まるかと思ったわよ」

「あぁ……はい、ごめんなさい」

 

セイバーに恋心を抱いているブロッサムとムーンライト(二人)は、やはり心配したらしく、そのままお説教に入ってしまっていた。

さすがに、セイバーもこればかりは自分に非があるとわかっていたため、反論することなく、素直にお説教を受けていたのだが。

 

「ぐぬぬぬ……吾輩をよそにおしゃべりとはいい度胸ですぞ!サイアーク!!」

「サイ……」

 

むろん、自分たちをほったらかしてお説教タイムに突入しそうになっていた瞬間を見逃さなかったナマケルダは、サイアークに攻撃を命じてきた。

だが、簡単に攻め入る隙を与えるほど。

 

「プリキュア!シャイニング!!」

「「フォルテッシモ!!」」

「「ツインフォルテウェイブ!!」」

 

ブロッサムたちとセイバー(ハートキャッチ組)は甘くはない。

それぞれの合体技を一斉にサイアークにぶつけ、一気に浄化してしまった。

あまりのその早業に、ナマケルダは。

 

「……なっ……くっ!やはりここの侵略は諦めるしかなさそうですぞ!!」

 

撤退を選択した。

ナマケルダが撤退すると、辺り一面に生えていたカビが一斉に消滅し、元の風景に戻った。

 

「やれやれ……ほんとに砂漠の使徒みたいなやつだな」

「そうね……けれど、敵の幹部が彼だけとは限らない」

「それに、またわたしたちの友達を狙ってくる可能性も……」

 

ナマケルダが撤退し、元に戻った風景を眺めながら、セイバーがそう呟くと、ムーンライトとブロッサムは今後、より戦いが激しくなっていくのではないか、という懸念を口にした。

なまじ、大いにあり得ることであるだけ、セイバーも気休めを言うことができず、沈黙してしまっていたが。

 

「大丈夫!」

「わたしたちが力を合われば、きっとみんなを守ることができるよ!」

 

底抜けに明るいマリンと、太陽の力を持つサンシャインが三人の不安を吹き消すように明るい笑みを浮かべながら、そう語りかけた。

二人のその言葉と笑顔に、ブロッサムとムーンライト、そしてセイバーは頷き、再び、戦いに身を投じる決意を固めたのだった。




あとがき代わりのその後の話(スキット風)

~お説教は続くよ~
ゆり「だから……」
つぼみ「もう、無茶なことは……」
菖「……はい……」
えりか「あらら~……まぁだやってるっしゅ……」(-□-;
いつき「途中で切り上げちゃったからね、仕方ないんじゃないかな?」(-▽-;
えりか「ん~、けどあたしだったら何かスイーツごちそうしてくれたら許しちゃうけどなぁ~?」
コフレ「えりかは食い気ばっかりですっ!」
コロン「にしても……ちょっと長いかなぁ……」(-▽-;
菖「(……というか、連絡のしようがなかったんだから、理不尽といえば理不尽だよなぁ、このお説教……)」
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