ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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三日連続投稿~……いや、よくやるよほんと……
ハピネスチャージプリキュアの最終決戦時と同じ時間軸と思っていただければ
実質的に、次回がオリジナルストーリーの最終回……の予定です
とはいえ、しばらく先になりそうですが……

まぁ、とりあえず本編どうぞ
……あぁ、例によってあとがきはございませんので悪しからず


どうしましょう?!巨大隕石、接近です!!

ゆりの家族を植物園の温室に避難させてから町へ戻り、マリンとサンシャインと合流したセイバーは、二人とともにムーンライトとブロッサムを探し、再び町中を駆けた。

やはりというべきか、道中、かなりの数の赤サイアークと遭遇したが、容赦のない三人の攻撃で何もさせないまま撃沈させていた。

 

「けどなんでまたいきなり?」

「クリスマスだってのに、連中、ほんと空気読まないっしゅ!!」

「言ってくれるな……気持ちはわかるけど」

 

マリンがふくれっ面になりながら漏らしてきた文句に、セイバーは苦笑を浮かべた。

プリキュアの面々はなぜかクリスマスを平穏に過ごせたためしがない。

ハートキャッチ組も、クリスマスだというのに砂漠の使徒の幹部二人から襲撃を受けたことがある。

そのため、穏やかに過ごしたいと思っているのにそうさせてくれない相手に辟易していた。

が、文句ばかりも言っていられない。

 

「あ……第二波、来るぞ!」

「あぁ、もう!急いでるのに!!マリン・シュート!!」

「サンシャイン・フラッシュ!!」

「セイバー・ショット!!」

 

セイバーの警告と同時に、三人の前に再び赤サイアークと赤チョイアーク集団が姿を現した。

だが、三人とも慌てる様子はなく、出てきた瞬間を狙って遠距離攻撃で撃退してしまった。

ほとんど出番がないようでかわいそうに思えてくるのだが、今回の彼らは物量作戦で攻めてきているらしく、あとからあとからぞろぞろと出現してきていた。

 

「あぁ、もう!こいつらまじでなぁ!!」

「あとからあとから……」

「しつこいっしゅ!!」

 

ちぎっては投げしながら文句を言う三人であった。

だが、文句を言ったからといって、攻撃の手を緩めるチョイアークたちではなかった。

仲間がやられていることを全く気にする様子もなく、まるで怒りで我を忘れた巨大ダンゴムシのように休む間もなく攻め立ててきた。

そんな彼らをいなしながら、サンシャインはなぜか違和感のようなものを覚えた。

 

「けど、なんか変じゃないかな?」

「変って、なにが?」

「いつもなら、幹部の誰かがいるはずだけど、今回に限ってその気配がない」

「あ~、幻影帝国が倒れたからいよいよ黒幕登場ってところだからじゃないか?」

 

幻影帝国が倒されたことは、先日、まりあといおなが明堂院流道場を訪ねてきたときにちらりと聞いていた。

当面の脅威は去った、と考えていいかもしれない、ということだったが、ミラージュがいうには、自分は意図してクイーンミラージュになったわけではなく、何者かに声をかけられて徐々にクイーンミラージュとしての力に染まっていったらしい。

幻影帝国が倒されたいま、その黒幕がいよいよ動き出したということのようだ。

 

「な、なるほど……黒幕がいたとは……」

「って、それめぐみたちから言われてなかった?マリン」

「うぐっ!」

「忘れてやがったな……まぁいい。とにかく、大元はラブリーたちに任せるとして、俺たちは俺たちの町を守ることに専念するぞ」

 

セイバーのその言葉に、二人は気合の入った返事をすると、他に避難できていない人がいないか確認しながら、希望ヶ花に侵攻してきているチョイアーク、サイアークの軍団を蹴散らしていった。

道中、なかなかムーンライトとブロッサムに遭遇しないことに苛立ち始めていたセイバーは、マリンとサンシャインにその場を任せ、再びムーンライトとブロッサムを探しに町の中を走り始めた。

 

数分してようやく、周囲をチョイアークたちに囲まれながらも無双しているムーンライトとブロッサムを見つけ、安堵すると同時に、心配する必要もなかった、とため息をついた。

だが、サイアークが二体、安どしている二人の背後に飛び掛かってきた。

 

「「サイアークッ!!」」

「はっ!」

「しまっ……」

 

