ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
どうにかならんかな、これ……
閑話休題。
というわけで、第二幕。
オリキャラ一名、入ります!でもって、ちと展開が原作と変わります!!
……いや、だって、あゆみちゃん、なんかかわいそうなんやもんさ……
あ、オリキャラ設定は後日出します。
フュージョン騒動から数日が経過したが、いまだ、プリキュアの活躍はニュースで取りあげられていた。
もっとも、その人数の多さのせいなのか、セイバーのことは一切、語られていないのだが。
横浜市のとあるマンションの一室。
ここにも、プリキュアのニュースを聞き、心躍らせる少女がいた。
ブレザーの制服をまとった、亜麻色の髪をふたつにまとめた愛らしい顔立ちの少女は、プリキュアに憧れを抱いていた。
――プリキュア……かっこいいなぁ……わたしも、プリキュアになれたらいいのに……
そんな想いを抱いた少女だったが、すぐに現実に引き戻された。
「あゆみ、そろそろ学校行きなさい?」
あゆみ、と母親から呼ばれた少女の、それまで輝いていた顔は一気に沈みこんだ。
「……学校、行かなきゃだめ?」
「え?」
「だって、知らない子ばっかりなんだもん……」
あゆみは、いや、坂上家はここ最近になってここ横浜に引っ越してきたばかりだった。
中学生のあゆみは、当然、転校となり、新しい学校にはいることになったのだが、いまだなじめず、友達らしい友達もいなかった。
「仕方ないでしょ?引っ越してきたばっかりなんだから……勇気を出して、みんなに話しかけてごらん?まずはそれから、ね」
それができたら苦労はいらない。
心の中でそう反論するが、口に出すことはできず、あゆみは黙ってうなずくしかなかった。
結局、あゆみはしぶしぶながら学校へ行くことにした。
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昼休みになったが、結局、あゆみは誰にも話しかけることができないままでいた。
――あ~あ……誰かに話しかけるなんて勇気、わたしにあるわけないよ……
母親から言われたことを実行しようにも、話しかけるような雰囲気ではなかったり、話しかけることができそうになってもチャイムが鳴ったりと、なぜかタイミングがあわないのだ。
もはや不運とした言いようがない。
そんなわけで、あゆみは一人寂しく、お弁当を食べていたのだが、そんなあゆみに声をかけてくる男子が一人いた。
「やぁ。坂上、だったよね?」
「え?う、うん……」
「はじめまして、の方がいいかな?」
あゆみが声のしたほうへ視線を向けると、そこには同じ優しいまなざしの少年がいた。
たしか同じクラスの人だったはず。
だが、たしかに転校してからこっち、話しかけられた記憶がない。
「俺、
「う、うん……よろしく……え、えっと、それで……」
何か用事があるのだろうか、と問いかけようとした時だった。
湊は、にっ、と明るい笑みを浮かべてあゆみの前にあった椅子に座った。
「坂上。お前もしかしてだけど、この前のテレビ、見ただろ?」
「え?……う、うん……それが、どうかした?」
「実はさ、あの場にいたのはプリキュアだけじゃないみたいなんだ!」
「えっ?!」
湊から突然告げられた衝撃の事実に、あゆみは驚き、悲鳴を上げた。
どうやら、湊はニュースでは報道されていないもう一人の戦士のことを知っているようだ。
「ぷ、プリキュア以外にもいたの?!あの化け物と戦ってた人が!!」
「いた。というか、俺、その人に助けられた人を知ってるんだ」
「うそっ?!ね、ねぇ、どんな人だったの?!」
いつの間にか、あゆみは湊との会話に夢中になっていた。
やがて休み時間が終わり、あゆみと湊は放課後にもう一度話す約束をして、再び授業にいそしむことにした。
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一方、こことは違う場所。妖精たちしか入ることができない空間では、中華街の点心を大量に並べられたテーブルを前に、妖精たちが集合していた。
「ほな、プリキュアの妖精のみなさん!我らがプリキュアとセイバーの勝利をたたえて、そろそろ乾杯しよか!」
「まだみんなそろってないニャ」
茶碗にお茶を注ぎながら、タルトが号令をかけると、ハミィがそれにストップをかけた。
実際問題、この場にはミップルとメップルを始め、何人かの妖精がいない。
彼らを抜きにして勝手に始めるのは、たしかにマナー違反だろう。
だが。
「おいしそうでしゅ……」
「ポプリ!つまみ食いはお行儀が悪いですっ!」
「ちょっと味見しようとしただけでしゅ!!」
「そういうのを、つまみ食いっていうんだよ?」
我慢しかねたポプリがじりじりと点心に近づいていっていた。
が、それをシプレが阻止し、コロンが諫めた。
そんな様子に苦笑を浮かべていると、タルトの手前にあった肉まんがいつの間にか消えていた。
それを見たポプリは同然。
「自分だけずるいでしゅっ!」
「ちゃうて!!誰かが食べたんや!!」
文句を言い出したのだが、タルトは必死にそれを否定した。
すると、タルトの背後から何か音が聞こえてきた。
音が聞こえてきたほうへ視線を向けると、そこにはつまようじで歯磨きをしている不定形状態のフュージョンの姿があった。
もちろん、消滅したはずのフュージョンが再び姿を見せたことに妖精たちは驚愕しないはずがなく。
『あっちいけーーーーーーーっ/ですぅ/ですっ/でしゅっ/ニャ!!』
手当たり次第にフュージョンにむかってものを投げつける、大騒動へと発展した。
やがて、シフォンがフュージョンを蓋つき瓶の中へテレポートさせると、騒動はひとまず収まった。
「けど、なんでフュージョンが……」
「プリキュアとセイバーが倒したはずニャ!」
なぜ、この場に倒されたはずのフュージョンがいたのか。
その疑問を口にし始めた妖精たちだったが、タルトとコロンは冷静に分析し、見解を口にした。
「……きっと、倒れたフュージョンの欠片がまだ残っていたんだ」
「そうなると、他にもいるかもしれへん……こりゃ、のんきにパーティーやっとる場合やないで!!」
かくして、妖精たちはパートナーのプリキュアにこのことを伝え、フュージョンの欠片を探すため、この場を後にした。