ハートキャッチプリキュア!~もう一人の戦士"大樹の騎士"~   作:風森斗真

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正確には10年じゃなくて、9年ですが……まぁ、いいですよね
てわけで、Go!プリの10年後話です
ていっても、はるかとトワ、カナタとアロマの四人(三人と一匹?)がメインなので、菖さんやほかの子は出てきませんが
あと、子ども向けアニメだったら絶対に言及しないようなことに触れてますが、そこはご容赦を

では本編どうぞ


10 years after story~ふと思いついた未来の話~

 希望に満ちた王国、ホープキングダム。

 かつては絶望の魔女を名乗るディスピアによって、王族のみならず民草も絶望の檻に閉じ込められ、滅亡の危機に瀕していた。

 だが、過去にディスピアを封じた『伝説のプリンセス』たちの力を受け継ぎ、プリキュアとなった四人の少女たちによって救われ、今はディスピアの影響を残しながらも平和で穏やかな日々が流れている。

 その王国で、一つの喜ばしいニュースが流れた。

 ホープキングダムの王族であり王太子プリンス・ホープ・グランド・カナタが、ディスピアからホープキングダムを救ったプリキュアの一人、キュアフローラと婚約したというのだ。

 むろん、ホープキングダムと縁戚を結び、あわよくばホープキングダムないしは自国での地位向上を目論んでいた貴族たちからは反発の声もあった。

 だが。

 

『我が国が、そして民がディスピアの災いにより動くことができなかったとき、王太子カナタを支援してくれた国があったか? ホープキングダムを支援しようと動いていた国があったか? 何もせず、静観を決め込んだ貴国らの貴族たちよりも、我が国ばかりか世界を絶望の森から守ったグランプリンセスはるかこそ、我が国の未来の王妃として迎えるにふさわしい』

 

 一歩間違えれば侮辱としてとられかねないが、嘘偽りない事実をホープキングダム国王が唱えたことにより、その反発の声は収まった。

 なおも反対しようとする勢力がなかったわけではないが、パルミエ王国やメイジャーランド、メルヘンランド、トランプ王国、ブルースカイ王国、ハルモニア、パンプキン王国にクッキングダムと。プリンセスではないがはるかたちと同じくプリキュアとして戦った少女たちや、彼女たちとともに戦う光の戦士によって救われた国家が背後(バック)についている。

 さらに、噂ではプリキュアたちの中にはとてつもない財力を有している家の生まれのものも多数いるという。

 仮に、はるかに何かをしようものなら、その背後にある事実を調べ上げられたうえ、政治経済、世論など、あらゆる方向からの攻撃を受けることは必至。

 はるかの友人たちからの攻撃だけならばまだしも、さらには外交問題も発生する。

 そうなってしまえば、責任追及は免れない。

 ならば、はるかとカナタの婚姻を認めるほかないと、反対勢力に属しているほとんどの貴族が自身の利益と安全を天秤にかけた結果、沈黙することを選んだようだ。

 

「まったく、助けることもしないで文句ばかり言ってきて、本当に調子のいいことだロマ」

「そういってあげるな、アロマ。彼らとて、自分の国の民を護ることで手いっぱいだったのだろう。それに、陛下の言葉が事実であったからこそ、あれ以来、僕とはるかとのことで文句を言ってくる貴族は減ったんだ。それなら、僕らがこれ以上、目くじらを立てても仕方がないさ」

 

 ディスピアの侵攻がホープキングダムを飲み込むだけにとどまった理由は、ディスピアを封じる鍵であるプリンセスキーを破壊するため、はるかたちのいる世界を侵攻することに注力していたためだ。

 だが、仮にそれがなければ、ディスピアはホープキングダム周辺国の侵攻にも着手していた可能性がある。

 その対策に手いっぱいで、カナタを支援することができなかった。

 それを理解していたカナタが、専属の執事として正式に配属されたアロマに告げる。

 

「それはそうですがロマ……」

「それよりも、早く今日の仕事を終わらせよう。トワがいてくれているとはいえ、慣れない環境ではるかが不安になっているかもしれないからね」

 

 まだ何かを言いたそうなアロマをなだめ、カナタは一日の職務を終わらせようと声をかける。

 本音のところは、ホープキングダムへ帰還することになってからの十年。はるかがどのように過ごしていたのかを知りたい。離れていた間の時間を、少しでも埋めたいというところだろう。

