ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~ 作:風森斗真
はい、秋はとっくに過ぎて季節はすっかり冬ですが、スポーツの秋です。
えっと、まず先にお詫びを。
剣崎さんの設定、消しました。
ぶっちゃけ、使うとしてもドキドキベースの話になりそうなので、ここじゃ関係ないかなと想いまして。
で、代わりにこっちを投稿することにしました。
これで通算99話。うん、約束は破ってない!!(オイ
<前回までのあらすじ>
めぐみの突然の思いつきで急きょ始まった、かくれんぼ大会。
菖、ゆり、ゆかり、あきらの高校生と、アコ、亜久里の小学生コンビ、そして誠司を含めた捕獲チームは次々と隠れていたつぼみたちを捕獲、脱落させていった。
いよいよ残っているメンバーは
そして、残り時間は一時間にせまろうとしていた。
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残るメンバーは体育会系の体力お化けのみ。
その状況に、まりあは一度、作戦を練る必要があると考え、インカムを通じて作戦会議を行うことを提案した。
もちろん、異論があるものはおらず、菖とアコも立ち止まって通話に参加していた。
『で、作戦についてなんだけど、菖くん、ゆりちゃん。何か策はあるかしら?』
「いや、自分でふっておいてそれですか」
「なんで、わたしたちなんですか?」
『だって、わたし、はるかちゃんたちならともかく、ほかの子についてはほとんど知らないんだもの。このメンバーの中じゃ一番古株の二人なら何か策を思いついてると思ったのよ』
「……なるほど。まぁ、なくはないって感じですかね?な、ゆり?」
『……そうね』
「そうなの?兄さん、姉さん」
菖の一言とそれに同意するするゆりの声に、隣で座っていたアコがそう問いかけた。
残っているメンバーは、なぎさ、咲、りん、響、あかね、なお、マナの七人。いずれも、スポーツ万能を絵に描いたような子たちで、正面から正々堂々捕まえようとしても逃げられるのがオチだ。
しかし、一部を除くが、彼女たちには共通の、そしておそらく、唯一無二の弱点が存在している。
その弱点とは。
「『色気より食い気。とにかく食欲旺盛な腹ぺこちゃんが多い』」
「……ねぇ、兄さん、姉さん。もしかして、思いついた策って……」
「『食べ物で釣る』」
『ですよねぇ……』
菖とゆりの答えに、インカムからため息まじりで全員同じ答えを返してきた。
彼女たちに共通する、唯一無二の弱点。それは、食欲が旺盛であるということだ。
そして、そこが菖たちの勝機となりえる、唯一の突破口でもあった。
唯一の問題は、食堂やキッチンも「
菖とまりあ、そしてゆかりには何か策があるらしく、薄ら怖い笑みを浮かべていた。
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それから少しして、
――くんくん……この匂いは、どこから?
まだ競技中であるにも関わらず、なおは匂いにつられるようにして、隠れていた場所からふらふらと不用心に出てきてしまった。
実のところ、なおは今まで菖やゆかり、ゆり、あきら、まりあといった超がつくほど理不尽な高校生たちとの追いかけっこで余計な体力を使ってしまったため、空腹が限界に達し始めていた。
そのため、ほんのわずかに残った理性的な部分が『これは罠だ!』と叫んでいても、
そして、それは他のメンバーも同じだったらしい。
注意して見れば、なぎさや咲、響、そして、生き残っているメンバーの中で唯一のツッコミ役であるはずのりんもとろんとした顔でふらふらと匂いのもとへと向かっていっていた。
さながら、花の甘い香りに誘われる蝶のようだが、その先にあるものが甘い蜜ではなく、食虫植物の消化器官であることはいうまでもない。
そして、案の定、彼女たちが向かう先には。
「「いらっしゃ~い♪」」
「さぁ、観念して捕まっておくれ?」
「うふふ、逃がさないわよ?」
全員集合していた捕獲チームが待ち構えていた。
が、気づいたときにはもう遅かった。
罠であることに気づいて、逃げようと身を翻したなぎさたちだったが、頭上からいきなり白い何かをかぶせられてしまい、うまく身動きがとれなくなってしまった。
その結果、あえなく御用となり、捕獲チームの勝利が確定したのだった。
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その後、捕獲チームの勝利が確定し、賞品であるオープニングパーティーの招待券は捕獲チームに進呈された。
