ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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ちょっとフライングですけど、まぁ、いいでしょう。
というわけで、ハロウィンネタ。
といっても、終わり方が中途半端ですが。
魔法使いでもやったし、もしかしなくても、ア・ラ・モードでもやるのでは……いや、やるだろうな、ほぼ確実に。
まぁ、それはいいや。本編どうぞ。

あ、ちなみに今回は何人か、中の人ネタでコスプレしてもらってます。
とはいえ、オールスターズの人数が多すぎるので、全員出してたら私の気力が持たないので、このお話では、ハートキャッチ組とドキドキ組、それからア・ラ・モード組のみに限定させていただきます(汗
そのうち、スキットとかで出すかもわかりませんが。
なお、元ネタは以下の通り。

つぼみ→『シャーマンキング』コロロ
いつき→『シャイニング・ウィンド』ゼクティ・アイン
ゆり→『新・光神話パルテナの鏡』パルテナ
菖→『東京レイヴンズ』阿刀冬児(第二封印解放状態)
マナ→『灼眼のシャナ』マージョリー・ドー
六花→『剣と魔法と学園もの。3』クラティウス
ありす→『神撃のバハムート』ヴァンピィ

ありすとえりかに関しては見つからなかったので適当に、真琴は……まぁ、人気のネタから、です。


Happy Halloweenで全員集合?!Trick or Treatはキラパティで!!

「「「「Trick or Treat!!」」」」

「……これから作ろうとしてたんだけど?」

ある休日の昼下がり。菖は突然、目の前にコロポックルに魔女と猫娘、某大乱闘ゲームに登場する女神の口から、ハロウィンでお決まりの合言葉が飛び出してきたため、思わずため息をついた。

なお、この場に来るはずだったもう一人の魔女は、やらなければならないことがあるために来ることが出来なかった。

ちなみに、コロポックルはつぼみ、魔女はいつき、猫娘はえりかで大乱闘ゲームの女神はゆりである。

そして、菖はというと、浴衣の上に羽織りをかたからかけ、額から角がつき出ている鉢金をつけていた。

閑話休題。

「あら、それはごめんなさい」

「す、すみません。わたしといつきとゆりさんは止めたんですけど、えりかがどうしても聞かなくって……」

「ちょっ?!つぼみ、あたしのせいなわけ??!!」

「あら?事実じゃなくて??」

つぼみが菖に言い訳をしていると、えりかが反論してきたが、ゆりの静かな威圧で沈黙してしまった。

「……ま、いいから入って。お茶くらいは出すから」

菖は呆れ顔でそう告げて、さっさと家の中に入っていった。

突然の招待につぼみたち中学生組は困惑していたが、幼さないころからとくお邪魔していたゆりはさっさと玄関をくぐり、家の中に入っていった。

その姿を見て、つぼみたちも慌てて菖の家に入っていった。

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菖に招かれて、つぼみたちはリビングでお茶をごちそうになっていた。

