ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
というわけで、秋というよりも冬に片足突っ込んでる感じですが、スポーツの秋です。
今回は第二話。いよいよ、
まったく関係ないですけど、ハピチャとア・ラ・モードの漫画、衝動買いしてしまいました……これをベースに青神フルボッコなハピチャ小説書こうかしら……
めぐみの提案で突然始まったオールスターズ対抗かくれんぼ大会。
現在、菖と誠司を含めたオールスターズは追われる側と鬼側に別れて、作戦会議に入っていた。
入っていたのだが。
「……正直、言っていい?」
「うん」
「どうぞ」
「……作戦の立てようがなくない?」
菖の抱いた感想の通りだった。
身も蓋もないことを言ってしまえば、これは単なるかくれんぼと鬼ごっこをかけあわせたものだ。
隠れている中学生組を見つけ、捕獲する。ただそれだけなのだ。
「けれど、優先順位を決めることはできると思うわ」
「正面切ってやりあうのもばかばかしくなるのもいるからなぁ……」
正面切ってやりあうのもばかばかしくなるのとは、要するに体力お化けな子たちのことだ。
その筆頭と言えるのが、数々の運動部の助っ人をしている響とマナの二人だ。
二人にばかり集中してしまっては、勝てる試合も勝てなくなってしまう。
「ということは、マナは後回し、ということになりますの?」
「そうなると、響も後回しってことになるわね」
「そういうことよ。むしろ、あの二人と……あとはなお、なぎさをいつまでも相手していたら日が暮れてしまうわ」
亜久里とアコの質問にゆりは、よくできました、と微笑みを浮かべて返してきた。
ゆりに褒められたことがうれしいのか、亜久里とアコはそろって顔を真っ赤にして顔を真っ赤にしてうつむいた。
そんな様子の二人を放っておいて、高校生組と誠司とまりあは作戦会議を続けた。
「なら、体力に自信がなさそうな連中から攻めるか?」
「そうね。つぼみなら格好の獲物になると思うわ」
「あぁ……つぼみの体力のなさはすごいからなぁ……」
ゆりの一言に、菖は苦笑を浮かべた。
その後も、ああでもない、こうでもない、とひとまずのところどうすべきか考えていると。
『時間だ。合図があるまで、所定の位置で待機していてくれ』
という、夏の声がアナウンスされた。
それを聞いた菖たちは立ちあがり、指定された部屋へと向かっていった。
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夏のアナウンスで試合開始が告げられてから三十分。追われる側の準備時間として準備された時間が経過した。
それと同時に、ありすから渡された警報器から、『
なお、配置は一か所につき一人と決めていたのだが、アコと亜久里に関しては体力的な問題を考慮して、アコは菖と、亜久里はあきらと一緒に組んで行動することになった。
「それじゃあみんな。打ち合わせ通りに」
「「「「えぇ」」」」
「押忍!」
「「はい」」
まりあの号令に、七人がそれぞれ返すと、これもチーム同士の連絡用ということで全員に配布されたインカムをつけ、バラバラに配置についた。
だが、その途中で。
「……こちら、菖」
「亜久里ですわ」
「……ゆかりよ」
「「「のぞみ/ラブ/いちかを確保した/しましたわ/わ」」」
三人同時にそれぞれ一人ずつ確保したという連絡が回ってきた。
どうやら、鬼が行動を開始する時間になっても隠れる場所を見つけられず、移動していたところを確保されたらしい。
その証拠に、インカムから聞こえてくる三人の声は呆れ返って何も言えないというような状態だったそうだ。
とにかく、開幕早々、追われる側が三人、待機送りとなってしまった。
ちなみに、のぞみを確保したのは菖・アコチーム、ラブを確保したのはあきら・亜久里チーム、いちかを確保したのはゆかりである。
「……ねぇ、菖兄さん。思ったこと言ってもいい?」
「奇遇だな、たぶん俺も同じこと思ってるぞ」
開幕早々、のぞみを捕まえた菖とアコは、のぞみを待機所送りにしたあと、配置に戻りながら顔を見合わせ、呆れた、といいたそうなため息をついた。
