ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
いや、ぶっちゃけね、出したいキャラが一人、いるんですよ……オリキャラで。
まぁ、誰かと同じく、想いの力で変身する、プリキュアと同年代の少年ってしたいんだけどねぇ……
どうしよう、いや、まじで……
あ、今回もあとがき代わりはありませんのでご容赦を。
横浜市の沿岸部。
休日でにぎわうその場所は、透き通るような青空が広がっていた。
だが、その空を突如、暗闇が覆いつくした。
《我が名はフュージョン!すべてを破壊し、世界を闇に染める!!》
突然、空から声が響いてくると、今度は町のいたるところで爆発が起きた。
あまりに突然の出来事に、人々はパニックになり、あたりには悲鳴が響いてきた。
だが、爆発だけで終わりではなかった。
まるで有名な怪獣映画のワンシーンのように、海から突如、巨大な恐竜のような化け物が出現したのだ。
怪獣はその口を開き、町に向かって炎を吐き出した。
おしまいだ。誰もがそう思った次の瞬間。
「すべてを貫け!
凛とした青年の声が響くと、吐きだされた炎にいくつもの青い光が向かっていった。
光と炎がぶつかり合い、大爆発を起こした。
爆風が収まり、視界が晴れると何かを見つけたのか、誰かが驚きの声を上げた。
「お、おい見ろ!観覧車のゴンドラに誰かいるぞ!!」
「人?……女の子だ!!」
「一人じゃない、二人、三人……いや、もっとだ!!」
観覧車のゴンドラの上には、確かに、派手な衣装をまとった少女たちが立っていた。
その数はゆうに十人を超えていた。
「おぉ、間違いない!あれは!!」
「知っているのか?!」
「世界が闇に覆われるとき、現れるという伝説の戦士……」
プリキュア。
誰かがその名前を言った瞬間、プリキュアたちはゴンドラから飛び出し、フュージョンと名乗った怪獣へと向かっていった。
当然、怪獣も抵抗し、次々に炎を吐きだした。
しかし、その炎をことごとくを打ち破る、白い戦士がいた。
時には青い光を放つ弓を、時には緑の輝きをまとう刃を、時には黄色の光をまとう手甲を、そして時には紅蓮の炎を放つ大剣を操り、次々に炎を打ち破っていった。
それでも、それはあくまでもフュージョンの攻撃からここにいる人々を守っているだけ。
フュージョンはまだ、健在だった。
「……っ!!」
人々の中にいた小さな女の子が、恐怖で目をつむった瞬間、フュージョンが放った炎がまっすぐにむかってきた。
だが、女の子は炎に焼かれることはなかった。
なぜなら。
「せいっ!!」
白い戦士の放った一閃に、その炎は引き裂かれたのだから。
女の子は恐る恐る目を開けると、そこには、不思議な紋章が描かれたマントが風にあおられはためいていた。
「……大丈夫か?」
「う……うん……」
マントを着ている青年の言葉に、女の子は恐る恐る答えると、青年は優しい笑顔を浮かべた。
「そっか……危ないから、お母さんのところに行ってな?」
「う、うん!……あ、あの!!」
「うん?」
「お、お兄さんは、誰?」
「俺かい?……俺は、大樹の騎士ユグドセイバー。プリキュアとともに戦う、もう一人の戦士さ」
ユグドセイバー。
それは、プリキュアの伝承に隠された、もう一人の戦士。
人々の心に咲く、心の花とつながり、世界に根付くすべての植物たちを見守る存在。心の大樹と契約を交わし、心の大樹を守護する騎士。
それが、ユグドセイバー。
心の大樹を守護するプリキュアとともに戦う、唯一の少年だ。
「遅いわよ、セイバー」
「そう言うなって。あのでかいのが吐いてきた炎、全部かき消してきたんだからさ」
プリキュアの一人が、遅れてやってきたことに文句を言ってくると、セイバーは苦笑を浮かべた。
要するに、プリキュアたちが気づいていなかったことの後始末をしてきたわけなのであって、文句を言われる筋合いはないのである。
そのことに気づいた何人かのプリキュアは、慌てた様子で謝罪してきた。
もっとも、根っこが優しい人間であるセイバーは特に気にしていないようだった。
「さてと、それじゃ、やりますか!!」
『えぇ!』
セイバーの号令に全員がうなずくと、フュージョンに向けて浄化の光を放った。
十人以上から放たれた光を受けたフュージョンは、さすがに耐えきれず、爆発し、いくつもの欠片を飛び散らせた。
怪物が倒れたことに、人々は歓喜の声を上げ、平穏が戻ったことを喜んだ。
だが、このとき、人々は、いや、プリキュアもセイバーも気づかなかった。
飛び散った欠片たちが、世界の危機を引き起こしかねないほどの大事件を起こしてしまうとは。
そして、その事件が新たなるプリキュアを生み出すことになるとは。