「「はぁ~……おいしいですぅ/っしゅ……」」

「変わった香りのお茶ですね……紅茶、なんですか?」

「この香り……シナモンティーね。それも生姜とダージリンも混ぜてるみたいね」

菖が淹れた紅茶にほっとしたため息をつきながら、つぼみたちは菖がお菓子を完成させるのを待っていた。

「にしても、わざわざハロウィン用にお菓子を作るなんて……菖さん、もしかしなくても意外に凝り性?」

「けどお菓子を作れる男の人って、すっごく素敵です!」

「……褒めてもお菓子以外は何も出ないよ?」

えりかとつぼみのやりとりにツッコミを入れながら、菖はつぼみたちの目の前にお替りの紅茶が注がれたティーカップと完成品第一号と思われる一口サイズのパイを置いた。

「さてと、というわけでいたずらされるのはごめんだから、お菓子をあげよう」

「わ~いっ!」

「「いただきま~す!!」」

「ふふっ、それじゃいただこうかしら?」

なんだかんだ言って、菖の手作りスイーツが大好きなつぼみたちは満面の笑みを浮かべてパイが乗せられたお皿を手に取り、パイを口に運んだ。

「んっ?!これってパンプキンパイ??」

「うわぁ、優しい甘さだなぁ……」

「かぼちゃ本来の甘さが出るようにしっかり過熱して、砂糖を少し抑えめにしてみたんだけど……どうかな?ゆり、つぼみ」

作ったものはハロウィンにちなんでパンプキンパイだったらしい。

口にしてそのことにすぐに気づいたえりかといつきはほっこりとした笑顔を浮かべていたが、つぼみとゆりは黙ったままだったため、菖は思わず二人に直接問いかけてみた。

「……おいしくて、溶けちゃいそうですぅ」

「……あなたって、ほんとに乙女心を粉砕する天才ね……おいしくてダメ出しできないのが悔しいわ」

「ははは、褒め言葉として受け取っておくよ」

ゆりからの言葉に、菖は苦笑を浮かべつつ、そう返した。

なお、出来立てのパンプキンパイをごちそうしてもらったことをえりかから聞いたももかが、後日、菖にパンプキンパイをせがんだことはいうまでもない。

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それから数時間後。

場所は希望ヶ花市から少し離れて、イチゴ坂。

街はすっかり、ハロウィン一色に染まっていた。

「さすが、スイーツの街だな。すっかりハロウィンで染まってらぁ」

「これにはさすがにびっくりね……」

「はい……」

「なんか楽しそう!!」

「うん!!」

菖とゆりが目を丸くしていると、つぼみは二人に同意し、えりかといつきは町の楽しそうな雰囲気に目を輝かせていた。

すると、いつきと同じく魔女に扮した少女がやってきて。

「Trick or Treat!」

と元気よく声をかけてきた。

『……』

突然のトリック・オア・トリートの掛け声に、全員、思考が停止してしまい、思わず無言の上に無表情でその少女に視線をむけていた。

その視線が徐々に怖くなってきたのか、捨てられた子猫のようにぷるぷると震えはじめた。

それでもなお、お菓子をせがもうとするあたり、いい根性をしていると感心してまう。

「……と、Trick or Trea……」

「「……Happy Halloween, マナ」」

「は、Happy Halloween、マナさん」

「「Happy Halloween!!」」

「Happy Halloween!ありがとう!菖さん、ゆりさん、つぼみちゃん、えりかちゃん、いつき~っ!!」

「こらっ!マナ!!また一人で勝手に……あ、つぼみ、みんな!って、菖さんとゆりさん?!」

魔女に扮していたマナに、菖とゆりがお菓子をあげていると、今度は黒い猫耳をつけたメイド服の少女がぱたぱたと駆けてきた。

「よ、六花」

「あら、六花は猫耳メイドなのね?」

駆け寄ってきた六花に気づいたゆりと菖は黒猫メイドのコスプレをしている六花に声をかけた。

もっとも、六花も二人の存在に気づいたらしく、名前を呼んだが、鬼と女神という恰好に、少し驚いているようだった。

「……どうしたよ?」

「いや、菖さんはともかく、ゆりさんがそんな恰好するとは思わなかったので……」

「そう?わたしは気に入っているのだけれど?」

「俺はともかくってなんだよ、六花」

失礼といえば失礼な発言に、ゆりと菖の反応はそれぞれだった。

ちなみに、ドキドキ組はマナとありすが魔女、亜久里がヴァンパイア、六花が猫耳メイドに扮しているのだそうだ。

ちなみに真琴は、ベルトのバックルや緑色の血がにじんでいる頬の傷を再現した化粧から察するに、どうやら、某特撮ヒーローで最終的に不死の存在となっていしまう主人公に扮しているようだ。