「「こいつら/この人たちのドジっぷりというか間抜けぶり、どうにかならないのかなぁ/かしら……」」
オールスターズの中でもドジっ子で定評があるのぞみとラブ、みゆき、いちかの四人に関しては、開幕して一番早く捕まえることができるとは思っていた。これが、開幕して十分やに十分してからであれば、まだわかる。
だが、まさか開幕して十分ももたなかったということに、さすがの菖とアコも呆れ返ってしまったようだ。
もっとも、今回ばかりは時の運ということもあるので、あまり深く追及するつもりはないようだが。
「……まぁ、気を取りなおして頑張るか」
「ん」
菖のその一言に、アコはうなずいて返した。
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鬼たちが動き始めてから、一時間が経過した。
菖とアコは担当することになった階の廊下にいた。
その瞬間、警報器からピコンという電子音が聞こえてきた。
「……ここのどこかにいるな」
「みたいね……どうするの?兄さん」
菖の隣にいたアコが、菖を見上げながら問いかけてきた。
ひとまずのところ、アコは菖が出した方針に従うつもりのようだ。
「まずは廊下を適当に歩いて……」
「警報器の音が大きくなった部屋に入って探索?」
「その通り」
「わかった」
菖の提案にうなずき、アコはとてとてと廊下にを歩き始めた。
なぜかその背中が少しはしゃいでいるようにも思えた菖は、柔らかな微笑みを浮かべ、アコの後を追いかけた。
しばらくの間、廊下を適当に歩いていると、警報器から小さく電子音が聞こえてきた。
――この周辺にいるようだな……
菖は注意深く耳を澄まして、音源を探した。
どうやら、アコも気づいたらしく、同じように目を閉じて警報器のアラームの音を探していた。
ふと、菖よりもアコの方が早く、音源に気づき、静かに
そして、ちょいちょい、と菖を手招きするようなしぐさをし、ドアノブに手をかけた。
その様子が招き猫のようだなと思ったことは秘密である。
菖はその招きに応じ、ドアの前へ忍び足で近づき、アコのすぐ隣に立った。
すると、アコは空いている手の指を三本立て、ゆっくりと一本ずつ、折っていった。
立っている指がなくなり、拳を作ると同時に、アコは思いっきり扉を開けた。
菖は部屋の中へ入っていくと、先ほどよりもはっきりとアラームが聞こえてきた。
同時に、ぴゃっ、と間の抜けた悲鳴がベッドの下から聞こえてきた。
「……やよい、びっくりしたのはわかるけど、せめて悲鳴出さないように努力しようとか思わないのか?」
菖はベッドに近づき、苦笑を浮かべながらベッドの下にいるやよいに問いかけた。
そこには菖の予想通り、涙目になったいるやよいがいた。
「だ、だって~~~~っ!!いきなりでびっくりしたんですもんっ!!」
「はいはい。ひとまず、やよい、確保な」
やよいからの苦情を無視するように、菖はやよいの手首をつかみ、ベッドの下から引きずりだすと、やよいの警報器に取り付けられている「確保済み」のボタンを押した。
ボタンを押されたやよいは、菖の指示に素直にそれに従い、ベッドの下から出てきて、まっすぐに待機所へと向かった。
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やよいを確保したあと、菖とアコはほかにも隠れているメンバーがいないか、探索を始めていた。
他の階で動いていた捕獲チームの活躍もあり、すでに三分の一のメンバーが脱落した。
その主な要因が、
そのことに、アコは、意外、とでも言いたそうな顔をしていたが、菖とゆりは。
「……成長したなぁ、つぼみ」
『そうね……あの臆病で内気なつぼみが、突然のアラームにびっくりしないんだもの……お姉さん、ちょっと感動だわ』
そんな、妹の成長を喜ぶ兄と姉のような会話をデバイス越しで行っているゆりと菖だったが。
『……噂をすれば、ね』
ゆりの口からそんな言葉が聞こえてくると、デバイスの向こうからアラームが聞こえてきたと同時に、ゆりが走り出す音が聞こえた。
「どうした?」
『見つけたわ、階段よ』