簡単な進呈式を終了させ、お疲れパーティーということで、キッチンに控えていたシェフ見習いたちが腕に寄りをかけて作った料理の数々がホールのテーブルに並べられた。
むろん、公的な場ではないとはいえ、パーティーはパーティー。捕獲チームも逃走チームも全員、パーティードレスに着替えての参加となっていた。
「菖、ここにいたのね」
「うん?ゆりか、どうした?」
「別に。ダンスはないけれど、壁のしみになるよりはましかと思って声をかけただけよ」
「あははは……」
グラスに注がれたノンアルコール・シャンパンを楽しんでいると、ゆりが声をかけてきた。
なお、ゆりが着ているドレスは、ムーンライトのときの衣装を意識しているらしく、薄紫のワンピースタイプのドレスである。胸元には白いリボンが飾られており、肘近くまである白い手袋もあって、どこかのご令嬢のような雰囲気を出していた。
ちなみに、菖は青いジャケットに白のワイシャツ、そして赤い生地に、緑と黄色の糸で唐草文様の刺繍が施されているネクタイを締めている。
さすがに何度目かのパーティー衣装であるため、互いに慣れてきてはいるのだが、やはり普段と違う格好になると今まで見えていなかった魅力というものに惹かれるらしく。
「「……」」
声をかけてきた理由に苦笑を浮かべたあと、菖もゆりも互いに照れくささから言葉を失ってしまっていた。
どう切り出したものかな、とどちらからとなく考え出していると、黒いレースで飾られたドレスを着たなぎさが声をかけてきた。
「菖さん!ゆりさん!!」
「よ、なぎさ」
「お疲れ様」
「菖さんもゆりさんも、お疲れ様です!」
勝負の結果などどこへやらという感じで、なぎさは二人に明るい笑顔を向けてきた。
が、すぐにその顔には疑問符が浮かんできた。
「そういえば、あたしたちを捕まえるとき、どうやって、あのおいしそうな匂いを出したんですか?ルールだと、関係者以外立ち入り禁止の場所に入ることはできないんじゃ?」
なぎさの疑問も最もである。
なぜなら、あの時に漂ってきた香りは、いまこのホールに並んでいる料理のものと同じくなのだ。
が、競技中は「
それはもちろん、厨房も含まれている。
だというのに、あの匂いをどうやって充満させたのか。
「あぁ、あれな」
「あれはね、厨房の扉を開けて扇風機で厨房の空気を廊下に送ったのよ」
「……え?」
単純といえば単純ではあるが、限りなく成功率が低い作戦であることに、なぎさは目を丸くした。
匂いの発生源から遠くなればなるほど、匂いが薄れていってしまうことくらい、なぎさもわかっている。
だが、あえて、菖たちは匂いを厨房から流してきたのだ。
「……なんで、そんなんで成功するって思ったんですか?」
「「お前/あなたたちの食欲がどれだけ強いかはわかっているからな/ね」」
菖とゆりは声をそろえて、そう返してきた。
なぎさにしても、りんにしても、響にしても、なおにしても、体力お化けな一面が強いのだが、それと同等、いや、それ以上かもしれない一面を持ち合わせている。
それが、食いしん坊キャラ、というものだ。
そして今回の競技では、菖たちから逃げるため、彼女たちは想像以上のカロリーを消費し、かなりの空腹状態にあった。
そのため、わずかな料理の匂いも敏感に捉えることが出来た、というわけだ。
そして、そうなる可能性の方が強いことを菖たちは信じていた。
なにしろ、今回追いかけっこをすることになった彼女たちは。
「「信頼できる仲間、だからな/ね」」
「……そんなところを信頼してほしくない……ていうか、ぶっちゃけ、ありえな~~~~~いっ!!」
普段はうれしく感じる言葉と信頼なのだが、今回ばかりはそれを喜んでいいのか悪いのか。
いや、喜びたくないなぎさは、頭を抱えて絶叫するのだった。
あとがき代わりのその後の話(スキット風)
~パーティーの出し物~
ありす「それでは、余興として、皆さんに得意の一発芸を」
マナ「それじゃ、一番手はわたし!!あたしの歌を……」
六花「やめなさい!!」
ゆかり「うふふ♪菖は何をするつもりかしら?」
あきら「あぁ、少し楽しみだね」
まりあ「あらあら♪」
ゆり「菖、期待されているわね、あなた」
菖「勘弁してくれよ……」
ゆり「あら?あんなキラキラした目をした二人を見ても、そんなことが言えるかしら?」
菖「ん?」
アコ、亜久里「「……(ジーッ)……」(・ω・*
菖「……はぁ……しゃあない。なら、とっておきをやってやるか」
ゆり「うふふ、楽しみにしてるわね♪」