 アロマもそれをわかっているため、それ以上は何も言わず、カナタとともに王城へと戻っていった。

 

 

 

 

 カナタとアロマが王城へ戻っていたちょうどそのころ。

 王城の一室では、はるかとトワが机に並べられた資料とにらめっこを繰り広げていた。

 

「う~ん、と。この人があの国の王族で、この人が……」

「あら? お義姉(ねえ)さま、こちらをごらんください」

「え?……って、トワちゃん。やっぱりその呼び方なの?」

 

 カナタと婚約する以前から、トワははるかを『お義姉さま』と呼んでからかう節があった。

 だが、婚約してからというもの、彼女が自分を『お義姉さま』と呼ぶ回数が増えているような気がしているようだ。

 はるかにとって、たしかにトワは義理の妹ということになる。だが、はるかにとってトワは同じグランプリンセスを目指し、ともにディスダークの脅威を退けたプリンセスプリキュアの仲間であり、同級生なのである。

 いつまでも『お義姉さま』と呼ばれることに、むずがゆさと寂しさを感じるらしい。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 トワが指摘した参列予定者の一覧を見て、はるかの目はキラキラと輝きだす。

 そこには、自分たちより以前から世界を闇の勢力から守るために奮闘した、心強い先輩プリキュアたちの名前が連なっていたのだ。

 

「もしかして、なぎささんたちだけじゃなくて、いちかちゃんたちも来てくれるの?!」

「そのようですわね。それにご覧ください。菖さんも奥様方と一緒にいらっしゃるようですよ?」

 

 菖さんの奥様方、というのは、第一正妻であるゆりを筆頭にした五人のプリキュアたちだ。

 菖と彼女たちははるかとカナタの婚約が正式発表される少し前に結婚し、現在はそれぞれの夢であった仕事や活動に精を出しつつ、愛を育んでいるそうな。

 

「ほんとだ。てことは、久しぶりにみんな集まるってことかな?」

「そうなりますわね。そういえば、めでたい席で皆様が集まることができたことって……」

「あ~……あんまりないかも? ほら、わたしたちが集まるときって何か事件とか厄介事が起きた時だし」

「思い返せば、そうですわね……」

 

 はるかの言葉に、トワはため息交じりにそう返す。

 なぜか、プリキュアと光の戦士たちが全員集合すると闇の勢力による襲撃や事件が発生するという現象が見舞われている。

 全員ではなくとも、いくつかのチームが一緒になっただけでも結構大きな事件に巻き込まれたり、合流した時点で大きな事件が発生したりすることが何度となくあった。

 その時期が、特に春や秋に集中しているため、毎回必ず、というわけではないのだが、それでも及び腰になってしまう。

 

「さ、さすがに大丈夫だよ!……あんまり自信ないけど」

「はるか……いえ、そうですわね。あまり悲観的になってもいけませんわ」

 

 はるかの言葉にトワも賛同し、ひとまず、悲観的になることはやめた。

 が、念には念を、という言葉がある。

 

「ですが、念のため、警備はある程度厳しくしたほうがいいですわ。来賓の中には、王族の方もいらっしゃいますし、何より、主役であるはるかが飛び出さないようにしなければ」

「そ、そうだね……うん、花嫁が飛び出しちゃだめだよねぇ……」

「……はるか? まさかとは思いますが、もしもの時は自分も飛び出すおつもりでしたの?」

「……」

「目をそらさないでくださいまし!」

 

 まさかとは思っていたが、本当に主賓である自分が飛び出すことも視野に入れていたことに呆れ、ため息をつくトワだったが、同時に十年が経っても変わらないはるからしさに、少し微笑ましいものを感じてもいた。




~おまけ~

結婚式当日:婚儀中

菖「お。新郎新婦の入場だ」
ひかり「わぁっ……」
つぼみ「はるかさん、すっごく綺麗ですっ!!」
いおな「さすが、花のプリンセスね」
舞「ふふ、いおなさん。正しくはグランプリンセスでしょ?」
ゆり「ふふふ……次は、きららの番かしらね?」
きらら「え……えへへへへ……」
みなみ「ふふふ。きらら、顔、にやけてるわよ?」
きらら「そりゃにやけるっしょ。大好きなダーリンとの結婚式なんだし♪」
菖「あぁ、そっか。明と婚約したんだっけ? おめっとさん」
きらら「にっししし♪ ありがとう、菖さん」
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