菖が気になって問いかけると、ゆりは短くそう返してきた。
その返答の意図を読み解いた菖は、足早に階段の方へと向かっていった。
「兄さん?」
「ゆりが上の方から誰かを追い詰めてるみたいだから、先回りしてはさみ討つぞ」
わけがわからずついてきたアコは、その道中で菖に何があったのか問いかけようとしてきた。
が、菖はまるでアコが何を聞きたいのか予想していたかのように素早く答えた。
そうしている間にも、菖とアコは階段の真ん前に到着し、下りてくるであろうターゲットを待ち構えた。
すると。
「いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
という悲鳴が聞こえてきた。
悲鳴が聞こえてきた方向へ視線を向けると、涙目になりながらつぼみが降りてきた。
どうやら、ゆりに追いかけられて必死に逃げているようだ。
それも、自分の体力の限界値などとっくの昔に天元突破させたうえで。
だが。
「きゃっ??!!」
誰かが言っていた。慣れない運動はするものではない。
それをつぼみは体現してしまった。
見事に何もないところでつまづいてしまったのだ。
そして運が悪いことに、その先にあるものは床ではなく、階段の段差。下手をすれば、大怪我では済まない。
さすがに最悪の事態を覚悟したつぼみは目を閉じ、身を縮ませたのだが。
「……??」
いつまでも衝撃がこない。それどころか、なにか温かいものに抱き止められたような感触が体を包んでいることに気づいた。
おそるおそる目を開けると、安堵した顔をしている菖の顔がどアップで飛びこんできた。
「……っ???!!!ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ???!!!あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁ、あの??!!こ、ここここここれはいったいどういう状況なのでしょうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ??!!」
「簡潔に言えば、落っこちそうになったつぼみを菖兄さんが抱き止めたってところかしら?」
冷めた視線をつぼみにむけながら、アコが答えた。
抱き止めた、という表現につぼみは自分に視線を向けた。
そこには、菖に横抱きにされている自分の体があった。いわゆる、お姫様抱っこという姿勢である。
そのことに気づくと。
「……きゅ~……」
つぼみは顔を真っ赤にして意識を手放してしまうのだった。
突然、気を失ってしまったことに菖は困惑してしまっていたのだが、アコもゆりも冷めた視線を向けるだけで、なにも助言しなかった。
そんな二人の心中は。
――お姫様抱っこ、うらやましい……
であったことは、ここだけの秘密である。
ちなみにほぼ同じタイミングであきらからひかりを確保したという連絡があった。
なお、この時点で、逃走組の脱落者は八人。残り人数は、三十四人。そして、残り時間は二時間五分であった。
あとがき代わりのその頃の話(スキット風)
~待機組~
ひめ「あ~……あたしたちの大会、終わっちゃったよぉ……」(;ω;
いちか「まぁまぁ」(^^;
のぞみ「う~ん、でもわたし、けっこう早く捕まっちゃったからなぁ……」(´・ω・`
ラブ「わたしも~」
やよい「そうなの?」
いちか「あはははは……実は、開幕早々……」(-□-;
ひめ、やよい、祈里「「「……あぁ……」」」
ひかり「……ところで、なんでつぼみさんは顔が真っ赤なんですか?」
つぼみ「えっ??!!しょ、しょれはでしゅね……はうぅぅぅぅぅぅっ」(///□///
ひめ「……ほぉ?これはなにやらラブロマンスの匂いがしますぞ?!」
のぞみ「えっ?!なになに?!何があったの??」
つぼみ「た、大したことじゃありませんよ?!しょ、菖さんにお姫様抱っこされちゃっただけで……はっ!!」
ひめ、ラブ「「ほほぉ~?」」(・∀・
やよい、のぞみ「「きゃーっ!!」」(///▽///
ひかり「……うらやましいです……」
つぼみ「……はうぅぅぅぅぅぅっ……」