「それよか、早く行こうぜ?いちかたちが待ちくたびれてるだろうし」

「そうね」

『はいっ!』

菖の一言で、ハートキャッチ組にドキドキ組の二人が合流する形で、今回の集合場所であるキラパティへと向かっていった。

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キラパティに到着すると、ハロウィンの装飾が真っ先に目に飛びこんできた。

同時に。

『いらっしゃいませ!キラパティへようこそ!!』

ア・ラ・モード組の面々がキラパティの制服姿で出迎えてきた。

が、唯一、普段と違うのは。

「……なぜに獣耳としっぽ?」

「もしかして、変身した後の姿ということかしら?」

「あぁ、さすがに制服を脱ぐわけにはいかないから、獣耳のカチューシャだけだけでもつけようってことになったんだ」

どこからか犬耳のカチューシャをつけたあきらがやってきて、苦笑を浮かべながら説明してきた。

「よ、あきら。お疲れ様」

「久しぶりね、あきら」

菖とゆりがあきらに挨拶すると、あきらは微笑みを深めて返した。

「いらっしゃい。菖、ゆり。つぼみちゃんたちも。ゆっくりしていってね」

「あら、来たのね?」

普段から、高校生同士ということで付き合いのある菖とゆりだけでなく、つぼみたちにも挨拶を忘れない紳士ぶりを見せたあきらの背後から、猫耳としっぽをつけたゆかりが姿を現した。

「うふふ、いらっしゃい♪お菓子はあるから、いたずらはダメよ?」

「だからって、お前がいたずらしていいって理由にはならないからな?ほれ、Happy Halloween」

ゆかりの行動はすでに読んでいる、と言いたそうにため息をつきながら、菖は差し入れ代わりに作ってきたパンプキンパイをゆかりとあきらに手渡した。

「あ、ありがとう」

「あら、残念♪」

パンプキンパイを受け取ったあきらははにかみながらお礼を言い、ゆかりは口では残念といいつつ、その表情と視線はいつ菖にいたずらを仕掛けようか、虎視眈々と狙っているようだった。

そんなゆかりの視線に気づいたゆりは鋭い視線でゆかりを牽制し、つぼみはまるで、菖さんは渡しません、と言っているかのように菖のうでに抱き着いて、ゆかりを睨みつけていた。

「……あのぉ……つぼみさん?」

「……はっ??!!す、すすすすすすすみません!!」

手作りのフキの葉が顔に当たっていたのか、菖がつぼみに何をしているのか問いかけると、つぼみは我に帰り、顔面が真っ赤になり、慌てて菖から離れていった。

その様子を見ていたオールスターズのメンバーは、顔を真っ赤にしていたり、ニヤニヤと笑みを浮かべていたり、嫉妬のまなざしをむけていたり、と十人十色な反応を見せていた。




あとがき代わりのその後の話(スキット風)

~みなさん、落ち付いたあと~
菖「……疲れた……」lll )
いちか「……お、お疲れ様です……」(^^;;
ひまり「し、菖さんが燃え尽きてます……」(0ω0;
シエル「Oh……大丈夫なの?菖」(--;
ゆり「しばらくは立ち直れないでしょうね……ところで、シエル。あなたの恰好は他の皆とは少し違うのね?」
シエル「Oui(ウィ)!Japon(ジャポン)のテレビで見た"鬼"という妖怪よ!」
つぼみ「えっと……なんで、水色の髪の毛でメイド服なんでしょうか?」(^ω^;
えりか「アニメキャラだからじゃない?」('―ω―'
いつき「なんか、菖さんとかぶってるね……菖さんもなんで鬼を選んだんだか……」
ゆり「鬼は人間に一番近い妖怪だから、だそうよ?それに彼、お化粧はあんまり好きじゃないし、かぶりものは蒸れるから避けたいっていってたもの」
えりか「コスプレにそんなこだわりを持ってくるとは……菖さん、わかってないっしゅ……」
いつき「えりか、それは言わないのがお約束」(^^;

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