あまりに突然の襲撃に、二人は目を固く閉じ、腕を顔の前にかざし、防御姿勢に入った。

が、いつまで待っても、衝撃が襲ってくることはなかった。

恐る恐る、目を開けてみると、そこに飛び込んできた光景は、不思議な文様が描かれた白いマントをはためかせている青年の後ろ姿だった。

 

「セイバー?」

「セイバー、なんですか?」

「ほかに誰が……あぁ、ファントムがいたか……大丈夫、俺だよ」

 

セイバーはなぜ自分の正体が疑われたのかと苦笑を浮かべながら、ファントムではないことを告げた。

だが、どこかまだ疑いの視線を向けてきているムーンライトとブロッサムは、なぜかいくつか質問をぶつけてきた。

 

「マリンの口癖は?」

「海より深いあたしの心も、ここらが我慢の限界よ」

「サンシャインの好きなものじゃなんですか?」

「可愛いもの全般」

「わたしとブロッサムのスリーサイズ」

「ムーンライトは上から……って何言わせようとしてんの?!知らないよ、俺!!」

「本音は?」

「知りたいけど知ったら社会的にも肉体的にも精神的にも殺されそうなのでご遠慮願いたい!」

 

最後に飛び出してきたとんでもない質問に、セイバーは顔を真っ赤にしながら返した。

だが、ここでブロッサムがここでさらなる爆弾を投じてきた。

 

「ならわたしたち以外の女の子だったらどうなんですか?!」

「……ムーンライトとブロッサム以外のスリーサイズ聞いて何になるの?」

「へ?」

「そ、それって……」

「……ん??」

 

意趣返し、というわけではないのだろう。

なぜか自然と出てきたその言葉に、ムーンライトとブロッサムは顔を真っ赤にし、セイバーは首を傾げた。

もっとも、今はそんな茶番をしている場合ではないのはわかっているため。

 

「この話はこの場を切り抜けてから三人だけでじっくりとしましょう?」

「逃げないでくださいね?セイバー」

「……あぁ、もう!どうにでもなれ!!」

 

集まってきたチョイアークとサイアークを蹴散らし始めた。

ちなみに、半ばやけになっているのか、セイバーはやや八つ当たり気味に攻撃していた。

それから数十分して、チョイアークもサイアークも姿を見せなくなったころ。

三人は異様な威圧感を感じ、上空を見上げた。

そこには、かつて砂漠の使徒が居城としていた惑星、惑星城よりも巨大に見える赤い惑星が見えた。

 

それだけ大きく見える理由はただ一つ。

惑星城の時とは違い、この赤い惑星は地球に衝突することも厭わないほど接近しているためだ。

当然、三人の心には焦りと不安が芽生えた。

 

「こりゃまずいな……」

「えぇ……どうしたものかしらね」

「ハートキャッチオーケストラでどうにか……できるでしょうか?」

 

さすがに不安になったブロッサムはそうつぶやいた。

一言で言えば、難しい。

どうにかできるかもしれないが、その場合の被害は甚大なものになるだろう。

少なくとも、日本列島は無事では済まないし、ユーラシア大陸も半分は消し飛ぶ覚悟が必要だ。

そうなってしまったら、はたしてこの地球上からどれほどの国、生物、生命が消えてしまうか。

想像しただけでも背筋がぞっとする。

 

そんなことはとうてい許せるはずもないが、自分たちにはどうしようもできないこともまた事実だった。

それをわかっているのか、セイバーはため息をついた。

 

「ここは、ラブリーたちにどうにかしてもらうしかないか」

 

本来、サイアークやチョイアークはぴかりが丘で戦うキュアラブリーたち、ハピネスチャージプリキュアが戦う相手だ。

ならば、この事態をどうにかできるのは自分たちではなく、ラブリーたちではないだろうか。

他力本願なことこの上ないが、実際問題、セイバーたちにできることは、地上に湧いて出ているチョイアークたちを浄化して、一人でも多くの人を避難させることだけだった。

 

それから数十分後。

禍々しく輝いていた赤い惑星から光の粒が降り注いできた。

それと同時に、赤い惑星は徐々に緑色に染まりながら、小さくなっていった。

どうやら、地球から離れていっているようだ。

 

その様子を見たセイバーとムーンライトは、どうにかなった、と確信した。

その証拠に、チョイアークたちに破壊された街並みは本来の姿へと戻っていた。

自然と、三人は互いに視線を向けあい、笑みを浮かべていた。

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